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cool

 Subject: 中学英単語 157cool
    Date: Mon, 8 Oct 2007 07:10:00 +0900 (JST)
    From: mag2 ID 0000139181


■■■  English Words for Junior High School Students    20071008
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 ●          中 学 英 単 語
■■■●
■■■ ● ●157 cool       毎週月曜日発行      Chick Tack
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157.cool



<発音>――――――――――――――――――――――――――――――――
★[ku:l クール]

  前回の cook は、[U ウ]の音でした。口の真ん中よりも奥上のところか
  ら出てくる音です。

  今回の cool は、前回の[U]よりもさらに奥で、もっと上の方から出てく
  る音です。[u: ウー]という音になります。


<品詞と意味>―――――――――――――――――――――――――――――
★[形容詞]{比較級:cooler[ku:l∂r クーラ(ー)]}
      {最上級:coolest[ku:list クーリスト]}


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☆(1)涼しい、ひんやりして

 It is cool today.「今日は涼しい」《中1》

  コリンズ英英辞典では、“between cold and warm”とありました。cold と
  warm の中間ということです。他の英英辞典の記述をまとめると、hot, warm
  とは反対の状態で、cold の度合いが低い。cool は cold と異なり、心地よ
  さが伴うことが多い。となります。

  一般に、低温から高温にかけて、cold, cool, warm, hot の順になります。
  また、cold については、152号で紹介しています。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/151-200/152cold.html

  cool については、第93号の「天気に関する語句」のコーナーで詳しく紹
  介してありました。やはり、同じ人間ですね。同じような例文を使って説
  明しようとしていました。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/093why.html


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

 The evening air was cool.「夜の空気はひんやりしていた」《中2》

  皆さんも、a や the の〔冠詞〕の使い分けに苦労していらっしゃいますよ
  ね。それは、私にとっても、かなり難しいものなのです。

  一般的に、話し手とその聞き手が「ああ、あの〜か」と「〜」に当たる名詞
  を特定できるときには、the が使われます。

  多分、上の例文では、話し手(または書き手)と聞き手(または読み手)が、
  この言葉以前にも情報を交換し合っていて、「ああ、その日の夜の空気ね」
  と、いつの空気なのか分かっているのでしょう。


      ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛  ┛ ┛

  cool は、この他にも、「冷静な」「冷酷な」「かっこいい」などという意
  味でも使われます。しかし、今回はここでやめておきます。上記の意味は、
  第93号の「天気に関する語句」のコーナーで説明しています。そちらをご
  らんください。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/093why.html


<簡単な語源>─────────────────────────────
         _                    _
  古英語期に col という形で使われていました。動詞形は colian でした。
  どちらもゲルマン中期低地語が同じ形でした。

  オランダ語では、現在 koel という形で使われています。

  第152回 cold で書いたように、cool と cold は、関係があります。イ
  ンド・ヨーロッパ祖語までさかのぼれば、同じ接尾辞 gel に行き着くとい
  われています。

  gel は、「凍る」という意味なので、gelatin「ゼラチン」や jelly「ゼ 
  リー」も同じ祖先を持つと考えられています。glacier「氷河」などもそう
  です。

  「ゲル」や「ジェル」というのも、この gel から来ています。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――
次回は country です。
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◆あとがき◆

 本文中にも述べましたが、cool は〔動詞〕としても使われます。warm も「暖
 める」という意味になります。

 イソップのお話に、“The Man and the Satyr”「男とサテュロス」というも
 のがあります。サテュロスというのは、ギリシャ神話の酒の神バッカス[ディ
 オニュソス]の従者たちで、山野の精です。女の人と酒が大好きな半人半獣の
 存在です。


 日本語と英文の混合でお伝えします。

  ある日、男が、森でサテュロスの一人と出会いました。彼らは意気投合し、
  友達になりました。そして、男の小屋で一緒に暮らし始めました。

  あるとても寒い日、男はかじかんだ指を温めるため、「ハーハー」と手に息
  を吹きかけました。

  "Why do you do that?" 「どうしてそんなことをするのだ?」
  asked the Satyr. サテュロスはたずねた。
  "To warm my hands," 「手を温めるためだよ」the Man replied.
  男は返事した。

  小屋に帰った2人は、食事の準備に取り掛かった。準備ができて食べ始めた
  とき、男は「フーフー」と、おかゆを冷ますために息を吹きかけた。

  "Why do you do that?" he asked.(he=the Satyr)
  "To cool my porridge,"「おかゆを冷ますためさ」 replied the Man.

  サテュロスは、言った。「もうお前は友達なんかじゃない。同じ息のくせに
  熱い(hot)息を吹いたり、冷たい(cold)息を吹いたりするやつは、信用でき
  ない」

 こんな話です。本によっては熱い食べ物が熱い肉(meat)となっているものもあ
 りますが、最後の教訓の文は同じです。

  A man who talks for both sides is not to be trusted by either.
  「両方の側のために話す男は、どちらからも信用されない」
  →「二枚舌はダメ」


 少し話の筋とは離れるけれど、こんなことを言いたいんだと思います。

 ただ、吹き方によって to warm something できるのも確かだし、to cool  
 something できるのも確かです。サテュロスは短絡的です。でも、世の中はそ
 んなものだという点では正しいでしょう。気をつけないと。

 そして、この話の中で、to warm, to cool が、最後には hot, cold と極端な
 表現に変えられているところも味噌(みそ)です。2つの英訳本を見たので
 すが、ここの部分はどちらも同じでした。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/referw01.html#aesopchild


 日本では、サテュロス(Satyrs)という複数形でのみ語られます。サテュロ  
 (Satyr)という単数形は使われません。従って、Satyr と書かれていてもサテ
 ュロスと訳しました。これは sport と書かれていてもスポーツ(sports)と翻
 訳することと同じになります。スポートとは言いませんから。

 スポルトと発音するのは、英語ではありません。フジテレビの番組名になって
 いますが、何語から取ったのか分かりません。イタリア語は sport とつづり
 スポルトと発音すると思います。

  
・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・
        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2007
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