新聞記事への問い合わせ


「啓蟄(けいちつ)」は、あらゆる生き物が冬の眠りから目覚める日である。この日にちなんで、2004年3月5日(金曜日)の新潟日報朝刊に、ある新聞記事が掲載された。その記事を読み、普段は読み流す程度の他愛もない間違いなのだが、つい、以下の問い合わせをしてしまった(1)。



Date: Fri, 12 Mar 2004 19:38:22 +0900
To: webmaster@niigata-nippo.co.jp
From: Masato Hasumi
Subject: 記事への問い合わせ(2)

新潟日報御中、羽角@新潟大学です。

過日、記事への問い合わせをした者です(下記参照)。

本日(3月12日)で、ちょうど問い合わせから一週間になりますが、新潟日報
に訂正記事は出ていないようですし、問い合わせに対する回答もいただいて
おりません。

明らかな誤りを訂正しないのは、真実を報道すべき新聞社の責務を放棄して
いるのと同じことです。それとも「一般の読者が気付かない点を、わざわざ
訂正する必要もない」とでも、お考えでしょうか?

問題の写真に産出直後の卵嚢が写っていないのが、私の指摘した点が正しい
ことを示す何よりの証拠です。

もし、私の指摘した点を「誤りでない」という方がいるのだとすれば、それ
は、サンショウウオのことをよく知らない方です。そのような方を情報源と
する新聞社の姿勢も、ここでは問われることになります。

この件に関して、御社の誠意ある対応を望みます。

>Date: Fri, 5 Mar 2004 19:26:50 +0900
>To: webmaster@niigata-nippo.co.jp
>From: Masato Hasumi
>Subject: 記事への問い合わせ
>
>新潟日報御中、羽角@新潟大学です。
>
>サンショウウオを専門に研究している者です。
>
>本日(3月5日)付、新潟日報朝刊9面に掲載されている、クロサンショウウオ
>に関する記事のことで、お尋ねします。
>
>記事の内容には、2つの大きな間違い(誤解を与える点)があります。
>
>(1) 「夜に産卵することが多いが、この日はたまたま日中に行われていたた
>め、目にすることができた」とありますが、ここに掲載されているのは、メ
>スが産卵している写真ではありません。どう目をこらして見ても、卵嚢の周
>りにオスが何匹か集まっているだけの写真です。これでは、読者に誤解を与
>えてしまいます。
>
>(2) 「30-40個ほどの卵を含む白い卵のうは最初は丸いが、水を含むとア
>ケビ形になる」とありますが、卵嚢は、最初は丸くありません。成人男子の
>小指くらいの大きさで、細長い形をしております。
>
>他にも若干、首をかしげたくなる箇所はありますが、少なくとも前述の箇所
>だけは、訂正を要求します。
>
>担当者の電子メールアドレスが分かりませんでしたので、ホームページにあ
>るアドレス宛てにメールを送っております。お手数ですが、担当者に転送し
>ていただきますよう、お願い申し上げます。

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羽角正人(はすみまさと)
〒950-2181
新潟市五十嵐2の町8050
新潟大学理学部生物学教室
mailto:mhasumi@bio.sc.niigata-u.ac.jp
URL:http://www5d.biglobe.ne.jp/~hasumi/
----Publish or perish?----
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この「独り言」をアップした時点で、問い合わせから2ヶ月近く経過しているが、新潟日報からは何の返事もない。私のメールは、完全に無視されてしまったようである。確かに「この手の抗議を受けて、新潟日報が訂正記事を出した」という話は、これまで聞いたことがない。その一方で「新潟日報の記者は、記事の裏付けを取らない」という話は、研究者の仲間内では昔から有名である。まあ、でも「その程度のレベルの新聞なんだなあ!!」と思えば、腹も立たないか......。

[脚注]
(1) この記事の情報提供者がサンショウウオの研究を一度もしたことがない人物だったことが、サンショウウオ研究のプロフェッショナルと認められている私のプライドを刺激したのかもしれない。


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