CTHULHU in HobbyJAPAN

ホビージャパンにおけるクトゥルフ〈02〉

  • ホビージャパン発行のRPG専門誌における“クトゥルフの呼び声”関連記事です。
  • リスト化されているのは基本的に私の所有分だけです。
    また、シナリオの紹介文ではネタばれしている危険もあります。
  • 1992.9、1992.11、1993.5、1993.8「メタルマスター」、1993.11及び1994.10の記事は、「妖蟲世界」藤九郎様から情報を提供していただきました。
  • 1990.9、1991.3、1993.4及び1995.2の記事の日付データは、神無月様からの情報です。
  • 「RPGマガジン」1994.3及び1994.4は、「とらのあな」けえにひ様に発見していただきました。

タクテクス / タクテクス別冊 / RPG Magazine(A4判変形) / RPG Magazine(A4判)
記述例
記事の掲載誌の年号(号数)
記事名
著者/訳者等(敬称略)総ページ数
記事の概要

RPG Magazine

(1990.5〜1999.8)

1990.5 (No.1)

ロールプレイング・ゲーム実践入門
第1回:RPGってなんだろう?
高山浩/イラストレーション:小島康治6P

高山浩氏と三人の後輩との対話形式で、テーブルトークRPGに関するさまざまな話題を解説していく連載。日本で当時入手出来た代表的なRPGを紹介する節において、旧版“クトゥルフの呼び声”が取り上げられている。

高山:おもしろいのが、“怖いもの”を目にしてもその正体を理解できなければ怖くないってルール。知性が低くて、乱暴で、現実的というキャラクターで遊んだことがあるけど、どんな怪物を見ても「あれは、オーストラリアにいるナントカという動物だ」とか主張して銃をぶっぱなしてた(笑)。


狂気の光
"THE LIGHT OF MADNESS"
リチャード・ローニアス/中山てい子:訳7P

1920年代が舞台のシナリオ。(Different Worlds誌45号より)

ベーカーズ山上の夜空に異様な光が現れる時、ペンシルヴァニア州ブルームフィールドの町に、狂気と死が訪れます。

Different Worlds Publicationsのウェブサイトにおける"Different Worlds #45"のデータでは、原題は"The Lights Of Madness by Richard Launius"とLightが複数形になっている。


1990.9 (No.5)

人形使い師 "THE PUPPET MASTER"
牧山昌弘8P

1890年代のロンドンが舞台の“クトゥルフの呼び声”及び“クトゥルフ・バイ・ガスライト”用シナリオ。実はほとんど“クトゥルフ”らしさはないのだが。

#個人的にはマニアックな元ネタに惹かれるシナリオ。シナリオプロットは「地球はロボットの墓場」+「かまいたち」+「青い血の女」? 途中で登場している書物「ミケーネ拓本」は「マジンガーZ」?

#同じ著者による「クトゥルフ通信」の第9回「中級キーパリング術入門パート2」の中に、

「人形使い師」……では「恐怖」がエンディングで「哀しさ」にかわるという実験をしてみました(あまり成功したとは言えませんが)。ロマンティックな“クトゥルフ”という、今考えてみればかなり冒険的なシナリオでした。

というコメントがある。う〜ん、あれは「哀しさ」なのか……。


1991.2 (No.10)

エウレカのランダム調査隊“アーカムのすべて”
弓下弦1P

サプリメント“アーカムのすべて”のレビュー。

#弓下弦氏はいついなくなってしまったのだろう……。


1991.3 (No.11)

復讐は高くつく "THE REVENGE WILL NOT PAY"
牧山昌弘8P

1928年のアーカムが舞台のシナリオのリプレイ。“アーカムのすべて”の発売に関連して掲載された。

クトゥルフ神話ゆかりの街・アーカムを徹底的に紹介したサプリメントが、この“アーカムのすべて”だ。「クトゥルフ神話」の文献学的研究とも呼べる労作であり、またシナリオのアイデア・ソースとしても十二分に活用できる。

行方不明になったミスカトニック大学の学生を捜す探索者達は、やがてアーカムに伝わる魔女伝説の一つと対決する事になる……。元ネタの一つは「戸口にあらわれたもの」。

また、“クトゥルフの呼び声”の簡単な紹介とその特徴も書かれている。

 “クトゥルフの呼び声”において、プレイヤー・キャラクターは「探索者」と呼ばれる。彼らは不可解な事件を調査し、やがていまわしい邪神の復活をたくらむ狂人の陰謀に気づき、世界を破滅から救うために決死的な冒険に身を投じる。しかし平和な日常の蔭に潜むいまわしい秘密は、彼ら自身をも破滅に導かずにはいない。探索者の精神はしだいに狂気にむしばまれ、ついには自ら明らかにした事実に耐えられなくなって発狂してしまうのだ。
 ファンタジーやSFテーマのRPGでは、プレイヤー・キャラクターはたいてい健全な上昇指向の持ち主である。彼らの目的は、冒険を通して自らの力を高め、財産を獲得していくことだ。ところが“クトゥルフ”の探索者は、偶然に邪悪な神々の存在に気づいてしまったふつうの人にすぎない。彼らは否応なく事件に巻き込まれ、ある時は人類を破滅から救う英雄的な役割も果たすのだが、それは彼個人にとっては災厄以外のなにものでもないのだ。このような斬新なキャラクター像は、もちろん〈クトゥルフ神話〉の世界を再現するために要請されたものだが、“クトゥルフの呼び声”を傑出した作品にした重要な要素と言えるだろう。


チェンジリング "Changeling"
牧山昌弘7P

単独のシナリオとしてもキャンペーンの一部としてもプレイする事が出来る、ファンタジーRPG汎用シナリオ(各システムにおける中級以上の冒険者向け)だが、舞台設定や登場する怪物等を変更すれば、“クトゥルフの呼び声”でもプレイする事が可能になる。なお、他に対応例が挙げられているファンタジーRPGには“ウィザードリィRPG”“混沌の渦”“ストームブリンガー”“トンネルズ&トロールズ”“フォーリナー”“ファンタズム・アドベンチャー”“ルーンクエスト”“ロードス島戦記RPG”“ワースブレイド”“WARPSファンタジー”がある。

#しかし、通常のファンタジーRPGよりも謎解きに重点が置かれている“クトゥルフ”でプレイするには、題名を変更する必要があるのでは。


1991.9 (No.17)

闇鳴りの村 "THE DWELLERS IN THE DARKNESS"
木更津沙羅夷7P

現代日本が舞台のシナリオのリプレイ。「スタジオ世界館」の面々の操るキャラクター達が、東北の寒村で謎の「天田露さま」と対決(?)する。

#ゲーム開始時における彼らの残存正気度がそれぞれ18、38、24というのが何とも……。


エレクトリック・ヴォイス "TV TALK"
吉森真吾8P

現代アメリカが舞台のシナリオ。“クトゥルフ・ナウ”のルールに基づいているが、基本セットだけでもプレイする事は可能。シナリオの持つ雰囲気は素晴らしいものがあると思う。実際にプレイした人の感想が知りたい。

「X-ファイル 知られざる世界 Vol.1」(ソニー・マガジンズ)によると、トーマス・ハーデンとは、1984年12月にアメリカのある州において数台のマイクロコンピューターに300以上のメッセージを残した、16世紀に生きていたと称する霊の名前だそうである。


1992.6 (No.26)

混沌回線 "Chaos Channel"
牧山昌弘&N'S FACTORY8P

1999年の日本が舞台のシナリオ。作者自身も認めているのだが、非常に難易度の高いシナリオである。バッドエンド(リプレイとは別のもの)を迎えたプレイヤー曰く、「棒倒しの棒がなかなか倒れなくて、ところがいざ倒れてきたら太い電柱だった」。


Who are you? ――1999大王降臨――
牧山昌弘6P

シナリオ「混沌回線」リプレイ。参加したプレイヤーのキャラクター4人は最終的に全滅しているのだが、かなり満足のいくゲーム展開になっているのではないだろうか。非常に“クトゥルフ”らしい結果かもしれない。シナリオとは少し異なりアドリブの入った最終局面を迎えているが、キーパーの助けとなる注釈もいくつか付加されていて、リプレイとしても良く出来ている。

#「1999年」を舞台にした1992年製のシナリオなので、「現代もの」としてプレイする場合、急速に普及した携帯電話やインターネット等のギミックを織り込む事で、かなり内容も変わると思われる。ちなみに、Wikipediaの「1992年」の項には「9月30日 - 高エネルギー物理学研究所の森田洋平博士が日本最初のホームページ (KEK Information) を公開する」と書かれていた。
#表題は「あなたはだあれ?」と訳すると思われる。
#「黄昏が空間(ソラ)に映した異常な未来」(作詞:桑田佳祐「奇跡の地球」より)


RPGいろはにほへと Vol.4「に:日記」
山北篤2P

毎回いろは順に提示される主題に基づくエッセイ。日記が登場するRPGといえばまず“クトゥルフの呼び声”であるとして、「ある人物の日記」の形で書かれた多々ある神話小説の、典型的な(もっともありがちな)パターンを紹介している。

 しかしまあ、何というか、馬鹿としかいいようがないんだよね。クトゥルフの登場人物たちは、日記をつけることに偏執狂的な執着を持っているとしか思えないよ。「ああ、ヤツの足音が聞こえる」とか日記に書いてるんだぜ。そんなひまがあったら走って逃げればいいと思うのは、私だけじゃないだろう。
 けれども、こういう変人がいてくれるおかげで、PCに貴重な情報が伝わるわけなんだから、感謝こそすれ文句をいう筋合いではない。

#おそらく、クトゥルフの登場人物達は絶望と恐怖のただ中で、日記(記録)をつける事に偏執狂的に執着するという「狂気」に陥ってしまっているのではないだろうか。もはや神話的恐怖からの逃げ場はなく(走って逃げてどうにかなるようなものではない事は思い知らされている)、己が身に待つのは確実なる破滅……というクライマックス(結末)の時点で、その人物は「常識的な」判断力を喪失(放棄)しており、ある種の逃避行為にふけっているとも考え得ると思う。


インポート・エクスプレス IMPORT EXPRESS
和久尊2P

“アーカムのすべて”以降に発売された“クトゥルフの呼び声”の未訳サプリメントを紹介している。

「プレイしやすいシナリオ集」

  • “フェイタル・エクスペリメンツ”
  • “グレート・オールド・ワンズ”
  • “アット・ユア・ドア”
  • “マンションズ・オブ・マッドネス”
  • “クトゥルフ・ケースブック”
  • “カース・オブ・クトゥルフ”
  • “ダーク・デザインズ”

「“ニャルラトテップの仮面”にも匹敵する大作」

  • “ホラー・オン・ザ・オリエント・エクスプレス”

「ラヴクラフト・カントリー・シリーズ」

  • “リターン・トゥ・ダンウィッチ”
  • “キングスポート”
  • “テイルズ・オブ・ミスカトニック・ヴァリ”

これらの内容の詳細については、けえにひ氏の「とらのあな」を参照する事が有効と思われる。


1992.9 (No.29)

インポート・エクスプレス IMPORT EXPRESS
和久尊??P

未訳サプリメント"THE STARS ARE RIGHT!"及び"CTHULHU FOR PRESIDENT"について紹介している。"THE STARS ARE RIGHT!"については、後のある特集において内容の一部が紹介されている。

これらの内容の詳細については、けえにひ氏の「とらのあな」を参照する事が有効と思われる。


1992.11 (No.31)

インポート・エクスプレス IMPORT EXPRESS
和久尊??P

未訳サプリメント"FEARFUL PASSAGES"について紹介している。後の広告記事によれば、このサプリメントは翻訳及び発売の予定があったらしい。

これらの内容の詳細については、けえにひ氏の「とらのあな」を参照する事が有効と思われる。


1993.4 (No.36)

INVESTIGATOR in SCHOOL
有坂純/編集部3P

「タクテクス」における有坂氏の記事「Young Investigators」を“クトゥルフの呼び声”最新版のルールに合わせて加筆修正したもの。特集「RPG in School」に関連して掲載された。


1993.5 (No.37)

メタルマスター
?P

RAFM社製の「クトゥルフ」メタルフィギュアの中から、黒い仔山羊とビヤーキーが紹介されている。


1993.7 (No.39)

猫屋敷で見た夢
牧山昌弘6P

新版“クトゥルフの呼び声”(ブックタイプ)の発売にあわせた、旧版からの変更点や新しく追加されたルール等の説明を交えたリプレイ。正確には説明の方が主眼であり、リプレイは途中で終わっている。牧山氏によるキーパリング術の秘訣にもいくつか言及されている。


1993.8 (No.40)

クトゥルフ通信 第1回「魔道書コレクション」
牧山昌弘4P

 この連載ではクトゥルフをプレイする際に直接役に立つような実用記事とHOW-TO記事を取り扱っていきます。(後略)
第一回は『魔道書コレクション』と題して、『クトゥルフ』における魔道書を多面的に分析していきたいと思います。(後略)
これはパソコン通信のHJ-NET上でまとめられたデータをもとにしています。

  • 魔道書の役割
  • 魔道書の与え方
  • 実際に魔道書があったとしたら…
    • 外見
    • 写本の可能性
  • 魔道書コレクション
  • 魔道書データの使い方

この様式で記述された魔道書のデータが、藤九郎氏の「妖蟲世界」において「禁断の魔道書抄」として収録されている(残念ながら、現在は休止中)。


メタルマスター
?P

RAFM社製の「クトゥルフ」メタルフィギュアの中から、無形の落し子と盲目のものが紹介されている。


1993.9 (No.41)

クトゥルフ通信 第2回「中級キーパリング術入門」
牧山昌弘4P

『クトゥルフ通信』の第2回にあたる今回は、特集にあわせて、“クトゥルフの呼び声”以外のほかのRPGにも応用が効くように、ぐっとゲーム的に、ちょっと踏み込んだキーパリング術についての私見およびテクニック紹介をお届けしましょう。

この連載の第9回に続編である「中級キーパリング術入門パート2」が載っている。

  • “恐怖”の種類
  • プレイヤーを恐がらせるテクニック
    • 深夜にプレイする
    • 話術を工夫する
    • サイコロの音をさせる
    • サイコロを振らせる
    • プレイヤーの恐がるものを出す
  • キャラクターを恐がらせるテクニック
    • 活かさず殺さず
    • 恐いシーンを散りばめる
    • 破滅型キャラクターを見つける
    • 単独行動させる
    • 気を持たせる
    • いったん安心させ、気が緩んでいるところを狙う
    • とりあえず、殺す
    • SANチェック
    • オリジナルのモンスターを出す
    • 崩壊する価値観
  • プレイヤーが何を望み、何を感じているのかを知る

1993.10 (No.42)

クトゥルフ通信 第3回「クトゥルフのシナリオ作成方法」
牧山昌弘4P

今回はクトゥルフのシナリオ作成方法と題して、前回の演出に続いて、脚本についてちょいと偉そうなことを書かしてもらおうというわけです。

この連載の第7回に続編である「換骨奪胎シナリオの作り方」が載っている。

  • シナリオ作成の4段階
    1. シナリオの着想
    2. シナリオの結末
    3. シナリオの導入
    4. シナリオの展開
  • シナリオの進め方
    1. 手がかりの与え方
    2. 情報の分割
    3. 推理させる

1993.11 (No.43)

いろいろRPG用モジュール“クリーチャーズ&トレジャーズ”大活用法
牧山昌弘?P

Iron Crown Eectric社制作、ホビージャパン社翻訳/発売のRPG“ロールマスター”用のサプリメント“クリーチャーズ&トレジャーズ”に含まれているモンスターのデータを他のRPG用にコンバートする方法の紹介記事において、コンバート先のRPGのひとつに“クトゥルフの呼び声”が取り上げられている。ちなみに、コンバート先として他に取り上げられているRPGは、“ルーンクエスト”“ルーンクエスト'90s”“ストームブリンガー”“ブルーフォレスト物語”“ソードワールド”“パワープレイ”“メタルヘッド”“ダーク・コンスピラシー”がある。


クトゥルフ通信 第4回「キャラクター強化ハウスルール」
牧山昌弘4P

今回はキャラクターを強化するハウスルールの紹介をしたいと思います。(後略)
後半は読者の皆様からいただいたルール、特にキャラクターメイクに関する質問に答えていきましょう。

  • ハウスルール
    • EDUの成長
    • 能力値の成長
    • 能力値の年齢による老衰
    • 転職
    • 新職業
  • 質問箱
    1. キャラクター作成について
    2. 能力値/技能関係

1993.12 (No.44)

クトゥルフ通信 第5回「戦闘ハウスルール」
牧山昌弘4P

今回は戦闘ルール、正気度に関するルールの紹介、ハウスルール、Q&Aです。

  • ハウスルール
    • “クトゥルフ”での戦闘
    • 拡張戦闘ルール
    • マーシャルアーツ
  • 正気度とSAN値
    • SANチェックの意味
    • 狂気の種類と意味
  • 質問箱(前号の続き)
    1. 戦闘と技能についての質問
    2. 正気度(正気と狂気)についての質問
  • 追補

1994.1 (No.45)

クトゥルフ通信 第6回「幻夢境観光案内」
牧山昌弘4P

今回はクトゥルフ神話小説群の中でも特異な位置を占めるドリームランドのお話です。

  • ラヴクラフトとドリームランド
  • ドリームランドと現実との違い
  • ドリームランドでの死と発狂
  • ドリームランドへの行き方
  • ドリームランドに住む人々・動物
    • ズーク族
    • レンからの男(レンの亜人間)
    • グール
    • ムーン=ビースト
  • ドリームランドで遭遇する怪物や脅威
  • ドリームランドの概要
  • 幻夢境地理案内
    • 入り口
    • 魅惑の森
    • ウルサーの街
    • ダイラス=リーン
    • セレニアン
    • セレファイス
    • インガノック
    • サルコマンド
    • 地下都市
    • レン高原とカダス
    • ナスの谷

“クトゥルフと帝国”紹介
編集部?1P

特集「RPG '94 ALL CATALOG」において、当時は発売予定だったサプリメント“クトゥルフと帝国”の概要を紹介。

#虚しさ溢れる記事である。

クトゥルフと帝国
ホビージャパン

大正〜昭和期の東洋を舞台に、邪神復活の黒い陰謀がうごめく。

“クトゥルフの呼び声”サプリメント
 何年も前から登場をうわさされていた“クトゥルフ”の日本モジュールがいよいよ具体的になってきた。以前、日本モノには“黄昏の天使”があったわけだが、これは時代は現代を想定しており、1920年代の日本を求める声にこたえたものではなかった。この“帝国”は年代的には関東大震災(1923年)から満州事変(1931年)付近までをカバーしている。この時期、「帝国」は朝鮮半島、台湾、南洋諸島、遼東半島、南樺太などを領有し満州、上海などに利権を持っていた。当時の探索者はこれらの広大かつ多様な舞台で活躍するのである。
 そこでプレイするためにまず当時の日本ならではの職業が追加。軍人や華族などもプレイできる。1920年代の日本の紹介では社会情勢や、警察機構、娯楽など。そしてデータ的な記事として年表、怪奇年表、災害年表、人物列伝、価格表。もちろん鉄道、船舶、航空機といった交通機関、当時の日本軍の兵器や武器データも紹介。1920年代日本とその周辺でプレイするために必要なデータはほとんどまとめられているはずだ。
 シナリオは上海、南洋、帝都など東洋をまたにかけた4本を予定している。

DATA BOX
発売予定時期:1994年3〜4月
定価:予価3,000〜4,000円
デザイン:牧山昌弘他
形態/サイズ:未定


1994.2 (No.46)

クトゥルフ通信 第7回「換骨奪胎シナリオの作り方」
牧山昌弘4P

この連載の第3回「クトゥルフのシナリオ作成方法」の続編。

今回はシナリオを作る秘訣第2弾としまして、ほかのRPGのシナリオから引っ張ってくる手法を紹介しましょう。

  • ステップアップ式換骨奪胎法
    • まずは真似してみよう!(90%いただく)
      • ストーリーのいただき方
      • ラストを変える
    • おもしろさを盗む!(シナリオを半分いただく)
      • 何がおもしろいのか?
    • 高等な盗みのテクニック(すべてを反対にする)
    • あとがき
  • 追補ハウスルールについて

1994.3 (No.47)

クトゥルフ通信 第8回「“クトゥルフと帝国”予告編」
牧山昌弘4P

“クトゥルフと帝国”を執筆中の牧山氏が、その概略を「予告編」として紹介している……が、内容は“クトゥルフと帝国”における日本及び世界の情勢の説明に限定され、システム的な事柄は取り上げられていない。

内容は、もう何度も紹介してきたように、1920年代の東洋をテーマにしたもので、資料とシナリオ4本のセットです。当時の日本は勢力範囲も広く、舞台も千島列島から南洋、そして大陸と多様です。ですからシナリオも、南洋諸島を舞台にした冒険もの、満鉄と馬賊が出てくる中国編、各国情報部や宗教秘密結社と渡り合う上海編、東京に現れた怪人を追いつめ邪神復活を阻む日本編と、バラエティに富んだものになっています(予定)。………ああ、すみません、私の担当のところだけが遅れているんですぅ〜。クトゥルフさまの呪いか?

  • 大正時代という日本
    • 関東大震災
    • 物価
    • 悪役
  • 大陸を渡る風
    • 東南アジア
    • 満州鉄道
    • 東洋の火薬庫
  • 当時の資料を読む
    • 「夢幻紳士」(高橋葉介/朝日ソノラマ他)
    • 「はいからさんが通る」(大和和紀/講談社)
    • 「大正探偵」(浦沢直樹/『踊る警官』収録 小学館)
    • 「龍――RON――」(村上もとか/ビッグコミックオリジナル・小学館)
    • 「蘇州夜曲」(森川久美/角川書店)
  • 雰囲気の出し方

EUREKA THEATER“クトゥルフスーパースクリーン”紹介
1P

当時発売された“クトゥルフスーパースクリーン”について、その内容を簡単に紹介している。


先取り翻訳ゲーム情報
1P

翻訳予定はまだないものの、面白いゲームとして資料集“キーパーズ・コンペンディウム”が紹介されている。この品物の前にアメリカで発売された“探索者コンパニオン”は、“クトゥルフスーパースクリーン”に収録されている。

内容の方は、20種以上の魔道書、秘密教団、異星生物、失われた土地などの解説です。¥2,500です。


1994.4 (No.48)

クトゥルフ通信 第9回「中級キーパリング術入門パート2」
牧山昌弘4P

この連載の第2回「中級キーパリング術入門」の続編として、特に「恐怖の演出法」についての牧山氏の考察やテクニックを紹介している。

  • 恐怖を高めるには?
    • 恐怖と生理的嫌悪感
    • 恐怖以外の感情を混ぜる
    • 「緩」と「急」
    • 描写を細かくする
  • 描写のテクニック
    • 五感に訴える
      • 嗅覚
      • 触覚
      • 味覚
      • 聴覚
      • 視覚
    • PC自身の状況を描写する
  • プレイヤーに感情移入させる
    • 日常生活をプレイする
    • 危機を切り抜けさせる
    • 舞台をプレイヤーのよく知っているところにする
  • 細かく描写すればよいものではない!

RPGいろはにほへと Vol.26「の:能力値」
山北篤2P

毎回いろは順に提示される主題に基づくエッセイ。ゲームデザインにおける「能力値」の扱い方について論じる中で、“クトゥルフの呼び声”のシステムに潜む問題を指摘している。

■能力値の実際値

 次に、能力値のスケールについて考えてみよう。能力値のスケールとは、例えば《筋力》11と12では、実際にはどのくらい違うのかってことだ。
 これも、能力値と実際の能力が直接比例しているルール(能力値10なら100kg持ち上げられて、11なら110kg持ち上げられるという標準タイプ)と、何らかの関数になっているタイプ(実際の値の対数を取るという“トーグ”など)があるから、一概には言えない。
(中略:ちなみに山北氏のデザインしたSFRPG“スペオペヒーローズ”は、能力値が1ポイント増加すると、実際の値は2倍になるというシステムを採用して、例えば長さなら「0ポイント=1m、1=2m、2=4m……53ポイント=1光年」というように、ゲームにおいて扱う可能性のある値をひとつのスケールで判定出来るようになっている。)
 これらのスケールは、そのRPGが、どのようなワールドでプレイされるのかによって決めればいいだろう。
 ファンタジーRPGで、何光年もの距離は無意味だ。だから、通常の能力値と実際の値が比例するようなシステムでも問題ないだろう。
 ただ、それをほかのワールドに流用すると、問題が起こる。傑作RPG“クトゥルフの呼び声”の唯一の欠陥と言えるのが、この点だ。ベーシックロールプレイシステムを流用したため、プレイヤー全員がショットガンを持っていればダゴンが倒せてしまうという困ったことが起こりうるのだ。
 ここは、よりシビアな能力値システムを採用して、卑賤な人間どもにダゴンが倒されるなどということがないようにしてもらいたいものだ。


1994.5 (No.49)

クトゥルフ通信 第10回「秘密結社の秘密」
牧山昌弘4P
  • 秘密結社とは何か?
    • 秘密結社の定義
    • 結社の自由はこれを保障す
    • 歴史上の秘密結社
      • フリーメイソン(石工組合)
      • 薔薇十字団
      • 黄金の夜明け団
      • 聖堂騎士団
    • 秘密結社の構造
  • 探索者VS.秘密結社
    • 悪役としての秘密結社
    • 秘密結社のどこが恐いか?
      • 秘密結社の目的そのものが恐い
      • 秘密結社の目的を達成する際に危害を加えられる恐れがある
      • 隣にいる人間がそうかも知れない
      • 秘密結社の陰謀
    • 秘密結社を冒険の舞台にする

1994.6 (No.50)

クトゥルフ通信 第11回「『クトゥルフの呼び声』プレイヤー入門」
牧山昌弘4P
  • これからプレイを始めようというあなたへ…
    • クトゥルフマニアなあなたへ
    • クトゥルフ神話を知らないあなたへ
  • クトゥルフで何をすればよいのか?
    • 調査の仕方・基本形
    • クトゥルフでやってはいけない「べからず集」
  • 蛇足・キーパーへ

先どり翻訳ゲーム情報
編集部1P

クトゥルフの呼び声

 資料集が大量に出版される予定です。1920年代のシカゴ、カイロ、ロンドンなどのソースブックで、手軽に使えそうなものばかりです。東京はもちろん“クトゥルフと帝国”でカバーされます。“クトゥルフ”関連では昔から多くのサードパーティ的な出版社がありますが、それらのサプリメント、雑誌類を日本に紹介できないか検討中です。

おそらく"The London Guidebook"や"The Cairo Guidebook"等の出版予定があったのだろう。


1994.7 (No.51)

クトゥルフ通信 第12回(最終回)「クトゥルフと私」
牧山昌弘4P

最後はクトゥルフ論を一発かましてみましょう。
 ラヴクラフトにとって、クトゥルフ神話とは何だったのでしょうか?確かにはじまりは共通の邪神名を流用したり、同じ架空の土地名を作り出したりといった、そういったささいなお遊びだったには違いありません。けれども、クトゥルフ神話がラヴクラフトの創作である以上、それはラヴクラフトの心の一部を反映したものであると考えるべきでしょう。

  • クトゥルフとラヴクラフト
  • クトゥルフとキリスト教
  • クトゥルフと『アウトサイダー』
  • クトゥルフとRPG(1)
  • クトゥルフとクトゥルフ神話
  • クトゥルフとRPG(2)

先どりゲーム開発室情報
編集部1P

クトゥルフと帝国

 本誌の「クトゥルフ通信」も今号でとりあえず最終回。牧山氏もいよいよ“クトゥルフと帝国”の仕上げにとりかかりますのでファンの皆さん、期待してください。


1994.10 (No.54)

メタルマスター
?P

グレナディア社製の「クトゥルフ」メタルフィギュアのうち、ツァトグァ、ビヤーキー、インヴィスティゲーターのキットが別名(カーズド・ワン、ビジェッキ)で再販されたという事が紹介されている。


1994.11 (No.55)

星辰の座正しきとき クトゥルフの復活するとき
訳者不明2P

星座や太陽系の惑星に関する伝承、占星術等をRPGのシナリオや設定に取り入れるための特集「星の勇者の物語」の一部。未訳のサプリメント"THE STARS ARE RIGHT!"の追補から、「クトゥルフの呼び声」においてルルイエが浮上した日時の「星辰」、つまり天宮図とその解説を紹介している。

“ザ・スターズ・アー・ライト”
THE STARS ARE RIGHT!

 “クトゥルフの呼び声”のシナリオ集です。この記事はこの中に収録されている追補です。ページの都合で、ほんの一部しか収録できませんでしたが、このあと、さらに季節と〈門〉の関係、惑星とクトゥルフの関係、そして1920年代の出来事と天宮図など、占星術とクトゥルフ神話の関係について非常に興味深く分析しています。全文を読むことをおすすめします。

 同シナリオ集には、すべて現代を舞台としたシナリオが、7編収録されています。パンク、性風俗、政治的陰謀、麻薬、電波望遠鏡などどれも現代特有のモチーフがちりばめられたシナリオです。¥2,900

#天宮図を作成できる占星術ソフトウェアに、「現地時間:1925年2月28日・午後4時45分(地方恒星時:午前2時51分)」を入力してみましょう(緯度及び経度も入力可能なら、西経126度43分・南緯47度09分で)。 太陽、冥王星、木星、火星、土星を結ぶ「旧き印」が、海王星と金星(海神と芸術家!)とを結ぶ衝(オポジション)によって断ち割られて……!!!


1994.12 (No.56)

ボードゲームアラカルト 第27回“アーカムホラー”
相原孝昭(ORG)1P

アーカムを舞台にしたボードゲーム“アーカムホラー”の紹介と簡単なプレイリポート。この記事のためのプレイでは、神話怪物の虐殺と〈門〉の永久封印に次々成功しゲームに勝利するという「クトゥルフらしくない」展開になったらしい。


1995.1 (No.57)

先取り翻訳/輸入ゲーム情報
編集部1P

新版“クトゥルフの呼び声”に対応したシナリオ集“恐怖の旅(仮題)” "FEARFUL PASSAGE"の日本語版の編集作業を開始したという報告がされている。

このシナリオ集は1920年代を舞台にしたもので、当時のさまざまな形態の旅がストーリーの流れになっています。またさまざまな乗り物が登場します。飛行船、航空機、装甲車、はてはゾウなど、資料としても十分に役に立つ本です。収録されているシナリオは計9本、非常にお得なモジュールです。


1995.2 (No.58)

メタルマスター
るま/ORG1P

ラフム社(RAFM)製の「クトゥルフ」メタルフィギュア(株式会社「新和」が輸入、株式会社「ORG」が販売)を山内範彦氏他(INITIATIVE)が塗装し、カラーページで紹介している。品物は以下の通り。

  • 夜のゴーント
  • 深きもの
  • 空鬼
  • イスの偉大なる種族
  • 外なる神々の従者
  • クトーニアン
  • ショゴス
  • 盲目のもの
  • 無形の落とし子
  • 黒い仔山羊
  • グール
  • ビヤーキー
  • ティンダロスの猟犬
  • グレートクトゥルフ

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