Chick Tack 英語5文型  >  メール・マガジン『英語の文法と語法』  >  21号〜30号目次  >  028

第28号 「時」や「条件」を表す副詞節中の未来

 Subject: 英語の文法と語法 028
    Date: Fri, 13 Oct 2006 06:50:00 +0900 (JST)
    From: Chick Tack
      To: Readers

=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
┛┛
┛┛   英 語 の 文 法 と 語 法    No.028    20061013
┛┛  ……………………………………………  ……………  ………………
┛┛   Chick Tack http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/index.html
┛┛┛
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


             ● 第 28 号 ●

………………
 Contents  (1)「時」や「条件」を表す副詞節中の未来−1

       (2)classical music

       (3)make sense「意味を成す」「意味がわかる」

       (4)センター試験 平成16年2−A−1


………………………………………………………………………………………………
(1)「時」や「条件」を表す副詞節中の未来−1
………………………………………………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     「時」や「条件」を表す〔副詞節〕中では、未来のことで
     も〔現在形〕で表す。
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  (a) (×)I'll tell you about it when he will be away.
    (○)I'll tell you about it when he is away.
    (×)I tell you about it when he is away.
    「彼がここにいないときに、それについて教えてあげます」

  I'll tell you about it の部分を〔主節〕という。when he is away の部
 分を〔従属節〕という。

  〔従属節〕は、その働きによって〔名詞節〕〔形容詞節〕〔副詞節〕に分け
 られる。このうち〔副詞節〕は、〔副詞〕の働きをする節だ。

  〔副詞〕は、その時々に動詞・形容詞・副詞・句・節・文全体を修飾する。

  (a)の英文では、「彼が離れているとき」に主節の動作が行われる、と述べ
 ている。従属節が主節を修飾しているので、〔副詞節〕となる。

  彼はまだここにいて、ここを離れるのはこれから、未来になるのだが、(a)
 の文中では、「彼が未来に、ここを離れるかどうか」を問題にしているわけで
 はない。「実際に眼前にその状態がある」と考えて文を展開しているので、
 〔現在形〕で表す。

  しかし、〔主節〕は未来のことは〔未来形〕で表す。「話すかどうか」を問
 題にしているからか?

  副詞系修飾語句の基本については、以下のページとそこからリンクされてい
 るページで確認を。
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/advmod/aboutadv.html


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

  (b) I don't know when she will come here.
    「彼女がいつここに来るか、私は知らない」

  (b)の when she will come here の節は、他動詞know の〔目的語〕になっ
 ている。目的語になるのは〔名詞〕なので、この従属節は〔名詞節〕となって
 いる。

  〔名詞節〕は、未来のことは〔未来形〕で表す。「彼女がいつここに来るか」
 と、未来を推測しているので、will を用いる。

  名詞節については、下記のページなどを参考に学習してください。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/noclo.html
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/further/nclaus.html


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

  (c) The time will come when you will repent having said so.
    「そう言ったことを後悔する時が来るだろう」
   (大修館『ジーニアス英和辞典第三版』P1971 time-5 より引用)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#gej

  (c)は〔形容詞節〕の例。こちらも〔未来形〕になっている。


  この文は、The time will come. という部分が〔主節〕で、when you will 
 repent having said so の部分が〔形容詞節〕の〔従属節〕。この部分が〔名
 詞〕の The time を〔限定修飾〕している。〔名詞〕を修飾するのは〔形容詞〕
 の働き。

  The time ← when you will repent having said so
  「あなたがそう言ったことを後悔するであろう」→「そのとき」

  when は、〔関係副詞〕。習っていない方には難しいと思うが、
  You will repent having said so at the time. という文の at the time 
 の部分は、時を表す〔副詞句〕という。will repent という〔動詞〕を修飾し
 ているから〔副詞〕。

  この〔副詞句〕の at that time が、when に代わる。この when を〔関係
 副詞〕と呼んでいる。〔名詞〕の部分だけではなく、at も含めて〔副詞句〕
 の代わりをしているから〔関係副詞〕の名前がある。


  本来、〔関係副詞〕に導かれる〔形容詞節〕は、修飾したい名詞 The time 
 の直後に置かれるのだが、

  (d) The time when you will repent having said so will come.

  とするより分かりやすいためか、(c)のような英文をよく見かける。なお、
 (c)のように〔先行詞(the time)〕と離れている場合、when は省略できない。


  repent の〔目的語〕は、having said so と〔動名詞〕が〔完了形〕になっ
 ている。「言った」のは「後悔する」より〔過去〕のことだから〔完了形〕に
 なる。多分、(c)の英文を言った時には、既に having said so の発言は、な
 されていて、repent は、まだ、なされていない。

  The time will come. + You will repent having said so at the time.
  The time will come. + You will repent having said so when.
  The time will come. + When you will repent having said so.
  The time will come when you will repent having said so.


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

  文法用語が乱れ飛び、拒絶反応を示される方もあると思うが、この区別は試
 験にも狙われるところなので、一通り読んでください。続きは次回。


………………………………………………………………………………………………
(2)classical music    〜 クラシック音楽 〜
……………………………

  (a) (×)I love classic music very much.
    (○)I love classical music very much.
       「私はクラシック音楽が大好きです」

  (b) (×)She was playing the classic guitar then.
    (○)She was playing the classical guitar then.
       「彼女はそのときクラシック・ギターを弾いていた」


    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・classic 〔形容詞〕「最高級の」「典型的な」
              「古典の」「古典的な」
              「伝統的な」
         〔名詞〕「一流の作者」「一流の作品」
             「伝統的な行事」
    ・classical〔形容詞〕 「古典文学の」
               「最高級の」
               「(音楽用語で)クラシックの」
               「(音楽のロマン派に対し)古典派の」
               「(文学・芸術などの)古典派の」
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  日本語で「クラシック音楽」、または単に、「クラシック」といったりする
 ので、間違えやすい。「クラシック音楽」は classical music。

  いい加減にクラシック音楽の歴史時代区分を述べると、

  1.バロック 2.古典派 3.ロマン派 4.近代 5.現代

  2は、ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェンの時代。classical music
 の狭い意味は、この2の音楽のこと。3のロマン派は、これと対になる別物に
 なるときがある。

  通常は、1〜5すべてを classical music の対象にしている。

  英語学習とは関係ないが、クラシック音楽のウェブ・ページも管理している。
 最近は、全然更新していないが……。http://tatsuku.web.fc2.com/


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・class・・・「クラス」「組」「授業」「部類」「階級」
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  ラテン語の classis を引き継いだ。英語の意味にもある「階級」「部類」
 という意味だ。

  さらに遡ると、起源は「叫ぶ」「呼ぶ」という意味を持つ語に行き当たるよ
 うだ。

  古代ローマ時代に、軍団を形成するために徴兵を行った。兵を「呼び集める」
 ために市民を「クラス」分けし名簿を作らなければならない。

  (“The American Heritage dictionary of Indo-European Roots”)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ier


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

  その種類(class)で最も「典型的」で、「優れている」ものを形容するとき
 に classic が使われる。ここから「最高級の」「典型的な」の意味が現れる。

  (c) Dante is one of the classic writers of the world.
    「ダンテは世界一流の作家の一人だ」(ライトハウス英和辞典初版)

  また、classic culture と言えば、「ギリシア・ローマの古典文化」のこと
 を指す。classical の方は、この古典を意識して均整のとれた芸術や文学に使
 われる。

  ギリシア・ローマの古典は、the classics; Classics などと呼ばれる。

  まとまりはないけれど、この辺りで終わっておく。(ー_ーゞ 


………………………………………………………………………………………………
(3)make sense
………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・make sense「意味を成す」「意味がわかる」
           =be understandable
          「道理にかなう」=be reasonable
          「賢明である」「現実的な」=wise; practical
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  (a) Your words don't make sense at all.
    「あなたの言葉は、全然意味を成さない」
   →「あなたの言っていることは、皆目(かいもく)わかりません」

  sense は「感覚」「判断力」「良識」などの意味があるが、「意味」「意図」
 という意味も表す。make 「作る」なので、「意味を成す」は、そのまま。

  (b) He was so excited that his explanation didn't make sense.
    「彼は余りにも興奮していたので、彼の説明は意味がわからなかった」

  make any sense; make a lot of sense というのは見かけたが、このイディ
 オム中の sense は〔不可算名詞〕のようだ。したがって(×)make a sense 
 とは、ならないだろう。また、(?)make the sense も見かけない。


  (c) It makes sense to think so.「そう考えるのも、もっともだ」

  It は〔形式主語〕、to think so が〔真主語〕。「そう考えることが意味
 を作る」→「そう考えることが道理にかなう」→上記日本語訳文。


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

  “make sense of...”で「……の意味を理解する」という使い方ができる。

  (d) Can you make sense of what she has done?
    「君は彼女がやったことを理解できるかい?」

  what は〔先行詞〕を含む〔関係代名詞〕。説明は下記。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/object/noclo2.html#what


………………………………………………………………………………………………
(4)これはできなきゃ! センター試験 平成16(2004)年
……………………………………………………………………………

 第2問 A 問1.次の英文の(  )に適する語を1〜4から1つ選べ。

  Does this answer (     ) sense to you?  I can't understand it.

   1.give   2.cause   3.mean   4.make


………………………………………………………………………………………………
 参考文献  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html
………………

────────────────────────────────────
□このメールマガジンは、以下のメルマガ・スタンドから配信されています。
 ・まぐまぐ! :http://www.mag2.com/
 ・メルマガ天国:http://melten.com/サービス終了
 ・めろんぱん :http://www.melonpan.netサービス終了
 ・カプライト :http://kapu.biglobe.ne.jp/サービス終了
 当メールマガジンは、無料でお読みいただけます。

□このメールマガジンの登録・解除は、下記のページからお願いします。
 ・まぐまぐ! :http://www.mag2.com/m/0000190027.html
 ・メルマガ天国:http://melten.com/m/22981.htmlサービス終了
 ・めろんぱん :http://www.melonpan.net/mag.php?009453サービス終了
 ・カプライト :http://cgi.kapu.biglobe.ne.jp/m/11748.htmlサービス終了

□バックナンバーは、下記のページのリンクからご覧ください。
 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/edu/index.html

∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋
 <(` )    Chick Tack
   (   )   E-Mail Address : mit_desde1994@ hotmail.com
    / |    魔笛を観に行こう: http://tatsuku.web.fc2.com/
  ∋  ∈   Chick Tack 英語5文型: http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/
 発行者の学習塾:http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/mit/index.html
∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋
メール・アドレスは、コピーして、あて先欄に貼り付けてから、@ と hotmail
の間の半角スペースを削除してください。面倒かけます。

 ┛ Chick Tack のおすすめ英語教材・無料サービスなどの紹介ページ ┛
 ┛ http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/recommend.html    ┛
 ┛                                ┛
      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛
★センター試験の答え 4

●あとがき

  このメルマガを編集しながら、最近よく聞いているのは、グレン・グールド
 がピアノを演奏しているバッハの『ゴールドベルク変奏曲 BWV.988』です。

  グールドという人物は、この曲を2度録音しています。1955年のモノラル録
 音盤は、彼のデビュー作ともなっています。このバロックの名曲を、ジャズの
 ように軽やかに演奏しています。

  1981年のデジタル録音盤では、軽やかさが消え、深みのある落ち着きが出て
 います。私はこちらの方を聞いています。流しておくだけなので、聴いている
 とは言えないのです。

  パソコン作業中に流しておき、少し手を休めると、演奏が心に染み込んでく
 るときがあります。もう10年以上も前に買ったCDですが、聴き始めた頃には、
 気付かなかった魅力が迫ってきます。

    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/021-030/gould.html


・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・
        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2006
・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・

『チョムスキー入門』〜生成文法の謎を解く〜 町田健著 光文社新書 ¥720+税

前回 第27号 に戻る    この号の目次へ    次回 第29号 に進む

Chick Tack 英語5文型  >  メールマガジン『英語の文法と語法』  >  21号〜30号目次  >  028