地震・防災関連用語集

カテゴリ:地質構造

地質構造線

地質構造線は長い連なりをもった大規模な断層であり、断層を境にして両側の地質の様相が大きく異なります。日本列島は糸魚川-静岡構造線によって東側の東北日本と西側の西南日本に区分され、更に西南日本は中央構造線によって太平洋側の外帯と日本海側の内帯に区分されます。 西南日本では中央構造線に沿う方向に、御荷鉾(みかぶ)構造線、仏像構造線などが連続併行して走ることにより、西南日本の帯状構造の骨格が形成されています。

構造線は日本列島の形成を含む地質時代に生じた大断層で、岩盤が破壊されてずれが生じた大断層の他に、異なる地質時代に次々と付加体が日本列島に付加されることによって形成された地質境界とがあります。

糸魚川-静岡構造線と中央構造線は現在でも活動を続けている活断層が含まれており、活断層が動くことによる地震の発生が懸念されています。

糸魚川-静岡構造線(糸静線)は本州弧の中央部を横断する断層で、新潟県糸魚川付近から大町・松本・諏訪を経て静岡付近、更にその延長は、駿河湾トラフに延びると考えられています。糸静線に沿って青木湖、木崎湖、諏訪湖などの断層崖で縁取られた構造湖が分布し、中央構造線なども変形・転移を受けています。この構造線を境にして西側は西南日本に属し、中古生界・花崗岩類・変成岩類などが整然と帯状に配列し、東側はフォッサマグナと呼ばれる大地溝帯が分布しています。

フォッサマグナは内陸盆地を形成する凹地と火山群によって特徴付けられ、糸静線はフォッサマグナの西縁に当たります。

中央構造線は西南日本の内帯(北側)と外帯(南側)の境界をなし、長野県の赤石山脈北西側から紀伊半島・四国を経て九州に至る、延長1,000kmの大断層です。多くの場合、花崗岩や低温型の変成岩からなる北側の領家変成帯(領家片麻岩類)と、高温低圧型の変成岩や超塩基性岩からなる南側の三波川変成帯(三波川結晶片岩類)・御荷鉾帯との境界となっています。