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破籠の階について1

エノミユ人間にとって2人の再会がどのようなものであったのかということは避けて通れない問題である。(そうか?)
実際書く書かないは別にして、こうだったろうか、ああだったろうかといろんなパターンを思い巡らすのではないだろうか。
私は一つのこだわりとして、2人の再会を偶然のものとはしたくなかったんです。
原作でなら、また別の事件を通じて偶然ということもあるかもしれないけれど、
事件まで創れるほどの頭がないもんで(笑)。
それではどちらが会いに行くのかといったときに、榎さんはわざわざ美由紀の転校先を聞き出してまで行かないだろうと思ったわけです。
これまで、事件を通じて関わった人間に対して、榎さんはかなり淡泊ですよね。
過ぎてしまえばそれまでみたいな。
もっともそれは榎さん視点の記述がないためで、内心がどうかまでは伺い知れないのですが。
少なくとも積極的に関わろうという行動をしていないのは確かだと思います。
美由紀のほうならば、何か不安定になったときにあの探偵を思い出して会ってみたいと思うことはあるかもしれないと考えたわけです。
益田を益山に統一しちゃった時点で、美由紀はかなり榎さんに信頼を置いてると思います。
男なら下僕街道まっしぐら間違い無しです(笑)。

一応いったん切ります。

破籠の階について2

ただ、榎さんのほうも美由紀のことが気に入ったのもまた確かで。
それは多分初めて会ったときからなんじゃないかと思っているのです。
どこに書いたか忘れましたが、榎さんは単に記憶が視えるだけじゃなく、その人の本質みたいなのを直感で見抜ける人なんだと思うのです。
きっとそういう資質って財閥のトップになるには非常に有用なんだろう、などと思ってしまったり…。
で、美由紀と初対面のときに、「この人は子供じゃないよ。女の子だろう」と言ったんだと思います。
碧については「あんな子供にこの僕が何をするというのだね」と言ってますからね。
(このセリフ、妙に好きです)
女学生=女の子、なのではなく、碧は子供だけど美由紀は女の子なんです。

そして、絞殺魔が脱走したとき、榎さんは自殺に最も適した場所を美由紀から読み取ったら、いわばそれで用は済んだわけです。
それをわざわざ伴って出たのは、美由紀を外に出してあげようとしたんだと思います。
部屋に鍵がかかってたわけじゃないし、どさくさに紛れて勝手に出るだろうと放っておいてもよかったんだろうけど
それでも、連れ出してあげよう、と考えたのではないかと…。
ま、身も蓋もない言い方すれば、美由紀が付いていかないとその後の展開の語り部がいなくなるので(笑)
という小説上の都合なんでしょうけどね。
外に出たらもう美由紀にお構いなしだったし(緊急事態だったからだろうけど)
気に入って、ちょっと手を貸してあげたいけど、執着はしてない、
そんな距離感だったんじゃないかな、絡新婦の時点では。

そんな2人の再会は…ということであんな感じになりました、という不必要なお話でした。

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