Now you know, my friend, that I cannot measure anything, and of the beautiful, I am simply such a measure as a white line is of chalk; for almost all young persons appear to be beautiful in my eyes. But at that moment, when I saw him coming in, I confess that I was quite astonished at his beauty and stature; all the world seemed to be enamoured of him; amazement and confusion reigned when he entered; and a troop of lovers followed him.
Now you know, my friend, that I cannot measure anything, and of the beautiful, I am simply such a measure as a white line is of chalk; for almost all young persons appear to be beautiful in my eyes.
Now you know, my friend, that I cannot measure anything, and of the beautiful,
my friend は、呼びかけ。ソクラテスの回想話を、今聞いてくれている人物を指した言葉。
know の目的語は、that節。
measure は、cannnot の後ろにあるので〔動詞〕。「測定する」「評価する」
cannot...anything と not...any の形は、「全然……ない」。
of the beautiful は、measure of the beautiful となるのではないかと考えた。でも、この of が意味不明。これで「美(人)を評価する(ことなんて全然できない)」とくるのだろうか。しかし、動詞 measure に、“of+目的語”の例はないようだ。ただし、名詞measure には、“measure of 名詞”の使い方がたくさんある。「名詞の測定器」。それで、この名詞の使い方につられて、動詞measure にも of を使ってしまったのではないか。そう考えて、
「ねえ、友人よ、君も知っている通り、私には何事につけても、審査眼は全然持っていないよ。もちろん、美(男子)についてもね」
と訳してみた。でも、先ほどのことも気にかかり、しばらく前後を見つめていると、
ああ、そうか。of the beautiful は、I am simply... の節(後ろの節)を修飾する〔副詞句〕なのか。「美(男子)については、私は…」とすればいいのだ。となった。
“the+形容詞”は、「形容詞の人々」とか「形容詞の表す名詞形」、この場合では、the beautifulが、beautiful people または beauty を表すことがある。これはこちらでも説明してある。
訂正
Now you know, my friend, that I cannot measure anything,
「なあ、友人よ、君も知っている通り、私には何かを評価するなんて、全く無理なんだ」
and of the beautiful, I am simply such a measure as a white line is of chalk;
前方に as, such, the same がある後方の as は、〔関係代名詞〕の可能性がある。
as が〔関係代名詞〕ならば、〔先行詞〕は a measure。これは、as より後ろの節のどこに入るのか。
A white line is a measure of chalk. が合理的。「白線はチョークでできた物差しです」
これが〔先行詞〕a measure を修飾しているように訳せばよいので、
「そして、美男子についてだが、私は単にチョークで引いた白線の物差しのようなものに過ぎないのだ」
for almost all young persons appear to be beautiful in my eyes.
“appear to不定詞”“seem to不定詞”は、「〜のようだ」「〜しているらしい」という意味を表す。
「というのは、ほとんどすべての若者が私の目に美しく現れるのだ」
But at that moment, when I saw him coming in, I confess that I was quite astonished at his beauty and stature; all the world seemed to be enamoured of him; amazement and confusion reigned when he entered; and a troop of lovers followed him.
But at that moment, when I saw him coming in, I confess that I was quite astonished at his beauty and stature;
at that moment(,) when... で「……のとき、その瞬間」なので「……する瞬間」「……するや否や」と、no sooner...than... や scarcely...when... など、今まで出てきた表現と同じような内容を表せる。
I saw him coming in, は“S+知覚動詞+O+現在分詞”。
「しかし、私は彼が入ってくるのを見た瞬間、彼の美しさと体の完成具合に、本当にびっくりしてしまったことを白状する」
all the world seemed to be enamoured of him; amazement and confusion reigned when he entered; and a troop of lovers followed him.
もう、ここは順番通りに訳していく。
「世界中が彼に恋してしまったようだった。彼が入ってくると、驚愕と混乱が支配した。そして、愛人の一団が彼に従った」
これは、セミコロンが振られている箇所から考えて、when he entered と and a troop of... は、時間がずれているように訳したほうがいいのだろうか。なぜか、つなげたくなった。
ナレーター(ソクラテス):
なあ、友人よ。君も知っているように、私は何かを評価する目なんて、これっぽっちも持ち合わせていないんだ。美についても、私は、チョークで引かれた白線が物差しになっているようなもので、まるで役に立たないんだ。私の目には、若者ならばみんな美しく見えてしまうんだから。
しかし、あの時は違った。彼が入ってくるのを見た時、正直、彼の美しさと威厳にとりつかれてしまった。世界中が彼に恋してしまっているようだった。彼が愛人たち(取り巻き)の一団を引き連れて入ってくると、驚嘆と混乱がその場を支配した。