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[7]英文の主格補語になるto不定詞2

こちらは高校英語の文法範囲です。【to不定詞(トゥーふていし)】は、〔名詞〕〔形容詞〕〔副詞〕の働きをすることを習いましたね。いろんな働きができて便利なんだけれど、ややこしいことも確か。「[5]不定詞」で紹介したものは、明らかに〔名詞〕の働きをしています。今から紹介する〔to不定詞〕は、〔形容詞〕と考えると理解しやすいと思います。「〔to不定詞〕するような状態」というような意味になるからです。


(1)be動詞の補語となるto不定詞

「[5]不定詞」で習ったのは、「〜すること」という意味になるものでした。be動詞の直後にto不定詞が来た場合、この他に、〔予定〕〔運命〕〔義務・命令〕〔可能〕〔意志〕という意味を表すことがあります。ちょっと硬い表現なので、会話で使って自然なのかどうかは知りません。


予定

(1) We are to leave here at ten.

「私たちはここを10時に出る予定です」

We が 〔主語〕、are が〔自動詞〕、to leave...が〔主格補語〕となります。

「私たちはここを10時に出発することです」という訳は成り立ちません。全くの=(イーコール)ではないのです。「10時に出発する状態」なのです。形容詞っぽいでしょ。

=We are scheduled to leave here at ten.
公式の予定なので、以下のようには書き換えないという。
≠We are going to leave here at ten.
≠We will leave here at ten.
≠We are leaving here at ten.

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運命

(2) He was never to return home again.

「彼は再び故国に戻ってくることはなかった」

never などがついて、〔運命〕とわかるようになっています。

義務・命令

(3) You are not to talk in my class.

「私の授業では私語は厳禁」

=Don't talk in my class.
=You must not talk in my class.
=You should not....


(4) Books are to be returned within three days.

「本は3日以内に返却のこと」

張り紙の注意書きなどによく利用されます。

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可能

(5) No one was to be seen there.

「そこでは、人は誰も見られなかった」→「そこに人は1人もいなかった」

=No one could be seen there.
=We couldn't see anyone there.

〔可能〕の意味を表すとき、不定詞の部分は“to be ...”と〔受動態〕になります。to be seen, to be found と来たら、これ。

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意志・意図

(6) If you are to be in time for school, you must get up earlier.

「学校に間に合おうと思えば、もっと早く起きなければいけません」

条件節(if...)で使われていれば、これでしょう。帰結節の助動詞は must がよく使われています。

(7) If the lot were to fall on you, what would you do with it?

「もし、その宝くじが当たったら、そのお金をどう使う?」

were は、was を使う場合もあります。主語が you や 複数ならば文句なしに were ですが。

実現の可能性が低いものは、このように、be動詞が過去形になります。帰結節も助動詞の過去形を使います。仮定法の授業で、未来の実現可能性が比較的乏しい場合は、"were to","should"を使うと習うと思います。これで、“were to”の成り立ちが理解できましたね。

=Were the lot to fall on you, what would you do with it?


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(2)seemの補語になるto不定詞

seem to do

(8) She seems to like him.

「彼女は彼のことが好きなようだ」

She が〔主語〕、seems が〔動詞〕、to like him が〔主格補語〕と考えるとわかりやすい。She likes him. と言い切れないときに使う表現です。to like him は、〔名詞句〕とみる向きもありますが、〔形容詞句〕の方が近いように感じます。look と同じようなものですからね。seem to を〔助動詞〕と考える人もいます。

そのまま不定詞にしていいのは、普通 think, know, like, have などの〔状態〕を表す動詞です。〔動作〕動詞は、〔進行形〕か〔完了形〕にします。

(9) He seems to have already proposed to her.

「彼は、もうすでに彼女にプロポーズしたらしい」

〔不定詞〕の時制の授業などでよく使われるのが、seem を使った文です。判断しているのは、seem の表すときで、その判断時よりも過去のことは、〔完了不定詞〕を使います。

(10) But she seems to be waiting for your proposal.

「でも、彼女は君のプロポーズを待っているようだよ」

〔to不定詞〕が、〔進行形〕になっている例です。

(×)She is seeming....
と seem 自身が進行形となることはありません。like, have と同じ扱いの状態を表す動詞ですから。

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It seems that....

(8') It seems that she likes him.

「彼女は彼のことが好きなようだ」

これは、(8)の She seems to like him. とほぼ同じ内容を表しています。(8)の方は、彼女のようすを話し手が見て、判断を下しているのに対し、(8')の方は、周りから聞いたり、周囲の状況証拠から判断を下しているということです。まあ、でもテストに出たら、そんなことは考えずに書き換えていいと思います。

(8)の主語It は、〔形式主語〕ではありません。
(×)That she likes him seems.
という文が成り立たないからです。It が形式主語ならば、真主語は that 以後です。that の以後を主語に位置に持って来た文が成り立たないので、that 以降は主語ではないということです。

この it は、〔ばくぜんとした状況・事情〕を表しています。当然「それ」とは訳しません。私の持ってる旺文社の『ロイヤル英文法(第何版かは不明)』には、「it が that 以下の節を導入する働きをしている。形の上では<主語+動詞>となるので第1文型として扱われる。(P40)」と記されています。

でも、私は「ばくぜんとした状況は、that以降だと思われます」と考えて、It が主語、seems が述語動詞、that... が補語と見たほうがわかりやすいと思います。SVCの第2文型ですね。「導入」というのがわかりにくい。

(9)≒It seems that he has already proposed to her.
   ≒It seems that he already proposed to her.

(10)≒But it seems that she is waiting for your proposal.

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seem C

(11) She seemed depressed.

「彼女は、がっかりしているようだった」

高校になると、seem は第2文型をつくる動詞の代表の1つとして習うと思います。補語(C)の部分には、名詞・形容詞・過去分詞・現在分詞や、それらを含む句がきます。

(11)=She seemed to be depressed.
これらの前には、to be が省略されていると考えられます。seem to do の do の部分が be ならば、to be が省略できるのです。すべては、〔seemの補語になるto不定詞〕から始まっているのです。

ですから、=It seemed (to me) that she was depressed. と書き換えも可能です。ただし、(8')の例文解説のところで述べたように、違いはあります。

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appear to do

(12) Nana appeared to have forgot the name of her customer.

「ナナは、客の名前を忘れていたようだった」

≒It appeared that she had forgot the name of her customer.
appear(〜であるようだ、〜のようにみえる)も、seem と同じように使うことができます。やや、appearの方が正式で、客観的に見てそう考えられるときに使うようです。でも、These stars appears to move around the North Star.(研究社英和中辞典第5版P68)という例文もあり、間違っていることがわかっていることでも使えます。

S+appear+C(名詞・形容詞・前置詞句)
というのも、seem と同様にあります。これは、
S+appear+(to be)+C の to be の省略ですね。

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(3)happen, chance の補語になる

(13) He happened to see Socrates there.

「彼はそこで、たまたまソクラテスに会った」

「たまたま〜する」という意味の happen, chance の後ろにも、〔to不定詞〕がきます。(13) は、He saw Socrates there. という文にしても文が完成するので、to see Socrates there は、〔主格補語〕と見て大丈夫だと思います。


© 2005-2006 Chick Tack

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