二次電池技術
 小型二次電池
 リチウムイオン電池
 安全規格、規制等
 FG、ID等
 二次電池の今後の展開

 

安全規格、規制等
 リチウムイオン電池は、過充電や短絡による大電流のために電池の温度が上昇すると、発火や破裂が起きることがあります。リチウム自体が酸化により熱暴走して温度が上昇し、石油類である電解液が燃えることにより、発火し、また内部圧が上昇して缶が破裂することもあります。最近でもノートパソコン用の電池パックで数件のリコールがありました。2001年5月に発表されたDELLのノートパソコン電池の回収は29万台近くが対象で、電池メーカーも大きな賠償金を支払ったといわれています。2004年にはKyocera Wirelessが米国で携帯電話のリコールを行いました。ポケットに入れていた携帯電話の電池が発熱して足にやけどを負った事故がきっかけとなっており、約4万台が回収対象です。電池は香港製といわれています。
 電池自体が火元でなくても、導電性を有する電解液の漏液によって周辺プリント板がショートしたり、プリント板自体の製造上の問題でショートを起こし、電池に貯蔵された大きなエネルギーのために発熱、発火します。2001年には携帯電話電池パックに半田くずが入っている可能性があり、発熱、ケース変形のおそれがあるとのことでソニーの携帯電話56万台のリコールが起きています。電池自体の安全性のみならず、電池パックトータルの信頼性が問題となります。 
 2003〜2004年に大きな問題となったのは、いわゆる模造品もしくは海賊版電池パックの安全性でした。ノキアの携帯電話でかなりの台数の電池パックが発火し、負傷者が出ていますが、ノキアは安全性に劣る非純正電池パックが原因と主張しています。2004年秋には台湾で、キヤノンのデジカメの電池が破裂し、持っていた人が怪我をした、との報道がありましたが、これも模造品パックであったとの続報が流れています。 
 性能は優れているものの、安全性の問題で使いこなし方が難しいリチウムイオン電池に関し、現在、具体的な安全性の規格を定めているのは、米国のULと日本の電池工業会です。その両者は、条件が微妙に異なりますが、全般的には、ULのようが厳しい要求をしています。その他、携帯電話メーカーで独自規格を持っているところがいくつかありますが、多くのメーカーはUL取得を採用の条件としています。
 米国のUL1642 [第3版(1995年4月26日)、2004年10月25日修正版] のリチウムイオン電池への安全性試験の要求事項では以下のような項目について試験を行い、基本的には発火、破裂しないことをUL認定の条件としています。なお、詳細については、ULの原本を参照して下さい。 
 外部短絡、標準充電条件の3倍の電流での充電、強制放電、2枚の平板に挟んだ圧壊、加熱(150℃まで)などの試験で発火、破裂しないこと。振動、衝撃、温度サイクル、低圧試験で漏液の無いこと。 
 数年前に、ロスアンゼルス空港で、リチウム一次電池を輸送中に、フォークリフトを電池の梱包に突き刺して火災事故が発生したことを契機として、リチウムイオン電池の航空輸送のための安全性試験が厳密に要求されるようになって来ています。試験内容はそれほど厳しいものはありませんが、メーカーの証明書が無いと飛行機会社は輸送荷物を引き受けてくれません。  
 その他、電池への規制としては、輸出貿易管理令によるパラメータシートの作成があります。重量容量密度が大きくなっていくと該当品目となります。
 EU諸国が2006年7月1日から導入するRoHS指令に対しては、一般的な電池パックではパック内の保護回路の半田に含まれる鉛と、温度ヒューズを使用している場合には温度ヒューズに含まれる鉛とカドミウムが規制対象物質となります。 

Copyright © 2001-2005 株式会社テクノソリューションズ All rights reserved.