◆曹 石堂 さん静岡で公演
「戦禍に揺れた数奇な運命・平和の大切さ熱く」
幼くして両親を亡くし、中国で日本軍と寝食をともにした縁から沼津市で一時生活、帰国後も苦難の人生を歩んだ中国・山西大の元教授、曹石堂さん(73)の講演会が25日夜、静岡市黒金町の静岡労政会館で開かれた。曹さんの来日に合わせて沼津二小時代の同級生が中心になって企画した講演会。日本軍から「兵隊太郎」と呼ばれていた曹さんは自らの数奇な運命を語った。
孤児となった曹さんは、中国を転戦する日本軍の鉄道部隊について回り、周囲の日本兵に「太郎」の名で親しまれた。親代わりだった少尉から日本に呼び寄せられ、終戦まで沼津市で過ごした。その間、加藤太郎の日本名で沼津第二小、沼津商高に通い、立教大に進んだが、帰国後、スパイ容疑で逮捕され、文化大革命でも迫害を受けた。名誉を回復した後は山西大で日本語を教えた。
今年は日中国交正常化30周年。沼津二小の同級会に出席するため来日した曹さんは日中にまたがる戦中、戦後の「生き証人」と紹介され、過去,現在、未来 日本と中国」と題して講演した。曹さんは日本軍の中国侵攻、文化大革命など当時の生々しい体験を披露し、「戦争は絶対だめ。私はたまたまいい(日本軍の)人たちと巡り会ったので生き延びた」と何度も平和の大切さを訴えた。
「戦争は絶対だめ」という曹さん。首相の靖国参拝、有事法など話題になっている昨今、賛成・反対派、思いは皆同じとは思うが、理不尽な不審船や拉致、テロや侵略には対策も、国旗、国歌論争など、平和を願う心は同じでも、方法や考え方がそれぞれ違う、
さて正しい選択は、平和を目指すための方向は同じなのだから、(賛成派に対して、軍国・帝国主義の亡霊復活などの偏見は捨ててもらって)意見の集約を計り方向は堂々と憲法改正が必要ならして、姑息な手段でなく、進めてほしいですね・・
(静岡新聞H14.4.26掲載記事より/H14.4.26)
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