十和田市サッカー協会 第4種委員会

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2025年 クストスの新作腕時計を一挙紹介!

前衛的なデザインを得意としながらも、実用性や量産性に配慮したタイムピースによって、時計愛好家を中心に熱い支持を得てきたクストス。今年20周年を迎える同社は、この節目の年にふさわしい、アヴァンギャルドで、独創的な世界観を感じられる新作モデルの数々をリリースしている。

クストス2025年新作「チャレンジ トゥールビヨン 8」
スーパーコピーブランド Nランク代金引換の誕生20周年を迎えたクストス。同社がその節目を記念する究極のモデルとして発表したのが、「チャレンジ トゥールビヨン 8」である。その特徴は、スケルトンダイアルとシースルーバックを通して鑑賞することが可能な8の字型のムーブメントだ。このムーブメントの形状は無限大(∞)を表し、同社の絶え間ない挑戦と革新の精神を体現している。

ダイアルの6時位置に配されているのは、優雅に回転するトゥールビヨン。12時位置の香箱と対称を成し、ダイナミックな造形に仕上げられている。その審美性あふれるオープンワークや動きは、ケースサイドからも存分に堪能することが可能だ。

立体的なケースは、プラチナまたは18Kレッドゴールドの2種類がラインナップする。リュウズはねじ込み式であり、ラバーを取り付けることで操作性を向上させている。ラバーストラップによる軽快な装着感も魅力だ。

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クストス「チャレンジ トゥールビヨン 8」
手巻き。Ptケース(縦53.7×横41mm)。数量限定。要価格問い合わせ。
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クストス「チャレンジ トゥールビヨン 8」
手巻き。18KRGケース(縦53.7×横41mm)。数量限定。要価格問い合わせ。

クストス2025年新作「チャレンジ ジェットライナー P S オートマティック クストス×テキーラ バラハス」
クストスの創業20周年記念モデルのひとつであり、1997年に誕生したテキーラブランド、テキーラ バラハスとのコラボレーションによる「チャレンジ ジェットライナー P S オートマティック」。航空機の構造美と軽量性を追求したモデルであり、流線形のステンレススティールケースには、ブルーコーティングが施されている。ベゼルに配されたビスやインデックス、針などにはレッドゴールドが使用され、ラグジュアリーな印象を強める。ダイアルの12時位置に輝くのは、テキーラ バラハスのロゴだ。

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本作が搭載する機械式自動巻きムーブメントは、センターに時分、6時位置に大型のスモールセコンドと日付表示を配したレイアウトを持つ。スモールセコンドの安定した駆動を実現するため、内部に微弱な永久磁石を組み込んだ、意欲的な機構を搭載している。

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クストス「チャレンジ ジェットライナー P S オートマティック クストス×テキーラ バラハス」
自動巻き。パワーリザーブ約42時間。SS+ブルーPVDケース(縦53.7×横41mm)。要価格問い合わせ。


クストス2025年新作「チャレンジ シーライナー P S オートマティック THIRTY 6」
エレガントかつスポーティーな洋上の精神を体現する「チャレンジ シーライナー」コレクション。その新作として発表されたのが、「チャレンジ シーライナー P S オートマティック THIRTY 6」である。オープンワークが施されたダイアルには、木目のブリッジや船のスクリューをモチーフとしたスモールセコンドが配されている。

大きく湾曲したステンレススティールケースは、シースルーバックだけではなく、サイドにもサファイアクリスタルが取り付けられ、その構造を隅々まで鑑賞することが可能だ。ケースは、通常のステンレススティールの他、ステンレススティールにスカイブルーPVDを施したバリエーションも用意されている。

大型のスモールセコンドを正確に機能させるため、ムーブメントには特殊な機構が備わっている。アディショナルセコンドホイールを加えることで、センターセコンドをスモールセコンドの輪列に変更し、さらに秒針の動きを安定させるために微弱な永久磁石を採用しているのだ。

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クストス「チャレンジ シーライナー P S オートマティック THIRTY 6」
自動巻き。パワーリザーブ約42時間。SSケース(縦47.2×横36mm)。100m防水。要価格問い合わせ。
クストス チャレンジライナー

クストス「チャレンジ シーライナー P S オートマティック THIRTY 6」
自動巻き。パワーリザーブ約42時間。SS+スカイブルーPVD、SS、18KRG、SS×18KRGケース(縦47.2×横36mm)。100m防水。要価格問い合わせ。

オメガ「シーマスター アクアテラ」を着用レビュー!

モータージャーナリストであり、時計マニアでもある山田弘樹氏が、青×黄色のカラーリングを備えたオメガ「シーマスター アクアテラ」を着用レビュー。オメガと言えば「スピードマスター」だった山田氏が、驚かされた本作の持ち味とは? モータージャーナリストならではの、クルマとの対照にも注目したい。

筆者にとってのオメガウォッチは「スピードマスター」だった
オメガ創業100周年を記念して1948年に誕生し、1957年にはその発展版となる「スピードマスター」と「レイルマスター」を生み出すなど、同社のプロフェッショナルラインの先駆けとして、長い時間を刻み続けてきた「シーマスター」。“アクアテラ”は、このシーマスターがシリーズ展開して行く過程で2002年に登場した比較的新しいバリエーションだが、それでも20年を越える歴史の間に、すでにツールウォッチとして高い評価を勝ち得ている。

などとすっかりウォッチ・エンスージアストを気取った筆者だったが、実はシーマスターを手にするのは、これが初めてだった。オメガといえばスピードマスターが自分にとっては不動のイメージリーダーであり、一番最初に飛びついたのも復刻した“キャリバー321”だった。

そして今回、ついに“シーマス”を初装着したわけだが、これが恐ろしく腕なじみが良いことにまず驚かされた。約2週間に及ぶ時間を共にしてこのアクアテラが、数ある評価にたがわぬ使い心地とエレガントさを両立した、現代的なダイバーズウォッチだという結論に至った。

青×黄色のカラーリングと、おなじみのシーマスターのスタイルと
さて、今回筆者の手元に送られてきた個体は、ブルー基調のダイアルにイエローの差し色が鮮やかなラバーベルトモデルだ。

オメガスーパーコピー代引き 優良サイト シーマスター アクアテラ
オメガ「シーマスター アクアテラ 150m」Ref.220.12.41.21.03.009
自動巻き(Cal.8900)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径41mm、厚さ13.2mm)。150m防水。96万8000円(税込み)。
2021年の東京オリンピック、棒高跳びで金メダルを獲得した、アルマンド“モンド”デュプランティス選手にインスピレーションを得たモデルとは、オメガの弁である。

なるほどブルー×イエローの色使いはスウェーデン国旗を連想させるし、黄色い秒針の先端が白く彩られるのは、棒高跳び用ポール先端のゴム部分や手元のグリップ部分をイメージしているのかもしれない。

ちなみにこのデュプランティス選手、かなりのイケメンだ。F1ドライバーで言うと、ちょっとメルセデスのジョージ・ラッセルに似ている。そしてオメガのホームページでは彼が実際に、アクアテラを着けながら棒高跳びに挑む場面が記録されている。時計マニアの筆者は「そんな場面でも、アクアテラは姿勢差に強いことをアピールしているのかな?」なんて野暮な想像を働かせてしまうわけだが、ともあれイケメンとスポーツの組み合わせは、アクアテラが持っている世界観にばっちりフィットしている。

この広報画像のデュプランティス選手は、今回著者の山田弘樹氏がインプレッションしているモデルを着用している。しかしオメガの公式ホームページには「シーマスター アクアテラ “ウルトラライト”」と思われるモデルを着用したカットも掲載されており、山田氏の言うように「ばっちりフィット」している。
直径41mmのケースはスピードマスター譲りのカットに、丸型ベゼルの組み合わせ。筆者の手首だと41mmはやや大ぶりだが、リュウズガードのないシンメトリーなケースには、スピードマスターでは得られない美しさと伸びやかさがある。またベルト側に付くステンレスピースが絶妙なアクセントとなり、時計全体のエッジ感を一層高めている。

オメガ シーマスター アクアテラ

砂浜で撮影されたシーマスター アクアテラ。直射日光下でも、ダイアルに針やインデックスが埋没したような印象は見受けられない。

ラバーベルトはラグ側が20mmで、バックル側は18mmまで絞られる。見た目は華奢(きゃしゃ)だが、このラバーベルトは吸い付きがとてもよい。

現行オメガのフォールディングクラスプは操作性も良好で、押し込めばパチッと素直にはまるし、両側ボタンを押せば瞬時にロックをリリースできる。

筆者の手首回り(18.3cm)だと、ややベルトが余って折り返し部分をはみ出てしまうが、それがかさばることはなかった。またベルト部分がカバーとなって、手首にクラスプが直接当たらないことも大いに評価できる。

オメガ シーマスター アクアテラ

ケース同様、クラスプはステンレススティール製。ディプロメント式であるため、一度ベルトの穴に通せば、脱着の度にバックルから外す必要はない。
本機の厚みは13.2mmと、手巻きの「スピードマスター プロフェッショナル」と同サイズだ。そして総重量は、ラバーベルトを使う関係から108gと軽い。

よって腕振りでは少しだけヘッドのイナーシャ(慣性)を感じるものの、その装着感はかなり良好だ。前述したラバーベルトとフォールディングクラスプが、本体を遊びなく、しかし優しく手首にホールドしてくれるのである。

ダイナミックバランスが取れるスティールブレスレットも魅力だが、このラバーベルトはそろえておくべき逸品だ。

オメガ シーマスター アクアテラ
ラバーベルトは手首回りのサイズに合わせやすく、ヘッドが振られないようピッタリと着用させることで、大ぶりな腕時計でも快適な着用感が得られる。

操作性についてもレビュー
操作性は、ねじ込み式リュウズを解除してから1段引くと、まず時針だけ動かせるようになる。これは通常、カレンダーの早送り機能として使うモードだ。本作で日送りするには、時針を24時間(つまり2周)回さなくてはならないから少し面倒だが、海外出張時の機内で素早く時刻合わせができるのはちょっとしたステータスだ。そして時針を動かすときの感触には、ロレックスの「GMTマスター II」のような節度感とクリック感があるのも良い。

さらに1段引けばハックが機能し、時針と分針が同時に調整可能となる。リュウズはパッキンの適度な抵抗感からだろう、特別優れた感触はないものの、時刻は合わせやすい。

対して巻き上げは、あまり良好とは言えない。まずベゼルが斜めにテーバードしてケースいっぱいに張り出しており、リュウズそのものも小さめだから、引っ張り出しても親指で回しにくいのだ。とはいえそこは自動巻き、20回も巻き上げればすぐさま使い出せるから、まったく気にする必要はないだろう。

オメガ シーマスター アクアテラ
リュウズには、おなじみのオメガのブランドロゴがあしらわれている。
ちなみに搭載されるCal.8900はパワーリザーブが約60時間と、ツインバレルを誇る割にその駆動時間は短い。つまりそのコンセプトは、もちろん駆動時間の延長もにらんではいるだろうが、有効トルクバンドを維持して精度を安定させることにあるのだろう。

実際筆者はこのアクアテラを2週間にわたって毎日着用したが、その精度はとても高かった。毎朝7時に着用し、22時に時計を置いたその日差は+2秒。これが日を追うごとに、きっちり2秒ずつ積算されていったのである。その差が10秒を超えたあたりで再び時間を調整したが(つまりは都合2回ほど)、それは1年間を通し、気温の変化などを考慮したバランスから、歩度を進み気味にしていたせいだろう。そしてこのくらいの微調整でもなければ、他に手を掛けてやるのは拭き掃除くらいになってしまうから、趣味性としてはちょうどいい塩梅だと思えた。

振動数は2万5200振動/時と攻めきっているわけではないが、8年~10年間メンテナンスフリーをうたうコーアクシャルムーブにおいては、このミドルビートが肝になるのかもしれない。さらに言えば、シーマスターならではの15気圧という防水性の高さや、シリコン製のヒゲゼンマイとテンワをはじめとした耐磁性パーツがもたらす1万5000ガウスの磁気耐性も、日常の使い勝手において大きな安心感を与えてくれる。というわけでこの短い間でも、METAS認定の「マスター クロノメーター」の実力の片鱗を感じることができた。

その上で伝統的な三角形のアワーマーカーやシャープな分針、そしてブロードアローが視認性だけでなく、シーマスターとしての存在感を大いに高めてくれる。

オメガ シーマスター アクアテラ
トランスパレントバックからCal.8900を観賞することができる。このムーブメントは、特徴的なアラベスク調ジュネーブウェーブが施されている。

クルマに例えるならフォルクスワーゲン「ゴルフGTI」
この質実剛健にして、アイコニックな「シーマスター アクアテラ」を、クルマに例えると何だろう? と色々考えたが、直近試乗したなかでは8.5世代へと進化したフォルクスワーゲン「ゴルフGTI」が一番近いと感じた。

その共通項は、高い実用性を備えながら、いざ走らせれば、そして手首にはめれば、高いポテンシャルを発揮すること。派手過ぎずしかし地味ではなく、むしろ今風のアンダーステイトメントさがとても魅力的で、誰が見ても良いものだと評価できることである。

なるほどシーマスター アクアテラは、オメガの中核を担うハイスタンダードモデルだ。「迷ったらこれ」と呼べる、数少ない時計の1本である。

シーマスターの1948年以来の歴史にはかなわないが、1975年に登場してからおよそ50年の歴史を持つ「ゴルフGTI」。アウトバーンで格上モデルたちを“喰う”速さが発売当初から人気を呼び、元祖“ホットハッチ”として長らくファンに愛され続けている。

タイヤ&ホイールは19インチと堂々たるサイズ。ここにスポーティーな足回りを組み合わせて、スポーツカー顔負けのフットワークを実現するのがゴルフGTIの魅力のひとつ。

エンジンは2リッターの直列4気筒ターボで、265PS/270Nmのパワー&トルクを発揮。時計でいうところのムーブメントもかなり高性能であり、ここに7段DCTを組み合わせて、切れ味鋭い加速を実現している。

オメガ イン スペースが新しいブルーグレーダイヤルで復活

およそ4年前、オメガは2012年に発売されたファースト オメガ イン スペース(FOiS)を廃盤にした。このモデルは、宇宙で初めて使用されたオメガのクロノグラフを記念するものであった。そして今それが復活し、比較的控えめな変更が加えられたが、その影響は非常に大きい。

FOiS
オリジナルのFOiSは、1959年から1962年にかけて製造されたCK2998であり、これはNASAの宇宙飛行士ウォルター・“ウォリー”・シラー(Walter "Wally" Schirra)がシグマ7ミッションで着用していたものだ。この時計は、スピードマスターが有人宇宙ミッション初の公認クロノグラフとなる3年前にシラー自身が自分で稼いだお金で購入した個人の時計である。アルファ針とブラックベゼルを特徴とするこの時計は、スピードマスターが現在のオメガのラインナップにおいて、ほとんど変わることなく定着したデザインの原型となった。現代のスピードマスターに比べるとシンプルで、ストレートラグとシンメトリカルなケースを特徴としていたが、オメガスーパーコピー代引き 優良サイトそれでもどこかなじみのあるデザインと感じるだろう。

The old FOiS
2016年のA Week On The Wristに登場した旧FOiS。

新しいFOiSはその時計をベースにさらなる魅力を加え、CVDコーティングされたグレーとブルーの新しいダイヤルを採用した。これは1960年代に製造された一部のCK2998の色調を再現したものだ。最近、これに似た時計がInstagramに登場して人々が熱狂したが、残念ながら今はその投稿を見つけられない(どなたかそのアカウントを教えてくれればありがたい)。なおオメガフォーラムでもブルーソレイユのCK2998が紹介されている。この新しいダイヤルは、2012年のFOiSで復活したステップデザインを採用しており、オリジナルのCK2998と同じロゴやマークが入っている。針とダイヤルは前回のFOiSとは異なり、工場出荷時に近い外観ではなく、よりクリーミーなヴィンテージ風の夜光があしらわれている。

FOiS
ステンレススティール製のケースは直径39.7mm、厚さ13.4mm、ラグからラグまでが48mm、ラグ幅が19mmで、50mの防水性を持つ。シンメトリカルなデザインとストレートラグは維持しているものの、最近の321スピードマスターとは若干異なるシェイプだ。新しいモデルにはサファイア風防が採用されているが、ヘサライト風防に見えるような形状だ。また当時を再現したドット・オーバー・ナインティ(DON)のアルミニウムベゼルインサートも装備。ケース内部には、現在製造されているほかのスピードマスター プロフェッショナルモデルと同じマスタークロノメーター認定を受けたCal.3861が収められており、パワーリザーブは約50時間、そしてコーアクシャル脱進機が搭載されている。同ムーブメントは上部に“The First Omega In Space”、下部には“October 3, 1962”と刻まれた記念のケースバックの裏に収められている。

価格について言えば、新しいFOiSはラインナップのほかのプロフェッショナルモデルの中間に位置している。“サファイアサンドイッチ”より少し安く、ヘサライトのスピーディより少し高い121万円(税込)だ。この価格で、イージーアジャストシステムを備えたSS製フラットリンクブレスレットが手に入る(ストラップだともう少し安くなる)。限定モデルではないが、少なくとも数カ月間は入手が難しいだろうと予想される。

我々の考え
今年初めに登場したホワイトラッカーダイヤルのスピーディに対する自分の愛情が揺らぐことはないと思っていたが、新たなお気に入りがこんなに早く現れるとは思わなかった。だが写真だけを見ても、今回の新作は本当に素晴らしいと感じる。

FOiS
最近、ブルーダイヤルのCK2998を目にしたときの衝撃は今でも覚えているし、あの写真をもう1度見つけられたらと思うが、今回の新作も同じ感覚を与えてくれた。このような時計に“フォティーナ”の夜光を採用したのは正しい判断だと感じている。自分はスピードマスターの世界では若い世代であり、CK2998が発売された時代に生きていたわけではないため、新品の白い夜光が工場から出たばかりの時計を見るよろこびを経験したことはない。自分のなかでこのような時計がどうあるべきかというイメージには、少しの古さと温かみがあり、その温かみがブルーダイヤルにとてもよく映えている。

Omega FOiS
これはクラシックと現代のバランスが絶妙に取れた時計であり、スピードマスターが好きだけれど、(一般的な消費者にとって)比較的マニアックなヴィンテージリファレンスを完璧に再現したレプリカを探すほどではない自分のような人にとって、より鮮やかで目を引くデザインだ。多くの新規購入者の目を引く一方で、スピードマスターに対して強い愛着を持つファンにも響くものを与えていると言えるだろう。

基本情報
ブランド: オメガ(Omega)
モデル名: スピードマスター “ファースト オメガ イン スペース”
型番: 310.30.40.50.06.001

直径: 39.7mm
厚さ: 13.4mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: ブルーグレー(CVDコーティング)
インデックス: プリント
夜光: あり、エイジング加工を施したインデックスと針
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: マイクロアジャスト付きスティール製フラットリンクブレスレット

FOiS
ムーブメント情報
キャリバー: 3861
機能: 時・分表示、スモールセコンド、クロノグラフ
パワーリザーブ: 約50時間
巻き上げ方式: 手巻き
クロノメーター: あり、METAS認定のマスター クロノメーター
追加情報: 1万5000ガウスの耐磁性能

価格 & 発売時期
価格: ブレスレットが121万円、レザーストラップが116万6000円(すべて税込)
発売時期: すぐに
限定: なし

時計製作と工芸とに優れた職人業が息づいている。

さらに18金の鋳造を自ら行う、稀有な時計メゾンのひとつでもある。高品質な素材を自ら生み出し、熟練の手業で美を極めるショパールの腕時計は、真の価値を持つ。

2024のショパールのブースでは、雪に覆われたアルプスのパノラマに寄り添うように新作が展示されていた。それは、手つかずの大自然こそがメゾンの職人たちのインスピレーションの源であるとのメッセージである。優れた手業を持つ彼らは、ムーブメントや外装に美を織り成す工匠、すなわちアルチザンと呼ぶのがふさわしい。

今年の新作は、例年以上に高級自社製ムーブメントを搭載したL.U.Cコレクションに注力された。ブリッジに施されたくっきりとしたコート・ド・ジュネーブが、指先で触れると凹凸をほぼ感じないほどに加工が浅いのは、伝統的な手仕上げの証にほかならない。エッジの幅の広い面取りも手仕事ならではであり、鏡面状の仕上がりも完璧である。ミニッツリピーターやジャンピングアワーといったコンプリケーションは、まさにアルチザンの高い技術力なくしては決して生み出せない。外装においても、どのモデルも入念な手仕上げが隅々にまで行き届いている。

ショパールの腕時計は、口コミ第1位のカルティエスーパーコピー代引き専門店優秀なアルチザンたちの手によって精巧さと美が融和を果たすことができるのだ。

エシカルな独自のスティールを用いた新L.U.C
Watches & Wonders 2024のブースでアルプスを主題としたのは、この豊かな大自然を未来に残すとの決意の表れでもあった。それを象徴するひとつが、時計産業に加え医療・航空宇宙・自動車産業から廃棄されるステンレススティールを原材料の80%以上に用いる、独自のルーセントスティール™である。2019年、アルパイン イーグル誕生に伴い導入された独自のアップサイクル素材は、昨年末に全SSモデルへの採用がかなえられた。

今年L.U.Cコレクションから登場したふたつの2針+スモールセコンドモデルのケースは、いずれもルーセントスティール™製であった。均質性に優れた結晶微細構造を持ち、かつ不純物の混合がきわめて低いためホワイトゴールドのような白い輝きを放つ独自のSSは、高級時計のケース素材としてまさにふさわしい。

L.U.C XPS フォレスト グリーン Ref.168629-3001 174万9000円(税込)

L.U.C カリテ フルリエ Ref.168631-3001 300万3000円(税込)

カリテ フルリエにルーセントスティール™が使われたのは、今回が初。いずれもセクターダイヤルであるが、XPSが典型的なデザインであるのに対し、カリテ フルリエはシルバーのトーン・オン・トーンで再解釈した。またケースのフォルムもカリテ フルリエはラグを溶接してオーバーレイヤードし、複雑な造形美を見せる。XPSは40mm径×7.2mm厚、カリテ フルリエは39mm径×8.92mm厚。

L.U.C XPS フォレスト グリーンの詳細を見る

L.U.C カリテ フルリエの詳細を見る

ふたつのルーセントスティール™ 製L.U.Cは、いずれもマイクロローター式の薄型自動巻きCal.L.U.C 96系を搭載するが、ケースサイズもダイヤルデザインも異なる。さらにサンバーストとサテンで仕上げ分けたシルバーダイヤルのL.U.C カリテ フルリエは、その名のとおり、スイスの公的時計規格のなかで最も合格が難しいとされるカリテ フルリエ認定モデルであることが一番の違いだ。

同規格は、フルリエに工房を持つショパール、パルミジャーニ・フルリエ、ボヴェの主導により2001年に制定された。COSC認定クロノメーター取得のムーブメントであることを大前提とし、さらに高温、低温、湿潤、磁場にさらすなどのテストを実施。続いてケーシングしてストラップまで付けた、製品と同じ状態での耐磁・耐衝撃・防水テストなどを経て、最終的に歯磨きや食事など日常の腕の動きを再現するマシンに取り付け24時間テストしたのち、日差0~+5秒以内という超高精度であることが求められる。マシンは強烈な加速・減速を繰り返すため、腕時計への負担はかなり大きい。

ショパールは、このきわめて過酷な検査に2005年に初めて合格し、その認定モデルをリリースした。新作となるL.U.C カリテ フルリエのデザインは、そのモデルがモチーフだ。2021年にリリースされた前作のカリテ フルリエから期間が空いたのは、取得がそれほどに困難なためである。ショパールのアルチザンは、自らが主導した公的規格を守るために総力を結集。耐衝撃機構と緩急針機構を改良し、耐久性と精度の向上を図った。

また同規格は、全部品の装飾仕上げも前提条件とするため、仕上げ部門のアルチザンの力量も試される。すなわちL.U.C カリテ フルリエでは、高精度と優れた審美性・耐久性を高次元で兼ね備えていることを意味する。

また一方のL.U.C XPS フォレスト グリーンはカリテ フルリエ認定ではないものの、クロノメーター認定を取得している。サンバースト加工とPVDによるフォレスト グリーンカラーのダイヤルは、実に大胆だが、同時にセクターダイヤルとすることでクラシックな雰囲気を醸し出している。ダイヤル仕上げの美しさはショパールのアルチザンの誇り。同時に7.2mm厚の薄型ケースも彼らの技術力の賜物である。

サスティナブルなルーセントスティール™は、それ自体が優れた審美性を有し、さらにメゾンのアルチザンの手腕が機械と外装とに注力され、SSウォッチは本物の高級時計へと昇華する。

同心円状の透かし彫りのバックボーンにある伝統の彫金技術

アルパイン イーグル 41 XP TT
Ref.298630-3001 392万7000円(税込)
同心円状に透かし彫りした地板とブリッジは、サンドブラスト加工した上からブラックロジウムで仕上げた。ダイヤル上部右側に透けて見えるのは香箱、左側はマイクロローター。チタンの恩恵により、つけ心地はきわめて軽快。41mm径×8.03mm厚。

アルパイン イーグル 41 XP TTの詳細を見る

以前、ショパールの共同社長カール-フリードリッヒ・ショイフレ氏にインタビューした際、「アルパイン イーグルは、開発当初からL.U.Cキャリバーを搭載することを想定していた」と語っていた。それはまず2022年にフライングトゥールビヨンでかなえられ、昨年マイクロローター式のCal.L.U.C96系を搭載した“XPS”が登場。そして今年、XPのスケルトナイズ仕様となる、アルパイン イーグル 41 XP TTがデビューを果たした。XPはeXtra-Plat(超薄型)、TTはテクニカルチタニウム(Technical Titanium)の略だ。搭載するCal.L.U.C 96.17-Sは、ほかの96系キャリバーと同じくマイクロローター式の自動巻きで、厚さはわずか3.3mm。その地板とブリッジを内部の複雑な機械的機構全体が視認できるよう同心円状に透かし彫りし、グレード5チタン製の外装に載せたのが本作である。

Cal.L.U.C 96.17-S自体のデビューは2012年のこと。搭載モデルの名は、L.U.C XP スケルテックであった。2021年にも同名の限定モデルが登場しているが、3作目にして初めてCal.L.U.C 96.17-Sはアルパイン イーグルに載せられた。これに際し、ショパールのアルチザンはコレクションの性格に合わせてムーブメントの仕上げを変更。過去2作の地板、すなわちダイヤル側に見える側がコート・ド・ジュネーブ仕上げだったのに対し、本作ではサンドブラスト加工としたのだ。スポーティなアルパイン イーグルには、工芸的であるよりインダストリアル的な装飾がふさわしいと判断したのであろう。そして同心円状の隙間からアルチザンが入念に手仕上げしてゴールドメッキを施した輪列や22金製のマイクロローターを垣間見せ、ハイコントラストな美を表現してみせた。

フルリザンヌ彫り職人、ナタリー氏。

スケルトンダイヤルのスポーツウォッチは、近年のトレンドのひとつだ。その大半はシンメトリーで直線的な構造を採り、本作のような同心円状というのはほぼ例がない。これは初搭載したL.U.Cコレクションに合わせたがゆえであり、同心円はメゾンの伝統的な装飾モチーフであったからでもある。

フルリエのマニュファクチュールにあるショパールのミュージアム、「L.U.CEUM」にはムーブメントに繊細な渦巻き模様があしらわれたゴールド製の懐中時計が展示されている。この装飾に用いられたのは、19世紀に全盛期を迎えたフルリザンヌ彫り。当時フルリエの時計工房では、この技巧でムーブメントにヴォリュート(渦巻き模様)や花をモチーフにした装飾を施していた。ショパールは、この忘れ去られていた伝統を甦らせた。その実現に貢献したアルチザンがナタリー氏だ。

フルリエのマニュファクチュール内にあるメティエダール工房で、彼女は日々ひとりでビュラン(鋼の切削工具)を操っている。彼女はフルリザンヌ彫りを独学で習得した。技術を持つ職人がいなかったからだ。

「ショパールに入社し、装飾工房でトレーニングを受けたのち、芸術的な仕事に従事したかった私は彫金工房の設立を提案し、その際にショイフレ氏からフルリエの地に古くから伝わるフルリザンヌ彫りの再現を依頼されたのです」

彼女の教科書は、前述したL.U.CEUMに所蔵される1870年製の懐中時計のムーブメントであったという。

「その懐中時計のムーブメントを双眼顕微鏡で観察したときは、時をさかのぼるような不思議な感覚を覚えました。そして当時のエングレーバーがどのように彫金を施し、その作品を作り上げたのかを理解したとき、私は何か特別な感情を抱きました。まるでそのエングレーバー自身が、私にも同じような彫金を続けてほしいと語りかけているような、そんな感覚です」

フルリザンヌ彫りはダイヤルやブリッジ、その他の時計のパーツを非常に精密に装飾するための技法である。そのため彫金と時計装飾の知識、そして時計のすべてのパーツに対する専門知識が必要となる。

「私が受け取るブリッジは非常に粗く、それらに完璧な装飾を施さねばなりません。そしてデザインの調和がとれていること、渦巻装飾を美しい曲線にすることを心がけています。渦巻装飾は非常に繊細なため、彫刻刀で滑らせて切ってしまわないように細心の注意を払います。そして何よりもブリッジの強度を下げないよう、その厚みに関する技術的なことも考慮しながら作業を進めています。私が装飾を施す時計のなかには、ジュネーブ・シールの認定を受けるものもあります。そのため、すべての角を正確に45°にカットし、ジュエル・シンク(穴)を完璧に磨き上げる必要があるため、細部に至るまでの“完全性”を常に追求しています」

ビュランで渦巻き模様や花の輪郭を描き出し、それらのアウトラインが完成したら、モチーフの周囲の金を削り取ってレリーフを加え、浮き彫りにする。その後、背景を飾るために特殊なツールを用いて点描模様を彫り込んで行き、最後にモチーフに研磨を施してようやくフルリザンヌ彫りは完成する。この一連の工程で1カ月を要するモデルも存在するのだそうだ。

「私はこの仕事を20年続けていますが、いまだに日々学び続けています」

フルリザンヌ彫りを蘇らせたアルチザンというバックボーンを持つからこそ、ショパールのスケルトンウォッチは唯一無二の独創性を放つのである。

原料を明確にする自社鋳造のエシカルゴールド

アルパイン イーグル XL クロノ
Ref.295393-5002 1085万7000円(税込)
“クロノ”シリーズ初のオールローズゴールド仕様。赤みが強いゴールドカラーとグレーダイヤルとの組み合わせは、見るからに重厚な印象である。繊細なヘアラインと完璧な鏡面状のポリッシュとの仕上げ分けが自社鋳造ゴールドの美を引き立てる。44mm径。フライバック機構を装備。

アルパイン イーグル XL クロノの詳細を見る

1963年、ショパール家からメゾンを引き継いだ現会長のカール・ショイフレ氏は生産の垂直統合化をビジョンに掲げた。手始めとして、彼は1978年に合金の生産ができる工場を設立。ショパールはスイスでもきわめて、希有な18金を自社で鋳造するメゾンとなった。現在、鋳造設備があるのはジュネーブのマニュファクチュールの地下。純金と銅・銀などの割金を溶け混ざらせるのは、感応コイルで加熱する真空炉。ショパールが好んで用いる赤みが強いローズゴールドは、銅の含有率が高い。そして銅は溶解する際、酸素と結びつきやすく、それが合金となった際に“す”と呼ばれる気泡跡を生じさせる。それを避けるために真空炉が必須となるのだ。

ゴールド鋳造職人、パウロ氏。

この鋳造施設を統括するのがパウロ氏である。彼は2001年にショパールに入社し、先輩のアルチザンの下で金合金の鋳造技術を習得してきた。

現在のショパールは、金合金の鋳造という時計製造の始まりから最終製品に至るまでの全工程に対し、社内で責任を持って統制管理ができる体制が整っています。私が扱うゴールドもその管理下に置かれ、100%エシカルゴールドの使用が証明されるのです」

ショパールが定義するエシカルゴールドとは、透明性のあるトレーサブルなふたつの制度に従って調達されたゴールド、すなわち責任ある方法で小規模鉱山採掘者が採掘したゴールド(=フェマインド認証ゴールド)とRJC CoC認証ゴールド(いわゆるゴールドスクラップやリサイクルゴールド)のふたつを合わせた、生産や流通の過程を明確にした金地金のことを指す。ショパールは、非公開の供給元として扱われてきた採掘者たちに環境保護や社会的援助を提供しながら支援を行ってきた。そして2018年3月、同社はすべてのジュエリーと時計にエシカルゴールドを100%使用すると発表した。

この仕事に出合ったのは偶然のことですが、今はゴールド、銅や銀といった混合物を炉に流し込むたびに感動を覚えるようになり、私自身を誇らしい気持ちにさせてくれます」と、パウロ氏は胸を張る。

割金には銅や銀、パラジウムを使用する。純金と割金の各素材はパウロ氏の手で炉床に置かれ、真空状態にしてから1000℃で溶解・混合し、鋳型に流し込んでインゴットに成形したのちに冷水で結晶化させる。その際の硬度は160ビッカース。その後、インゴットを圧延ローラーに繰り返しかけ、組織を緻密にすることで硬度210ビッカースのバーが出来上がる。ゴールドバーはプレス工房に運ばれ、ケースやバックル、リンクなどのさまざまな部品の製造のために必要な大きさに圧延・切断したのち、用途の形状に合わせてプレス加工する。この工程で生じたゴールドのスクラップは鋳造工房へと再び戻され、100%リサイクルされる。

「原料の供給元を知り、明確にすることが真のラグジュアリーだと思います。ひとつひとつの製品の背景、そしてどのような環境や社会的条件のもとで素材が生産されたかを知ることで、その価値は高まるのだと我々は信じています」

ショパールのゴールドウォッチは、より公平かつ人を思いやる世界の構築に貢献し、その想いを未来に橋渡しする。

エコ・ドライブ アイコニック ネイチャー コレクション 風と月をイメージしたふたつの新作

和紙ダイヤルの表現が新たなステージへ。今後のさらなる魅力的な表現への期待が高まる、注目に値する新作だ。

ザ・シチズンから、移ろいゆく自然の景物の美しい一瞬を土佐和紙を用いた文字盤で表現した年差±5秒の高精度光発電エコ・ドライブムーブメントを搭載するアイコニック ネイチャー コレクション(Iconic Nature
Collection)に、ふたつの数量限定モデルが新たに発表された。

10月17日に発売となるアイコニック ネイチャー コレクションの新作2モデルは、それぞれ“風”と“月”をイメージ。前者は44万円、後者は42万9000円(ともに税込)。ともに世界限定各350本だ。

ロレックス時計コピー 代金引換いずれのモデルも年差±5秒の高精度エコ・ドライブムーブメントを搭載し、文字盤には光を透過させながら自然の美しい姿を表現できる素材として土佐和紙を採用。光が当たった際に浮かび上がる繊細なパターンや、和紙にグラデーションを重ねることでもたらされる陰影により、自然の景物が持つ美を切り取り表現した。

“風”をデザインテーマとしたAQ4100-65H。

“風”をデザインテーマとしたAQ4100-65Hでは、簾の目(編注;すのめ。繊維による独特の凹凸)のある和紙にブルーグレーのグラデーションやパターンを重ね、風と砂が織りなす美しい砂紋を表現。一方、“月”をイメージしたQ4106-18Xは、柔らかな風合いの和紙に古くから絵画に多く用いられるエ霞文(えがすみもん)や茶色のグラデーションを重ね、もやに包まれて浮かぶ幻想的な朧月の月明かりを文字盤に閉じ込めた。

“月”をイメージしたQ4106-18X。

前述のとおり、自然の美しい世界を表現する素材として極薄で独特の風合いを持った土佐和紙をどちらの文字盤にも採用しており、光が当たった際にパターンがさりげなく浮かび上がる仕様。その繊細なテクスチャがより強調されるなど、発電のために光を透過させる必要がある光発電エコ・ドライブの技術的なハードルをもクリアする考えられたつくりになっている。

基本的に2モデルに使用されているのはどちらも土佐和紙に分類されるものだが、“風”をデザインテーマとしたAQ4100-65Hでは、砂紋の規則的な波状の起伏を表現するために、簀の目(すのめ)の独特の凹凸が風合い豊かな手漉きの土佐清帳紙を用いた。そして“月”をイメージしたQ4106-18Xは、世界で最も薄い和紙として知られ、独特の風合いを持つ土佐典具帖紙(てんぐじょうし)を採用し、それぞれの表現にふさわしい和紙が選ばれている。

両モデルに採用される年差±5秒の高精度エコ・ドライブムーブメントは、一見するとシンプルな3針時計だが、高精度ということに加えて、2100年2月28日までうるう年などの月末カレンダー修正が不要なパーぺチュアルカレンダー機能を搭載しているのが特徴だ。さらに強い衝撃などによる針ズレから守るシチズン独自の衝撃検知機能や、針ズレが生じた場合でも自動修正する針自動補正機能、0時ジャストカレンダー更新機能なども搭載。なお、本作に限らず、ザ・シチズンのコレクションで採用されるデイト表示が付いた年差精度のエコ・ドライブ時計はすべてこれらの実用的な機能を備える。

機能面はもちろん、シチズン独自のスーパーチタニウム™は軽量(ステンレススティールより約40%軽い)で、硬く(SSの約5倍の硬度)、錆びにくく、肌に優しいという実用的な素材。情緒的なデザインを日常的に使用するのに最適な機能と素材を採用する。

ファースト・インプレッション
今年の3月にもアイコニック ネイチャー コレクションの新作に関する記事を紹介したが、本作はそれに続くものである。前作は“花”と“鳥”をイメージしたモデル、そして今回は“風”と“月”だ。もう多くの人がお気づきかと思うが、ザ・シチズンは今春、そして今秋発表のアイコニック ネイチャー コレクションを通じて、文字どおり自然の美しい景色を表す“花鳥風月”になぞらえたデザインを4つのモデルで表現したのだ。“風”と“月”をモチーフにしたモデルが発表されたことで、花鳥風月シリーズとでも言うべき一連のコレクションが出揃ったことになるが、すべてが限定モデルということもあり、先行して発売された“花”と“鳥”のモデルはメーカー在庫としては完売している(情報だけは公式サイトのこちらのページで見れるので、気になる方はチェックしてみて欲しい。すべて揃えたくなってしまうかもしれないが、あしからず)。

“花鳥風月”をテーマにしたモデルが出揃ったということもあるが、ザ・シチズンの和紙ダイヤルモデルはこれをもって一種の到達点へ至ったのではないかと、個人的には思っている。

ザ・シチズンでは、2017年5月に初めて和紙をダイヤルに用いたモデルを発表した。これ以降、シチズンは光発電エコ・ドライブの技術を生かす和紙ダイヤルウォッチを手がけてきたが、総じてこれまでのモデルというのはどちらかと言えば、その色味や質感などのテニクカルな部分が魅力としてフォーカスされてきた。だが、この花鳥風月シリーズ、特に新作である“風”と“月”のモデルは、技術的な側面よりも情緒的な表現が主眼に置かれている。“風”ではまさに砂紋のような模様が見事に表現されているし、“月”のモデルは霞がかった朧月夜のミステリアスな雰囲気を漂わせている。

筆者が特に感動したのは“月”のモデルだ。幸いなことに先立ってこの新作を見る機会があった(なお、写真撮影は禁止されていたので叶わなかった)のだが、思わずこの時計に目を奪われてしまった。作りがよかったから? もちろんそれもあるが、何よりもこの時計を手に取った瞬間に頭のなかに朧月夜の情景が浮かんだからだ。一瞬にしてそんなシーンを思い浮かべてしまうほどに、このダイヤルは朧月夜をイメージしたという言葉に違わない絶妙な質感を表現していたのである。

正直な思いを今この場で吐露するが、もちろんこれまでの和紙ダイヤルモデルも和紙の質感を生かした魅力的なモデルではあったが、“目が奪われる”“心が動かされる”という感情を抱くことはなかった。公式サイトでは、この一連のモデルを“美しき世界は、この中にある。”というキャッチコピーとともに紹介している。この言葉に偽りはない。まさに美しい情景がダイヤルのなかで切り取られているように感じられる。

筆者はこれまでシチズンに対して、技術的な表現や機能性に軸を置いた生真面目な時計を作る会社という印象を持っていた。だが、この和紙ダイヤルモデルの新作をはじめ、ここ最近シチズンが発表する新作には技術偏重ではない情緒的な表現や人の感情に訴えかけるような表現を持った時計が目立つようになったと思う(先日、同僚の牟田神がレビューしたシリーズエイト 880 メカニカル 「CITIZEN」ブランド時計 100周年 限定モデルもその好例だ)。

Apple Watchのようなスマートウォッチが市場を席巻し、さまざまな時計ブランドがしのぎを削るように新作を発表するなか、表現の方法は千差万別ではあると思うが、人の感情に訴えかけるような魅力を持つ時計の存在がますます重要になっていくのではないかと筆者は思っている。そうした製品がますます増えることを今後のシチズンには期待している。

基本情報
ブランド: ザ・シチズン(The Citizen)
モデル名: 高精度年差±5秒 エコ・ドライブ アイコニック ネイチャー コレクション
型番:AQ4100-65H(風)/AQ4106-18X(月)

直径: 38.3mm(設計値)
厚さ: 12.2mm(設計値)
ケース素材: スーパーチタニウム™(AQ4100-65Hはデュラテクトプラチナ加工、AQ4106-18XはデュラテクトDLC加工)
文字盤: 土佐清帳紙に砂紋を表現したブルーグレーのグラデーション(AQ4100-65H)/土佐典具帖紙に朧月の月明かりを表現した茶色のグラデーション(AQ4106-18X)
インデックス: アプライドバー
夜光: なし
防水性能: 10気圧
ストラップ/ブレスレット:デュラテクトプラチナ加工スーパーチタニウム™製ブレスレット(AQ4100-65H) /山羊革による茶利八方革(ちゃりはっぽうがわ)製ストラップにデュラテクトDLC加工スーパーチタニウム™製プッシュボタン式バックル(AQ4106-18X)

ムーブメント情報
キャリバー: A060
機能: 日付クイック修正機能、パーペチュアルカレンダー、衝撃検知機能、針自動補正機能、0時ジャストカレンダー更新機能、時差設定機能、充電量表示機能、充電警告機能、過充電防止機能
パワーリザーブ: フル充電で約1.5年可動(パワーセーブ作動時)
駆動方式: 光発電エコ・ドライブ
追加情報: 年差±5秒、1種耐磁

価格 & 発売時期
価格: AQ4100-65Hは44万円、AQ4106-18Xは42万9000円(ともに税込)
発売時期:2024年10月17日より
限定: 世界限定各350本