赤牛岳-2/6

  7/30 上野−(夜行列車)−7/31 富山駅−(バス)−折立〜太郎平小屋
  8/ 1 太郎平小屋〜黒部五郎岳〜黒部五郎小舎
  8/ 2 黒部五郎小舎〜三俣蓮華岳〜鷲羽岳〜水晶小屋
  8/ 3 水晶小屋〜水晶岳〜赤牛岳〜(読売新道)〜奥黒部ヒュッテ
  8/ 4 奥黒部ヒュッテ〜平ノ渡〜黒部ダム
  アルプスに咲いていた花/

2006年8月1日(火)

  【太郎平〜黒部五郎岳〜黒部五郎小舎】

 太郎平小屋630〜827神岡新道分岐〜837北ノ俣岳〜920赤木岳930〜11072578ピーク1150〜1320黒部五郎岳1356〜1550黒部五郎小舎

 朝方、雨の音で目が覚めた。トタン屋根を凄い音で叩き付ける雨音。今日は絶対に晴れると信じていたのに・・・。
 4時を過ぎてから外へ出ようとしたが、横殴りの雨で一歩も外へ出られない。玄関でタバコをふかしながら、この雨が降り続くようだったら停滞も覚悟しようと思いつつ、きっと止むに違いないと思った。

 5時から朝食を摂り、しばらく様子を見ていると、雨が止んだ。一斉に出発して行く。私は今日は黒部五郎小舎までなので急ぐ旅ではない。6時30分に雨具を着込んで出発。

 雨こそ止んでいるが、視界は50mぐらいだろうか。20数年前に来た時、ここから黒部五郎へ行くつもりが薬師沢を下ってしまったという「大チョンボ」をしたことがあった。今日は標識をしっかり確認して太郎山を登って行った。

 太郎山からは草原になり、チングルマの群落になった。そしてニッコウキスゲやヨツバシオガマ、エゾシオガマなども咲いていた。早速、撮影モードに入ったが余りにもガスが濃過ぎて絵にならない。


せっかくのお花畑もガスが濃くては・・・

ヨツバシオガマ

エゾシオガマ
 
 神岡新道との分岐を過ぎると、こんどはハクサンイチゲの群落になった。やはりこの道を選んで良かったと思った。黒部五郎岳は花の百名山に選ばれているが、このコースが一番花が多い。まさに雲表のお花畑である。

(写真左はハクサンイチゲのお花畑)

 北ノ俣岳(2661m)山頂まであと20mというあたりで日差しが指して来た。バンザ〜イ!

 赤木岳(2622m)の山頂で、雨具を脱いだ。もう薄日が差しているので雨の心配もガスの心配もないだろう。

 黒部五郎岳の山頂にはまだ雲がかかっているが、水晶岳から目指す赤牛の稜線が見えて来た。赤牛まではぐるっと半周しなくてはならない。何と遠いことか。とりあえずは今日一日のことだけを考えよう。

 中俣乗越のっこしをめざしていると、下って来るパーティーに、「中俣乗越まであとどのくらいですか?」と聞かれる。「??? 私も乗越を目指しているんですが・・・?」
 中俣乗越はどうも過ぎてしまったようだ。

 黒部五郎のすぐ手前のピーク(たぶん2578ピーク)まで来ると、5、6人が休んでいた。正面に黒部五郎岳、左手に水晶岳と赤牛岳がクッキリと見えた。よし、ここで昼メシだ。早速湯を沸かし、インスタントの焼きソバを食べ、コーヒーを飲んだ。仙台から来たMさんも近くで休んでいたが、早々に出かけて行った。私はたった一人でくつろいでいた。

【サムネイルになっています。拡大してご覧ください】

右から鷲羽岳、ワリモ岳、水晶岳。
赤牛は水晶の左側にあるが見えない。

黒部五郎岳
 
 

 そこから少し下って、本峰の手前にあるボッテリしたピークを登ると本峰の登山道がジグを切っているのがはっきりと見えた。こうして見ると遠くから見た時よりも簡単に登れそうな気がした。

 黒部五郎岳は名の通り、石がゴロゴロしている。石海のことをゴーローといい、黒部源流にあるため黒部五郎岳と呼ばれるようになったという。

 13時03分、肩(分岐)へ着いた。そこに仙台のMさんともう一人の男性がいた。ザックをデポしようとしていたので、「山頂はすぐそこですよ」と声を掛け、そのまま山頂を目指して行った。この道は5年ほど前に雨の中をカールから往復したことがあった。その時は視界が50mほどしか利かなかったが今日はバッチリ晴れている。逸る気持を抑えながらゴロゴロした石を登ったり跳ねたり、またいだりしながら山頂へ立った。13時20分着。

 山頂で仙台のMさんと横浜と東京から来たという二人連れのご婦人と一緒に山座同定を楽しんだ。しかし、山は見る角度によって大きく変わり、大分雲がかかってしまったので分からない山がいっぱいあった。槍の穂先が雲で隠れていたため、大天井岳を槍だと思ったり、三俣蓮華の一角を双六岳だと思ったり・・・。3人にかなりデタラメを教えてしまった。ゴメンなさい。(^^)

 まだ山頂に残るというMさんを残して3人は下山した。カールには花がいっぱい咲いていた。シナノキンバイがいっぱい咲いていた。やはり晴れていると花をゆっくり鑑賞できる。

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カールから見た黒部五郎

シナノキンバイ

 カールには雪渓から流れ出る沢がいたるところにあった。冷たい水をガブガブ飲んだ。

 黒部五郎小舎へ着いて受付をすると、明日泊まる予定の「水晶小屋は予約していますか」と聞かれる。予約をしていないと答えると、「泊まれないかもしれませんよ」と言われる。今回の山行で最大の問題が発生した。

 まずはビールを買い、外のベンチで飲みながら思案した。確かに水晶小屋は「北アルプスで一番小さい山小屋」で、定員20人のところへハイシーズンは60〜70人ぐらいが泊まるらしい。それを覚悟して来たのだが、予約はしていなかった。いや、出来なかったのだ。インターネットに「10人以上のパーティーはお断り」と書いてあり、その下に予約コーナーがあった。しかし、メンテ中で予約出来なかったのだ。

 もし泊まれなかったら、赤牛を諦めて野口五郎小屋まで行き、ブナ立尾根を下ろうと思った。あとは火となれ山となれ。(水晶小屋については次ページで詳しく述べます)

 ビールを飲みながら、隣のパーティーから東北の山や温泉などを教えてもらった。缶ビールを3本空にしたころ、仙台のMさんがやっと下って来た。
 今度はMさんと飲み直し。明日は鏡平へ行くというMさんに、日程があるなら鏡平から少し登り返して、ぜひ笠ケ岳へ行くことをお勧めした。

 黒部五郎岳の上空が茜色に染まった。
(左の写真は翌朝撮ったもの)