=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━ ┛┛ ┛┛ 英語の文法と語法 No.109 20081209 Chick Tack ┛┛ ………………………… …………… ……………… …………… ┛┛ http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/index.html ┛┛┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 第109号 ● ……………… Contents 間接疑問1 ……………… (1)直接疑問文と間接疑問 (2)間接疑問の作り方1 〜 疑問詞を含む間接疑問 〜 (3)間接疑問の作り方2 〜 疑問詞を含まない間接疑問 〜 (4)主語・補語・前置詞の目的語 ……………………………………………………………………………………………… (1)直接疑問文と間接疑問 …………………………………… (a) Where is the post office?「郵便局はどこにありますか」 (b) Could you tell me where the post office is? (“English Grammar in Use 3rd edition”Raymond Murphy) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#egu 「郵便局はどこにあるか、私に教えてくださいますか」 (b)文中では、where the post office is の部分は、文の一部分として組み 込まれている。〔名詞節〕となり、tell の〔直接目的語〕として働いてい る。S+V+IO+DO の DO の部分。 (a)のように単独で文を作っている疑問文を〔直接疑問文〕または〔独立疑 問文〕と呼んでいる。 (b)全体は依頼を表しているが、形式的には直接疑問文である。そして、 where the post office is の部分は〔間接疑問〕または〔従属疑問〕と呼 んでいる。 Could you tell me the place?「その場所を私に教えてくださいますか」 という英文の the place という名詞(句)の代わりに、間接疑問の節が置 かれた形だ。だから〔名詞節〕。 (c) I don't know where the post office is. 「私は、その郵便局がどこにあるか知りません」 (c)は、否定の平叙文であるが、where the post office is の部分は、やは り〔間接疑問〕と言うことができる。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・間接疑問・・・疑問文が他の文の一部として使われること 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ……………………………………………………………………………………………… (2)間接疑問の作り方1 〜 疑問詞を含む間接疑問 〜 ………………………………… (1)の(a)(b)を比べてもらえばわかるが、直接疑問と間接疑問では、語順 が異なっている。これはどういう決まりによるものだろう。 (a) What time is it?「(今)何時ですか」 この直接疑問文を Do you know の後ろにつけて〔間接疑問〕を作りたい。 Do you know + what time is it + ? 間接疑問の部分は、「疑問詞」か「疑問詞と1まとまりとなった句」が先頭 に来るが、残りの部分は〔平叙文〕の順になる。 what time is it を無理やり平叙文の順にすると、it is what time の順に なる。what time は「何」→「時」という修飾関係にあり、1まとまりなの で、2語がそろって前に出る。what time it is。直接疑問文のようにbe動 詞を主語itの前に出すことはない(平叙文の順)。したがって、 (b) Do you know what time it is?「(今)何時か知っていますか」 という間接疑問を使った文ができ上がる。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 間接疑問の部分は、疑問詞(を含む句)・if/whether が先 頭にたつが、後の部分は平叙文と同じ語順になる 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ (c) I wonder why she came home.「どうして彼女は家に帰って来たのだろう」 wonder は、しばしば〔wh疑問詞〕に導かれる節や句、whether節、if節を目 的語として従え、「〜だろうか」「〜かなと思った」のように自問したり、 控え目な質問、丁寧な依頼などをするときに使われる。 主節の I wonder の部分が〔疑問文〕ではないので、文末に“?マーク”は 不要。 why she came home の部分が〔間接疑問〕。 I wonder + why did she come home + . why did she come home の部分を無理に平叙文の順にすると、 she came home why となる。疑問詞 why を先頭に持ってくると、 why she came home となる。これよりもさらに進んで疑問文の順にはしない ので(c)文中の語順となる。 助動詞の do, does, did は使わないのだ。ただし、does の場合は動詞を三 人称単数対応の形に、did の場合は動詞を過去形にするのを忘れないように。 (×)I wonder why she come home.(come が間違い) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・間接疑問の中では、助動詞 do, does, did は使わない 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ただし、 (d) I wonder why she didn't come home. 「どうして彼女は家に帰って来なかったのだろう」 〔否定の疑問〕が間接疑問となる場合は、助動詞 do, does, did が使われ ることがある。(d)では否定する場合、助動詞を使わなければならない。 I wonder + why didn't she come home + . 後ろの方を無理やり平叙文にしてみる。 She didn't come home why となり、疑問詞の why だけ前にやり、 why she didn't come home となる。この場合、did を消すことはできない。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・間接疑問の中では、疑問を作るための助動詞 do, does, did は使わない。否定を作るためには使う 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ (e) I don't know how you can say things like that. (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 7th edition”) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#oald 「あなたは、どうやったらあんなようなことが言えるのか、私は知らない」 →「どうしたらあんなことが言えるのか、信じられない」 意味のある(話し手の気持ちや判断を表している)助動詞は、do とは違い 間接疑問でも消えない。意味のある助動詞とは can, must, should などで ある。 I don't know + how can you say things like that + . これも、後ろを無理やり平叙文の順に置くと、 you can say things like that how となり、疑問詞の how を前にして、 how you can say things like that となる。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ (f) Tell me what happened to her. 「彼女に何があったのか私に教えてくれ」 Tell me + what happened to her + . 直接疑問文は What happened to her? である。主語は what。疑問詞または 疑問詞に導かれる句が主語の場合は、直接疑問文自体が〔平叙文〕の語順で ある。この場合、助動詞 did は使われておらず、その代わりに動詞が過去 形のままである。 このように疑問詞が主語になっている疑問文を間接疑問として使う場合、語 順は変える必要はない。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・疑問詞または疑問詞に導かれる句が主語の場合は、語順を 変える必要はない 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ……………………………………………………………………………………………… (3)間接疑問の作り方2 〜 疑問詞を含まない間接疑問 〜 ………………………………… ここでは、疑問詞を使わない疑問文を間接疑問にする方法を紹介する。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・接続詞 if, whether・・・疑問詞を含まない疑問文を間接 疑問として使う時に用いる 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (a) Ask whether the museum is open today. (“The AMERICAN HERITAGE Children's Dictionary”Houghton Mifflin) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/dicchild.html#heri 「今日その博物館が開いているかどうか、たずねなさい」 Ask + Is the museum open today + . 後ろの疑問文を無理に平叙文にしてみる。 The museum is open today. 疑問詞を使っていないので、無理ではなかった。正しい文である。 疑問詞のない疑問文を間接疑問とするには、〔接続詞〕if または whether を利用する。if が口語的で、whether が文語的。 if[whether] the museum is open today を ask の後ろに置いてやる。する と(a)文ができ上がる。 (b) I doubt if anyone will remember me. (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#ldoce 「だれかが私のことを覚えてくれているかどうか疑わしい」 I doubt + Will anyone remember me + . 平叙文の順に、 I doubt + Anyone will remember me. 接続詞を補って、 I doubt if anyone will remember me. この if は〔仮定〕を表す〔副詞節〕を導いているわけではない。〔名詞節〕 を導いている。したがって、第28号(1)で取り上げた「『時』や『条件』 を表す〔副詞節〕中では、未来のことでも〔現在形〕で表す」という例には 当てはまらない。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/021-030/egu028.html#1 (a)(b)ともに〔間接疑問〕を作っている節が〔目的語〕になっている。 ……………………………………………………………………………………………… (4)主語・補語・前置詞の目的語 …………………………………………… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・間接疑問を作る名詞節は文中で、主語・補語・目的語 前置詞の目的語になる。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (a) Whether we can stay with my mother is another matter. (“Practical English Usage 3rd Edition”Michael Swan) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#peu 「私たちが母親と一緒にいられるかどうかは、別問題です」 「私たちが母親の家に泊まれるかどうかは、別問題です」 whether we can stay with my mother の部分が〔主語〕になっている。 主語になれる品詞は〔名詞〕が基本。〔名詞節〕も主語になる資格がある。 疑問詞を使わない間接疑問が〔主語〕となる場合、接続詞には whether が 選ばれる。if は使わない。 ただし、形式主語の it を使って、 (b) It is another matter if[whether] we can stay with my mother. と if を使うことができる。文頭ではないからだ、という。 if we can stay with my mother が、後置された本当の主語。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ (c) The real question is whether they have in mind the benefit of the consumers. 「本当に問題なのは、消費者の利益を心に留めているかどうかだ」 (江川泰一郎著『英文法解説(改訂三版)』金子書房 §252) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#newguide have[keep] O in mind だが、Oにあたる the benefit of the consumers の部分が長いので have in mind O の語順となっているのだろう。 whether they have in mind the benefit of the consumers の部分は、 〔主格補語〕となっている。SVC の C の部分だ。 The real question = whether they have... の関係になっている。 補語の場合も、whether を使う。if は一般的ではない。ただし、 (d) The real question is if they have in mind the benefit of the consumers. という英文も可能であると、“Practical English Usage 3rd Edition” に記されている。補語は文頭にないからであろうか。インターネット上でも 例が多数見られる。しかし、試験では使わない方が良い。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ (e) Can you tell me how far it is to the airport? (“English Grammar in Use 3rd edition”Raymond Murphy) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#egu 「空港までどれくらい距離があるか、私に教えてくれますか」 how far it is to the airport の部分が間接疑問の部分。これが文中で 〔直接目的語〕となっている。me は〔間接目的語〕。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ (f) All depends on whether you believe in the afterlife or not. (“Collins コウビルド英英辞典 改訂第5版”トムソンコーポレーション) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#cobuild 「すべては、あなたが来世というものを信じているか、いないかにかかっ ている」 「すべて、あなたが来世というものを信じるか信じないかしだいだ」 〔前置詞の目的語〕も if ではなく whether を使う。(f)では on が前置詞。 (f)文の主語は it で〔省略〕されていると考えられる。It all depends... “believe in...”で「…の存在を信じる」という意味になる。 次週も間接疑問の続きをやりたいと思っている。whether or not について も、もう少し学習したい。 ……………………………………………………………………………………………… 参考文献 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html ……………… http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html ──────────────────────────────────── □このメールマガジンは、以下のメルマガ・スタンドから配信されています。 ・まぐまぐ! :http://www.mag2.com/ ・めろんぱん :http://www.melonpan.net |
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2014(平成二十六)年度 大学入試センター試験 外国語英語 第2問−A−問3
( )内に入れるのに最も適当なものを、1〜4のうちから一つ選べ。
My mother asked me ( ) we should go out for lunch or eat at home.
1.that 2.what 3.whether 4.which
解答:3
askの直後に人がくる場合、次の構文が考えられる。
○たずねる、聞く
・ask someone something
・ask someone about something
・ask someone 疑問詞節(間接疑問)
・ask someone if[whether]節(間接疑問)
・ask someone 疑問詞 to-不定詞
○頼む、依頼する
・ask someone for something
・ask someone to do something
・ask someone that節
後方に A or B がある。これは第一感 whether A or B だ。3だろう。
意味も「私の母は、昼食を外で食べた方が良いか、それとも家で食べた方が良いか、私にたずねた」で通る。
1.that節は可能だが、A or B があるため、頼んでいるとは考えにくい。
2.what は、後ろの節中の〔主語〕〔目的語〕などの名詞(句・節)の代名詞でもあるはず。〔主語〕にも〔目的語〕にも入る余地がない。eat の〔目的語〕の可能性はあるが、そうなれば go out for lunch or はむだになってしまう。
4.which も同様。代名詞なので、当てはまる場所・役割がない。
Which do you like better, this car or that one? は、which に like の目的語の役割を与えている。this car or that one は、or の前後のどちらかを which の候補として提示しているだけ。this car を選べば、I like this one better (than that one). と like の目的語に収まる。
センターのこの問題では、go out for lunch も eat at home も主語や目的語として収まる場所がない。