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第175号 分詞構文−4


=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
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┛┛   英語の文法と語法    No.175    20110215   Chick Tack
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             ● 第175号 ●

………………
 Contents         分詞構文−4
………………
       (1)過去分詞で始まる分詞構文

       (2)形容詞・名詞で始まる分詞構文

       (3)not without something


………………………………………………………………………………………………
(1)過去分詞で始まる分詞構文
…………………………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・〔分詞構文〕が〔現在分詞〕ではなく〔過去分詞〕で始ま
     ることがある。
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) She enters, accompanied by her mother.
 (b) She enters.  She is accompanied by her mother.
  (“A Practical English Grammar”A. J. Thomson & A. V. Martinet)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#peg
   「彼女は、母親に付き添われて入場する」

  〔分詞構文〕は〔現在分詞〕で始めるのが原則なので、本来ならば下の(c)
  のようにならなければならない。

 (c) She enters, being accompanied by her mother.

  しかし、being は通常省略され〔過去分詞〕で始められる。文頭に来る場合
  は特にそうである。


 (d) Having been born in America, he is proficient in English.
 (e) Born in America, he is proficient in English.
   「アメリカで生まれたので、彼は英語がじょうずだ」
  (『徹底例解ロイヤル英文法』宮川幸久、綿貫陽、須貝猛敏、高松尚弘著)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#royal

  (e)のように having been も省略することができる。

  (d)では、「英語が現在上手」なのに対し「産まれたのは過去」なので〔完
  了分詞〕を使って時の違いを示している。

  (a)の accompanied、(e)のborn 共に〔他動詞〕の〔過去分詞〕で、being
  や having been と相まって〔受け身」の意味を表している。


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  「この背景を見る[考える]と、その決定には誰も驚かないだろう」という
  日本語が示され、次のような英文で(  )内の語句を選ばせるような問題
  がある。

 (f) (  ) against this background, the decision should not surprise  
  anyone.
  (“Macmillan English Dictionary: For Advanced Learners of American 
    English”Palgrave Macmillan、問題ではなく、完全文で掲載)
                  単語を省きカッコをつけたのは私(2011/10/24加筆)

  「この背景を見ると」や「考えると」の日本語に惑わされて Seeing と間違
  えて欲しいとの意図がある。

  〔主節〕の〔主語〕は the decision なので、〔分詞〕の〔主語〕も the 
  decision と考えなければならない。

  The decision sees against this background. や The decision is   
  seeing against this background. とは考えられない。The decision is  
  seen against this background. の関係なので、Seen が選ばれる。

  日本語として不自然だが、書かれているままに(f)を訳してみると「この背
  景を背景にして見られると、その決定は誰をも驚かせることはないだろう」。

  選択肢に Being seen は示されておらず、Seen が正解というパターンだ。


 (g) Seeing the storm clouds, they turned back.
   「あらしの雲を見て、彼らは引き返した」
   (石黒昭博監修『総合英語 Forest 4th Edition』桐原書店)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#forest

  (g)の場合、the storm clouds を見たのは they なので〔現在分詞〕
  seeing が使われている。They saw the storm clouds.


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  補足記事あり。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/161-180/egu175.html#supple1


………………………………………………………………………………………………
(2)形容詞・名詞で始まる分詞構文
………………………………………………

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    ・being を省略して〔形容詞〕〔名詞〕で始まる〔分詞構文〕
     もある。
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) A man with no principles of his own, he was only too ready to bow 
  to the wishes of his superiors.
 (b) Being a man with no principles of his own, he....
  「彼は自分の信念を持っていない男だったので、いともやすやすと上司の意
   向に従っていた」
   (江川泰一郎著『英文法解説(改訂三版)』金子書房)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#newguide
    

  (b)は〔現在分詞〕で始まる〔分詞構文〕である。

  (a)は、この being を省略した形で始まっている。〔名詞〕で始まっていて
  〔分詞〕は使われていないので〔分詞構文〕と呼んで良いものか、悩むとこ
  ろである。

  しかし、 being, having been の省略と考えれば、〔過去分詞〕で始まる
  〔分詞構文〕とも共通の方法で理解ができる。


 (c) As he was a man with no principles of his own, he....

  〔副詞節〕を使って書くと(c)のようになる。


 (d) Slow of speech, he takes great delight in conversation.
 (e) Though he is slow of speech, he....
  「彼は話しかたはゆっくりだが、会話を大いに楽しむ」
  (山口俊治著『全解英語構文』語学春秋社)

  (d)は〔形容詞〕で始まっている。

 (f) Being slow of speech, he....

  (d)は(f)の being の省略と考えると理解できる。


 (g) He remained silent, unwilling or unable to say what was in his  
  mind. 
 (“Oxford Collocations Dictionary for Students of English”Diana Lea)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ocdse
   「彼は黙っていた。思っていることを言いたくなかったか、言えなかった
    からだ」

  unwilling と unable は〔形容詞〕。

  〔原因〕〔理由〕を表す〔分詞構文〕の〔句〕は、通常〔本動詞〕より先に
  来るが、追加して述べるような時は後ろに回ることもある。

  unwilling or unable (to do) は慣用的な表現なのかもしれないが、やはり
  being の省略と考えても理解できる。


………………………………………………………………………………………………
(3)not without something
……………………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・not without something「何かがないわけではない」
                「かなり何かがある」
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) He's not without qualities. =He does have some qualities.
  (“Cambridge Advanced Learner's Dictionary 2nd edition”)
   「彼は素質がないわけではない」
   「彼はかなり素質がある」

  単語の意味通りに考えれば理解できるので、項目を設けていない辞書も多い。
  〔肯定〕の意味を示す〔二重否定〕(緩叙法)の仲間に入るだろう。

  He has some.... とするところを He does have some.... とすると、〔動
  詞〕have を〔強調〕できる。


 (b)  Mr. Dolloby, not without some grumbling, gave ninepence.
    (“David Copperfield” by Charles Dickens)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#copper
   「ドロビー氏は、かなりぶつぶつ言って9ペニー硬貨をくれた」

  イギリスでは、かつて9ペニーに相当する銀貨があったようだ。

  not without some grumbling が挿入され〔副詞句〕として働いている。


 (c) The inventor was highly elated, and not without reason.
    (“Historic Tales, Vol. 1 (of 15)” by Charles Morris)
     http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer03.html#htales
     「その発明家は大いに得意がったが、それも無理のないことだった」
     ←「かなり理由があった」←「理由がないわけではなかった」

  The inventor は Morse「モールス[モース]」のこと。


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 参考文献  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html
……………… http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html
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● あとがき

 持病の影響なのか、家の中にいても凍傷ができそうです。

 最近、ラジオ体操を毎日やっています。第2はほとんど忘れていました。第1
 も一部、手と足の動きが合っていません。


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        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2011
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自動詞の過去分詞で始まる分詞構文

運動や変化を表す自動詞

Arrived there, Marlow walked quickly into the station.
そこへ着くと、マーロウは急いで駅の中へ入っていった。
徹底例解ロイヤル英文法』宮川幸久・綿貫陽・須貝猛敏・高松尚弘著

arrive, go, return など、運動や変化を表す自動詞の過去分詞が分詞構文で使われる場合がある。受け身(受動)の意味はない。

A woman's love, once gone, never returns.
一度覚めた女の愛は二度と戻らない。
小西友七・南出康世編集『ジーニアス英和辞典第4版』大修館

once は「いったん〜したら」という意味の〔接続詞〕と考えた。

どちらも had arrived や has gone といった完了形の意味を持っていると考えられる。ただし、使用例は極めて少ない。

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