祝島の日々 2005 10〜12月





島の朝市、開催
今年最後の島の朝市が開催され、鏡餅や注連縄などに使う飾りやモロバ、
それにお餅などの年末ならではの品が並びました

ここ最近は寒波の到来もあって厳しい寒さが続いていましたが、
ちょうどこの日だけは寒さも緩み穏やかな一日となりました
この朝市で久しぶりに顔を会わせ、立ち話に花を咲かせる人たちも

ここ最近は時化続きであまり魚が揚がらないせいか、
漁協のゆでタコも飛ぶように売れていました
                                          (撮影 12/25)


櫂伝馬作成、順調
島の船大工、新庄さんによる櫂伝馬の作成が順調に進んでいます
船の側壁である「棚」をつけ、いよいよ船らしい形になってきました

しかし櫂伝馬の作成もここで一時ストップするそうです
なぜかと言えば、新しい船の注文が入ったからです

その船とは、錦帯橋がかかる錦川で行われる鵜飼船です

今年の夏、山口県は台風14号で水による大きな被害をうけました
錦川も氾濫し、多くの住宅が浸水するなどの被害があり、
錦帯橋も橋杭も流されるなどし、その一部が祝島に流れ着くなどの出来事もありました

岩国には鵜飼の伝統を継承している「錦川鵜飼振興会」という財団法人がありますが、
そこが所有する鵜飼舟なども流されるなどしたため、
鵜飼を行うための船の数が足りなくなっていたそうです

そのため、「錦川鵜飼振興会」では鵜飼船や屋形船を全国から借り、
また新しく作るなどして船を確保しているそうです
そしてそのうちの一つが、岩国の大工さんを通じて新庄さんに注文が入ったのだそうです

すでに材料も調達し終えており、「棚」の工程が終わったあとは、
鵜飼船に取り掛かるとのことです

当サイトでは、もちろん鵜飼舟の作成の様子もチェックしていきます
また櫂伝馬のほうですが、なんでも3月31日までに出来上がればいいとのことで、
新庄さんいわく、「楽勝、楽勝」だそうです

参考:木造漁船のできるまで
大雨で流された錦帯橋の橋杭、祝島で発見(祝島の日々2005年7〜9月)
                                          (撮影 12/20)


寒波到来
全国的に寒波が到来して厳しい寒さが続いています

祝島でも、特に今週の頭から寒さが続き、
「12月でこんなに寒いのは珍しい」と島の人たちは話していました
時化も続いたため、漁師もほとんど海に出ることができません

今週の土曜には朝7時半頃に大きな雷が鳴り雹が降りました
雷の音や衝撃は、地震や何かの爆発かと思った人もいたほど大きいものでした

この雷の影響で、ブレーカーが落ちた家や、
ISDN回線用のTAが故障して電話が不通になっている家が何軒かあるようです

そして夜半には雪が降り出し、日曜の朝にはこの冬最初の積雪となりました
山もうっすらと白化粧をしています

低温に弱いびわの花にも雪が積もっており、
びわをはじめとして農作物への影響が心配されます
                                          (撮影 12/18)


コッコーの収穫
祝島に伝わる不老長寿の伝説もある果実、コッコーの収穫がそろそろ始まっています

今年は台風の影響で葉が潮でやられたせいか、
甘みが足りないという人もいれば、熟すのが遅いという人もいます

今年も当サイトでコッコーを販売いたしますが、
コッコーワインの生産に多くをまわすため、数量を限定させていただきました

参考:コッコーの部屋
                                          (撮影 12/9)


冬のタコツボ漁
冬のタコツボ漁が始まりました
冬場の瀬戸内の真タコは「寒ダコ」と呼ばれ、特に味がいいといわれています

最近は冬場はあまりタコが揚がらないのですが、
今年はなんとか豊漁となって欲しいものです
                                          (撮影 12/1)


第3次瀬戸内カヤック横断隊、祝島に到着!
シーカヤックで瀬戸内を島から島へ、約300kmを1週間で漕ぎきる試み、
「第3次瀬戸内カヤック横断隊」が祝島に到着しました

11/18に小豆島をスタートし、今回は前回・前々回に比べ天候にも恵まれ、
すでに前日には上関町の中ノ浦まで到着

そして当日は中ノ浦から田ノ浦、そして祝島へと余裕を持って到着し、
今回で3回目となる横断隊は無事成功となりました

到着後、メンバーの半数はそのまま島に残り、
島の散策や新庄造船所の見学などをしました、

夜には祝島の神舞が農林水産大臣賞を受賞して1年経過したことを受け、
そのときの審査員らを招いて行われた「神舞についての懇談会」に飛び入りで参加
終了後、賑やかに歓迎会が開かれました

参考:第3次 瀬戸内カヤック横断隊の記録(仮)
HORIZON『第二次瀬戸内カヤック横断隊2004』を終えて
                                          (撮影 11/24)


新庄造船所に見学
現在、櫂伝馬を作っている新庄造船所に、
上関町内の室津小学校1〜4年生が祝島小学校のみさきちゃんと一緒に見学に来ました
子供たちは船の大きさに驚いたり、「木屑がいっぱいだ!」と珍しがっていました

参考:スナメリ倶楽部 「神舞」「木造漁船ができるまで」
                                          (撮影 11/17)


カタイの秋
島の東南部、集落から東に周ってしばらくいくと、
大きな溜池のある「カタイ」と呼ばれている土地があります

この辺りは晴れた日は四国や九州まで良く見えますが、
この日のような秋晴れの日はまさに絶景です

島中の道端に咲く黄色いツワブキの花と、
白い花びらに中央が黄色で上関町の花でもある野路菊

この山の緑に映える黄色と白は、秋の訪れを島に告げています
                          (撮影 11/16)


大物モイカ
祝島の漁師の浜村正夫さんが大物のモイカを釣り上げました
このモイカ(アオリイカ)、長さは胴が32cm、足を入れればその倍の大きさで、
重さも1.6kgとかなりの大物です

祝島ではモイカは10月から船を出しての釣りが解禁になりますが、
やはり最初の時期は形が小さいものが多いそうです
しかし今の時期になると、数はあまり揚がりませんがこんな大物が釣れることもあります

浜村さんは、この大物をぜひ孫に見せてあげたいとのことです
                                          (撮影 11/15)


島の朝市、久しぶりに開催
「島の朝市」が久しぶりに開催され、
島で採れた野菜や果物をはじめとして魚やお米、カンコロなども並びました

寒くなってきたので漁協婦人部のぜんざいも大人気

ちょうどエベス商店さんの3兄弟が七五三を迎えたので着物姿で登場し、
おばちゃんたちに囲まれていました
                                          (撮影 11/13)


櫂伝馬の造船が始まる
祝島には木造の船を作る現役の船大工がまだいます
その祝島の船大工、新庄さんが新しい木造船を作り始めました

新庄さんが今回作るのは、漁船ではなく櫂伝馬

櫂伝馬は祝島で4年に一度行われる「祝島 神舞神事」(祝島での通称は「神舞」)の、
入船・出船神事で使われる手漕ぎの船です

当サイトでは以前、新庄さんが木造漁船を作る工程をまとめました
(下記リンク参照、画像が行方不明なため未完です)

今回も、前回ほど綿密にはできませんが工程を追い、
折を見てその流れをまとめるページを作成する予定です

11/11現在の状況は、2枚の板を繋いで瓦(かわら、船底のこと)を作ったところです

参考:スナメリ倶楽部 「神舞」「木造漁船ができるまで」
                                          (撮影 11/4・7・9)


マアジの一夜干し
掲示板にも書き込みましたが、WWF Japanの通販部門である PANDA shop の、
「2005秋冬通販特別企画」で祝島漁協の「一夜干しセット」を掲載していただいたところ、
予想を超える量のご注文をいただいています

そのため、サヨリの一夜干しなどは既に売切れてしまい、
残りの一夜干しも在庫がほとんどなくなったため、
祝島漁協婦人部はマアジやチダイの一夜干し作りで大忙しです

上の画像はマアジと、それを一夜干しにしているところです
(ちなみにマアジを祝島では「平アジ」と呼んでいます)

釣りで揚げた、それこそ刺身で食べたくなるような新鮮なアジを、
漁協婦人部が丁寧に手作業でさばき、海岸沿いの波止のところで天日干しにしています

生産量に余裕が出てくれば、祝島市場でも取り扱う予定です

WWF japan PANDA shop:http://www.wwf.or.jp/pshop/index.php
                                          (撮影 11/5)


びわの蕾
びわの蕾が膨らみ始めてきました
びわは花の状態で越冬するため寒さに弱く、
年明けに寒波が来る収穫に大きな影響が出てしまいます

昨年、そして今年と、寒波や台風の影響で祝島のびわは不作が続いていますが、
来年は豊作であって欲しいものです
                                          (撮影 10/27)


秋の「道こしらえ」
「カタア」の田を見下ろす場所で休憩中
海の向こうにうっすらと見えるのは四国
この日の収穫
右がアケビで左がウベ(まだ未熟)
気温が下がり、秋を感じさせるこの時期は雑草の繁る勢いも弱まります

祝島ではこの時期、17ある各区に区の位置や人数に応じて場所が割り振られ、
冬に向けて山の道沿いの草刈りなどする「道こしらえ」を集落全体で行います

朝晩は冷え込んでもまだまだ日中は暑くなることが多いのですが、
すでに山には柿だけでなくアケビ(祝島では「アケブ」と言う人も)、ウベなどが生っていて、
草刈りを後回しに、やぶを掻き分け秋の実りをお土産にする人もいました
                                          (撮影 10/22)


モイカ干し
アオリイカのことを祝島ではモイカと言いますが、
今の季節、好きな人は昼は波止から、夜は船に乗ってのモイカ釣りで大忙し
そして、その釣れたモイカの「しご」をするおばちゃんたちも大忙しです

真ん中の画像がしごをする前のモイカで、右の画像がしごをした後のモイカです
持つ手が透けるほど半透明なのは新鮮な証拠

これを刺身にすると歯ごたえといい甘みといいたまらない美味しさですが、
祝島で刺身に匹敵する人気のモイカの食べ方はこれです

干したモイカは祝島ではとても人気があり、
10月に入って晴れた日はモイカを干す風景が海沿いのいたるところで見られます
                                          (撮影 10/21)


祝島で21年ぶりの結婚披露宴
祝島で21年ぶりの結婚披露宴がありました

当日、新郎新婦は神舞で祝島に縁のある大分県は国東半島の伊美別宮社で式を挙げ、
その後、祝島公民館で島の人たちによる披露宴が開かれ島内外から約100名が会場に

会場に入りきれなかった手伝いのおばちゃんたちも含めると、
200名以上が21年ぶりの慶事を祝いました

詳しくはこちら→スナメリ倶楽部祝島で21年ぶりの結婚披露宴

こちらでも紹介されています→祝島ホームページトピックス/祝島フォト情報
中国新聞:祝島で21年ぶり挙式 山口県上関
                                          (撮影 10/8)



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