興正寺別院
興正寺別院。 門前の城之門筋は日本の道百選のひとつに選定されています。(日本の道百選・顕彰碑) 公開

浄土真宗興正寺派 (浄土真宗本山興正寺)

富田林・寺内町の成立と発展の中核寺院です。
地元の人からは「御坊さん」(富田林御坊)として親しまれています。
所在:
   
城之門筋・堺町 (じないまち散策地図
由来:
   
応永年間(1394−1412年)に毛人谷(えびたに)御坊に草創。
    永禄3年(
1560年)に京都・興正寺第14世証秀上人が現在地に移建。
建物の特徴:
   
城之門筋に表門を開き、鐘楼・鼓楼を構え、本堂・客殿・庫裏などを配する。
    表門は桃山調の高いもので、もと桃山城門のひとつが興正寺に寄与されたものをここに移建したと伝えられている。
本堂

寛永15年(1638年)再建。

本堂は江戸時代には寺子屋として利用され、現在の市立富田林小学校の前身である。戦前には開基祭に小学生が学校から参拝し菓子を配り、通りには出店が開いて祭りが催された。

第2次大戦中、大阪市内の平野国民学校の学童疎開受け入れを行った記録が残っている。
山門

薬医門で桃山城城門を旧天満別院から移築されたもの。重文級。城門であった為、通常の寺院山門に比べて建物規模が大きいのが特徴で、馬に跨って通行できる高さを確保したものと言われる。

(薬医門)
2本の本柱・控え柱に、冠木・男梁・女梁・かえる股を組み合わせ、棟木は本柱の柱筋とはずれている独特な架講の門。
雨蓋瓦 (山門)

隅棟の下方にあって、瓦の接合部を覆う飾り瓦。動物などの飾りをつけたものが多い。留め蓋瓦(とめぶたがわら)ともいう。
雨蓋瓦 (山門)
扉が開いた山門

(記念講演会、2002年5月3日)
山門鼓楼(左) 
 境内から
御成門 (勅使門)

山門脇の小振りの門は、御成門 (勅使門)で菊の御紋が施されており、実際には開かずの門になっていました。大正6年に皇太子裕仁親王(昭和天皇)が楠公誕生地 赤阪城址に行啓」と記録にありますが、この際に興正寺別院にも足を運ばれたのかどうかは不明とのことです。
雨蓋瓦 (御成門)
鐘楼

釣鐘は
春季祭(証秀上人・開基祭)と秋季祭(親鸞上人・報恩講)、除夜の鐘で鳴らされている。
  
鐘楼(境内から)
興正寺別院の鼓楼 (堺筋を挟んで背後は杉田邸)。以前には太鼓を打ち鳴らして時刻を告げていた。 鼓楼
鼓楼・花頭窓(かとうまど)
鼓楼 (全景、釣鐘の形をした花頭窓、堺筋から撮影)

手前の石碑は「日本の道百選」顕彰碑

鼓楼が寺内町煎餅の図柄にも取り入れらています。 寺内町煎餅の図柄になっている鼓楼の花頭窓
富田林道場とも呼ばれ、本堂内部は外陣が内陣に比して大きいのが特徴。 本堂 (外陣・内陣)

富田林道場として建立され、外陣が内陣に比して大きい。

@ 本尊阿弥陀如来立像 (伝鎌倉末)
A 親鸞聖人像
B 開山聖人像
C 華園摂信(本寂上人)像


をそれぞれ安置する。
松図 (狩野寿石秀信筆) 「松図」 (本堂襖絵)

幕府御用絵師・狩野寿石秀信筆
竹梅図 (狩野寿石秀信筆) 「竹梅図」 (本堂襖絵)

幕府御用絵師・狩野寿石秀信筆
中国故事「二十四孝」欄間彫刻

本堂内部正面の内陣と外陣の境にある欄間彫刻は、中国故事「二十四孝」の内、7話を題材にしたものです。江戸時代には寺子屋などで幼児教育としてしつけの教科書としても使われました。
証秀上人記念塔

本堂脇には興正寺別院(富田林御坊)の開基である興正寺第14世・証秀上人の記念塔があります。興正寺別院を中核に富田林・寺内町が成立し、その後は南河内の経済中心地として繁栄してきた歴史を考えると、富田林・開墾開拓の父とも呼べるでしょう。
興正寺別院(城之門筋に沿って手前から鐘楼、鼓楼) 日本の道百選 「城之門筋」
「日本の道百選」顕彰碑 (興正寺別院)
  
「日本の道百選」顕彰碑 (興正寺別院)
城之門筋 (あてまげの道)

寺内町は戦国時代の自治・自衛都市の町割をそのまま残しており、直交する2つの道路(南北が筋、東西が町)をわずかにずらすことで、遠方がまっすぐに見通せない構造になっている。

歴史的町並みをスケッチされるご来訪者

グループで町並み散策されるご来訪者

歴史的町並みをスケッチされるご来訪者

歴史的町並みをスケッチされるご来訪者

2005年2月

英語で案内されながら町並み散策 (2005年2月)

ライブコンサート及び記念講演会 


「富田林寺内町をまもりそだてる会」発足10周年記念イベントとして、2004年10月10・11日の2日間、興正寺別院本堂内で「沙弥音」ライブコンサート(10日夜)、記念講演会、パネルディスカッション(11日午後1時)がそれぞれ開催されました。
「富田林寺内町をまもりそだてる会」発足10周年記念行事「じないまちフェスタ 」のイベントとして、興正寺別院本堂で「沙弥音」ライブコンサートが開催されました。
(2004年10月10日午後7時半)
「富田林寺内町をまもりそだてる会」発足10周年記念行事「じないまちフェスタ 」のイベントとして、興正寺別院本堂で、文化庁文化財部建造物課長 苅谷勇雅氏を講師にお招きして 「歴史的町並みとと共生する優れた住民活動と文化資源の活用」をテーマに記念講演会が開催されました。
(2004年10月11日午後1時)
「富田林寺内町をまもりそだてる会」発足10周年記念行事「じないまちフェスタ 」のイベントとして、興正寺別院本堂で、記念講演会に引き続いて、「じないまちの歴史を未来につなげる − 町並みを新しい時代にどう活かす」をテーマに関するパネルディスカッションが開催されました。
(2004年10月11日午後2時)


(左から)
コーディネーター: 立命館大学教授 高田昇氏
パネリスト: 文化庁文化財部建造物課 苅谷勇雅氏
        大阪芸術大学 武谷なおみ氏
       今井町町並み保存会事務局長 井上康二氏
        富田林寺内町をまもりそだてる会副会長 木口俊彦氏 



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