CTHULHU in HobbyJAPAN

ホビージャパンにおけるクトゥルフ〈01〉

  • ホビージャパン発行のRPG専門誌における“クトゥルフの呼び声”関連記事です。
  • リスト化されているのは基本的に私の所有分だけです。
    また、シナリオの紹介文ではネタばれしている危険もあります。
  • 1986.2〜1986.8の"R'lyeh Advertiser"等の記事と、1988.9の“TOKYOホラー”の情報は、「とらのあな」けえにひ様から資料を提供していただきました。

タクテクス / タクテクス別冊 / RPG Magazine(A4判変形) / RPG Magazine(A4判)
記述例
記事の掲載誌の年号(号数)
記事名
著者/訳者等(敬称略)総ページ数
記事の概要

"TACTICS" タクテクス

隔月刊:No.1(1982.1-2)〜No.23(1985.9-10)
月刊:No.24(1985.11)〜No.77(1990.4)
季刊:No.1(1990.AUTUMN)〜No.7(1992.WINTER)


1986.2 (No.27)

"R'lyeh Advertiser"(その1)
九頭竜蓮太(ルーンメイカーの会)2P

ホビージャパンによる“クトゥルフの呼び声”のライセンス生産が決定した事を機会に始まった連載。この時点ではベーシックセット(スタートセット)の翻訳がほぼ完了し、編集作業を待っているところだった。

 現在作業進行中のケイオシアム社“クトゥルフの呼び声”の日本版、なんとか半年以内には出るとのことです。このコーナーは、その“クトゥルフの呼び声”と背景となるクトゥルフ神話の世界を紹介するとともに、将来的にはミニシナリオやミニサプリメントなどでゲームにバリエーションを与えようというものです。

第一回目は、クトゥルフ神話、ケイオシアム社、“クトゥルフの呼び声”のゲームシステムについて簡単に紹介している。

#「SANが0になったキャラクターは精神病院で治療を受けなくてはならない(=回復の可能性がある)」というような記述が、発売前夜の初々しさ(?)を感じさせる。


1986.3 (No.28)

"R'lyeh Advertiser"(その2)
九頭竜蓮太(ルーンメイカーの会)2P

今回は"Cthulhu"の発音表記を決定するまでの経緯と、主だった神々や神話怪物の名前及びそれらの系列の紹介、舞台となる1920年代の文化・音楽・芸術等の歴史的側面に関する簡単な説明を取り上げている。


インテリジェンス・リポート・スペシャル“クトゥルフの呼び声”
編集部?2P

ホビージャパンにおけるケイオシアム社のライセンス第一弾“クトゥルフの呼び声”の発売を5月下旬〜6月上旬にひかえて、そのコンポーネントと基本的なルールの内容、及びアメリカで発売されているサプリメントやメタルフィギュアをカラーページで紹介している。ちょっとだけ言及されているクトゥルフ神話の説明は、何故か「旧神」のからむダーレスのもの。

紹介されているサプリメントのうち、未訳のものは次の通り。

“コース・オブ・クトーニアン”
ロード島に集まった人々を次々と襲う怪事件“ダーク・カーニバル”など5つのシナリオを含む。
“トレイル・オブ・ツァトゥグァ”
グリーンランド探検隊一行の前に現れる謎の遺跡。ラヴクラフトの『狂気の山』にも似た表題作“ツァトゥグァの足跡”と、他2編のシナリオ。
“テラー・フロム・ザ・スターズ”
英領ホンジュラスからマヤ遺跡へと探索する。『狩猟ガイド』付きの、インディ・ジョーンズ風シナリオ。
“アローン・アゲインスト・ザ・ダーク”
ソリテア・シナリオ第2弾。これには4人のキャラクターが準備されていて、1人が死ねば次のキャラクターが任務を引き継ぐ。途中で電話をかけたりいろいろ旅行したり、とてもパラグラフブックとは思えない。特にピラミッドへの侵入は傑作。

1986.4 (No.29)

"R'lyeh Advertiser"(その3)
有坂純2P

翻訳者である有坂氏が、“クトゥルフの呼び声”のゲームコンセプト及びプレイを楽しむためのコツ等について触れている。

“クトゥルフの呼び声”が他のRPGと決定的に異なっている点は、「おつむを使う」ゲームだということにあります。(中略)直接暴力に訴える前に今一度、他にできることはないのかをよーく考えてみてください。(中略)さまざまな「ゴースト・ハンターもの」の小説、例えばブラックウッドの「ジョン・サイレンス」シリーズ、ホジスンの「カーナッキ」シリーズ、ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」、マンガでは諸星大二郎の「妖怪ハンター」、高橋葉介の「夢幻紳士」、などじっくり読んでみるのも非常に役に立つでしょう。(後略)
 おつむを使わなければならないのはプレイヤーとその勇敢なキャラクター「探索者」たちに限りません。キーパー(このゲームではゲーム・マスターのことをこう言う)自身もまた、力と策謀の限りをつくして神々の邪悪な計画と「探索者」たちを待ち構える黒い罠とを編み上げてやらねばならないのです。また、シナリオやキャンペーンの進行も、あたかも怪奇小説か怪奇映画の一編のように雰囲気たっぷり、死体ごろごろ、血沫どばっ、で背筋も凍るような語り口でとりしきらねばなりません。そのためにはどうしても緻密な、しっかりしたプロットと、たいていのハプニングには対処できる鮮やかな機知とが必要になります。このゲームに「無作為遭遇表」が用意されていないのは、こういう理由からです。“クトゥルフの呼び声”のキーパーは、孤独で高貴な神であり、作家でもあるのです。

そしてこのような「悲惨で救い難い」ゲームに対して「こうなったら徹底的にゲーム世界にのめり込み、同化してやろう」と誓ったプレイヤー達が、「私はいかにして心配するのをやめ、クトゥルフを愛するようになったか」という境地に立ってキャラクターのものすごい殺され方を楽しむようになる過程が紹介されている。

ゲームの座は常に底抜けに明るく、高らかで華やかな笑い声が絶えません。ただし、部外者が聞くとこの笑い声はどこかうつろで不気味に響き、キーパーもプレイヤーたちも無表情な仮面をかぶった「ユゴスよりのもの」の一団のように見えるかもしれませんが…(後略)
そう、“クトゥルフの呼び声”は単なるゲームではないのです。それ自体が信仰(カルト)であり、儀式(セレモニィ)であり、そして結社(クラン)でもあるのです。

上述の発言は“半分は”冗談のようだが。有坂氏は最後に、この時点でアメリカにおいて発売されていたサプリメントを簡単に紹介している。結局翻訳されなかった(?)ものについては以下の通り。

  • “クトーニアンの呪い”:短編集。プロヴィデンスの街で、人々が次々に消えてゆく。何の痕跡も残さず、その姿は二度と見られることはない…“狂気の遊園地”。美しき教授令嬢、バイオレット・ストーントンの依頼とは?真相を知る時、きみはあまりにも巨大な敵を相手にしていることに気づくだろう。シリーズ中、最大の傑作…“チャウグナール=ファウグンの呪い”。探索者たちを導くのは、フォン・ペターズドルフ教授の遺志なのだろうか?それとも…連作シナリオ“トートの短剣”“無名都市”。
  • “ツァトゥグァの足跡”:グリーンランドで発見された巨大な壁画。ミスカトニック大学の探検隊に加わった一行は雪原の冒険行の末に何を見るのか。他に続編とも言うべき“ツァトゥグァの呪い”。独立シナリオとして古典的な幽霊譚、“幽霊屋敷”。

1986.7 (No.32)

"R'lyeh Advertiser"(その4)
弓下弦(ルーンメイカーの会)2P

“クトゥルフの呼び声”スタートセットに付属する“1920年代の資料集”の追補として、1920年代日本の資料を簡単に載せている。内容は簡単な年表と交通機関の説明で、アメリカ人探索者が日本を訪れた場合に利用するものである。この時点で同時代の日本を舞台にできるようローカライズするという発想があれば……。また、「“クトゥルフの呼び声”に書かれていない1920年代アメリカの話」として、「サッコ=バンセッティ事件」「KKK団の復活」「禁酒法」を簡単に説明している。

しかし「そろそろゲームそのものが発売されるということですから」等と書かれているところを見ると、この時点ではこの追補は役に立たなかったようだ。


1986.8 (No.33)

"R'lyeh Advertiser"(その5)
ゲーム発売記念編:ダンウィッチの思い出
中山てい子2P

“クトゥルフの呼び声”発売を記念して、訳者の中山てい子氏が翻訳の苦労話やかつて滞在した事のあるイギリスのダンウィッチについてのエッセイを寄稿している。

イギリスには3年ほどの滞在歴があるが、アメリカには一度も行った事のなかった中山氏は、“クトゥルフ”のシナリオを翻訳する際に固有名詞や慣用句等で苦労させられた事もあったようだ。しかし彼女は、アメリカに弱い事がそれほど翻訳の障害にはならなかったと言い、その理由として、

もともとラヴクラフトの世界はアメリカ的というより英国的といってもいいかも知れません。(中略)英国はクトゥルフ神話にふさわしい雰囲気の国なのです。

という事を語っている。そしてラヴクラフトの小説の中に「ダンウィッチ」という名前を見ると、かつて一夏を過ごしたイギリスはイースト・アングリア地方にある海辺の町ダンウィッチを思い出すという。英国の詩人がこの町について詠った詩を読んだのか、ラヴクラフトはこの町からあの「ダンウィッチ」の名前を付けたのだと言われているそうである。今は度重なる台風と高潮によって海の下に沈んでしまったこの町の辺りについて中山氏は、

ここでヨグ・ソトースの息子が追いつめられて絶望的に父に呼びかけたとしても決して場違いな雰囲気ではありません。

と語っている。


1987.9 (No.46)

ヨグ=ソトースと機関銃
志村かずとし9P

“ヨグ=ソトースの影”+オリジナル設定のシナリオのリプレイ漫画。門倉直人氏(プレイヤーのK氏?)による補註あり。

#元ネタの「XXXXのXXXXX」及びミスカトニック大学勤務の司書の名が「トモミ・ニシムラ(仮名)」というのが謎。

#なお、同時期に発売されたと思われる雑誌「Beep!」1987年8月号(日本ソフトバンク)においても、ホラー特集の一つとして「クトゥルフ神話のおぞましい世界」という記事が組まれ、オリジナルのシナリオに基づく“クトゥルフの呼び声”リプレイ「忍びよる恐怖」が6ページにわたって掲載されている。キーパーはRPG設定資料集「魔法王国シムルグント」の執筆や国産TRPG「フォーリナー」の世界デザイン等で知られる堀蔵人氏。
時代は1932年、新聞記者・自然科学者・考古学者・古物商・弁護士からなる5人の探索者達がある屋敷に招かれ、屋敷の主人の無残な死という謎と「神の獣」の恐怖に挑む。システムの紹介よりもゲームのかもし出す雰囲気を重視したリプレイで、本文及びイラストに加えて、プレイヤー達によって実際に演じられた探索場面の写真によって構成されている。


“クトゥルフ”イラストコンテスト
1P

読者からの投稿イラストを8作品ほど表彰。


なんでもQ&A+α
1P

“クトゥルフの呼び声”(日本語ボックス版)に関する質問及びそれらへの回答が4項目、その横に読者投稿の「ツァトゥグァの楽しい書き方」が掲載されている。


1987.11 (No.48)

"R'lyeh Advertiser" 宣伝編
有坂純2P

のちに日本初の(そして唯一の?)オリジナルキャンペーン“黄昏の天使”として発売された長編シナリオ“夜叉姫(仮)”について、その概要が語られている。その内容は“黄昏の天使”とはかなり異なるものだったようである。

「夜叉姫」は、完成すれば3部作からなる(はずの)グランド・キャンペーンの第1部です。以前お約束した通り、物語は長野県のある私立女子高校から始まります。ここで次々と起こる異様な事件の解明を依頼された探索者一行は、やがてその背後にあるとんでもない事実に薄々ながら感づきます。ここを出発点とし、北海道、静岡、東京、山梨などに繰り広げられる冒険は、ついには太古よりの秘密を深く隠して連綿と連なるヒマラヤの山々(第1部ではここまでいきませんが)へと導かれてゆきます。鬼とは、「天使」とはいったい何か。正法輪身とは。極東米軍の大演習「トータルウィング'89」の真の狙いとは。(後略)
 現在、シナリオ1「塔の中の姫君」とシナリオ2「鬼の棲む村」、そして番外編シナリオのひとつ「湖上の美人」のプロットがほぼ完成しています。この秋は、恐山(もうじき大祭だ)や遠野(十王信仰はぜひ調べねば)、大菩薩峠を始めとして、あちこちを精力的に取材に飛び回ろうと思っています。


1988.1 (No.50)

特集:ホラー&スリル
東京近辺恐怖名所巡り
有坂純4P

「ホラー物特集にちなんだ豪華特別企画」として、東京及びその近郊に存在する「恐怖名所」を、有坂純氏と「タクテクス」編集者2名からなる3人の探索者達がリポートしている。取材期間が1日という事で、名所は最終的に「幽霊屋敷」「幽霊地蔵尊」「八坂神社」「将門塚」「お岩稲荷」の5箇所に絞られたのだが、当初は以下の地点を探索する予定だった。

  1. 幽霊地蔵尊(埼玉県新座市)
  2. 八坂神社(東京都武蔵村山市)
  3. 死の地帯(東京都北区)
  4. 青山墓地(東京都港区)
  5. 将門塚(東京都千代田区)
  6. お岩稲荷(東京都新宿区)
  7. 鈴ヶ森の刑場跡(東京都大田区)
  8. 幽霊屋敷(新宿区市ヶ谷)
  9. 穴守神社跡の鳥居(東京都羽田空港)
  10. 泣き塔(旧国鉄大船工場構内)
  11. 八幡の藪知らず(千葉県市川市)

ホラーゲームスクランブル
Tadashi Taku/有坂純1P

TRPG以外のホラー系ゲームのレビューとして、“ラプラスの魔”(レビュアー:Tadashi Taku氏)と“アーカム・ホラー”(レビュアー:有坂純氏)が取り上げられている。


真紅の戦慄
有坂純7P

1980年代の日本が舞台のシナリオ。のちに一部改変され、“黄昏の天使”のシナリオ1として収録された。


神話的恐怖をあなたに――“クトゥルフの呼び声”追加異種族データ――
"MORE MYTHOS MADNESS"
マイケル・ツィマンスキー、ピーター・ギルハム/すざきあきら3P

時間の霧の中、まだ見ぬクトゥルフ神話のおぞましき神性が潜んでいる。それは他の神々と同じく恐るべき脅威であり、あまたの意味から、かの神々の中で最も恐るべきものともなろう。心して読みたまえ、そしてこの知識を正しく用いるように……

「クトゥルフ神話のもうひとつの冥き恐怖」である「ウボ=サスラ」「ウボ=サスラの落とし子」「永劫の珠」、その他「ヤディス星の住人」「旧き神々」「ショグラン」「ヨグ=ソトースの落とし子」に関するデータ。(Different Worlds誌40号"More Mythos Madness: For Chaosium's Call Of Cthulhu" by Michael Szymanskiより)


超能力
"Psychic Powers"
ランディ・マッコール/有坂純4P

“クトゥルフの呼び声”に超能力を登場させるためのヴァリアント。「超感覚」「テレパシー(読心)」「エムパシー(共感)」「プレカグニション(予知)」「リトロカグニション(過去視)」「クレアボヤンス(透視)」「心霊治療」「オーラの知覚」「テレキネシス(念動力)」「パイロティクス(念力放火)」を扱っている。また、夢幻境に入る能力を持つ「夢見る人」についても少しだけ触れている。(Different Worlds誌26号"Psychic Powers for Call Of Cthulhu" by Randy McCallより)


特集以外:
“クトゥルフ・コンパニオン”レビュー
弓下弦1P

基本ルール以外のサプリメントなどに記載された追加の神話怪物や呪文等をまとめた“クトゥルフ・コンパニオン”の紹介記事。シナリオも2本収録されている。


リーダーズコミュニケーション
1P

冒頭のイラストカットが、なぜかデフォルメされたクトゥルフ様御一行だった。


METAL FIGURE INFORMATION
メタルフィギュア・インフォメーション
2P

西ドイツ(当時)のメーカー、ホビー・プロダクツ "HOBBY PRODUCTS" 発売のメタルフィギュアのラインナップ“メタルマジック”"Metal Magic" が取り上げられ、その中にクトゥルフもののメタルフィギュアのシリーズ、"DUNWICH DETEKTIVE" が紹介されている。

  • C2005e Deep-one
    深きものども
  • C2007b Mi-Go attacking
    攻撃するミ・ゴ

1988.3 (No.52)

悪夢の肖像
山本弘とグループSNE6P

1920年代のアメリカが舞台のシナリオのリプレイ。しかし、直接神話怪物が登場する事はない。イラストはデビュー直後の弘司氏。

 RPGシナリオ&リプレイ特集の最後は“クトゥルフの呼び声”。驚くべきことに、“クトゥルフ”の本格的なリプレイは今まで発表されたことがなかったのですねー。

#元ネタは「サイコ」。


1988.5 (No.54)

"CTHULHU BY GASLIGHT" “ガス灯わきのクトゥルフ”レビュー
弓下弦1P

“クトゥルフ・バイ・ガスライト”の紹介記事。弓下氏はコナン・ドイルによる(ホームズもの以外の)推理及び科学小説を“クトゥルフ”のシナリオソースとして推薦している。


“クトゥルフの呼び声”シナリオ総チェック
山本弘とグループSNE2P

この時点でホビージャパンから発売されていた全てのシナリオに対する評価。“スタートセット”“ウェンティゴへの挑戦”“ヨグ=ソトースの影”“療養所の悪魔”“ユゴスからの侵略”“クトゥルフ・コンパニオン”に収録されている各シナリオ(キャンペーンは各章単位)を、以下の観点から評価している。

  1. アイデアが良いか
     『クトゥルフ』は他のどのRPGよりも、謎やアイデアの独創性が重視されます。ダンジョンを造ってモンスターを配置しただけのシナリオはペケです。
  2. 雰囲気は良いか
     これもまた重要な要素。謎はたいしたことなくても、雰囲気がいいとプレイは盛り上がります。
  3. オーバーキルではないか
     『クトゥルフ』ではPCを全滅させるのがあまりに簡単なので、むしろいかに生きのびさせるかがポイントになります。探索者側に対抗手段を用意しておかないと、フェアではありません。
  4. 情報の出し方は適切か
     プレイヤーに謎を解く手掛かりをほとんど与えないようなシナリオは困りものです。同じ全滅するにしても、謎を解いてから死ぬのと、わけの分からないまま殺されるのでは、プレイヤーの不満度(?)はずいぶん違うのです。

1988.7 (No.56)

シタールの目
"The Eye of Sitar"
Darren Tschida/中山てい子6P

1920年代のアメリカが舞台のシナリオ。(ディファレント・ワールド誌38号より)

高価なアフリカのルビーを追っていた探索者は、死者をよみがえらせる恐ろしい陰謀のまっただ中へと導かれていきます。


"R'lyeh Advertiser" 1890年代ロンドン
弓下弦2P

“クトゥルフの呼び声”の新モジュール“クトゥルフ・バイ・ガスライト”が発売されました。今回は、同時代を舞台としたシナリオのヒントしていただきたい[原文ママ]3つの事件を紹介してみたいと思います。

参考文献リスト

  • リーダー、W・J『英国生活物語』晶文社
  • 小池滋『英国鉄道物語』晶文社
  • ブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』東京創元社
  • ゲイリー・グレイディー他『シャーロック・ホームズ 10の怪事件』二見書房
  • 仁賀克雄『私の愛する切り裂きジャック』早川書房
  • 荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』集英社
  • W・A・バートン『A Gamer's Guide to Victorian London』Fantasy Gamer Nr.2; Steve Jackson Games

「切り裂きジャック」「吸血鬼ドラキュラ」「ジョジョの奇妙な冒険」の各事件が紹介されている。切り裂きジャック、ドラキュラ伯爵、ジョナサン・ジョースター&ディオ・ブランドーのキャラクター・データ付き。

#ツェペリさんとスピードワゴンとタルカス&ブラフォードもデータ化してほしかった。


1988.9 (No.58)

“アーカム・ホラー”レビュー
弓下弦1P

ケイオシアム社のボードゲーム“アーカム・ホラー”の紹介記事。ちなみに1プレイにかかる予想時間は30分から2時間とされている。


アーカムを見舞った災厄 "A Disaster strikes Arkham"
“アーカム・ホラー”リプレイ
小畑浩4P

ボードゲーム“アーカム・ホラー”のミニ・リプレイ。御存知ハーベィ・ウォルターズの一人称で語られている。


最後の場面 クトゥルフの犠牲者に捧ぐ
"Death Scenes: Aftermaths of Cthulhoid Kills"
Sandy Petersen/西村ヒロユキ2P

クトゥルフ版「死体は知っている」。(ディファレント・ワールズ誌35号より)

“クトゥルフの呼び声”での、ツキのない探索者の運命は、未知の怪物に食われたり殺されたりと相場は決まっています。そういう場面は犠牲者にとっては悲しみと嘆きと無益な抵抗の時ですが、生き残りの者にとっては願ってもないヒントとなります。仲間がどのようにやられたかは、探索者たちの相手が何であるかの重要な手がかりとなるはずです。

原文はyog-sothoth.comで読む事が出来る。
また、さらに項目の追加された記事「死亡届」"Death Reports"が、サプリメント"Cthulhu Casebook"に収録されている。


“アーカム・ホラー”ヴァリアント:“TOKYOホラー”
(MAP)

東京を舞台にして“アーカム・ホラー”を遊ぶための巻末付録。同じ号に“アーカム・ホラー”のリプレイが載っているからか、ゲーム自体に関する説明記事は特にない。

“TOKYOホラー”は“アーカム・ホラー”の東京版です。198X年のある日東京のあちらこちらで怪物が現れ始めました。異世界へとつながるゲートが東京に出現したのです。あなたがた探索者はゲートを破壊しなければなりません。

A2サイズのマップの裏側に、ルールの変更点や「重要地点イベント表」等が記載されている。重要地点としては「ダゴン教団東京支部」「サンシャイン60」「卵の遊園地」「ホビージャパン」等が配置され、「ゲート出現表」にも変更がある。また、「タクシーが無い(東京の道路事情では役立たず)」「スタート地点は東京駅」「ティンダロスの猟犬に襲われない場所が異なる」という例外ルールが設定されている。

#怪物の追加はともかく、探索者は日本オリジナルのキャラクターをつけて欲しかったと思う。


1988.11 (No.60)

特集:超時空RPGクトゥルフ

現代。めざましい科学技術の発達によって、人類は我が世の春を謳歌し、もはや地球上に外敵など存在しないかのようだ。だが、そうではない。繁栄の背後にしのびよる影に、ほとんどの人が気づかないだけなのだ。そして、不幸にも近づきつつある破滅を予見した少数の人々だけが、孤独な戦いを始めていた――そう、〈クトゥルフ神話〉の宇宙的恐怖から自由である時代など、地球の歴史には存在しません。そしてそこに邪神たちとその手下どもがいる限り、そうした脅威と戦う勇敢な人々もまた存在するのです。


海辺に棲む恐怖 "TERROR ON THE SHORE"
“クトゥルフの呼び声”現代版リプレイ
牧山昌弘5P

“クトゥルフ・ナウ”のルールを一部導入した、現代のアメリカが舞台のリプレイ。

 H. P. ラヴクラフトが創始したクトゥルフ神話は、その広大なスケールと緻密な怪物体系で多くの人々を魅了してきました。宇宙的恐怖と、その中に置かれた無力な人間たち……そこには、ラヴクラフトがクトゥルフ神話小説群を書いた1910-1930年代、つまり2つの世界大戦に挟まれた、非常に不安定で危なげな、不安が澱み漂うような時代の雰囲気が反映されているという人もいます。
(前略)ラヴクラフトの活躍した1920年代と現代は、(空恐ろしいことですが)大変似た雰囲気を持っていると指摘する声もあります。とすれば、現代こそクトゥルフにとって相応しい時代ではないでしょうか……私たちが、私たちのクトゥルフを語るためには。


“クトゥルフ・バイ・ガスライト”キーパーズ・ガイド "INVITATION TO 1890'S LONDON"
弓下弦4P

(引用者註:R'lyeh Advertiser「1890年代ロンドン」ではロンドンの番外編的な事柄を紹介したので)今回は「正統派」ヴィクトリア朝ロンドンRPGの手引き、というか、この時代でRPGをやり始めるための切り口を考えてみたいと思います(本当はそんなに大げさではありません)。

その他1890年代のミニ知識等。


海上の影
"The Shadow on the Sea"
リチャード・ローニアス/中山てい子8P

1920年代のアメリカ(正確には豪華客船モーリタニア号)が舞台のシナリオ。(ディファレント・ワールズ誌47号より)

 豪華客船に乗って休暇旅行に出た探索者の一行。しかし、忌まわしい邪教徒達の陰謀の手はここにも伸びていた。古えの海の力が目覚める時、はたして探索者達は生き延びることができるのか?

#かなりデストロイなシナリオ。


"R'lyeh Advertiser" Love Against the Dark
有坂純4P

“クトゥルフの呼び声”用ドラマ・ツール(1)としての、キャラクター間に存在する「愛」とそれによる人間関係をゲーム上で表現し、システム的に処理するためのヴァリアント。

 “クトゥルフ”は確かにホラー・ゲームではありますが、シナリオの最初から終わりまでを暗黒一色で染め上げ、ドロドロとした雰囲気の中でばかりセッションを進めようとするのは、間違いとは言わないまでも非常にもったいないことです。
 作劇においては「対比の妙」という要素が非常に重要視されます。すなわち、極端に対立する人格や状況を巧みに配置することによって緊迫や感動の度合いを深めつつ、物語をクライマックスへと導くわけです。これは簡単な割りには効果のある手法ですから、利用しないのは全くの損と言うものです。
 さて、“クトゥルフ”が「コスミック・ホラー」、つまり人間の思いも遙か及ばない超越的な恐怖を絶対の基調としているのであれば、それに決定的に対立する要素とは何か?
 それこそが、もっとも人間的で純粋、そして本能的な感情である「愛」だと言えるでしょう。
(中略)
 しかし気をつけていただきたいのは、「外なる神々」や「旧支配者」が必ずしも「邪悪」ではないのと同じように、人間の愛もまた必ずしも「善」ではないということです。


“クトゥルフの呼び声”における狂気
"Losing Your Marbles in 'Call Of Cthulhu'  RULES FOR PLAYING INSANE CHARACTERS"
トーマス・M・ホルジンガー/すざきあきら2P

“クトゥルフの呼び声”におけるキャラクターの狂気の扱いを拡大するためのヴァリアント。「一時的狂気」としての「ヒステリー」「自失」「潰走」、「治療可能な狂気」(不定の狂気)としての「アルコール依存症」「記憶喪失症」「不安症」「緊張症」「妄想病」「鬱病」「精神薄弱」「多重人格」「神経衰弱」「妄想型精神分裂病」「恐怖症」「精神分裂病」が設定されている。(ディファレント・ワールズ誌41号より)


クトゥルフ座談会――“クトゥルフの呼び声”特集によせて――
有坂純、門倉直人、武田敏裕1P

“クトゥルフの呼び声”の特集によせて、“黄昏の天使”の筆者である有坂純氏、RPGデザイナーの門倉直人氏、当社“クトゥルフ”担当の武田敏裕の3氏に集まっていただき、“クトゥルフ”の魅力や今後の予定などを語ってもらいました。


特集以外:
“黄昏の天使”レビュー
弓下弦1P

「“クトゥルフの呼び声”の7つ目のモジュールであり、3つ目のサプリメントである」“黄昏の天使”についての紹介記事。ちなみに「プレイ時間:2時間〜50時間」となっている。


1989.1 (No.62)

"R'lyeh Advertiser" Young Investigators
有坂純4P

“クトゥルフの呼び声”において「若年キャラクター」を作成するためのヴァリアント。12歳(中学1年)から18歳(高校3年)までの年齢のキャラクターを、12歳を起点としてキャラクターに経験や経歴をつけていくという方法で作成していくシステム。のちに最新版ルールに合わせて加筆修正されてRPGマガジン誌の記事「INVESTIGATOR in SCHOOL」になる。同じくRPGマガジン誌の記事である“クトゥルフ・イン・スクール”やその完全版である“放課後怪奇くらぶ”との直接的な関係は無いと思われる。


1989.3 (No.64)

“クトゥルフ・モンスター・ガイド”レビュー
弓下弦1P

クトゥルフ神話怪物の解説本“クトゥルフ・モンスター・ガイド”の紹介記事。弓下氏は参考図書として(クトゥルフ神話とはあまり関係がないと断りつつ)、SF小説等に登場した地球外生命体に関する画集"BARLOWE'S GUIDE TO EXTRA-TERRESTRIALS"を挙げている。

"BARLOWE'S GUIDE TO EXTRA-TERRESTRIALS"ペーパーバック版Amazonで購入する事が出来る。


「クトゥルフ・ハンドブック」で書き残した事
SUPPLEMENT FOR CTHULHU HANDBOOK
山本弘3P

改訂前の「クトゥルフ・ハンドブック」についての註釈。

  • パーセンテージ・ロールの加減
  • 技能ロールの特殊な使い方
  • ルールブックにない行為の判定のしかた
  • 参考資料補遺

1989.5 (No.66)

“ニャルラトテップの仮面”レビュー
弓下弦1P

長編キャンペーンシナリオ“ニャルラトテップの仮面”の紹介記事。予想されるプレイ時間は2時間から50時間。この2時間は、キャンペーンの1セッションだけをプレイする際の最低限の時間だと思われる。

弓下氏によれば、サンディ・ピーターセン氏はこの作品を「“クトゥルフの呼び声”のみならず、すべてのRPGシナリオの中で最高傑作」と評価していたとの事。弓下氏も「日本版“クトゥルフの呼び声”の第1期(1920年代)を締めくくるにふさわしい大作」であると語り、第2期を飾るであろう(と当時予測された)、日本独自の背景設定を扱ったサプリメントの展開に期待を寄せている。


"R'lyeh Advertiser" Image Fight
“クトゥルフの呼び声”におけるイメージ創造論
有坂純4P

今回のアドバタイザーでは、追加ルールとかそういうシステム的なものではなくて、もっとゲーム世界に直裁的に関わってくるもの、すなわち“クトゥルフ”におけるイメージの創造論、具体的に言えばストーリーの構築法について少々考えてみたいと思います。

“クトゥルフの呼び声”のシナリオに原作の魂である「古典的ホラー」の妙味を持たせるための方法について論じている。

ホラーをホラーたらしめている決定的な要素、すなわち人間が抱く恐怖なる感情は、大きく2種類に分類することが可能でしょう。つまり、理解できる恐怖と理解できない恐怖です。

「コスミック・ホラー」を構成する「理解できない(事による)恐怖」をシナリオに取り込む事と、それを表現する手段としての「理解できる恐怖」であるステロタイプな演出について考察している。

わたしたちがホラーを書く上で、あるいはホラーをマスタリングする上で、もっとも気をつけねばならないのは、(ステロタイプな演出における)そのような些末の描写の使い回しではなく、その作品がテーマとして真に訴えたがっていること、すなわち目には見えない背後に横たわっている「理解できないことによる恐怖」を、いかにして受け手に伝えるか、です。


1989.7 (No.68)

辻 "A CROSSING"
石橋善揚/ディベロップ:国海武5P

現代(1989年7月)の日本が舞台の、今まで超自然現象と関わりのなかったキャラクターを探索者にするためのシナリオ。キャンペーンの導入としても使用可能。

#「彼女」の配役は佐伯日菜子か栗山千明か、はたまた三浦綺音か。


リーダーズコミュニケーション:コミュニケーションポート
麻上蓮1P

おそらく読者投稿と思われるが、中国語で書かれたクトゥルフ神話の魔道書である「ルルイエ異本」及び「サンの七秘聖典」について、その書名の漢語表記と由来に関する文章が三分の二ページほど載っている。


1989.9 (No.70)

"R'lyeh Advertiser" Pfarmacum Exoticism
“クトゥルフの呼び声”における毒物
有坂純4P

“クトゥルフの呼び声”において毒物を登場させるためのデータ及びガイド。

 数あるRPGの中でも、“クトゥルフ”は非常に風変わりな特徴を有しています。このゲームは、肉体的と言うよりは精神的、戦闘的と言うよりは思考的、形而下学的と言うよりは形而上学的、直接表現的と言うよりは間接表現的、正と言うよりは奇、陽と言うよりは陰です。(後略)
 毒薬あるいは毒殺と言ったもののその一種独特の暗い性格、そしてそれが人間の文化の中に刻んできた足跡を考えれば、いかに“クトゥルフ”なるRPGに「毒」がふさわしいかは一目瞭然です。(後略)
 けれども実証主義万能の20世紀現代においては、毒はもはや往時のような、恐怖と美とを表裏に兼ね備えた妖しいヴェールをほとんど引き剥がされてしまい(中略)はなはだ散文的なものに堕落せしめられてしまっています。
 しかし、そのような科学や実証主義、合理主義とあえて真っ向から反発することこそが“クトゥルフの呼び声”をプレイすると言う行為のまさしく真骨頂・醍醐味であることを想起すれば、古代の魔道書や秘密の神儀、失われた神秘の一族などと並んで、毒もまた欠かすことのかなわぬ親しい小道具であることが容易に理解できるでしょう。

代表的な毒物である「砒素化合物」「シアン化合物」「パラチオン」「黄燐」「ニコチン」「テトロドトキシン」「クラーレ」「アコニチン」「蛇毒(神経毒及び血液毒)」「一酸化炭素」「塩素」「ホスゲン」「マスタード・ガス」「ルイサイト」「神経ガス(タブン、サリン、ソマン、VX)」について、その「効力値」「致死量」「起源」「歴史」「効果」「毒物技能への修正」をデータ化している。


ボードゲーム:クス=バルセスの影 "THE SHADOW OF K'S-BIRLCESS"
岡本博信9P+MAP

綴じ込み付録のボードゲーム。ホビージャパンのオリジナルであり、デザイナーの岡本博信氏は後に「タクテクス」別冊「クトゥルフ・ワールド・ツアー」において「師資捜奇伝」に参加している。

プレイヤーは「邪神の存在を知った数少ない人間の一人」となり、「クス=バルセス」を始めとする邪神達を封印するべく世界を叉に掛けて活動する。「クトゥルフの呼び声」との直接的な関係はないが、世界観や邪神の設定・ゲームシステムにクトゥルフ神話的な要素が取り入れられている。それらは後に、同じくホビージャパンから発売されたカードゲーム「ホラー・ナイト」(デザイン:駆虎人1号/イラスト:うらべすう)に受け継がれた。


リーダーズコミュニケーション:Q&A HJクトゥルフの呼び声
1P

旧版“クトゥルフの呼び声”のルール運用に関するQ&A。


1989.11 (No.72)

亜空間漂流 "ANOTHER DIMENSIONAL DRIFTING"
牧山昌弘6P

“クトゥルフ・ナウ”発売をひかえて掲載された、現代が舞台のシナリオのリプレイ。ニューカレドニアからニュージーランドまでの船旅を楽しんでいた探索者達が船舶等の消失多発海域で巻き込まれる事件とは……。

 科学万能、人類の力でできないことはないと思いこんでいる人間が、科学では解明できない未知の存在の前で味わう恐怖…それが、H. P. ラヴクラフトが創始した「クトゥルフ神話」の神髄なのです。その意味では、1920年代よりもさらに科学が進歩している現代でこそ、邪神たちはよりいっそう活躍できるのかもしれません。
 「現代は1920年代とは違う。宇宙にエーテルが満ちていないことも知っているし、フォーマルハウトにせよアルデバランにせよ、光の速度で何年もかかるほど遠いこともわかっている」ですって?はっはっはっ、そんなことを言っているあなたのような人間こそ、クトゥルフ神話のいけにえにふさわしいのですよ。ほら、あなたの後ろからニャルラトテップの薄笑いが…。


1990.1 (No.74)

クリスマス特別企画:エウレカのRPG適正診断
菊池たけしとスタジオ世界館9P

当時発売されていたRPGの中から自分に適したものを、パラグラフ形式の診断ゲーム(何故かデッドエンドがある……)によって見つけてみようという記事。診断の結果、「名作の世界にとりつかれたあなた」に対して、“指輪物語ロールプレイング”及び“ストームブリンガー”と共に“クトゥルフの呼び声”が紹介されている。

#「エウレカか……なにもかも皆懐かしい……」


“クトゥルフ・モンスター・ガイドII”レビュー
弓下弦1P

主としてドリームランド(夢幻境)におけるクトゥルフ神話怪物について解説している、“クトゥルフ・モンスター・ガイドII”の紹介記事。日本語で読む事の出来るドリームランド関連資料はまだまだ少ないので(あとは「クトゥルフ通信」第6回「幻夢境観光案内」ぐらい?)、その点では貴重な書である。


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