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第90号 句動詞[群動詞]の受動態

 Subject: 英語の文法と語法 090
    Date: Fri, 4 Jul 2008 21:50:00 +0900 (JST)
    From: Chick Tack
      To: Readers

=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
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┛┛   英 語 の 文 法 と 語 法    No.090    20080704
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             ● 第 90 号 ●

………………
 Contents  (1)句動詞[群動詞]の受動態
………………
       (2)high five

       (3)on[in] behalf of...

       (4)法律関係のメルマガ紹介


………………………………………………………………………………………………
(1)句動詞[群動詞]の受動態
…………………………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・動詞と他の語が組み合わさって〔他動詞〕のはたらきをす
     るとき、全体を1つの他動詞とみて〔受動態〕をつくるこ
     とができる。(例)look at, take care of
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) She laughed at him.「彼女は彼を笑った」

  (a)の、She を〔主語〕、laughed at を〔他動詞〕、him を〔目的語〕と考
  えて、him を〔主語〕にした〔受動態〕を作ると、

 (b) He was laughed at by her.「彼は彼女に笑われた」

  となる。

  at by と〔前置詞〕が2つ続いているが、正しい英文である。


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 (c) Somebody has paid for your meal.
   「誰かが、あなたの食事代を支払った」
 (d) Your meal has been paid for.
   「あなたの食事代は、支払い済みです」
  (“Practical English Usage 3rd Edition”by Michael Swan, 416-1)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#peu

  (c)は〔能動態〕で、(d)は by somebody を省略した〔受動態〕である。

  (d)のような場合、〔前置詞〕で文が終わることになるが、こちらも正しい
  英文である。


 (e) Everybody laughed at the joke.「そのジョークを聞いて、みんな笑った」
   (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”
     Extra dictionary examples)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#ldoce

  laugh at の〔目的語〕は、「人」の他にも(e)の例のようなものがある。
  the joke を主語にした受動態ができるかは疑問。

  “The joke was laughed at”をグーグルの検索窓に入れたら、3件出てき
  た。使われていない可能性が高い。


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 (f) We must take good care of these flowers.
   「私たちは、これらの花を大切に世話しなければならない」

  〔句動詞〕の中には、“他動詞+目的語+前置詞(+句動詞の目的語)”と
  続くものがある。

  (f)の英文では、good care が take の〔目的語〕と考えられる。また、 
  these flowers は、句動詞 take good care of の〔目的語〕と考えられる。

  good care を主語にした〔受動態〕を考えると、

 (g) Good care must be taken of these flowers.
   「充分な世話が、これらの花になされなければならない」

  these flowers を主語にした〔受動態〕を考えると、

 (h) These flowers must be taken good care of.
   「これらの花は、充分な世話がなされなければならない」


  “他動詞+目的語+前置詞(+句動詞の目的語)”の句動詞の受動態は、
  (ア)目的語 be 他動詞過去分詞 前置詞 句動詞の目的語(gタイプ)
  (イ)句動詞の目的語 be 他動詞過去分詞 目的語 前置詞(hタイプ)
  の2つをつくる可能性がある。

  句動詞により、(ア)(イ)の両方が作れるものと、(ア)のみのものと
  (イ)しか作れないものがある。

  この分類については、学習不足なので、文法書・辞書などでお調べ願いたい。
  『ロイヤル英文法』の「群動詞の受動態」(私の版では§273)に例文つ
  きで分類してある。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#royal


………………………………………………………………………………………………
(2)high five
……………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・high five・・・右手の手のひらを広げた2人が、頭より高
            いところで、その手を合わせること。
            名詞または動詞として使う。
            アメリカ英語。
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) If you give someone a high five, you put your hand up and hit    
  their open hand with yours, especially after a victory or as a   
  greeting.
  「もしあなたが、誰かに high five をするならば、あなたは手を挙げて、
   開いた手で相手の開いた手を打ちます。特に勝利の後やあいさつとして
  (high five をします)」
  (“Collins コウビルド英英辞典 改訂第5版”トムソンコーポレーション)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#cobuild

  野球・バスケットボールなどのスポーツを観戦していると、時々出会う動作。
  テレビ・ドラマなどでも見かける。日本では「ハイタッチ」とも言う。

  文中の their は 前に出てきた「誰か」の所有格 someone's のこと。本来
  someone は単数なので his や his or her で受けることもあるが、their
  で受けるときもある。


 (b) Way to go!  High five!「いいぞ! やったー!(と手を合わせる)」
  (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 7th edition”high five)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#oald

  way to go は、「よくやった」という意味。競技などの動作終了時にも使う
  が、「今までよくやった。これからも頑張れ」という意味で「その調子」な
  どという使い方もできる。


  Give me five! と言って同じ動作をする人もいる。直訳は「私に(指を)
  5本出せ」なので、まあ、わかる。

  Give me five! の非正規表記が Gimme five! である。


 (注意)ここで紹介する英語圏の風俗や習慣は、英語圏全てに当てはまるもの
    ではない。


………………………………………………………………………………………………
(3)on[in] behalf of...
…………………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・on[in] behalf of...「…のため」=for, for the good of
               「…を代表して」「…に代わって」
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) It was in this reign that the great CHRISTOPHER COLUMBUS, on      
  behalf of Spain, discovered what was then called The New World. 
   「偉大なるクリストファー・コロンブスが、スペインのために、当時新世
    界と呼ばれた場所を発見したのは、この治世だった」
   (“ A Child's History of England”by Charles Dickens)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer03.html#che

  「この治世」とは、ヘンリー7世統治時代。

  “It is[was] 強調語句 that 残りの語句”の〔強調構文〕とみた。「残り
  の語句なのは強調語句」のように訳すことが多い。

  the great CHRISTOPHER COLUMBUS が主語で、discovered が動詞、what was
  then called The New World が目的語。

  what は〔先行詞〕を含む〔関係代名詞〕で、関係詞節中では〔主語〕の働
  きをしている。「場所」を表しているが〔副詞〕ではないので、where は使
  わない。副詞は主語にはなれない。主語になるのは名詞の役目。

  behalf は、half「片方」に be「存在して」→「〜の側に立って」→「〜を
  代表して」→「〜のため」→「味方」「支持」「利益」と考える。

  on[in] behalf of...で、「…の利益に基づいて」「…の立場に立って」。


 (b) During the agitation in behalf of woman's suffrage, an ardent   
  advocate pleaded with a tired-looking married woman.
   「女性のための選挙権の獲得運動の最中、1人の熱心な弁士が、疲れた
    ように見える既婚女性に嘆願した」
  (WOMAN SUFFRAGE from “Jokes For All Occasions, by Anonymous”)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer03.html#jokes

  アメリカ英語では、on の代わりに in が使われる。

  tired-looking は、「演説に飽き飽きしているように見える」かもしれない。


 (c) Meletus has a quarrel with me on behalf of the poets.
   「メレトスは、詩人たちを代表して、私と争っている」
  (“Apology, Also known as The Death of Socrates”by Plato
    Translated by Benjamin Jowett 一部改めた)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/plato.html#apology

  「代表して」の例。メレトスは詩人。


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 (d) I thank my God always on your behalf, for the grace of God
  which is given you by Jesus Christ;
  「私は、あなた方のために、いつも神に感謝している。イエス・キリストに
   よって、あなた方に与えられた神の愛に対して」
  「あなた方はイエス・キリストによって、神の愛を与えられた。私はあなた
   方に代わって、いつも神に感謝している」
  (The Bible, King James version, Book 46: 1 Corinthians 4)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#bible

  on someone's behalf という形もある。on behalf of someone の of   
  someone が所有格として behalf の前に出た形。もちろん、in someone's
  behalf もある。

  thank 人 for... は「…をしてくれたので人に感謝する」という形。
  私の世代では、山口百恵の『さよならの向こう側』で何度も繰り返されるの
  を聞いた方が多いのではないだろうか。


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(4)法律関係のメルマガ群
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 食品についての偽装や詐欺は、以前から行われていたと思います。現在騒がれ
 ている事例も氷山の一角ではないでしょうか。

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● あとがき

 私の父は、現在取りざたされている食肉会社の直売所に、牛肉を買いに行った
 ことがあります。自宅は、本当に立派な屋敷だったと言っています。

 そのときのお肉は、おいしくいただきました。


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 プラトンは『国家』の中で、登場人物にこんな内容のことを言わせています。
 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#republic

 完全に不正を行う人間は、そのことを絶対に悟らせない。そして、かえって正
 義の人であるという評判を得る。

 人々の多くには、そんな能力はないので、しぶしぶ正義を守り、他人から不正
 を受けないように法律を作る。

 正義を守っている人も、ひとたび完全な不正を働ける立場と能力を持てば、不
 正を働く。

 もちろん、ソクラテスはこの意見に反論していくのですが……。


・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・
        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2008
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