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  小さなギャラリ―を建てた。名称は「樹下の舎」。敷地は私が事務所に使っている主屋(土佐山田の 家 )の裏庭の半分を割り当て、あとを中庭に残した。「樹下の舎」は中庭を挟み渡り廊下で主屋に繋いだ増築であって表通りからは奥まっていて見えない。しかし衰退してゆく街の再生への一助になるのではないか、こうした事例が重なれば街並みは厚みを増し、 あじ わいを深めて活気付くのではないかと考える。
  「樹下の舎」へのアクセスは、隣家との隙間から始まる。隙間の幅は 70cm 、狭くて日陰の空間は昔日の記憶を抱えて懐かしい。通り抜けると空間は開け 7 mの高さを誇る金木犀を見上げる。「樹下の舎」は文字通りこの樹の下につくられ、屋根に穿たれたトップライトのガラス面が樹影を映す。「樹下の舎」と主屋を結ぶ渡り廊下は井戸からの水を浅く張った池の水面に列柱を映し、水面に射す光は弾かれ渡り廊下の天井に波紋を映している。「樹下の舎」の内部では壁面を床と天井から切り離す隙間からの光が浮遊感を強調している。なおもトップライトを透かして見える金木犀の樹影は空間を刺激する。展示物も否応なく刺激され建築空間とのコラボレ―ション。何処にも無いここだけの空間。
  ギャラリー開館時のサイン(土佐山田の家)
 
 
 
         
          | 賞歴 |   
          | 2006年5月 
 | 第2回木の建築賞/木の建築大賞 主催:NPO木の建築フォラム 
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          | 2005年12月 | 平成17年日本建築士会連合会/奨励賞 
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