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第115号 応答疑問と短い同調


=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
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┛┛   英語の文法と語法    No.115    20090204   Chick Tack
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             ● 第115号 ●

………………
 Contents        応答疑問と短い同調
………………
       (1)応答疑問 〜 reply questions 〜

       (2)私も〔肯定〕 〜 So am I. / So did he. 〜

       (3)私も〔否定〕〜 Neither am I. / Neither does she. 〜

       (4)同意して驚く 〜 So it is. 〜

       (5)オバマ大統領就任演説より so で始まる文


………………………………………………………………………………………………
(1)応答疑問     〜 reply questions 〜
……………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・会話において、相手の言ったことに興味を示したり、驚きを
     表すために主語と助動詞・代動詞・be動詞だけを使って疑問
     文をつくることがある。
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) Jim and Nora are getting married.  -- Are they?  Really?
  (“English Grammar in Use 3rd edition”Raymond Murphy)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#egu
    「ジムとノラは結婚するよ」「そうなの? 本当に?」

  Are they の後ろには、getting married が省略されている。

  be動詞を使った文では、be動詞と主語の後ろを省略して応答できる。

  Are they? と Really? は、よく似た内容を表している。

  〔現在進行形〕が〔未来〕の行動を表すことについては、第21号の(1)
  をご覧ください。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/021-030/egu021.html#1


 (b) I went to school with her.  -- Did you?  -- Mm.
  (“CAMBRIDGE GRAMMAR OF ENGLISH”Ronald Carter & Michael McCarthy)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#cge
   「私は彼女と一緒に学校に行った[通っていた]」
   ――「そうだったの?」――「うん」

  be動詞も助動詞も使っていない文では、do, does, did を使う。

 “CAMBRIDGE GRAMMAR OF ENGLISH”では、応答疑問のことを follow-up tag
  question(s) と呼んでいる。


 (c) I've got a headache. -- Have you, dear?  I'll get you an aspirin.
  (“Practical English Usage 3rd Edition”Michael Swan)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#peu
   「頭痛がするの」
   ――「そうなの?ディアー。アスピリンを持ってきてあげよう
                      [買ってくるよ]」

  have got a headache は、have a headache と同じ意味。所有・人間関係・
  病気・状態・特徴の意味を伝える have の代わりに have got が使われるこ
  とがある。形は現在完了。


 (d) I'm not tired.  -- Aren't you?  I am.
  (“English Grammar in Use 3rd edition”Raymond Murphy)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#egu
    「私は疲れていないよ」「疲れてないの? 私は疲れてるよ」

  否定の疑問の形もある。

  I am. の部分は、第113号で調べた助動詞・be動詞の後ろの省略である。
  tired が省略されている。


………………………………………………………………………………………………
(2)私も〔肯定〕     〜 So am I. / So did he. 〜
………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     「私も」などと相手の言った肯定文に同調するとき、
          So+助動詞・be動詞など+主語.
                     の形を使うことがある
      主語の部分に強勢が置かれる
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) I'm hungry.  -- So am I.
  (“Macmillan English Dictionary: For Advanced Learners of American 
    English”Palgrave Macmillan)
   「お腹が空いている[空いた]」「私も(空いている)」

  I am hungry too. などの代わりに、So am I. と表現する場合がある。so
  を文頭に置き、am I と〔be動詞〕と〔主語〕を〔倒置〕する。

 (b) Our children are strong and healthy and so am I.
   (“A Doll's House”by Henrik Ibsen)
     http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer03.html#doll
     「私たちの子供たちは強くて健康です。そして私もそうです」

  (b)のように同一人物が話している中でも使用できる。


 (c) I'd like to live somewhere else.  -- So would I.
  (“English Grammar in Use 3rd edition”Raymond Murphy)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#egu
    「私はどこかほかの場所に住みたい」「私も」

  〔助動詞〕が使われる文では、“So+助動詞+主語.”となる。


 (d) I love those red tulips.  -- So do I.[I do too.]
  (“CAMBRIDGE GRAMMAR OF ENGLISH”Ronald Carter & Michael McCarthy)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#cge
   「私はあ(れら)の赤いチューリップが大好きです」「私も大好きです」

  助動詞もbe動詞も使われていない文では、do, does, did が使用される。


 (e) I'm allergic to nuts.  -- So is my brother.
  (“Cambridge Advanced Learner's Dictionary 2nd edition”)
   「僕は木の実アレルギーだ」「私の弟もそうなのよ」

  主語の部分は〔代名詞〕を使うことが多いが、〔名詞〕の場合もある。


………………………………………………………………………………………………
(3)私も〔否定〕   〜 Neither am I. / Neither does she. 〜
………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     「私も」などと相手の言った否定文に同調するとき、
         Neither+助動詞・be動詞など+主語.
                     の形を使うことがある
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a)“I'm not going to argue with you, sir,”said Mr. Barlow rising.
   “Neither am I.  I just wanted to tell you I'm quitting.”
   (“This Side of Paradise”by F. Scott Fitzgerald)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer03.html#thisside
  「『私はあなたと言い争いをするつもりはありません』とバーロウ氏は立ち
   上がりながら言った。『私もそうするつもりはありません。私はただ辞め
   る、とあなたに言いたかっただけです』」

  〔否定文〕に〔同調〕する場合、so ではなく neither を使用する。   
  neither は not either のことで、否定の not が含まれていることになる。

  rising は〔分詞構文〕的な使い方か。「〜しながら」と考えた。

  wanted は〔過去形〕になっているが、“just wanted to不定詞”の形でよ
  く現れる。〔控え目〕な言い方で直接的な言及を避けている。意味としては
  は現在のことを言っている。


 (b) I can't swim.  -- Neither[nor] can I.(× I also can't.)
  (“Practical English Usage 3rd Edition”Michael Swan)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#peu
    「私は泳げない」「私も(泳げない)」

  neither の代わりに nor を使うこともできる。

  I can't swim either. は可能。


 (c) Tom didn't believe a word she said, and neither did the police.
  (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#ldoce
  「トムは彼女が言った言葉を信じなかった。そして、警察も信じなかった」

  Practical English Usage には、「通常 and の後ろに nor は使わない」と
  あった。(374-1)

  a word は「ひとこと」かも知れないし、「ひとことたりとも」かも知れな
  い。


………………………………………………………………………………………………
(4)同意して驚く      〜 So it is. 〜
…………………………

 (a) Why, this is nothing but common vegetable soup!
   -- So it is, madam.
  (“Collins コウビルド英英辞典 改訂第5版”トムソンコーポレーション)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#cobuild
   「あら、これはただの野菜スープじゃないの!」
   ――「本当にそうですね、奥様」

  “So+主語+助動詞・be動詞など”の語順になっているときがある。これは、
  相手の言っていることを事実だと気づき、驚いているときに使われる。

  特にイギリス英語の会話で使われる。

  “nothing but...”は「…にすぎない」「単に…」。「…以外の(but)何物 
  でもない(nothing)」


 (b) There's another one.  -- So there is.
  (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 7th edition”)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#oald
   「もう一つあるよ」「本当だ。あるね」

  There is[are]... では、there が主語のように扱われる。

  neither に、この語順の用法はない。

  be動詞や助動詞・do(es)・did の部分に強勢が置かれる。


………………………………………………………………………………………………
(5)オバマ大統領就任演説中の So it has been
……………………………………………………………

  オバマ大統領就任演説の最初に近い部分に、接続詞ではない so が文頭に来
  る例があった。ホワイトハウスのブログより引用した。
         http://www.whitehouse.gov/blog/inaugural-address/

   〜〜〜オバマ大統領就任演説より〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

              ……(前略)……
    At these moments, America has carried on not simply because
   of the skill or vision of those in high office, but because we,  
   the people, have remained faithful to the ideals of our
   forebears and true to our founding documents. 

    So it has been; so it must be with this generation of
   Americans.
              ……(後略)……

   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用終わり〜〜〜〜〜


   ====ぶつ切り訳================================================

   At these moments(雲が集まり大きな嵐に囲まれた)これらの時に
   (も),
    America has carried onアメリカは頑張ってやってきた
   not simply because of単に〜という原因によってではなく
   the skill or vision of those in high office高い地位についてい
   る人々の能力や見識,
   but because〜という原因によって(である)
   we, the people我々合衆国国民は,
   have remainedずっと〜だった
   faithful忠実(だった)
   to the ideals of our forebears我々の祖先の理想に,
   andそして
   true誠実(だった)
   to our founding documents我々の独立時の文書に. 

   So it has beenそれは(今まで)そのように続いてきた;
   so it must beそれは、そうあらねばならない
   with this generation of Americansこの世代のアメリカ人に関して
   も[についても].

   ==========================================訳終わり============

  最後の文の頭に so が置かれている。

  これは同一人の発言なので(4)で調べたことには当たらない。
  It has been so; it must be so with this generation of Americans. の
  so が、それぞれ文頭に出たものだ。

  It や so が指すものは、前文で述べられた内容であろう。

  日本語で「それはそうだ」と言うが、これは「AはBである」と言いたいの
  であろうか、それとも「AがBであるのは、AがBである」と言いたいのだ
  ろうか。「AがBであるのは正しい」と言いたいのだろうか。


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  ちなみに forebears は、編集人の読んでいる新聞では forbearers となっ
  ていた。配布された資料に誤りがあったのかもしれない。


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● あとがき

 家族の者が、私に万歩計を買ってきました。

 本日、34分歩いてきました。135kcal消費し、体重が8.0g減ったと表示され
 ていました。


・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・
        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2009
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オバマ大統領就任演説を完全収録! 対訳・解説付き+キング牧師“I Have a Dream”演説

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