CTHULHU in HobbyJAPAN

ホビージャパンにおけるクトゥルフ〈03〉

  • ホビージャパン発行のRPG専門誌における“クトゥルフの呼び声”関連記事です。
  • リスト化されているのは基本的に私の所有分だけです。
    また、シナリオの紹介文ではネタばれしている危険もあります。
  • 1996.10の記事の日付データは「ひきだしの中身」内山靖二郎様、及び「妖蟲世界」藤九郎様からの情報です。
  • 1996.12の記事の日付データは神無月様からの情報です。

タクテクス / タクテクス別冊 / RPG Magazine(A4判変形) / RPG Magazine(A4判)
記述例
記事の掲載誌の年号(号数)
記事名
著者/訳者等(敬称略)総ページ数
記事の概要

RPG Magazine

(1990.5〜1999.8)

1995.4 (No.60)

登龍頁 第3回
レンの鏡
高井力4P

「登龍頁」第3回に掲載された、1920年代のアメリカが舞台のシナリオの一部。「レンの鏡」自体はキャンペーンシナリオあるいはサプリメントと呼ぶべき分量なので、その約六割を占めている莫大な設定資料の中から比較的文章量の少ない項目のみをいくつか紹介している。ある不可思議な街を巡り、強大な神々の陰謀と対立に巻き込まれていく探索者達の運命は……。

 ……“クトゥルフの呼び声”の典型的なストーリー展開を持ち、かつきわめて質の高いシナリオだと言える。また、非常に高い自由度をも備えている。(後略)
 今回取り上げた『レンの鏡』だが、これは実は投稿作品ではない。知人が所持していた本作を編集者がたまたま拝見し、そのあまりの完成度の高さに驚き、無理を言って借り受けてきたのだ。これを機に、ぜひわれわれと仕事をしていただきたい、という意味で。
 作者の高井力氏は非常にご多忙だとのことで、コメントはいただけなかった。しかし、本作『レンの鏡』のクオリティがきわめて高いことは、編集部の統一見解であり、またご覧のとおりである。今後、高井氏には、ぜひとも仕事をお願いしたい。もし氏にご了解いただけるなら、近いうちに必ず、氏の作品を読者諸兄諸姉にお届けできると思う。

この記事の中で紹介されている神話怪物「ファグファ(Fhuaghufure)」は、2010年1月発行の「Role & Roll」Vol.64の「アーカム計画」において、ニャルラトテップの天敵の一つとして言及されている。


“クトゥルフの呼び声”シリーズ広告
編集部?1P

この時点までに発売されていたサプリメントやキーパースクリーン等が紹介されている。注目すべきは“クトゥルフと帝国”(製品番号:HJ 128-12)の発売が一年以上遅れている事に対する謝罪と、"FEARFUL PASSAGES"の翻訳“恐怖の旅(仮)”(製品番号:HJ 128-14)が先に発売される予定になっているというコメントであろうか?


1995.6 (No.62)

宝探しに出かけよう!
鈴吹太郎(F.E.A.R.)2P

特集「トレジャーハンター1995」の一章。トレジャーハンティングのロールプレイに適したシステムの一つとして、“クトゥルフの呼び声”が紹介されている。

ホラーRPGの決定版である。多くを語る必要はないと思うが、秘められた古代の謎の発掘や探索は欠かせぬ要素である。
 ただし、見つかるのはかならず恐怖のかたまりなので「来た、見た、逃げた」という冒険になることが多い。探索が成功しても幸せになることはまずないと覚悟しておこう。


天巫子の朱印
伏見健二(F.E.A.R.)7P

特集「トレジャーハンター1995」に関連して掲載された、現代日本が舞台のシナリオ。伝説の神々が蠢動する中、南洋の奄美諸島を舞台に人々の恐怖と狂気、そして愛が交錯する。

悠久の昔より霊島と呼ばれる日本は、現代に至ってもさまざまな謎を残しています。戦後五十年……我々は薄皮のような「現代理性」の上でつかの間の繁栄を謳歌しているにすぎないのです。

#別題「彼女が巫子着に着がえたら」。“クトゥルフ”には珍しく(?)恋愛が重要な要因となるシナリオ。健康美人のアイドル、知的なお姉様、おっとり型美少女と、ヒロインはそろっている(あとはヒーローだけ)。プレイヤーは神話怪物の前で恋愛遊戯にのめり込まないように。BGMは「さよならベイビー」でもTUBEものでも「最後に愛は勝つ」でも良い。


1995.11 (No.67)

メタルマスター ホラー特集
るま/FM企画1P

カナダのRAFM社製の「クトゥルフの呼び声シリーズ」メタルフィギュアを山内範彦氏及び笠松聡氏(INITIATIVE)が塗装し、カラーページで紹介している。品物は以下の通り。

  • ニャルラトテップ
  • 古えのもの
  • ツァトゥグァ
  • ミ・ゴ
  • 忌まわしき狩人
  • ムーンビースト
  • ヘビ人間

1995.12 (No.68)

ジャック "JACK"
味良魔良一(料亭味魔良店主)12P

「登龍頁」に応募された、1990年代の日本が舞台のシナリオ。

現代の日本を舞台に起こった連続殺人事件。その影にひそむ謎。その残虐な殺人の方法は新聞やテレビで大きく報道された。そしてミステリー小説『切り裂きジャック殺人事件』との奇妙な符号。事件を取り巻くさまざまな人物と組織が探索者を待ち受ける。
登龍頁に応募されてきたたくさんのシナリオから今回は味良魔良一さんの『ジャック』を掲載します。少々NPCが多いような気もしますが、独特の雰囲気をうまく演出していると思います。

多くのNPCの登場や半独立型の各章による構成等、“療養所の悪魔”収録の「モーリタニア」に似ていると思う。また、このシナリオは[ Twilight of NYARLATHOTEP #1 ]へと続いているらしい。

このシナリオはニャルラトテップの恐ろしい計画をもとにしたキャンペーンの序章のようなものです。このシナリオは「現実的なサイコミステリー」をテーマにしています。また、個々のセクションにちょっと肉づけすれば、そのひとつひとつが独立したシナリオになります。まぁ、そんなに難しい作業ではないでしょう。

本作品は現在、nurunuruhotep氏のブログ「ぬるま湯」において入手可能。


1996.8 (No.76)

狂気の狭間
匠巳史郎4P

ケイオシアムから発売されたクトゥルフ神話トレーディングカードゲーム"MYTHOS"の解説記事。

前半の2ページでは、最初にクトゥルフ神話について簡単に紹介され、そしてゲームの目的(勝利条件)、カードの種類、用語の説明、プレイの手順、カードの読み方及びレイアウトについて説明されている。

後半の2ページは、探索者キャラクターのひとりを主人公とした物語風の、プレイの流れの紹介である。

#カードの種類の詳細な説明等、解説の足りない部分もあるのだが、残念ながら以降の号において"MYTHOS"が取り上げられる事はなかったようである。


1996.10 (No.78)

"CTHULHU-FILES"
"FILE#0211: THE SMALL MAN" 小人
寺田幸弘6P

ホラーとしてプレイ可能なRPGを扱った特集「現代恐怖神話」に掲載された、1930年代のアメリカが舞台のシナリオ。「読稿天国」の「“クトゥルフの呼び声”シナリオコンテスト」優秀作品。

本作品はPCがFBIの特別セクションに所属するという、X‐ファイルにも似た道具立てを使っています。公的権力の利用で捜査を効率よく進めることで、怪奇現象やストーリー展開に時間をかけることができるよいアイデアです。それほど込み入った内容ではありませんから、ぜひプレイしてみてください。
(中略)
捜査官という優れた枠組みを提案した作品です。情報もよく整理され、難解な謎解きもないので、キーパーもプレイヤーもロールプレイに集中できます。

#"Pagan Publishing"のサプリメント"DELTA GREEN"と同種のコンセプト。PCの所属する「合衆国捜査局・犯罪記録課」という設定を日本向けにアレンジするとしたら、「ケイゾク」風になるのかも知れない。

本作品は現在、「PLANETS-HP」において入手可能。

"THE TRUTH IS OUT SPACE."

"HIZUMI" 歪
味良魔良一、編集部6P

1990年代の日本が舞台のシナリオ。「読稿天国」の「“クトゥルフの呼び声”シナリオコンテスト」優秀作品。

麻薬、売春、占いなど、現代的話題を盛り込んだ意欲作。“クトゥルフの呼び声”の汎用性(ルール、背景の両方で)を活かす、新しい遊びの提案という点を評価しました。
 ただし、文章は非常に読みにくく、編集部で手を入れました。文を短くする。項目を細かく分ける。事実と情報を区別して書く。このような点に注意してください。

国産のクトゥルフ神話アンソロジー「秘神」(アスペクトノベルス)に収録されている諸作品の持つ雰囲気を先取りしたかのようなシナリオ。“放課後怪奇くらぶ”でもプレイ可能ではないだろうか(もちろん、かなり補完する必要があるが)。ただ、演出上の表現において、女性プレイヤーに対する配慮をするべきかも知れないと個人的には思う。

本作品は現在、nurunuruhotep氏のブログ「ぬるま湯」において入手可能。


1996.11 (No.79)

ゲームの中の魔法使いたち
10P

巻頭特集「魔法使い The Magic Master」における記事のひとつ。“クトゥルフ”における魔法及び魔法使いの特色が、見開き2ページのイラストと共に簡略に紹介されている。同時に取り上げられているのは“エルリック!”“セブン=フォートレス”“天羅万象”“マジック:ザ・ギャザリング”。


魔法構造学講座
遠藤卓司4P

上述の「ゲームの中の魔法使いたち」で取り上げられた各ゲームのうち、“マジック:ザ・ギャザリング”以外の四作品における魔法体系について、「概論」「力の源」「魔術師の条件、制限」「魔法の手順」「魔術師と世界」「魔法と世界」の各項目にわけて解説している。

#解説文が対話形式なので、今一つ情報量が少ないような……。


1996.12 (No.80)

ドイツ屋敷怪奇譚
平松大季6P

大正時代末の日本が舞台のシナリオ。"CTHULHU-FILES"、"HIZUMI"に続く「“クトゥルフの呼び声”シナリオコンテスト」優秀作品第三弾。奇怪な洋館に住む謎めいた令嬢。彼女の「願望」が、その周囲に血と恐怖と陰謀を撒き散らす……。

“大正クトゥルフ”用の数少ないシナリオのひとつ(あとは、メジャーなところでは内山氏の「覗鬼」くらいか)。編集部に「恐怖と退廃のロマンホラー」と評されているが、確かに良い雰囲気を持っている。

#最後の場面で、屋敷にたたずむのを連れ出さない(連れ出せない)のも「美しい」終わり方かなぁ。高橋留美子の「人魚の森」を思い出してしまった。


1997.1 (No.81)

ホラークルージング
内山靖二郎4P

現代日本が舞台の“クトゥルフの呼び声・改訂版”用シナリオ。“クトゥルフの呼び声”シナリオコンテスト優秀作品。

本作品は現在、内山氏のウェブサイト「ひきだしの中身」において入手可能(「ホラー・ウォッチング」と改題)。


1997.5 (No.85)

“学校の惨劇”
渡辺ヒロシ10P

初心者用特集「それゆけ!RPG探偵団」において掲載された、シナリオ「狂気の門」のリプレイ。“クトゥルフ・イン・スクール”のシステムを使用。


“クトゥルフ・イン・スクール”
編集部7P

学校を舞台にするために“クトゥルフの呼び声”のシステムを一部改変したルールのサマリー。基本的に現代日本が舞台なので、これだけでも一応のプレイは可能。

後の“放課後怪奇くらぶ”と同じく、「不定の狂気」のルールがシステムから削除されている。また、正気度が0になった場合については何故か言及されていない。かつての有坂氏の「INVESTIGATOR in SCHOOL」における、経験や経歴を与えて若年キャラクターを作成していくシステムや若年故の精神的な未熟さを反映した狂気に関するルール、等の工夫はされていない。


狂気の門
渡辺ヒロシ5P

現代日本が舞台の“クトゥルフ・イン・スクール”用シナリオ。探索者(?)を誕生させるという目的を持っているので、難易度は低い。

初心者向けに、各シーンごとに「シーンの意図」(プレイヤー/キャラクターに経験させたい出来事)と「シーンが含む情報」(プレイヤー/キャラクターに把握させたい情報:この章あるいは今後の章における行動指針等)を明記してキーパーの負担を軽減させる工夫がされている。


「神話と科学」批評
編集部 HR, Ad, OH1P

内山靖二郎氏の投稿作品に対する編集部の批評。

本作品は現在、内山氏のウェブサイト「ひきだしの中身」において入手可能。


1997.8 (No.88)

黄金鬼 或イハ、名探偵添田順之介の事件簿
桐島カブキ9P

近頃帝都ヲ騒ガセルモノ
バスガール、
ストライキ、
連続殺人事件――
陰謀渦巻く大正東京の闇を
帝国海軍特務少尉
影山得三郎の剛剣が切り裂く。
大正時代の日本を舞台にした
“クトゥルフ”リプレイ
本誌初登場!

RPGにおいて日本の大正時代を扱うための特集「東京一九二〇s」内における、“クトゥルフの呼び声・大正編”を使用したシナリオのリプレイ。不可解な連続殺人事件を追う名探偵、海軍特務少尉、女学生の三人は、大陸の凍土の下から持ち帰られた恐るべき秘密と出会う……。


“クトゥルフの呼び声・大正編”
編集部?8P

1920年代の日本を舞台にして“クトゥルフ”をプレイするための資料集及びルール。

資料集では当時の日本国内外の情勢、政府・軍隊・教育機関等の組織、交通、メディア、通過、風俗についての概略的な説明とデータが扱われている。

ルールでは以下のような追加及び変更がなされている。

新しい技能
戦闘における〈柔道/合気道(投げ/押え込み/間接技/締め)〉〈空手(パンチ/キック/頭突き)〉〈拳闘(パンチ/回避)〉〈剣術〉
その他〈ライフル〉〈自転車の運転〉〈経理〉
既存の技能の削除あるいは変更
〈コンピューター〉〈電子工学〉を削除、〈電気修理〉〈図書館〉〈自動車運転〉〈航空機操縦〉の基本成功率を変更、等。
キャラクターの職業
「アナーキスト」「医者」「学生」「華族」「官僚」「教師」「軍人」「警官」「女学生」「女給」「書生」「新聞記者」「探偵」
追加アイテム
「日本刀」

闇を呼ぶメロディー
内山靖二郎4P

読者からの投稿作品を扱う「読稿天国」のコーナーに掲載された、“クトゥルフの呼び声・改訂版/クトゥルフ・イン・スクール”用シナリオ。ルールを補完すれば“放課後怪奇くらぶ”でプレイ出来ない事もないと思われる。

本作品は現在、内山氏のウェブサイト「ひきだしの中身」において入手可能。


EDITORS' NOTE
KEN(佐々木健氏?)1P

今回、特集のための下調べはとても楽しい作業でした。P5の参考図書リストに載っている本はおもしろいものが多かったので、探して読んでみてくださいね。さて、次は大正クトゥルフ本とロンドンミステリーだあ?

#「大正クトゥルフ本」とは?


1997.10 (No.90)

覗鬼
内山靖二郎4P

「読稿天国」のコーナーに掲載された、“クトゥルフの呼び声・大正編/クトゥルフ・イン・スクール”用シナリオ。

本作品は現在、内山氏のウェブサイト「ひきだしの中身」において入手可能。


1997.12 (No.92)

RPGマガジン入門講座 その3 ロールプレイングゲーム
編集部4P

初心者に勧めるRPGとして、同年の11月14日に発売された“放課後怪奇くらぶ”を取り上げており、その中で、元となった傑作RPG“クトゥルフの呼び声”が短く紹介されている。

「放課後怪奇くらぶ」の基本的なシステムは、この「クトゥルフの呼び声」がもとになっている。物語の舞台を現代日本に置き換えて、設定・システムをより親しみやすくしたものが「放課後怪奇くらぶ」というわけなんだ。

なお、本文において“放課後怪奇くらぶ”は「学園ミステリーホラーRPG」と称されている。


INFORMATION FACTORY “放課後怪奇くらぶ”
編集部1P

近く発売予定の“放課後怪奇くらぶ”が、「RPGマガジン5月号で紹介した“クトゥルフ・イン・スクール”が完全な入門編RPGとしてついに登場!」と紹介されている。


1998.2 (No.94)

読稿天国
編集部1P

「RPGシナリオの傾向と対策」として「高く評価されるシナリオ作品をいかにしてつくるか」について論じ、その中で渡辺ヒロシ氏のシナリオ「狂気の門」及び和田隆司氏のシナリオ“Ring of YOG-SOTHOTH”について触れている。

RPGシナリオは、ストーリーやギミックに優れていても、マスタリングする際に遊びやすい配慮がなされていなければ評価は低くなります。
 これはプロの作品ですが、(中略)『狂気の門』(作者:渡辺ヒロシ先生)では、シーンごとに「シーンの意図」「シーンが含む情報(この場面は、この情報を伝えるためにあるということ)」を明記することで、その場面の重要性が簡潔にわかるように工夫されていました。(後略)
 こうした「自分のシナリオの内容を把握してもらう」ための努力は大切なことです。
 なお投稿作品でも、評価Aを獲得した和田隆司氏の『RING of YOG-SOTHOTH』では、シナリオ自体のデキの他に、次にあげた店が簡潔に押さえられていたことが評価されました。
●どういう背景世界で、何人ぐらいで遊ぶのが適切なのかを明記している
●遊ぶ際に、遊び手にどういう知識が要求されるのかを(参考資料も含めて)明記している
●NPC紹介で、「どういう過去を持ち、シナリオ上でこういう役回りを演じるので、この点に注意して扱う」ことを明記している
●主要な舞台となる場所の地図を用意している
●テストプレイ回数と、プレイ経験上から得られたシナリオ運用上の要点を明記している
こうした工夫は、シナリオのジャンルを問わずに行えると思います。(後略)
 また、市販のRPGが題材の場合は、その作品の一般的なファンが楽しめることが大切です。(中略)つまり“○○RPG用シナリオ”には、原作の持ち味を引き出す内容/工夫が必要ということです。(後略)
 目安として「作品をよく知らない人が卓にきた場合でも、そのシナリオを遊ぶと雰囲気がわかる」ぐらいは望まれると考えてください。


1998.4 (No.96)

それゆけ!RPG探偵団(最終回)
渡辺ヒロシ6P

この記事がサポートしてきた“放課後怪奇くらぶ”の元になった“クトゥルフの呼び声”を使用し、それによるシナリオのリプレイを一部(クライマックスの場面)掲載。“放課後〜”では削除されている〈クトゥルフ神話〉技能や「不定の狂気」について簡単に説明されている。

“放課後〜”プレイヤーが初めて“クトゥルフ”に挑むとこうなるという好例なのか、結果的にキャラクター三人中二人が死亡。キーパー曰く、

「放課後」はマンガノリのホラー/探偵RPGだから、マンガ的ご都合主義でもいいけれど、「クトゥルフ」は本格的なホラー小説の世界を題材にしている以上、主人公を救済するようなご都合はそうそう起こらない。今回は「放課後」とまったく同じ舞台を使ったから、そこんところがわかりにくかったのは事実だけどね。

“放課後〜”のゲームコンセプトは“クトゥルフ・イン・スクール”とかなり異なるようだ。


“Ring of YOG-SOTHOTH”
和田隆司4P

「読稿天国」のコーナーに掲載された、“クトゥルフの呼び声”用シナリオ。舞台は1880年代のイギリスだが、1920年代のキャラクターでプレイする事が可能。批評した編集部員が二人とも評価Aをつけた超優秀作品。

HR:(シナリオの中心となる)アイデアだけでなく、ゲーム性、クトゥルフらしさ、時代背景などがバランスよく盛り込まれた佳作です。
 シナリオの書き方も丁寧です。結末や事件の解決方法を含めた要約、個性とゲーム上の役割をはっきり明記したNPC紹介、シナリオ運用上の要点、基本的な点がきちんと押さえられています。
 (シナリオ中の出来事から来る)違和感をどうやって“序々に”PCに与えていくか、各イベントへの建設的な“失敗を念頭に置いた”アプローチの方法などについて示唆があると、なおよかったと思います。
Ad:「知らない人にも、世界観に興味を持たせる」力を持った優秀な文章作品だと思います。必要な要素を、簡潔にまとめられる文章力の高さによって、「読み物としておもしろく、読みやすい」という大事な部分をクリアしていると言えるでしょう。
 付属の図表、イラスト、プレイリポートなども簡潔にまとめられており、とても評価できます。(後略)

本シナリオは作者のウェブサイト「MURASAMA FACTORY」において掲載されていたが、現在休止中のため閲覧不可。


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