Subject: 英語の文法と語法 095
Date: Sat, 30 Aug 2008 12:00:00 +0900 (JST)
From: Chick Tack
To: Readers
=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
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┛┛ 英 語 の 文 法 と 語 法 No.096 20080830
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● 第 96 号 ●
………………
Contents (1)話法の転換 〜 命令文 〜
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(2)The Tooth Fairy
(3)in spite of oneself
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(1)話法の転換 〜 命令文 〜
……………………………………………
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命令文を間接話法で伝える場合、to不定詞で伝えるのが一般的
・命令の場合・・・“S tell O to不定詞”
・依頼の場合・・・“S ask O to不定詞”
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(a) The teacher said to the children,“Sit down quietly.”
(下の例文(b)をもとに作成)
(b) The teacher told the children to sit down quietly.
(“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”tell-3)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#ldoce
「その先生は、子供たちに静かに座るように言った」
伝達される文が〔命令〕の場合、間接話法は“tell O to不定詞”を使うの
が一般的。この構文は現在中学校でも教えている。
(c) The teacher told the children that they were to sit down quietly.
(d) The teacher told the children that they should sit down quietly.
(内容は(b)と同じ)
のような that節を使った例も見かけたことがあるが、まず(b)の表現で十分
だろう。
(c)は“were to不定詞”の部分で〔命令〕を表している。
(e) The teacher ordered the children to sit down quietly.
(内容は(b)と同じ)
また、命令の場合、tell の代わりに order「命令する」を置くこともある。
command, warn も見かけたことがある。
(f) The officer commanded the soldiers to leave.
(“The AMERICAN HERITAGE Children's Dictionary”HOUGHTON MIFFLIN)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/dicchild.html#heri
「将校は、兵士たちに出発するよう命じた」
権力者が命ずる場合、command がふさわしい。特に軍隊は command が合っ
ている。
warn の例は、下方にある例文(o)で。
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(g) I said to Sarah,“Please slow down!”
(h) I asked Sarah to slow down.
(“English Grammar in Use 3rd Edition”by Raymond Murphy Unit 48
Exercises 48.3.2)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#egu
「私はサラに、スピードを落としてくれるように頼んだ」
(g)(h)での slow は形容詞や副詞ではなく「速度を遅くする」という意味の
〔動詞〕。
伝達される文に please が使われていたり、Could you...? Would you...?
Will you...? などの〔依頼〕の文のときは、間接話法の伝達動詞に ask を
使う。
(i) I said to Sarah,“Could you slow down?”
(内容は(g)(h)と同じ)
(i)のようであっても、間接話法に書き換えたとき(h)とすることができる。
依頼の場合、ask の代わりに beg, request なども使える。
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(j) The doctor said to me,“You should eat less fat.”
(例文(k)から作成)
(k) The doctor told me (that) I should eat less fat.
(“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 7th edition”tell-5)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#oald
「医者は私に、摂取する脂肪分を減らすようにと言った」
(k)は、to不定詞ではなく that節を使っている例。このような専門家の言う
ことは、
(l) The doctor advised me to eat less fat.
(内容は(k)と同じ)
“advise O to不定詞”で表してもよい。
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(m) The policeman said to me,“Don't park here.”
(例文(n)から作成)
(n) The policeman told me not to park there.
(“Practical English Usage 3rd Edition”by Michael Swan 277-1)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#peu
「その警官は私に、そこに駐車するなと言った」
〔否定の命令文〕が伝達される場合、間接話法では“not to不定詞”となる。
(o) The teacher warned the student not to be late again.
「先生はその生徒に、二度と遅れないようにと注意した」
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(p) He said,“Let's go for a drink.”
(例文(q)から作成)
(q) He suggested that we go for a drink.
(“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”Grammar欄)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#ldoce
「彼は1杯呑みに行くことを提案した」
Let's...の英文を転換するには、suggest, propose を使う。suggest より
propose の方が強い提案となる。
go は〔仮定法現在〕の用法。提案・要求・主張・決定・命令などを表す動
詞に続く名詞節中では、仮定法現在(原形を使う)。
第4号(1)の部分に関連説明あり。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/001-010/egu004.html
should go は可能。go の部分を went にする場合もあるようだが、推奨し
ない。
また、
(×)He suggested to go for a drink.
(×)He suggested us to go for a drink.
suggest には、to不定詞が続く形がない。しかし、
(r) He suggested going for a drink.
(s) He suggested our going for a drink.
〔動名詞〕は続くことがある。
(t) He suggested to us that we go for a drink.
(×)He suggested us that we go for a drink.
suggest のあとに告げる人を置くときには、前置詞 to が必要。飲みに行く
のが2人だけの場合、to us の部分は、to me となる。
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(2)The Tooth Fairy
……………………………
英語の学習ではないが、西洋の習慣の1つを紹介する。
あなたは、乳歯(a milk[baby] tooth)が抜けたとき、その乳歯をどうしただ
ろうか?
上の歯が抜けたのならば床下(縁の下)に、下の歯ならば屋根に、その歯を
投げなかったであろうか?
中国やベトナムなど、東アジアや東南アジアの国々の一部でも、このような
風習が見られるそうだ。
アメリカ合衆国やイギリスでは、乳歯が抜けると、それを枕の下に隠して眠
るのだ。寝ている間に歯の妖精(The Tooth Fairy)が、やって来てコイン
(少額のお金)や他のものと交換してくれるのだ。
実際には、サンタクロースのプレゼントと同じように、両親や祖父母などが
歯を持って行く代わりに、コイン(場合によっては紙幣も)を置いて行くの
だ。持って行った乳歯は、Tooth Fairy Box に入れて保管する。
ドイツの古い風習では、抜けた歯をネズミの穴に入れた。ネズミの歯は丈夫
で、ぐんぐん伸びる。これを見習って永久歯(a permanent[an adult]
tooth)がしっかり生えますように、と願ったのだ。
,
ラテン系の国々では、Tooth Fairy は、Ratoncito Perez という子ネズミの
形で現れ同じことをしてくれる。やはり、ネズミが関係しているのだ。
天井や床下にはネズミがいるので、日本の風習もネズミの歯のたくましさに
あやかろうとしているのではないだろうか。
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(a) The tooth fairy is an imaginary creature. Children are told that
if they put a tooth that comes out under their pillow, the tooth
fairy will take it away while they are sleeping and leave a coin in
its place.
(“Collins コウビルド英英辞典 改訂第5版”トムソンコーポレーション)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#cobuild
「The tooth fairy は空想上の生き物です。抜けた歯を枕の下に置いておけ
ば、寝ている間に The tooth fairy がその歯を持って行って、その代わ
りにコインを置いていってくれる、と子供たちは教えられます」
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(3)in spite of oneself
…………………………………
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・in spite of...「……にもかかわらず」
・in spite of oneself「思わず」「意志に反して」
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(a) They kept on in spite of their fears.
(“The American Heritage dictionary of Idioms”by Christine Ammer)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ahdi
「彼らは、彼らの恐怖心にもかかわらずやり続けた」
→「彼らは怖かったけれど、やり続けた」
“in spite of...”は「……にもかかわらず」という意味の重要表現。
この……の部分に oneself が入ると、「我知らず」「思わず」という意味
になる。
kept on は、「前進を続けた」とも解釈できる。
(b) And I laughed, when I saw him, in spite of myself.
(“Childhood's Favorites and Fairy Stories” The Young Folks
Treasury, Volume 1)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer03.html#cffs
「そして、彼を見たとき、私は思わず笑った」
oneself の部分には「自分自身の考えや意志」という意味があるのだろう。
(c) There was real passion in his voice, and in spite of myself I
was impressed.
(“The Moon and Sixpence”by W. Somerset Maugham)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer03.html#sixpence
「彼の声には真の感情がこもっていて、私は思わず感動した」
幸せな家庭と順調な仕事を捨て、ひとりパリに移り住んで絵を描き始めた
「彼」は、「どうしても描かずにはいられない」と理由を述べた。
「私」には、とうてい理解できない。しかし、「彼」の説明にうそはないと
感じたのだ。
ゴーギャンの生涯に触発されて書いた、モームの『月と六ペンス』中の文。
(d) And hitherto most of us had been able to control our sorrow; but
now when we saw him drinking, and saw too that he had finished the
draught, we could no longer forbear, and in spite of myself my own
tears were flowing fast; so that I covered my face and wept, not
for him, but at the thought of my own calamity in having to part
from such a friend.
(“Phaedo”by Plato, Translated into English by Benjamin Jowett)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/plato.html#phaedo
「そして、私たちのほとんどの者は、それまで悲しみをコントロールできて
いたが、彼が(毒を)飲んでいるところと、飲み終えたところを見た時に
は、もう我慢ができなくなった。そして、自然に涙がとめどなくあふれて
いた。それで、私は顔を覆い泣いた。彼のために泣いたのではなく、その
ような友人と別れなければならない私自身の不幸を思って泣いたのだ」
彼とはソクラテス。彼は死刑判決を受け毒杯をあおる。彼の臨終に立ち会っ
たパイドンの回想の一部。このあとソクラテスは息を引き取る。
draught は draft のイギリス英語つづり。「飲むこと」という意味。
so that は〔結果〕の節を導く。「だから」「その結果」などの意味。
not A but B は「AでなくB」。
part は〔動詞〕で、「別れる」「離れる」。part from... で「…と別れる」
in having to は、前置詞 in のうしろなので、have to が〔動名詞〕にな
っている。
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参考文献 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html
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● あとがき
私の妹は、京都の大原に嫁いでいます。旦那の家は三千院の門前で茶店を開い
ています。
昨年、妹は母に1冊の書籍を買ってきてくれました。大原でハーブの栽培
をしているベニシアという人が著した園芸本です。母親の名前と簡単なメッ
セージ、著者のサインが書き込まれたものです。
「ベニシアのハーブ便り ― 京都・大原の古民家暮らし Venetia's Ohara
Herb Diary」http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/link/venetia.html
ハーブを使った防虫剤の作り方や料理レシピなども載っていて、母はすっかり
気に入ってしまいました。友達にもやるから3冊注文しろ、と命じられました。
8月の28日には、NHKの教育テレビで著者の出演する番組が放映されてい
ました。本を読んで予備知識があるため、母はコメントしながら観ていました。
以前から草花や数種のハーブを育てていた母ですが、種類が増えそうな気配が
します。あまり面積を増やしてもらうと困るのですが……。
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(c) Matsumiya Institute of Thinking 2008
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