小型二次電池の今後の展開 |
ノートパソコンも携帯電話も、電池はリチウムイオンが当たり前になった今、小型二次電池の今後の展開をどう考えればよいのでしょうか。弊社では、そのキーワードを次のように考えます。
(1) 大電流放電
(2) 安全性
(3) FGおよびID
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(1) これまで大電流放電用途を支えてきたNiCd電池はその環境特性により、過去の電池になろうとしています。これに代わるのはNiMH電池ではなく、リチウムイオン電池となるでしょう。逆の言い方をすれば、NiCd電池に変わりうる大電流放電が可能なリチウムイオン電池を市場に提供するメーカーが、小型二次電池市場を制するのだと考えたほうがよいでしょう。
リチウムイオン電池に大電流放電特性を期待するもう一つの状況は、燃料電池からもたらされるでしょう。燃料電池はノートパソコンや携帯電話への搭載を目指して開発が進められていますが、その最大の短所はレート特性が劣ることにあります。燃料の補給により、駆動時間はいくらでも長くすることはできますが、しかし、瞬間的な大電流放電ができません。このため、瞬間電流を流すための二次電池が必要となります。この二次電池は容量は大きい必要はありませんが、しかし瞬間的な大電流放電が可能なものでなくてはなりません。 |
(2) 中国や東南アジアで作られるリチウムイオン電池の中には、安全性試験をしていないような、ものもあるようです。さらに、パックとしても過充電、外部短絡に対する保護を行っていないものも存在します。このような粗悪な電池により、市場にリチウムイオン電池そのものへの拒否反応が発生することが、最も危惧されます。このような状況の中で、先進国市場が要求するのは、安全性が確認された電池です。 |
(3) 大電流放電を行うと、電池内部での電圧ドロップが大きくなり、放電終止電圧の設定が重要となります。このため、例えば燃料電池のバックアップ用の二次電池であっても正確なFGによる管理が重要となってきます。[FG、ID等]のページで述べているように、容量の小さな電池パックでは、消費電流の小さいFG回路が必要となります。また、(2)で述べたように、安全性に問題がある互換電池パックを排除するために、電池パックにIDを入れる技術も重要となるでしょう。これら、FG、ID技術で問題となるのは、消費電流もさることながら、最終的にはコストの問題となります。 |