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第201号 get along

=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
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┛┛   英語の文法と語法    No.201    20130228   Chick Tack
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             ● 第201号 ●

………………
 Contents          get along
………………
       (1)get along

       (2)get along with...

       (3)get along without...

       (4)Get along with you!


………………………………………………………………………………………………
(1)get along
……………………

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    ・get along 「(仕事などが)うまくいく」「はかどる」
          「仲良くやっていく」「何とか暮らしていく」
          「その場を離れる」「帰る」
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) How are you getting along in your new job?
  ― Oh, I'm getting along OK, thank you.
  (“THE ULTIMATE PHRASAL VERB BOOK SECOND EDITION”Carl W. Hart)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#upvb
    「あなたの新しい仕事はうまくいっていますか」
    ―「ええ、うまくいっていますよ。ありがとう」

  〔前置詞〕in があるので、along は〔副詞〕と考えられる。今回は〔前置
  詞〕ではない。

  along は〔古英語〕の and- と lang がくっ付いた andlang を祖先とする。

  and- は「〜に対して」「〜の反対で」「〜の向こう側の」という意味であ
  ったようだ。lang は long, length と同じ一族の語だ。「長さに対して」
  「長い物の向こう側まで」という感覚であろうか。〔古英語〕では〔形容詞〕
  として使用され「〜と同じ方向にのびた」という意味で使われていたようだ。

  andlong → anlong → allong → along と変遷。

  get は「ある場所・状態に達する」、along は「長いものに沿って(進んで
  いく)」イメージがあるので、「既定の路線をどんどん進んでいく」という
  ことで理解できるのではないか。

  (a)は「あなたの新しい仕事の範囲の中では、思った通りの道をどのように
  進んでいますか」という内容になるのだろう。

  『ジーニアス英和辞典第4版』にも(a)の1文目は掲載されていた。

  2文目の OK は〔副詞〕とみて、「OKの状態で」→「うまくいっている」と
  考えてはどうか。OKの位置には well や下の例文(b)に見られるような〔副
  詞〕がくることも多い。

 (b) We get along just fine together.
  (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 8th edition”)
  (“Oxford ADVANCED AMERICAN Dictionary: For Learners of English”)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#oald
   「私たちは一緒に全く申し分なくうまくやっている」
    →「私たちは実に仲良くやっている」

  fine は〔副詞〕で「立派に」「申し分なく」。just は really のような
  意味を出している。

  「私たちが、同じ道を仲良く並んで歩いている」というイメージか。


 (c) It's late. We'd better be getting along.
  (“Oxford PHRASAL VERBS Dictionary for learners of English”)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#opvdl
    「もう遅い。私たちはこれから帰った方がよい」
    →「遅くなりました。そろそろおいとましなければ」

  get along で「帰る」「その場を離れる」という意味になることがある。あ
  る場所から出てきた者は、その場所に帰るのが順当だからか。

  しばしば〔進行形〕になる。近い未来を表し、これから帰るときに使うから
  だろう。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/021-030/egu021.html#1

  had better be getting along や must be getting along の慣用表現があ
  るようだ。It's time to leave.「もうそろそろ帰る時間だ」の意味を表す。


………………………………………………………………………………………………
(2)get along with...
………………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・get along with someone「誰かと仲良くやっていく」
    ・get along with something「何かがうまくいく」
                 「何かがはかどる」
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) They seem to get along with each other.
  (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#ldoce
   「彼らはお互いに仲良くやっているように見える」

  get along の後ろに“with+人”を付けると「人と仲良くやっていく」とい
  う意味になる。

 (b) She simply can't get on with her brothers.
  (“Random House Webster's Unabridged Dictionary 2nd”)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#rhwud
    「彼女は、兄弟たちとうまくやっていくことが全くできない」

  along の代わりに on が置かれることもある。イギリス英語で好まれる。

  simply は〔否定語〕の前で「全く(〜ない)」「とうてい(〜ない)」と
  いう意味になる。


 (c) I'm getting along with my work.「私は仕事がはかどっています」
   (市橋敬三著『話すためのアメリカ口語表現辞典』研究社)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#dcasee

  はかどる物事を with の後ろに置くことができる。ただし、上掲書では、
  〔無生物〕を〔主語〕にした My work's getting along. の方が会話では利
  用例が多いと読みとれる。

 (d) I can't get along with this new computer.
   「この新しいコンピューターは使い勝手が悪い[うまく使いこなせない]」
  (研究社『ルミナス英和辞典第2版』竹林滋;小島義郎;東信行;赤須薫編)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#lej

  with には「〜を使って」という意味の使い方がある。それを採用すると、
  「この新しいコンピューターを使って、私は既定の路線を順調に進んでいく
   ことはできない」と解釈可能。


 (e) I wonder how Michael is getting on in his new job.
 (“Cambridge Advanced Learner's Dictionary 2nd edition”)
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#cald
  「マイケルは彼の新しい仕事の範囲でどうやってうまくやっているか、私は
   不思議に思う」
  →「マイケルの新しい仕事がどんな調子か、私は知りたい」

  「人」ではなく「物事」の場合でも、get along with の代わりに get on 
  with が使える。イギリス英語に多い。

  (e)は with の代わりに in が登場している。(1)の(a)では in の代わり
  に with も可能と考えられる。


………………………………………………………………………………………………
(3)get along without...
……………………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・get along without someone
              「誰かがいなくても何とかやっていく」
    ・get along without something
              「何かがなくてもうまくやっていく」
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) He never showed up, but we managed to get along [=get by] without 
  him. (Merriam-Webster's English Learner's Online Dictionary)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/onlineeed.html#mwl
  「彼は二度と現れなかった。でも、私たちは彼なしで何とかうまく済ませた」

  with は「人と一緒に順調に進む」だが、without は「人がいない状態でも
  順調に進む」。「順調」ではなく「どうにかこうにか」の場合が多いのか。

  get by は「通り過ぎる」で「何とか切り抜ける」。


 (b) ... all private institutions and the entire community college   
  system here get along without the bureaucratic inefficiencies of  
  the State Personnel Act...(アメリカ英語口語例)
  (“Collins コウビルド英英辞典 改訂第5版”トムソンコーポレーション)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#cobuild
   「ここにある全ての民間機関とコミュニティカレッジのシステム全体は、
    州の人事職員法の官僚的な非能率を排除し、うまく機能している」

  without の後ろには「事物」も置ける。「物事なしでやっていく」「物事を
  使わずにやっていく」。

  部分だからはっきりとはわからないが、inefficiencies とあるので、「そ
  れがない方が順調にいく」いう文脈でも使えるのか。


………………………………………………………………………………………………
(4)Get along with you!
……………………………………

 (a)“Get along with you!” retorted Peter, grinning.
   (“A Christmas Carol” by Charles Dickens)
    「『出て行け!』と歯をむいて、ピーターは言い返した」

  (1)の(c)で使われている「帰る」「離れる」の命令文の使い方。「帰れ!」
  や「出て行け!」という意味になる。自分では使わない方が良いが、言われ
  たら分かるようにはしておきたい。


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 参考文献  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html
……………… http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html
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● あとがき

 思っていた記事を発表することはできなかった。何しろ、この時期はいろんな
 ことが一度にやってくるので、計画性のない私は困ってしまう。いや、少しは
 計画を立てているのだが、見通しが甘い。δ(⌒〜⌒ι)

 やっと今日少し寒気が緩んだ。ありがたいことだ。


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 ☆ブログ 丹生川郷下村通信
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        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2013
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