=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━ ┛┛ ┛┛ 英語の文法と語法 No.158 20100722 Chick Tack ┛┛ ………………………… …………… ……………… …………… ┛┛ http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/index.html ┛┛┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 第158号 ● ……………… Contents to不定詞と前置詞for ……………… (1)for+名詞句 (2)for+動名詞句 (3)for someone to do something (4)What...for? ……………………………………………………………………………………………… (1)for+名詞句 ……………………… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・“for+名詞句”で目的を表すことがある。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (a) You need a lot of experience for this job. (b) You need a lot of experience to do this job. (“English Grammar in Use 3rd edition”Raymond Murphy) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#egu 「この仕事(をするため)には、多くの経験が必要です」 “for+名詞句”で動作・行動・状態の〔目的〕を表すことができる。 (×) You need a lot of experience for do this job. (×)You need a lot of experience for to do this job. 不採用記事に関連記事あり。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/141-160/egu158.html#supple1 (a)の例文には do「する」という語は使われていないが、「する」や「こな す」という動詞的な意味が意識されているはずだ。 (c) I went to Chicago for a visit. (“Fundamentals of English Grammar”Betty Schrampfer Azar, 1985) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#azar 「私は訪問のためにシカゴに行った」 「私は観光のためにシカゴに行った」 for の後ろの名詞は、同形や類似形の動詞があることが多い。visit には 〔名詞〕〔動詞〕双方の使い方がある。 (d) I went to Chicago to visit my aunt and uncle. (例文(c)と同じく“Fundamentals of English Grammar”より) 「私はおばとおじを訪問するためにシカゴに行った」 こちらは〔to不定詞〕の〔副詞的用法〕で、やはり〔目的〕を表している。 ……………………………………………………………………………………………… (2)for+動名詞句 ………………………… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・“for+動名詞”は、個別の目的ではなく、一般的な目的や 道具などの用途を表す場合に使う。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (a) I have come to London to learn English. (×)I have come to London for learning English. (“LONGMAN Dictionary of Common Errors New Edition”) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#dce 「私は英語を学ぶためにロンドンに来ている」 「誰かが何かをするために〜」という個別の人間の行動の目的は〔to不定詞〕 または“for+名詞”を使う。 (b) An altimeter is used for measuring height above sea level. (“Practical English Usage 3rd Edition”Michael Swan) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#peu 「高度計は海抜の高さを測るために使われる」 “for+動名詞”は、物の用途や存在目的などを示すために使われる。 (c) This is a case for keeping records in. (“A Practical English Grammar”A. J. Thomson & A. V. Martinet) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#peg 「これはレコードを入れておくためのゲースです」 「これはデーターを保管するための箱です」 “for keeping records in”が、a case を修飾し、〔形容詞句〕として機 能している例。 物の用途を示している。 (d) I want a case to keep my records in. (例文(c)と同じく“A Practical English Grammar”より) 「私はレコードを入れておくためのケースが欲しい」 個別の目的には、〔to不定詞〕を使う。このため、人間が〔主語〕の文では “for+動名詞”が避けられ〔to不定詞〕が好まれる傾向にある。 (e) We use altimeters to measure height above sea level. (例文(b)と同じく“Practical English Usage 3rd Edition”より) 「私たちは、海抜の高さを測るために高度計を使う」 人間が主語になっている。 (f) Do you use this brush for washing the dishes? (g) Do you use this brush to wash the dishes? (“English Grammar in Use 3rd edition”Raymond Murphy) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#egu 「あなたは皿を洗うのに、このブラシを使っているのですか」 人間が主語になっている文でも“for+動名詞”を使っている文はある。 個別の状況ではあるが、物の用途は示している。 (h) Put those clothes in a pile for washing. (i) Put those clothes in a pile so that they can be washed. (“Cambridge Advanced Learner's Dictionary 2nd edition”) 「それらの服は、洗濯するために一つにまとめて置いておきなさい」 こちらは pile の用途と考えるより put...pile までの動作の目的と考えた ほうが分かりやすい。一般的な目的、用途とは考えにくい。 “for+動名詞”“to不定詞”の使い分けは必ずしも、きっちりと決まって いるわけではないようだ。 (i)文で使われている“so that...”については、次号取り上げたい。 ……………………………………………………………………………………………… (3)for someone to do something …………………………………………… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ・〔to不定詞〕の意味上の主語を示す必要がある場合、 直前に“for+意味上の主語”を置く 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (a) There's no need for you to go. (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 8th edition”) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#oald 「あなたが行く必要は全くない」 名詞 need を修飾する〔形容詞的用法〕と考えられる。 何的用法かにかかわらず、〔to不定詞〕の意味上の主語を示す必要がある場 合、直前に“for+意味上の主語”を置く。 (b) It was difficult for me to understand what he was saying. (“Macmillan English Dictionary: For Advanced Learners of American English”Palgrave Macmillan) 「彼の言っていることを理解するのは、私にとって難しかった」 「私が彼の言っていることを理解するのは困難だった」 “It...for〜to―”の形式主語構文と呼ばれているものだ。〔名詞的用法〕。 2010年8月20日1字削除 (c) In order for crops to grow, there must be |
to不定詞は古英語期からあったが、中英語期には使用頻度があがった。11世紀には for to不定詞 が現れ、中英語期には to不定詞 と共に用いられた。現在でも方言にみられるという。
参考文献:図説英語史入門;現代英文法講義
What went ye out into the wilderness for to see?
The Bible King James version
ye は you「あなたたち」のこと。過去の疑問文に助動詞 did は使わずに、動詞の過去形 went を主語の ye の前に出して疑問文をつくっている。
for to see の部分が「見るために」という〔目的〕を表している。
あなたがたは何を見に荒れ野へ行ったのか。
聖書『新共同訳』ルカによる福音書 7章 24節