石の森 第 110 号   ページ  /2002.7

 生殖の器

夏山 直美


完壁な幸福を求めるなら
結婚をしない方がいい
いい加減な不幸を
のぞいてみたいなら
結婚をしてみるのもいい
ただし
結婚をして後悔をする人は
砂利道の砂利の数ほどいるけど
離婚をして後侮をする人は
道端に真珠が落ちているほどもいない

男女平等は
神話であり
男と女の間には
決して渡れない
天の川があって
一年に一度もまじわれない
YとXの染色体の形以上に
男と女は異物だから

父系社会では
男は女を否定することで
(オス)の存在を肯定する手法をとる
時に家政婦
時に娼婦
生焼けの土器に
火入れをする
マリアの手は消えた

好きも嫌いも
女がついていて
女が主人公のようなふり
社会は
力で巡っている

立ち上がる女は子孫をのこさなくなり
立ち塞がる男は子孫をのこせなくなり
生殖と家族の形は神の手から離れた


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