ホビージャパンにおけるクトゥルフ〈00〉
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記述例 | |
記事の掲載誌の年号(号数) | |
記事名 | |
著者/訳者等(敬称略) | 総ページ数 |
記事の概要 |
1986.9 (No.1) | |
"R'lyeh Advertiser SPECIAL" | |
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No.1:“クトゥルフの呼び声”デザイナーズ・ノート | |
サンディ・ピータースン、リン・ウィリス/有坂純 | 9P |
“クトゥルフの呼び声”のデザイナーであるサンディ・ピータースン(ピーターセン)とリン・ウィリスが、ゲームの企画にいたるきっかけから制作中の苦労までを語りつつ、このゲームの基本コンセプトや、その表現のために考案されたルール等について説明している。(ディファレントワールドIssue19より)
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No.2:クトゥルフの呼び声におけるH・P・ラヴクラフト H.P.Lovecraft IN CALL OF CTHULHU | |
エド・ゴーア/有坂純 | 3P |
ラヴクラフト自身や彼の著作をゲームデータ化して、シナリオ中に登場させる事が出来るようにしている記事。ラヴクラフトは日本語旧版ルールにおける「賢人」として活躍出来るようになっている。(ディファレントワールドISSUE 28より)
しかし、いくら御大だからといって、彼のAPPが18というのはひいき目に見過ぎなのでは……。ちなみに御大の〈クトゥルフ神話〉技能は65%、SANは30、知っている呪文はもちろん「星の精の召喚(旧版ルール)」。 また、御大の手による著作物は当然、全て「神話」知識の得られる魔道書扱いである。
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恐怖のR. P. G. 闇の中の怪物 | |
Matthew J. Costello/中山てい子:訳 | 24P |
1924年のアーカムの街を舞台にした一人用シナリオ。プレイヤーは「アーカム・ガゼット」の若き新聞記者「B・スミス」となってミスカトニック大学の女子学生の行方不明事件を調査するうちに、クトゥルフ神話の勢力が暗躍している事に気がつく。何者かによって凶兆を予告された夏至の前夜までに事件の原因である神話的存在の正体をつきとめて、しかる後にその陰謀を明らかにし、そして粉砕しなくてはならない。(ファンタジー・ゲーマー第3号) 原題は"THE THING IN THE DARKNESS"。1985年発売の"ALONE AGAINST THE WENDIGO"(日本語版は“ウェンディゴへの挑戦”)以前に、"Fantasy Gamer #3, Dec/Jan 1984"において発表された、おそらく“クトゥルフ”初のソロ・アドベンチャー。著者のMatthew J. Costelloは、後にケイオシアムから出版されたソロ・アドベンチャーのサプリメント"ALONE AGAINST THE DARK"も手がけている。 シナリオにおいて、プレイヤーは手がかりとなる場所の一覧から探索先を選択し、そこに記されたパラグラフを参照する事で、まずは怪物の正体を推測しなくてはならない。しかし、探索先に移動したりそこで探索を行うたびに1時間が費やされる。そして探索者に許された猶予は、わずか45時間しかないのだ(食事や睡眠の時間を削って探索を行う事も出来るが、無理をするために体力を消費してしまう)。神話怪物の正体を突き止める事が出来たならば、シナリオのレベル1をクリアーした事になり、多少の時間的猶予を得て引き続き、その陰謀の詳細を解明するためにレベル2の探索を開始する事になる。シナリオのレベルは、神話的存在の陰謀を粉砕するレベル3の段階まで存在している。全182パラグラフ。
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1987.1 (No.2) | |
こんなコンピュータRPGになったらいいな コンピュータRPG雑考 | |
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伊藤一郎 | 2P |
ホビージャパンで扱っているボードRPGの、当時の日本で次第に普及し始めていたコンピュータRPGへの移植を仮想する記事。“トラベラー”及び“カー・ウォーズ”と共に“クトゥルフの呼び声”が取り上げられている。
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"R'lyeh Advertiser"1920年代の客船 | |
弓下弦 | 3P |
1920年代に運行されていたアメリカ・イギリス等の豪華客船に関する資料集。
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異界のクリスタル | |
ピーター・ガイハム (Peter Gilham)/中山てい子 | 10P |
1920年代のアメリカが舞台のシナリオ。
ラヴクラフトの原神話を「史実」として忠実に世界観に組み込んでいる場合には、プレイに向かないシナリオかも知れません。◆ | |
“クトゥルフの呼び声”キャラクターの経歴 | |
グレッグ・スタフォード/弓下弦 | 5P |
キャラクターの経歴を作成するためのチャート。
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CALL Of CTHULHU ヴァリアント クトゥルフを撃て | |
ディック・ウェイジネット/有坂純 | 3P |
「ディファレントワールド」"Different Worlds"誌issue19に掲載された“クトゥルフの呼び声”の銃器ルールを改良するためのヴァリアント"Guns Against Cthulhu"(著者:Dick Wagenet)の翻訳記事。種類と性能にヴァラエティを持たせるよう改良された銃器表、「ルーンクエスト」のストライク・ランク(SR)に似た機能を持つ「発射率(ROF)」の追加、射程距離と命中率との関係の変更、「零距離」の定義の変更、動く目標に対する射撃の命中率修正、銃撃によって肉体の被るショックの再現と「耐痛表」の導入、爆発の威力と距離との関係の再現、といったルールが提案されている。 | |
メタルの塗り方おしえます!――クトゥルフ・メタルを例にして―― | |
坂本誠徳 | 4P |
グレナディア社等から発売されたクトゥルフモンスターフィギュアの塗装の指導。残念ながら四色ページなので細かい色使いは分からない。ちなみに、記事の著者は中山てい子氏の甥である。 | |
ちょっとお洒落なRPG“クトゥルフの呼び声”への招待 | |
有坂純 | 1P |
当時発売されていた各ゲームに対する、それらのデザイナーや翻訳者等によるリレー・レヴューの中の一編。
「宇宙の真なる姿=神々」と「その真実に気づいてしまった人間=探索者」との対比に比べて、「宇宙の偽りの姿=人間世界」と「その偽りに気づいてしまった人間=探索者」との対比は、日本ではあまりゲームに生かされていないような……。世界の狭間に立つ孤独をキャラクターに感じさせる演出とは? 「シルバー仮面」(「〜ジャイアント」以前)か? |
1990.4.1 発行 | |
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“クトゥルフの呼び声”日本版リスト | |
編集部? | 2P |
1986年6月から1990年2月までの間にホビージャパンから発売された“クトゥルフ”関連の製品について、「原題」「発表年(オリジナル及び日本版)」「デザイナー」「内容」「定価」「紹介」を一覧にしている。ちなみにサプリメントの最新版は“クトゥルフ・ナウ”である。 | |
一九二〇年代アメリカ編――CTHULHU IN 1920'S スキュラの恐怖 "THE HORROR OF SCYLLA" | |
山本弘 | 12P |
1920年代のアメリカが舞台の短編ゲーム小説。 グループSNEによるホビージャパン関係の著作等を集めた「ヘンダーズ・ルインの領主」(同社刊)に登場人物や怪物のデータ付きで収録されている。 | |
現代編――CTHULHU IN MODERN AGE 電脳空間の悪夢 "LORD OF BLACKBOX" | |
石橋善揚、国海武、上総理佳 | 10P |
現代のアメリカが舞台のシナリオのリプレイ。“クトゥルフ・ナウ”を使用している。 連続するハッカー失踪事件の調査に関わったキャラクター達は、黒き神の力による世界の浄化を願う恐るべき陰謀を知ってしまう……。現代を舞台にする場合、何が出来るか/出来ないかを知っているプレイヤーはスムースにロールプレイを行えるのに対して、現代的要素を導入したシナリオを作成/キーパリングするキーパーは「叩いても埃のでない」ように予備知識を蓄えなければならず、かなりたいへんな(かつ、やりがいがある)ようである。 #「ハッキング」「コンピューター・ウィルス」「サブリミナル」「サブマシンガン」といった現代的要素の中で、最もプレイヤーの興味を引いたのはやっぱり一番最後のものだったようである。しかし狂乱と共にM16をフルオート連射する探索者の前に立ちふさがったのは、「命中部位表」の適用によってさらに「撃たれ強く」なった神話怪物だった……。 | |
中世日本編――CTHULHU IN FEUDAL JAPAN 師資捜奇伝 "MOROSUKE SOUKIDEN" | |
岡本博信、門倉直人 | 11P |
鎌倉時代中期の日本が舞台のシナリオのリプレイ。この時代の探索者を作成するための簡単なルールが付属している。 失踪した同僚の官人の行方を追う探索者達の前に現れる、忌まわしき光を放つ社の秘密とは。シナリオ及び設定・システムの作者である門倉直人氏がキーパーとなり、“遊演体ネットゲーム90”グランドマスターの柳川房彦氏、同じくサブマスターの岡本博信氏、「タクテクス」編集長の村川忍氏がプレイヤーとして参加している。ちなみに題の「師資捜奇伝」とは、このシナリオを生き延びた探索者が書き残した書物の事である。PC達の神話的体験によって、あたかも「アタマウスの遺言」のごとく新しい「魔道書」が増えるのでは、と門倉氏は言っている。 門倉氏デザインの“中世日本版ルール”としては、探索者の職業別技能表及びキャラクターシートが掲載されている。用意されている職業には「歌人(女性キャラクターは基本的にこれ)」「薬師」「明法家」「紀伝家」「侍」「僧」「傀儡師」「官人」「検非違使」がある。 #個人的には一番面白かった記事。「星之御子」「惨之七秘聖典」「産佐須良」という当て字もお気に入り。今なら職業に「陰陽師」が加わるのかも。平安時代の都を舞台に鶴嘴を持った検非違使が星之御子と闘うシナリオ……。 | |
ヴィクトリア朝編――CTHULHU IN VICTORIAN AGE ミューズ劇場の怪人 "PHANTOM OF THE MUSE THEATRE" | |
弓下弦 | 9P |
1895年のロンドンが舞台のシナリオのリプレイ。日本人にとってはかなりイメージの湧きにくいこの時代を扱うのに、キーパーはかなり苦労したようである。そして残念な事に、シナリオは“クトゥルフ・バイ・ガスライト”の独自性を持つ事に成功しているとは言い難い。 #逆に日本人の持つ通俗的な「イギリスらしさ」をあざといほどに取り入れた方が良かったのかも知れない。レストレード警部やケント警部(「海軍条約文書事件」からか?)の登場だけではちょっとパンチ不足では。 最後に、“ガスライト”第二版における追加ルール及び図版のいくつか(「ロンドンの店」のデータ、「ロンドンの霧」発生ルールとその特性、「ホームズの下宿」「大英博物館」見取り図)と、日本版の修正が記載されている。
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“クトゥルフ・ハイパーボレア” "CTHULHU HYPERBOREA" | |
北川直 | 7P |
先史文明時代のハイパーボレアを舞台に“クトゥルフ”をプレイするためのルール及びデータ。C.A.スミスが生み出した架空の大陸ハイパーボレアの世界を背景に、“クトゥルフ”とファンタジー系ロールプレイとを融合させたサプリメント。
完全なものではないにせよ次のようなシステムが記載されており、この別冊の事実上の目玉であると言えるだろう。
北川氏は“クトゥルフ”へのファンタジー的要素の導入において、
という事をふまえつつ、そのようなヒロイックな要素、あるいは疑似中世的な要素(どちらも日本における「ファンタジー」に対する典型的な認識)を離れたイメージでハイパーボレアをデザインしていく必要性を主張している。 #“ストームブリンガー”や“エルリック”のような雰囲気のゲームになるという事? | |
ファンタジー編――CTHULHU IN FANTASY 呪われた村 "THE CURSED VILLAGE" | |
北川直とグループSNE | 14P |
先史文明時代のハイパーボレアが舞台のシナリオのリプレイ。 連絡を絶ったツァトゥグァの神官の消息について調査するため、キャラクター達はヴーアミタドレス山のふもとにある辺境の村を訪れる。しかし予想に反して神官は健在で、村に対する布教も順調である事を主張した。では何故彼は連絡を取らなかったのか? 疑念を残しつつ調査を続けた彼らはついに、村を呑み込みつつある禍々しき脅威をつきとめる。 #情報を得るために神官がツァトゥグァの落とし子と接触したり、最終的解決の手段として賢者が炎の精を召喚したりと、他の時代設定においては禁断のものとされる「クトゥルフ魔術」を比較的自在に行使するところが楽しそうである。 | |
APPENDIX――付録シナリオ 中国水晶 "CHINA CRYSTAL" | |
牧山昌弘、国海武 | 10P |
現代の日本が舞台のシナリオ。明記されてはいないが“黄昏の天使”があるとなお良いと思われる。 ある大学の学生が、実家としばらく音信不通になっているという。共通の友人である彼の消息を訪ねた探索者達は、怪しい素振りの大学教授やいわくありげな「中国・シルクロード秘宝展」に関わっていく。その背後には昏き復讐の怨念が数千年の時を越えて渦巻いていた。◆
探索者達は同じ大学の学生として設定されているが、〈クトゥルフ神話〉技能が必要とされる場面もあり、「神話」初体験のキャラクターと多少の経験があるキャラクターが混ざるというのが良いのでは。 |