渓流の中の卵嚢群

Fall-like TorrentEgg Sac Mass (kimurae)

長野県白馬村北城に生息するヒダサンショウウオの産卵のための速い流れ。

(A) 渓流(水温=7.8℃、水のpH=6.1〜7.2)の少なくとも3ケ所で見られる滝のような流れ(2006年5月4日撮影)

渓流のところで見られた生き物は次の通り。
ヒダサンショウウオ:
(1) 渓流の石の下、または卵嚢群の中からオス4匹
(2) 渓流から性別不明の個体1匹
(3) 渓流の平たんな場所から越冬幼生7匹
(4) 渓流の小石(7×5×3.5cm)に付着した卵嚢1対で、2005年の産卵場所から33.8mほど上流で見つかったもの(22個と24個の胚で、発生段階は神経胚初期)
(5) 渓流の泥をかぶった石に付着した卵嚢3対で、2005年の産卵場所から1.4mほど下流で見つかったもの(9〜27個の胚で、発生段階は神経胚後期〜尾芽胚初期)
(6) 渓流の右岸の下に隠れている、たくさんの砂利をかぶった2個の石に付着した卵嚢8対で、上述の卵嚢3対が産出された場所から1.0mほど下流で見つかったもの(12〜24個の胚で、発生段階は神経胚後期〜尾芽胚初期)
ヤマアカガエル:
(1) 渓流から幼体9匹
タゴガエル:
(1) 渓流からオス1匹
(2) 渓流から30cmの陸上にある枯れ葉の中から幼体1匹

(B) ヒダサンショウウオの卵嚢群(胚の発生段階は尾芽胚後期、または尾芽伸長期)で、胚の発生段階を調べるために、渓流(水温=8.4℃、水のpH=6.9)の2ケ所の隠れた産卵場所から開けた場所に移されたもの(2006年5月20日撮影)。調査時に、ヒダサンショウウオのオスと思われる1個体が、渓流から30cmの陸上で死んでいた。

同行した調査者(アルファベット順、敬称略): 長谷川巖(福井県武生)、懸川雅市(東京都立小松川高等学校)、岸冨士夫、齊川祐子(しろうま自然の会)、高田孝慈(長野市茶臼山動物園)。


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