赤牛岳(あかうしだけ)  1/6

(2,864m、富山)  143座

太郎平〜黒部五郎岳〜鷲羽岳〜水晶岳〜赤牛岳〜読売新道を下る

水晶岳付近から見た赤牛岳。バックは立山・剣岳

 2006年
  7/30 上野−(夜行列車)−7/31 富山駅−(バス)−折立〜太郎平小屋
  8/1 太郎平小屋〜黒部五郎岳〜黒部五郎小舎
  8/2 黒部五郎小舎〜三俣蓮華岳〜鷲羽岳〜水晶小屋
  8/3 水晶小屋〜水晶岳〜赤牛岳〜(読売新道)〜奥黒部ヒュッテ
  8/4 奥黒部ヒュッテ〜平ノ渡〜黒部ダム
  アルプスに咲いていた花

2006年7月30日(日)

【プロローグ】
 赤牛岳は北アルプスのど真ん中、黒部の源流に鎮座し、まさに牛が寝そべったようなボッテリした山容をしている。
 私はこの山に特別魅力を感じていた訳ではないが、山頂から一気に黒部ダムへ下る「読売新道」を一度歩いてみたいと思っていた。

 それがこんなに早く登ることになったのは、北海道のカムエク(正しくはカムイエクウチカウシ山)へ行く予定だったのを急遽キャンセルしたからである。
 今年の夏休みはカムエクと決め、昨年からテントや渓流シューズを買い、2ケ月も前から航空券やレンタカーの手配をしていたが、天気が思わしくなく2日前になってキャンセルした。

 そして、「そうだ! 赤牛へ行こう!」と思い立ち、富山までの夜行寝台券を買った。コースは富山県の折立おりたてから登り、黒部五郎岳、鷲羽わしば岳、水晶岳を縦走し、読売新道を下るというもので、かなりロングコースではあるが、花が多く、しかも日本百名山を3座、200名山を1座登って読売新道を下るというロマンがあった。

 読売新道から黒部湖を歩いて見たい、そんな思いで、上野発23時03分の夜行寝台特急「北陸」に乗った。缶ビールを飲んで寝たが、久しぶりのアルプス山行のせいか、なかなか寝つけなかった。


2006年7月31日(月)

  【折立〜太郎平】

 富山駅600-(バス)-745折立800〜940三角点950〜1125昼食1150〜1205五光岩〜1305太郎平小屋

 朝5時起床。空は晴れているようだが、アルプスは見えなかった。列車は濃い緑の田園地帯を走り、やがて定刻通り5時33分に富山駅へ着いた。
 前に来た時は、富山駅から地鉄で有峰口まで行ってからバスに乗り換えたが、今はJR富山駅から直通折立行きが出ているので便利だ。(直通バスの予約は 076−442−8122)

 南口を出ると左手にハートインというコンビニがあり、そこで朝食と昼食の弁当、缶コーヒーなどを買い込んだ。
 頭上には真夏の空が広がっていたが、アルプスは靄がかかって見えない。しかし、バスで1時間ほど走ったころ左手に水墨画のようにボンヤリと山が見えるようになって来た。近くのオジさんパーティーが「あれが剣だなあ・・」と言っていたが、剣岳にしては近すぎるような、物足りないような気がした。

 折立には大きな駐車場やキャンプ場があって驚いた。20数年前とは大分違っていた。無料休憩所も新しくなっていた。
 日焼け止めクリームをたっぷり塗って、8時ジャストに出発する。

 懐かしいブナ林の中を登って行く。20数年前に登った時は雨の中だったが、今日は雨の心配はない。それよりも暑さ対策を考えて、ゆっくりゆっくり登って行った。時々、爽やかな風が吹いて来る。「やっぱり山はいいなあ・・」とつぶやいた。

 大きな木があり、前が開けた所で2人が休んでいた。私もそこで休憩。2人は下山者で、この辺は少し靄がかかっているが、上は快晴だという。思わず心が弾む。
 三角点で水分を補給した。ニッコウキスゲが咲いていた。先月、ニッコウキスゲを見に尾瀬へ行く予定だったが天気が悪く諦めた。せめてこのニッコウキスゲを見て慰めよう。

 すぐに木道になった。時々、正面に薬師岳の山頂が見えた。

「五光岩のベンチ」と思われる所で大勢の人が昼食を摂っていたので、私もここで昼食にした。周りは草原で気分は爽快だった。

 しかし、そこから15分ほど歩いた所に同じようなベンチがあり、「五光岩のベンチ」の標識があった。

 薬師岳と太郎平小屋が見えて来た。後ろから甲高い声で喋る男性3人組が登って来た。うるさいので先に行かせ、離れるようにして歩いたが、山へ来てまで一体何を喋っているのだろうか。

 空が怪しくなって来た。夕立が来ないうちに小屋へ着かねば、と思ったが、黒い雲はすぐに消えた。

 小屋の手前まで行くと、チングルマの群落があった。タテヤマリンドウも群落をなして咲いていた。しばし撮影タイム。


お花畑

チングルマ

タテヤマリンドウ

 小屋へ着くなり缶ビールを買い、外のベンチで飲んだ。うまいんだなーこれが!

 小屋の前からは目の前に薬師岳が見えた。水晶岳や黒部五郎岳は少しモヤがかかっていた。今回の目的である赤牛岳は薬師岳に隠れて見えない。

 山を眺めながら仙台から来たというMさんと一緒にビールを飲み、時々カメラを構える。Mさんから朝日連峰や飯豊山について教えて貰った。来年は東北の山を重点的に登りたいと思った。

 しばらくするとガスが流れ、視界が閉ざされた。薄手の長袖シャツを羽織っても寒かった。私は周りにいた人に、「こんな天気の時は夕方になって晴れることが多い」と自慢げに言った。

 それが見事に的中。夕方になって晴れて来た。昨日、関東甲信越と中部も同時に梅雨明け宣言があった。明日は最高の天気になるに違いない。

 この小屋は「アルプスの十字路」といわれる位置にある。北に薬師岳、東に雲ノ平、南が黒部五郎岳、そして西は折立である。宿泊者の行き先も大方4等分されるようだ。

 宿泊者の中には、とりあえず三俣蓮華まで行って、そこから新穂高温泉へ下るか信濃大町へ下るか考える、というような”行き先不明確”な人が何人もいることに驚いた。エスケープなら仕方がないが、初めから決まっていないとは呆れたものだ。


太郎平小屋からの薬師岳

鷲羽岳(右)と水晶岳(左)

黒部五郎岳