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第202号 冠詞−1

=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
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┛┛   英語の文法と語法    No.202    20130331   Chick Tack
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             ● 第202号 ●

………………
 Contents          冠詞−1
………………
       (1)冠詞の基本情報

       (2)let go of something[someone]


………………………………………………………………………………………………
(1)冠詞の基本情報
……………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・〔名詞句中〕の前方に置かれる言葉に〔冠詞〕がある。
    ・〔冠詞〕には2種類ある。
      1.定冠詞(Definite Article)・・・the[δ∂;δi]
      2.不定冠詞(Indefinite Article)・・・a, an
    ・情報発信者と受信者に共通認識のある名詞には the を使う。
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) I have a book in my bag.  The book is interesting.
  「私はカバンの中に1冊の本を持っている。その本はおもしろい」

  〔冠詞〕というのは厄介だ。使いたい名詞を〔辞書〕で探し、どのように
  〔冠詞〕を使っているか、または使っていないかを確かめて英文を書くこと
  がよくある。

  中学生には、こう伝えるように推奨されている。book は〔名詞〕です。1
  冊・2冊と数えられるので、〔冠詞〕か〔冠詞の代わりの語句〕を置かなけ
  ればいけません。1文目の book は、この会話で初めて出てきました。
  1冊ならば a を置きます。2文目の book は、先ほどカバンの中にあると
  いわれた book です。2度目の出現です。the book とします。誤解がない
  ようならば The book を It に換えることもできます。bag も〔名詞〕です
  が、誰のものか分かっている場合は〔所有格〕(この場合は my)を付けま
  す。

  第189号の〔限定詞〕の回で、〔冠詞〕についても触れているのだが、自分
  が読んでも分からない難解な説明となっている。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/181-200/egu189.html
  もう少し分かるように実際の〔冠詞〕利用について調べてみる。

  ヨーロッパの多くの言語の話者にとって〔冠詞〕は馴染みのあるもので、英
  語よりも複雑なことも多い。そのため、我々日本語話者やロシア語話者など
  には理解できないことが、すんなり分かることが多いようだ。

  日本人用になのか、このような説明を聞いたり、読んだりすることが増えた。
  一文目の book は、話し手・書き手が初めて話題にあげた〔名詞〕です。聞
  き手・読み手は頭の中に book というものはありませんでした。初めて聞く
  新情報です。もちろんどんな book かという予備知識はありません。このよ
  うに少なくとも一方に新情報である場合、〔不定冠詞〕a, an が使われます。
  2文目の book は、話し手がカバンに入れている本だという情報を、聞き手
  も既に知っています。このように両者ともにある程度の情報を得ているもの
  を表す〔名詞〕には〔定冠詞〕the が用いられます。


 (b) Can you open the window?  -- Sure.
   「窓を開けていただけますか」―「いいですよ」

  話し手は、初めて window という〔名詞〕を登場させています。聞き手はこ
  の場面で window という〔名詞〕を初めて聞きました。しかし、この   
  window を聞いた聞き手は、どの窓なのかすぐに分かります。話し手と聞き
  手の両方に、どの window なのかという共通認識があるのです。その場合、
  〔定冠詞〕the を使います。初めて出てきても a ではないのです。

  以上のような内容の説明だ。


 (c) Can you recommend a good restaurant?
  (“English Grammar in Use 3rd edition”Raymond Murphy)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#egu
    「良いレストランを紹介[推薦]してもらえますか」

  この restaurant は〔不定冠詞〕の a を利用している。

  発話者は、レストランという〔名詞〕を自ら使っているが、具体的にどのレ
  ストランかは特定できていない。従って the を用いていない。

 (d) I had a meal at the best restaurant in the world.
   http://college.biggirlssmallkitchen.com/
   「私は世界で一番良いレストランで食事をした」

  (d)の restaurant は「世界最高のレストラン」として特定が可能である。
  話し手はもちろんそこで食事をしたわけなので、具体的にどのレストランか
  は知っている。聞き手は知らない可能性もあるが、レストランガイドなどを
  見たり、インターネットなどで調べれば、具体的に見つかる可能性が高い。
  このように、同定可能な場合は、聞き手も共通認識があると考えると良いと
  思う。

  lunch, dinner などは〔無冠詞〕で用いられることが多いが、meal は〔冠
  詞〕がつくことが多い。特定の食事ではないので a が付いている。

  「世界」は一つで特定可能なので world には the が付いている。

  〔定冠詞〕を使う場合について、今後細かく見ていきたい。そこで〔最上級〕
  の〔形容詞〕や〔序数詞〕が使われている場合や「世界」「太陽」なども取
  り上げるつもりである。

  いつになっても〔冠詞〕の取り扱いは難しく、戸惑うことも多い。どういう
  原理なのか、私なりに調べていきたい。


………………………………………………………………………………………………
(2)let go of something
…………………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・let go of something[someone]
               「(つかんでいる)何かを放す」
               「何かを忘れる」「執着を取り去る」
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) Don't let go of the rope.「そのロープを放すな」
  (研究社『新編英和活用大辞典初版』編集代表市川繁治郎)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#kdec

  Let me go. ならば「私を行かせなさい」という〔使役〕〔許可〕になる。

  Let go of me.「私を放して」 と of の後ろに「人」を置くこともできる。

  “Merriam-Webster's English Learner's Online Dictionary”に
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/onlineeed.html#mwl
  He let the rope go. = He let go of the rope. とあったので、(a)は
  〔使役〕の表現から生まれたのではないか。of は〔分離〕の意味を表して
  いると考えると良いのか。

  let の〔使役〕は第133号で取り上げた。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/121-140/egu133.html#2


 (b) The boy grabbed Jack's coat and would not let go.
   (“A DICTIONARY OF AMERICAN IDIOM 4th edition”BARRON'S)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#dai
    「その少年はジャックのコートをつかみ、放そうとはしなかった」

  今回の意味で、「放す」と「離す」はどちらも使えそう。

  (b)のように of 以降がない場合もある。


 (c) Don't let go of my hand, or you'll get lost.
  (“Oxford IDIOMS Dictionary for learners of English”OUP)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#oidle
    「私の手を離すな。そうしないと、迷子になっちゃうぞ」

  “命令, or...”は「〜しなさい。そうしないと……」。
  “命令, and...”は「〜しなさい。そうすれば……」。

  “A or B”は「どちらか一方が成立」。Aが成立すればBは成立しない。
  Aが成立しなければBが成立。

  “A and B”は「両方が成立」。Aが成立すればBも成立。

 (d) We have to let go of some people[workers].
   「うちはリストラしなければならないんです」
   (市橋敬三著『話すためのアメリカ口語表現辞典』研究社)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#dcasee
    ←「私たちは何人かの人[労働者]を手離さなければいけません」

  できれば使いたくない表現だ。

  「We have to let some people[workers] go. の方がよく使う」と引用書に
  あり。We have to downsize. もよく使うらしい。


  「忘れる」や、ときには「水に流す」「執着を取り去る」と訳ができる場合
  もある。やはり、「主語から何かを離す」ことにつながる。

 (e) You need to let go of the past.
  (Merriam-Webster's English Learner's Online Dictionary)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/onlineeed.html#mwl
   「あなたは過去を忘れる必要があります」
   「過去のことは忘れなさい」


………………………………………………………………………………………………
 参考文献  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html
……………… http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html
       http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html


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● あとがき

 名詞についてやり残していることがあるのだが、冠詞も調べてみたい。読まな
 ければならない資料も多いのだが、あまり時間がない。消化不良のままで書く
 こともあると思うので、ご勘弁願いたい。

 昨日は、母の三回忌の法要であった。疲れた。仏事からは当分の間離れていた
 い。(^人^ (^人^ ) 


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 ☆ブログ 丹生川郷下村通信
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