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このルイ・エラールが2025年に発表した、3つの新作腕時計を紹介する。

レギュレーター表示という機構そのものを、自社のアイコンとするルイ・エラール。このユニークさや、手間をかける部分・コストを省く部分を明確にすることで、手の届きやすい価格を実現しているといった美点において、マイクロブランドながらも根強い人気を獲得しているブランドだ。

ルイ・エラール2025年新作①「ノワールモン X レギュレーター ルイ・エラール X GoS」
シャネル時計スーパーコピー代引き 優良サイトダマスカス鋼の芸術的なテクスチャーを時計デザインに取り入れ、ユニークピースとして仕立てあげた「GoS(ゴース)」と、ルイ・エラールによるコラボレーションモデル「ルイ・エラール レギュレーター X GoS」が発表された。スウェーデンのゴースがダマスカス鋼を生み出す鍛冶技術と、スイスのルイ・エラールの時計製造技術というふたつの文化と技術のバランスが本作の見どころである。

現代のダマスカス鋼は、数種の金属を複数重ね合わせて鍛錬することで、波紋や樹木の年輪を思わせる模様が表面に浮かび上がらせた鋼材であり、硬さと靭性を兼ね備えた特性と特有のテクスチャーから、包丁やナイフといった刃物に用いられている。

本作はルイ・エラールにとって初となるダマスカス鋼を文字盤に用いたモデルで、ゴースの職人による特別な処理を施すことでコントラストを際立たせている点が特徴だ。その仕上がりは、グレーのトーンが明るく、対してブラックが深みを増しており、奥行きを感じさせるコントラストの高いものとなっている。特有の模様はスウェーデンとスイスの森に広がる樹木の年輪からインスピレーションを得たもので、イメージするパターンが生まれるように巧みに鍛錬されている点は、ゴースの技術力が反映された仕上がりである。

ここに組み合わされるのは、ゴースのスタイルを反映して本作のためにデザインされた針とリュウズである。針は深いブルーに仕立てられ、12時位置に時針、センターに分針を配し、6時位置に北欧ヴァイキングのシンボルであるトリスケル(渦巻き模様)をモチーフとしたスモールセコンドカウンターを配する。本作は、世界限定178本となる。

ルイ エラール レギュレーター X GoS
ルイ・エラール「ノワールモンX レギュレーター ルイ・エラール X GoS」Ref.LE85248AA03.BSA02
自動巻き(Cal.SW266-1)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径39.0mm、厚さ12.82mm)。5気圧防水。世界限定178本。98万4500円(税込み)。

ルイ・エラール2025年新作②「ノワールモン メティエダール レギュレーター グラヴェ・ブルー」
ルイ・エラールの中核を成すモデルである「ノワールモン メティエダール」にブルーの新作が追加された。ノワールモン メティエダールは、クラシックな時計のデザインフォーマットであるセクターダイアルを再解釈しつつ、縦方向に時間表示を並べた「レギュレーター」のシグネチャーデザインを融合させたデザインを特徴とする。

本作の文字盤は1930年代のセクターダイアルからインスピレーションを受けている。細かく粒状加工された文字盤に、輝くガルバニック処理によってレリーフ彫刻が施され、立体感や奥行きが加えられている。また、レールウェイ・トラック・モチーフのような伝統的な要素が加えられているにもかかわらず、シンプルでミニマルなデザインからモダンな仕上がりであるのが本作の特徴で、ブルーの文字盤とライトグレーのストラップの組み合わせもモダンさを加える要素となっている。

ステンレススティール製のケースは直径39mmで、自動巻きムーブメントのCal.SW266-1が搭載される。

ノワールモン メティエダール レギュレーター グラヴェ ブルー
ルイ・エラール「ノワールモン メティエダール レギュレーター グラヴェ・ブルー」Ref.LE85248AA15.BVA159
自動巻き(Cal.SW266-2)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径39mm、厚さ12.82mm)。5気圧防水。65万9450円(税込み)。

ルイ・エラール2025年新作③「ノワールモン X レギュレーター ルイ・エラール X シルヴィ・フルーリー」
スイスの現代ポップアーティストであるシルヴィ・フルーリーとのコラボレーションモデルである「ノワールモン X レギュレーター ルイ・エラール X シルヴィ・フルーリー」が発表された。

シルヴィ・フルーリーは、贅沢な素材と工業的な素材をミックスし、美のフェティシズムやジェンダーに基づく消費パターンに問いを投げかける作風を特徴とする。また、本作のデザインに際してシルヴィ・フルーリーは「私は物をありのままのシンプルな形で明らかにしながら、それらを閉じ込めようとする境界を押し広げる。私が何をし、誰であるかというラベルに縛られることなく」と語っており、これが本作のテーマでありアイデンティティとなっている。

本作はレギュレーターのフォーマットを採用しており、ブラックをベースにマットコーラルの時表示サブダイアルと、マットマジェンダのスモールセコンドによるカラフルでコントラストの高いデザインを持つことが特徴だ。これは、化粧メイクアップパレットを模したもので、「これは単なる女性用ウォッチなのか?」という問いを投げかけ、現実をどう定義し、どう変革するのか? というメッセージを表現している。

ベースのブラックはフラットなサテン仕上げで、金属やプラスチックの質感を思わせる仕上がりである。また、センターの分針も艶消しのブラックとなる。対照的に、時表示とスモールセコンドのサブダイアルは、細かな凹凸感のあるマットな仕上がりで、柔らかさを感じさせるテクスチャーである。また、対応する各針にも同様のテクスチャーが加えられている。本作は世界限定178本となる。

レギュレーター ルイ エラール X シルヴィ フルーリー
ルイ・エラール「ノワールモン X レギュレーター ルイ・エラール X シルヴィ・フルーリー」Ref.LE85238NN42.BVAS89
自動巻き(Cal.SW266-1)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径39mm、厚さ12.25mm)。5気圧防水。世界限定178本。95万7000円(税込み)。

パイロットウォッチがまだ“現役”だった時代

現代におけるパイロットウォッチの在り方を再考する。そんな『クロノス日本版』Vol.98「パイロットウォッチ礼賛」特集を、webChronosに転載。今回は、1978年に自家用操縦士の免許を取得してパイロットとなり、約2000時間、パイロットウォッチをパートナーとしてきたY.K.さんへの取材を掲載する。

Y.K.さんが19歳で自家用操縦士の免許を取得したのは、羽田空港からの地方便数が右肩上がりだった1978年のこと。それから25歳で飛行機を降りるまでの約2000時間、彼のオーデマピゲスーパーコピー代引き 優良サイト飛行のすべてを支え続けたのはパイロットウォッチというパートナーだ。

「みんなプロとして身体を使って精度を確かめていた」
ギナーン、ブローバ「96A245 ミリタリー」、ジン「142」のGSG9限定モデル
(右上)ジン創業者であり、元パイロットだったヘルムート・ジン氏が立ち上げたギナーン。スモールセコンドを廃し、積算計を大きくしているところにノウハウが見て取れる。
(右下)アメリカ軍向けに製造された「A-15」の復刻版ブローバ「96A245 ミリタリー」。
(左)「パイロットウォッチとして使い勝手がいい」と選んだジン「142」のGSG9限定モデル。クロノグラフ針と同軸に60分積算計を持つ。
 あらゆる時計を所有し、そして精通もしているY.K.さん。彼が時計の本質を体感したのは18歳のとき、飛行訓練中のことだった。

「異常姿勢からリカバリーするというトレーニングで、水平飛行からきりもみ状態に入り、指定高度まで落下して再び水平に戻すという内容でした。この落下高度を計測するのがクロノグラフなんです。でも何度やっても試験官から『落下高度がバラバラ』と言われてしまう。不思議に思っていたら、先輩に『時計が原因じゃないか』と言われて、彼のオメガのスピードマスターを借りて飛んでみたところ距離が合う。つまり時計にG(重力加速度)がかかり、秒針が止まっちゃってたんです」

ブレゲ「タイプXX」、ゼニス「レインボーフライバック」、ブライトリング「エアロスペース」、オメガ「スピードマスター」
フライト中は常に胸に下げ、計算を繰り返していたというE6-B9航法演算盤と、時計の下に敷かれているのが1987年ごろに購入したアルファインダストリーズのレザー製MA-1である。そしてパイロットウォッチの雄としてピックアップするのがブレゲ「タイプXX」、ゼニス「レインボーフライバック」、ブライトリング「エアロスペース」。そして若き日に憧れの存在だったというオメガ「スピードマスター」だ。
 やっぱりNASAが認めた時計は違う、とYさんは思い知ったそうだ。

「あのころ先輩方はバルジューがいい、レマニアがいいと、ブランドではなく、ムーブメントで時計を評価していました。まだ腕時計ブームどころかクロノグラフは高嶺の花だった時代、それも小型飛行機を操縦するパイロットという本当に小さな世界だったけれど、みんなプロとして身体を使って精度を確かめていた。だから選んだ時計を信用したし、信頼していたと思います」

Yさんのパイロットウォッチコレクション

Yさんのパイロットウォッチコレクション。「現役時にあれば、フライトがラクになった」と確信しているフライバック搭載機を中心に、選り抜いてくれた。

19歳でめでたくパイロットになると、測量や航空撮影、農作物などの小型荷物の運搬で全国を飛び回った。時には会社からシンガポールなどアジア各地へ派遣されて飛んだこともあったという。そんな日々のなか、ふらりと訪れたアメヤ横丁で発見したのがデッドストックのオメガ「スピードマスター CK2998」。若きYさんにとって、あまり好みのデザインではなかったそうだがそれでもいい時計は欲しい。「背に腹は代えられない」と4万円で入手すると、持病のため25歳で飛行機を降りるまで使い続けることになる。

「あのころもいいパイロットウォッチはありましたが、それでもそれは〝絶対〞ではなかった。先輩にはセイコーのダイバーズウォッチや、ユリス・ナルダンの六分儀搭載モデルを好んだ人もいました。セイコーは機内夜間照明の赤色灯下でも夜光がよく見えたそうで、六分儀は星や太陽といった天体の角度を見て飛行位置を確認していたそうです。僕もセイコーのオレンジ文字盤のデジアナを使っていたこともあります。フライト中に大切なのは経過時間なんですが、あのベゼルは重宝しましたね。いま思えば、そんな杓子定規じゃない時計選びも、腕時計が計器として現役だったあの時代だったからできたのかもしれません」

腕時計系ユーチューバー「腕時計のある人生 Channel」RYが選ぶ2025年新作時計ベスト5。

日本、そして世界を代表する著名なジャーナリストたちに、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2025で発表された時計からベスト5を選んでもらう企画。今回は外国船の“船長”であり、人気YouTubeチャンネル「腕時計のある人生 Channel」を運営するRY氏が、5本を選出した。1位は、年々ドレスウォッチが好みとなっていくRY氏が、「恋に落ちた」というショパールである。

1位:ショパール「L.U.C クアトロ‐マーク IV」Ref.161954-9001
ショパール L.U.C クアトロ マーク IV
ショパール「L.U.C クアトロ‐マーク IV」Ref.161954-9001
手巻き(Cal.L.U.C 98.09-L)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約216時間。Ptケース(直径39.00mm、厚さ10.40mm)。30m防水。予価722万7000円(税込み)。ショパールブティック限定販売。(問)ショパール ジャパン プレス Tel.03-5524-8922
ライトブルーカラーのフロステッドテクスチャーの文字盤に立体感ある楔形のインデックス、直径39mm、厚さ10.40mmのプラチナ製ケースにジュネーブ・シールを獲得したムーブメント。スーパーコピー代引き 優良サイト360度どこをとっても美しいだけでなく、4つの香箱を備えた約9日間のパワーリザーブ(しかもCOSC認定の精度!)は技術的にも素晴らしい。しかも、パワーリザーブインジケーターを裏面に隠すことで、あくまでもエレガントに徹しているのはさすがの美学。

2位:グランドセイコー「エボリューション9 コレクション スプリングドライブ U.F.A.」Ref.SLGB003
グランドセイコー「エボリューション9 コレクション スプリングドライブ U.F.A.」Ref.SLGB003
グランドセイコー「エボリューション9 コレクション スプリングドライブ U.F.A.」Ref.SLGB003
スプリングドライブ自動巻き(Cal.9RB2)。年差±20秒。34石。パワーリザーブ約72時間。ブライトチタンケース(直径37.0mm、厚さ11.4mm)。10気圧防水。151万8000円(税込み)。2025年6月6日(金)よりグランドセイコーブティックおよびグランドセイコーサロンで発売予定。(問)セイコーウオッチお客様相談室(グランドセイコー) Tel.0120-302-617
小径(37mm)ケースに微調整機構付きブレスレットというコンビネーションだけでも時計ファンの話題に挙がるには十分だっただろう。しかしさらなるサプライズとして、新ムーブメントCal.9RB2を搭載。主ゼンマイ駆動式の腕時計としては世界最高の年差±20秒という高精度を実現した「スプリングドライブ U.F.A.(Ultra Fine Accuracy)」だ。かつて同ブランドには、当時のクロノメーター基準を大きく上回るV.F.A (Very Fine Adjusted)という伝説的モデルが存在していたが、それを凌駕する。歴史にインスパイアされたネーミングも胸熱。

3位:ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド」Ref.Q398847J
レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド

ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド」Ref.Q398847J
手巻き(Cal.854)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(縦47×横28.3mm、厚さ10.34mm)。3気圧防水。212万9600円(税込み)。(問)ジャガー・ルクルト Tel.0120-79-1833
ジャガールクルトの「レベルソ」はいつも筆者のウィッシュリストに入っているが、「トリビュートフェイスで、白orシルバーと黒文字盤の両面で、厚さ10mm以下」という“超個人的理想のレベルソ”は(筆者の知る限り)未だ存在していなかった。しかし本作は、極めてそれに近い(厚さのみ10.34mm)。使いやすい色の両面はうれしく、知的な雰囲気も魅力的。200万円越えの価格も、2本分の時計とすれば、1本100万円強と考えることも可能かも?

4位:A.ランゲ&ゾーネ「1815」Ref.220.028
A.ランゲ&ゾーネ 2025年新作
A.ランゲ&ゾーネ「1815」Ref.220.037
手巻き(Cal.L152.1)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KWGケース(直径34.0mm、厚さ6.4mm)。3気圧防水。385万円(税込み)。(問)A.ランゲ&ゾーネ Tel.0120-23-1845
「1815」誕生30周年となる本年、直径34mm、厚さ6.4mmの控えめサイズの新作。ケース径34mmは数値上ではかなり小さく思えるが、実物は意外としっくりくるサイズ(むしろかなり快適で不思議とこのサイズが一番いいのでは? と思えてくる)。シェアウォッチとしても優秀。Cal.L152.1は、コンパクトになっただけでなくパワーリザーブが約72時間に延びるなど、性能も向上。青とホワイトゴールドの組み合わせが非常に爽やかでおしゃれ。

5位:ノモス「クラブ・スポーツ ネオマティック ワールドタイマー シルバー」Ref.791
ノモス グラスヒュッテ クラブ・スポーツ ネオマティック ワールドタイマー
ノモス「クラブ・スポーツ ネオマティック ワールドタイマー シルバー」
自動巻き(Cal.DUW 3202)。37石。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径40mm、厚さ9.9mm)。10気圧防水。77万2200円(税込み)。(問)大沢商会 Tel.03-3527-2682
ワールドタイマーはいつか欲しい複雑機構のひとつ。しかし価格やサイズ、スペックなどで実用的な範囲に収まるモデルは、意外なほど少ない。本作は70万円台という価格でサイズは直径40mm、厚さ9.9mm、防水性は10気圧防水と、まさに実用的なワールドタイマーと言える(しかも自社製ムーブメント)。複雑な機構をシンプルに品よく、おしゃれにまとめ上げるパッケージングはさすがノモス。限定モデルも含めると全部で8種類のカラー展開も楽しい。

総評
クラシック回帰やケースの小径化など、ここ数年続いているドレス指向のトレンドは今年も全体的に継続傾向だったのではないだろうか。
かくいう私もその風に当てられたのか、好みが年々ドレス寄りになってきている。

加えて今年は、「淡い色」の文字盤カラーが数多く発表されたように感じた。
カラフルな文字盤展開はここ数年の傾向としてあったように思うが、これまではビビッドで力強い印象のものが多く、今年はより淡く柔らかい色が多い印象。

スイス時計協会FHの統計によると、昨年はスイス時計の輸出先(金額ベース)として、中国が大きく下落し(前年比-25.8%)、北米や日本が上昇(同+5.0%、+7.8%)したことが影響しているのかもしれない。
いずれにせよ、淡い色はドレッシーな時計と相性が良いと思うので、個人的にはウェルカムである。

上位3本への思い
今回も例によって、個人的に欲しい! と思う時計を挙げさせてもらった。
簡単な感想は上記の通りだが、特に上位3本について、よりカジュアルに心の内を書きたいと思う。

1位のショパール「L.U.C クアトロ‐マーク IV」Ref.161954-9001は、恋に落ちた。というと陳腐なフレーズのように聞こえるが、今の筆者の気持ちを表すのにぴったりな表現かもしれない。本作をひと目見た時から頭から離れず、日々の生活での見え方やコレクションボックスに並べることを妄想してしまう。しかし700万円超えという価格は、険しくそびえ立つ山脈のように目の前に立ちはだかる。まさに高嶺の花。

2位のグランドセイコー「エボリューション9 コレクション スプリングドライブ U.F.A.」Ref.SLGB003は、ついに!! というのが初見の感想である。というのも、微調整機構つきブレスレットは世界の時計ファンの間でも前々から待望されていたからだ。しかも“U.F.A”という技術的革新とそれに伴う小径化といううれしいサプライズ付き。個人的には、iPhoneがiPhone15でUSB-Cコネクタになった時のような、あるいは『大乱闘スマッシュブラザーズ』に実現不可能と言われていたキングダムハーツの「ソラ」が参戦した時のような、うれしいインパクト。

3位のジャガールクルト「レベルソ・トリビュート・デュオ・スモールセコンド」Ref.Q398847Jについては、今年のレベルソ新作ラッシュに圧巻。「レベルソ・トリビュート ジオグラフィーク」や、18Kピンクゴールド製のミラネーゼメッシュブレスを備えた「レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド」Ref.Q713216Jも素晴らしく、どれを選出するかとても悩んだ。最終的にはケース厚と色、価格の総合的観点から、Ref.Q398847Jを3位に選んだが、いずれもベスト10には入るくらい個人的にヒットしたモデル。

やはり毎年W&WGは楽しい。
特に出展ブランドが約60社と過去最高を記録し、楽しみはますます広がっていく一方である。

半面、ほぼ同時期に発表されたトランプ関税では、スイス製品に31%の関税をかけるとのことで、スイス時計産業にとって大きな打撃となる可能性があり、結果によっては来年の新作発表にも大きな影響を及ぼすのではないかと懸念している。

これからもポツポツと各社から新作発表があると思うので、引き続き注目していきたい。

宇宙飛行士エドガー・ミッチェルが着用したGMTマスターは、月面に持ち込まれた最初のロレックスであった。

1971年2月5日、アポロ14号の月着陸船は宇宙飛行士のアラン・シェパード(Alan Shepard)とエドガー・ミッチェル(Edgar Mitchell)を乗せて月面に着陸した。アポロの宇宙飛行士たちにはオメガ スピードマスター プロフェッショナルが支給されていたが、ミッチェルはこのミッションに自身のロレックス GMTマスター Ref.1675も持ち込んでいた。ミッチェルが月面に足を踏み入れたことで、彼は史上6番目の月面着陸者となった。そして今、彼のGMTマスターが彼の個人コレクションのほかの時計とともにオークションに出品される。

米海軍に入隊し、5000時間以上の飛行経験を積んだあと、エドガー・ミッチェルはNASAの第5期宇宙飛行士に選ばれた。彼はアポロ13号のオペレーションチームでの働きが評価され、大統領自由勲章を授与された。とくに月着陸船を地球に帰還させるための航路を支援するため、シミュレーターを操作してクルーを助けたことが彼の最も顕著な貢献であった。

edgar mitchell rolex gmt-master apollo 14
口コミ第1位のカルティエスーパーコピー代引き専門店ミッチェルはその後、アポロ計画8回目の有人ミッションであり、3度目の月面着陸となるアポロ14号の月着陸船のパイロットを務めた。月面着陸を果たしたあと、ミッチェルとシェパードは2度にわたって月面を歩いた(とくに有名なのは、シェパードが月面でゴルフボールを2、3個打ったエピソードである)

アポロ計画の宇宙飛行士たちは、公式のオメガ スピードマスターを宇宙服の外側に着用することが求められていたが、一部の飛行士たちはスーツの内側にプライベートの時計をつけていた。ジャック・スワイガート(Jack Swigert)はアポロ13号で自身のGMTマスターを着用しており、Watches & Wonders 2023ではこの時計がロレックスコレクションの一部として展示されていたことから、現在はロレックスの所有物であると思われる。これまで公に販売された宇宙飛行歴のあるロレックスは、2009年のHeritage Auctionにて13万1450ドル(当時の相場で約1300万円)で落札されたロン・エヴァンス(Ron Evans)のペプシGMTマスターのみである。

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刻印は、この時計が娘のカーリン(Karlyn)に贈られたことを示している。

だがミッチェルのものは、おそらく月面に持ち込まれた最初のロレックスであったと考えられる。このGMTマスターは宇宙関連の記念品で名高いオークションハウス、RRオークションに出品された。同社は最近、宇宙飛行士たちに贈られた勤務kのオメガ スピードマスターもいくつか販売しており(こちらとこちら)、公式的にミッチェルのロレックスを“アポロで飛行したふたつのロレックスのひとつ”としている。またミッチェルが離陸前やモジュール内、そして地球に帰還する直前にもこの時計をつけている写真が残っており、フライトのあいだ中ずっとこのGMTマスターを着用していた可能性が高いと考えられる。

この時計には、2016年に亡くなったミッチェル本人が署名した鑑定書が付属している。また裏蓋には“1971年、アポロ14号でCDR(指揮官)E. ミッチェルが着用。娘のカーリンへ(Worn by CDR. E. Mitchell on Apollo 14, 1971. To Karlin [sic] – My Daughter)”と刻まれている。RRオークションは、このミッチェルのGMTマスターに40万ドル(日本円で約5940万円)以上の見積もりをつけている。なおオークションは10月25日に終了する。

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モジュール内でロレックスを腕につけたミッチェルの写真。

これほど重要な時計であればロレックスも入札者として関心を持つだろう。ここ数年、ロレックスが歴史的価値のある自社の時計をオークションで手に入れているのは周知の事実だ。昨年も、サザビーズでウォーレン中佐のGMTマスター Ref.6542を落札した。これはヴィンテージGMTマスターとしては、最も高額な落札実績のひとつである(マーロン・ブランドのベゼルなしGMTが依然として最高記録を持っており、すでに2度の売却が行われている)。

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ロレックス GMTマスターをつけるエド・ミッチェル。

ミッチェルのGMTマスター 1675は、少なくともRRオークションの最低見積もり額は達成するだろう。

時計自体について言えば、シリアルナンバーから察するに1970〜71年製であることが分かる。つまりアポロ14号が飛行する直前に購入したと推測できる。ブレスレットコードは1970年末のものだ。興味深いことに、これは通常ロレックスのダイバーズウォッチによく見られるフリップロッククラスプが付いた9315ブレスレットが装備されている。“ペプシ”ベゼルは深い色合いへと経年変化しており、赤はわずかに退色。マーク1の“ロングE”ダイヤルはきれいに保たれ、夜光部分は温かみのある色合いに変化している。なお夜光針はわずかに薄くなっているが、これは初期のマットダイヤルでは珍しいことではない。ケースは厚みのある面取りが残されていて、傷も少なく、折り畳み式のオイスターブレスレットも同様に良好な状態だ。刻印と添えられた手紙から、まるでミッチェルがこの時計の将来の価値を見越していたかのようだ。娘にとって人生を変えるような価値を持つ時計になることを意識していたのかもしれない。

今回のオークションにはほかにも、デイヴ・スコット(Dave Scott)のゴールドアポロ11号スピードマスターや、エド・ミッチェルのカスタムブローバなど、宇宙関連の時計がいくつか出品されている。しかしミッチェルのロレックス GMTマスターが最も重要な存在であることは間違いない。

時計の世界全体にとって何を意味するのか。

最初にこのドメインを登録したとき、スプリングストリートにある4階建てのウォークアップ(エレベーターのない建物)に座っていた自分には、こんな展開が待っているとは想像すらできなかった。私の4つの大きな愛(執筆、写真、インターネット、そしてもちろん時計)を組み合わせるために始めたこの情熱的なプロジェクトが、今では年間2000万人以上が訪れる世界で最も読まれている時計プラットフォームになり、ピーク時には年間1億ドル(日本円で約150億円)分の時計を販売するまでになった。またHODINKEEの歴史を通じて、多くの人々に美しくも小さな腕時計に夢中にさせてきたことも誇らしく思う。そしてそれを支えてくれたコミュニティの成長に対しても、私は非常に誇りを感じている。

wos
 私はこれまでに数多くの実績を挙げてきた(タイム誌の世界で最も優れたウェブサイト50選、ファストカンパニーの最も革新的な企業には4回、いや5回選出され、フォーチュンの40歳未満の優れた経営者を選ぶ40歳未満の40人リストに載ったこともある)。また腕時計の歴史に残る瞬間も数々ある(最初のTalking Watches、IWCスーパーコピー代引き優良サイト“チーズナイフ”やトラベルクロック、さらにヴァシュロン、エルメス、IWC、オメガ、MB&Fとのコラボレーションなど、これらが今でも素晴らしいものであったことについては私を信じてもらっていい。)。もちろん、我々のビジネスがいかに素晴らしいものであったかも誇ることができるだろう。これらは、HODINKEEの過去を振り返る際に挙げるのにふさわしい出来事だと言える。しかし、ときとして人々はHODINKEEの過去にばかり目を向けすぎて、現在や未来について十分に注目していないと感じることがある。

 現在、そして今年の8月以降、HODINKEEは過去数年よりもさらに力を入れて、世界で最も優れた、そして情報豊かで楽しめる時計コンテンツの創造に注力している。まさに数年ぶりのことだ。そして創業当初からHODINKEEはひとつの声だけで成り立っていたわけではない。今我々が擁するライター陣は、この業界のゲームチェンジャーであり、彼らが業界の未来を担うリーダーだと私は信じている。そしてご存じのとおり、我々の最優先事項は編集コンテンツである。だからといってそれが慈善活動になるというわけではない。私がこのオープンレターで継続的に取り組むことを明言したとおりであるが、460件以上のコメントが寄せられたにもかかわらず多くの人がそれを読まなかったかのように思えるのだ:)


 そしてHODINKEEが限定版を手がけるときには、それがしっかりとした理由に基づいているということを信じて欲しい。それは我々がその製品に対して、世界的な物語に新たな価値を加えることができるからだ。

 我々は現代の時計業界を支え、ともに築き上げてきた。そして今、その業界の変化に合わせて自らも進化していく必要がある。

 ここ数年で、時計とそれを取り巻く世界は大きく変化した。本当に驚くほどだ。そしてHODINKEEに、いや私自身においてひとつ確かなことがあるとすれば、それは決して前進を止めないということだ。我々はさまざまな挑戦をする。その多くは成功するだろうが、なかにはうまくいかないものもあるだろう。しかしその間も、我々は時計業界全体のために前進し続けることが義務だと信じている。そんな思いを抱きながら本日、HODINKEEと我々、そして業界全体が長く敬愛してきたグループと手を組むことをお伝えしたい。それは120以上の時計やジュエリーブランドと関係を持つ、最も古く、重要なパートナーのひとつであるWatches of Switzerland(ウォッチズ・オブ・スイス)だ。

 そしてこれに伴い、私はHODINKEEにフルタイムで戻ることになった。社長として、そして主要な意思決定者としてだ。Watches of Switzerlandは私にとっても、このビジネスにとっても最適なパートナーであり、今がその時なのだ。一部の方はご存じかもしれないが、私は2020年にCEOを退任し、少しのあいだ、自分と家族のための時間を取っていた。その時点で、HODINKEEの所有権やコントロールは私の手を離れていた。確かに私は取締役会の一員として残っていたし、チームの一員ではあったが、皆が期待するような形で関わっていたわけではない。そして今日、このストーリーが公開された瞬間から、私はまさにHODINKEEの主要なリーダーとなり、HODINKEEの所有権についても何の混乱もなくなるだろう。我々は完全に、誇りを持ってWatches of Switzerlandグループの一員となったのだ。

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 では、どうしてここにたどり着いたのか? それは長く曲がりくねった物語だが、要するにHODINKEEはいつの時代も人々に愛され、尊敬されてきたビジネスだったということだ。有名な話だが、我々がまだ3人の小さなチームだったころ、最初の買収提案を受けたのは10年以上前のことである。しかし我々はそのオファーを断り、資金を調達して独立の道を選んだ。それが2015年ごろの話だ。ちょうどそのころ、ヨーロッパにいる友人から“イギリス最大の小売業者がアメリカ市場に進出しようとしているので話をしてみたらどうか”というメールをもらった。私はその提案に乗り、その人たちと話をした。その人たちこそ、当時も今もWatches of Switzerlandグループを支えるブライアン・ダフィー(Brian Duffy)氏とデイビッド・ハーリー(David Hurley)氏だったのだ。我々はすぐに意気投合し、その際“もし彼らがアメリカ市場に進出したら、これは本当に大きな変革になるな”と思ったことをよく覚えている。そして実際にそうなった。そして、それはすべてよい方向に進んだ。というのも10年前のアメリカの時計小売業が、正直なところいかにひどいものであったかを思い出して欲しい。確かに時計を手に入れるのは今よりも簡単だったかもしれないが、製品はしばしば単なる商品として扱われ、消費者の体験はしばしば期待外れなものとなった。Watches of Switzerlandがアメリカ市場に参入したことでその状況は大きく変わり、アメリカの小売業全体も影響を受けた。Watches of Switzerlandの存在によって、ほかの小売業者もレベルを上げる必要があり、実際にそうなったのだ。今ではアメリカ市場が世界で最も大きく、そして最も安定した時計市場となっている。

 この数年、まずCOVID-19による市場の活況に、そしてその後の冷え込みによって、私が誇りに思っているこの小さな業界は、全体の規模は大きくなったものの主要なプレイヤーの数は減少してきた。つまり、基本的には皆がどのように協力し合えるかを考え始めたのだ。我々もまた複数のCEOやオーナーからHODINKEEが提携に興味を持っているか、言い換えれば会社を売る気はあるかという問い合わせを受けた。しかし私やCEO、株主の立場から見て、そのほとんどに対する答えはノーだった。それは単に理に適わないものであったし、ワクワクするものではなかった。正直なところ皆さんもそういった提案の多くを嫌がっただろうし、それが大きな判断材料となった。しかし、Watches of Switzerlandが我々に提案してきたプランは非常に理に適ったものであった。いや、それ以上に私をワクワクさせたのだ。これほどまでに興奮したのは、ほぼ4年ぶりにこの会社の正式なリーダーシップに戻りたいと思うほどだった。ではそのプランとは何か? 私が編集長として築いたHODINKEEが、西洋の時計業界でおそらく最良のパートナーであるWatches of Switzerlandという後ろ盾を持つ姿を想像して欲しい。この会社は年間約20億ドル(日本円で約2970億円)の時計を世界中で販売し、120以上のブランドを取り扱っている。大手から小規模まで、その幅は広い。WOS(Watches of Switzerland)は大手ブランドをサポートするだけでなく、今年5月からはAHCI(独立時計師アカデミー)と提携し、北米におけるGPHG(ジュネーブ時計グランプリ)の独占小売パートナーにもなっているのだ。

 つまりWatches of Switzerlandとは、その名のとおり時計そのものと言える存在だ。そしてこれは多くの皆さんによろこんでもらえることだと思う。これまで、HODINKEEの意思決定者が誰なのかについて混乱があったかもしれないが、今ではHODINKEEは私の手に戻り、時計の世界的な文化の発展に専念する企業となった。それはとても素晴らしいことに感じられるはずだ。

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 ではこれがこのサイトにとってどういう意味を持つのか? 8月に言ったように、我々は小売から少し距離を置き、販売はWatches of Switzerlandのパートナーに任せる。今後執筆や、我々にしかできない特別なことに集中する。そのため我々が本当に特別だと思っている部分(情報を提供し、教育し、そして楽しませる力)に、より多くの時間とエネルギーを注ぐことができるようになる。Watches of Switzerlandが扱っていないブランドを取り上げるか? もちろんだ。Watches of Switzerlandとは関係のない興味深い小売業者についても取り上げるか? それももちろんそうだ。そして今後、世界中にある同グループの230を超えるブティックやショールームで、ときおりイベントを開催することはできるか? 答えはイエスだ。なぜならそれは素晴らしいことだからだ。世界中でHODINKEEのイベントを開催し、行く先々にホームがあるというのは、我々が長年抱いてきた夢なのだ。

 私にとって、HODINKEEがWatches of Switzerlandグループの一員になることは、HODINKEEが可能な限り最高の形になるための道だと思っている。そしてWatches of Switzerlandが時計業界全体、ほぼすべてのブランドとパートナーシップを結んでいることを考えると、未来が本当に待ち遠しい。個人的には、再び舵を取る立場に戻れたこと、そしてブライアン・ダフィー氏やデイビッド・ハーリー氏、そしてWatches of Switzerlandグループ全体が私のそばにいることに、非常にワクワクしている。

 この取引が完了し、私が再び立ち上がった今、これからはここで私の姿をもっと頻繁に目にすることになるだろう。それまで引き続きHODINKEEを楽しんで欲しい。また近いうちにお話ししよう!

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