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1年生の学習内容
「ゆとり教育」の失敗?反省?のため、授業時間数が増やされることになりましたが、それによって学力低下が解消されるのかどうかは未知数。その一方で中学受験の準備開始時期がどんどん早まっているように思います。
学習の基礎となる1年生の授業の内容について紹介します。
(年間学習カレンダーについては、現在調査中です。)
こくご
文字・文法
- ひらがなの読み書き(濁音、半濁音、拗音、撥音、促音を含む)は、時間をかけている学校でも5月中には修了。テキスト以外の副読本やプリントで、1日に2~3個ずつの文字を学習していきます。
(クラスの大部分が「ひらがな・カタカナの読み書きOK」というなら、最初から丁寧にやっていると子ども達が飽きてしまうから、「おさらい」程度でどんどん進めてしまう可能性もありです。)
- カタカナの読み書きは2学期です。運動会の練習の頃にざーっと習い(「ひらがな」より指導は雑であることは確か)、それも1~2週間でオシマイ!なので、あまり使わない「ヌ」や「ヲ」は覚えていないということも。
(中学生でもカタカナを全部きちんと書けない子、本当にいます。)
- 1年生は漢字を80字履修。2学期から始まります。昔は40字(1977年以前)だったことを考えると倍増しています。そんなに難しい字はありませんが、2年生以降で履修する漢字は年間160~200字と一気に増えるので、ここで取りこぼすと大変!なのは事実です。
漢字の学習は授業ではほとんど取り上げず、「自学」で進める必要があることも多いです。
読解
- 国語の授業は、4月から「ひらがな」だけでなく、当然テキストの読解もあります。最初の頃は簡単で短い文章なので、万が一読めなくても「耳から入る音」で暗誦することは可能。
ただし単元が終わるごとにテストをする先生だと、文字がきちんと読めて理解できないと「テストの「問い」が読めない!?」なんてことも。
- 各学期のまとめと称して「実力テスト(市販テスト)」を行う学校もあり。もちろん初めて読む文章(説明文や物語)での読解力テストなので、1字ずつ読んでいるようだとあっという間にタイムオーバー。話にならないかも。
作文
- 1年生で「書く」というのは、文字を使って「単語」が書けるのでなく、「せんせいあのね」という始まりで「文章(作文)」が書けるということです。
(もっとも『きのう遊園地にいってきました。楽しかったです。』程度の作文が多いようですが、かなり大人っぽいものを書く子もいます。)
- 1ページ(10マス×7行)のノートで、だいたい3~4枚程度(200~300字)を書くことを求められます。長さは勝負ではないのですが、子どもたちにとっては「長く書く!」ことに意義があるようで、やたら句読点や改行を使ってマス目を埋める子も。
読書感想文などのコンクール用の作文は800字程度が必要となります。
- 頭の中で「文章」が浮かんでも、文字が「えっと…」という感じではなかなか作文にはならないので、内容というよりも「文字をいかにスラスラ反射的に書けるか」が勝負。
また、習った漢字は使用するという「お約束」があるようなので、漢字を思い出しているうちに書く内容が「わかんなくなった…」もあり。だから漢字も反射的に書けないと大変。
- 履修したはずの促音、拗音や助詞の「を・へ・は」は、1年生にはまだ難しい?こんな文章になる子も結構いるみたいです。
『わたしわ、きようおてつらいおしました。たのしかたてす。』(「源氏物語」なみに読みにくい。)
間違いがあったときは、先生が赤で訂正してくれるので、少しずつ覚えるようにしていきましょう。
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さんすう
計算
- 算数では一番はじめにでてくるのは「数と数字」ですが、教室のなかで「知ってる!」という子が多いと、数字の練習(8や9は書きにくい)程度で終わってしまうことも。
1年生では、先ず「計算のもと(素過程)」とよばれる
- 1位数どうしの足し算(0+0 ~9+9)
- 1位数どうしの引き算(0-0 ~9-9)
- 12-3のような繰り下がりのある引き算(10-0 ~18-9)
を学習します。テキストは練習問題が少ないということで、ドリルやプリントを使った学習が多いようです。
- 「100マス計算」とよばれる表計算形式のプリントだと、制限時間(100問5分)を設けていて、一定の速度も求められます。
- 1年生の難関は「繰り上がりのあるたし算」と「繰り下がりのあるひき算」。特に「繰り下がりありのひき算」は2学期後半で時間不足だったりすると、かけ足程度の雑な指導で終わってしまうから要注意!
ここでつまずくと、その後の整数のたし算・ひき算だけでなく、割り算にも影響。
- 入学前に購入させられた「算数セット」のおはじきの類は、先生によってはほとんど使わなかったり、逆に「あれはよくないから」といって、新たに「計算つみき」や「計算タイル」を購入させる学校もあります。(もちろん「算数セット」は入学時に「要購入」といわれるが…。)
文章題
- 算数の文章題とはいえ、国語の読解力がなければ「たし算?ひき算?」ということになってしまいます。こだわりの強い子なんかも「赤い花が3本と白い花が2本あります。ぜんぶでいくつ?」なんていう問いに、「赤い花と白い花は違うから足せない!」とガンバル子なんかもいて大変(←つきぐまJrです^_^;)
- 子どもにとって、ものによって数え方が決まっている助数詞(個、枚など)は難しい。数によって、読み方がかわる「匹(1ぴき、2ひき、3びき)」「杯(1ぱい、2はい、3ばい)」なんかもややこしかったりします。
漢字が書けるようになれば解消しますが、ちゃんと覚えておくと大人になっても便利です。ただ1年生でできなくても、働きかけさえしておけば、いずれわかるようになります。あせらなくても大丈夫です。
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せいかつ
- 生活科は「子供の具体的な体験を重視する新しい教科」ということですが、やっている ことが「理科」なのか「社会」なのか「国語」なのか「図工」なのかという感じで、先生も親もイマイチつかめていないのが現状かも。
- また「体験する」ことを重視するせいか、その後の「総括・まとめ」がほとんどなく、ともすれば「やりっぱなし」の授業になることも。先生によってはとても上手に授業を進めて行く人もいますが、つきぐまの経験としては担任の当たりはずれがもろにわかる教科です。
- 体験学習ということで「家で調べてくること」という宿題があったり、「おうちの人の感想」ということで親が作文を書かされることもあり。
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たいいく
- 遊具を使ってのお遊び程度の運動から、夏はプール、冬場はマラソン(持久走)やなわ とびを使うことが多いようです。運動会前は運動会の練習があります。
その他、合間合間に器械体操系(鉄棒・とびばこ・マット)もあります。
- 体育科目は「できる・できない」がはっきり見えるだけに辛いこともあるようですが、子どもが「できるまで」学校はお付き合いをしてくれませんので、先生にお任せ~としているといつまでたっても「できる」にならないこともあります。。。
つきぐまの感想
1年生で大事なことは
・「概念」を身につけさせる
・勉強することを嫌いにしない(苦手意識を持たせない)
だと思いました。
大人にとってはもう当たり前の概念になっているため、「数とは何か」「足すとは何か」のような問いにうまく答えることができません。だから、この説明ができてきちんと指導ができる先生に当たれば儲けもの。ついでに「考える」ことの大切さもきちんと教えてくれる先生なら大変ありがたいですね。でも当たらなければ家でがんばるしかありません。(学校はそこまで面倒見てくれないのが実情です。)
概念の理解ができていなくても、表向きは数の操作も文字の読み書きもできるようにはなります。だから安心しがちなのですが、身についていなければ中学生以降で表出してきます。
学校も親も何かにつけ「早く早く」と急かすことが多いですから、特にじっくり考えて理解する子は「とろい子」というレッテルを貼られることもあります。でも「じっくり考えて」は概念を理解するうえで非常に重要だと思います。「じっくり」 → 「時間がかかる」 → 「できない」 → 「ダメな子」と劣等感を持つことのないよう家で見守ってあげてほしいと思います。
この時期たとえ出遅れたとしても、しっかり概念を理解し「考える」ということを身につけた子はこれから先で取り返せますよ。
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