ヴァシュロン・コンスタンタンはこの度、唯一無二のクリエーションであるレ・キャビノティエより、ロールス・ロイス・アメジスト・ドロップテイルに特別仕様でデザインされた「レ・キャビノティエ・アーミラリ・トゥールビヨン」を発表いたします。
高級車と高級スーパーコピー時計代引きの両方を所有するヴァシュロン・コンスタンタンのお客様からのご要望に応え、ロールス・ロイス・アメジスト・ドロップテイルのダッシュボードに収まるようにデザインしたこの特別なタイムピースは、英国のロールス・ロイス・モーター・カーズと密接に協力し、技術仕様や仕上げのディテールにこだわりました。
高級時計とビスポークのコーチビルドに情熱を傾けるひとりのお客様が、ロールス・ロイスとヴァシュロン・コンスタンタンを結びつけ、特注デザインのプロジェクトが実現。精密さ、ディテールへのこだわり、職人による専門技術への情熱を共有する2つのメゾンを称えます。
2軸トゥールビヨン、ダブルレトログラード表示を備えたユニークピース「レ・キャビノティエ・アーミラリ・トゥールビヨン」は、ロールス・ロイス・アメジスト・ドロップテイルの外装にフィットするようにヴァシュロン・コンスタンタンの機械技術者たちが特注設計した、安全で取り外し可能なホルダーに内蔵。
タイムピースの仕上げと、専用ボックスは、車の内装に呼応。
高級車と高級時計の両方を所有するヴァシュロン・コンスタンタンのお客様からの要望に応え、メゾンは、ロールス・ロイス・アメジスト・ドロップテイルのダッシュボードに収まるようにデザインした特別なタイムピースを製作しました。英国のロールス・ロイス・モーター・カーズと密接に協力し、技術仕様や仕上げのディテールにこだわり、ロールス・ロイス・アメジスト・ドロップテイルの内装を完璧に引き立てる「レ・キャビノティエ・アーミラリ・トゥールビヨン」を開発しました。黒檀製のコントロールパネルに組み込まれ、ダッシュボードにディスプレイできるように設計されたこのタイムピースは、エレガントで見事に内装に一体化され、取り外し可能なホルダーに収められています。
機械工学は、情熱を限りなく膨らませます。車の内装であろうと、時計のケースの中であろうと、これらの情熱は、特化した伝統技術により、空間と時間を完全に統制しようとする欲求を掻き立てます。それゆえ、自動車に特別な愛着を持つ多くの高級志向のお客様が、高級時計製造に惹かれるのは当然のことであり、その逆もまた然りなのです。
ヴァシュロン・コンスタンタンにとってこの相互の魅力は、ロールス・ロイス・アメジスト・ドロップテイルダッシュボードのタイムピースを製作するという、あるお客様からの特別な依頼によって反映されました。しかし、このタイムピースの製作にあたり、いくつかの厳しい条件が含まれていました。タイムピースは特注された車のインテリアに溶け込み、その美的コードを反映するものでなければなりませんでした。また、エレガントで取り外しが可能でありながら、堅牢性と耐衝撃性の厳しい基準を満たす必要がありました。お客様の要望に沿ったビスポークのタイムピース製作に特化しているメゾンのレ・キャビノティエ部門は、この特別な要求に応えることができたことを大変光栄に思っています。
ヴァシュロン・コンスタンタンのアーカイブによると、1928年に自動車のためのタイムピースが製作されていることが解っていますが、今回のプロジェクトは、ロールス・ロイスのコーチビルドという非常に特殊な依頼に完璧にマッチするようにデザインされたもので、メゾンの現代史において初めての試みとなりました。
卓越性と細部への細心の注意を追求する、名高い英国高級メゾンの責任を考えれば、この挑戦を引き受ける十分な理由となりました。
技術的な課題
ロールス・ロイスとヴァシュロン・コンスタンタン両社のビスポークを高く評価するお客様から依頼を受けたこのユニークピースは、素晴らしい技術的挑戦となりました。2つのメゾンが緊密に協力し、ロールス・ロイス・アメジスト・ドロップテイルのフェイシア(インスツルメントパネル)に、このタイムピースを見事に組み込むことに成功しました。メゾンの熟練時計師たちは、ロールス・ロイスのコーチビルドデザインチームと協力し、時計の形状、素材、色彩が周りの環境と美しく完璧に調和するよう努めました。
「数世紀の歴史を持つ両メゾンは、絶えず実現可能性の限界に挑み続けることで、ともに完璧を追い求めています。この哲学は技術面にも審美面において、革新と優れたセンスを生み出す素晴らしいきっかけとなるでしょう。」
ヴァシュロン・コンスタンタンのスタイル&ヘリテージ ディレクター
クリスチャン・セルモニ
比類ないキャリバー
ヴァシュロン・コンスタンタンの時計職人たちは、このユニークピースに自社製手巻きムーブメント、キャリバー 1990を搭載することを提案しました。このコンプリケーション・ムーブメントは、メゾンが2015年に発表した世界で最も複雑なタイムピースである「リファレンス 57260」から派生した一部の技術開発を組み込んでいます。
この選択は、時針と分針が瞬時に回帰するバイ・レトログラード表示にとりわけ影響を受けています。この機能は、スイープ針を備えた伝統的な自動車の速度計を彷彿させます。表示針は、驚愕の速さでゼロに戻りますが、それには大きな応力を及ぼします。この特に多くの条件を必要とする機構には、表示の正確さと使用する素材の耐久性を保証するため特別な配慮が必要です。このタイムピースのために針は、極めて軽量でスティールより耐久性の高いチタンで製作されました。
それに加え、ダイヤル上部に時刻表示を備えたこのタイプの配置により、トゥールビヨンの見事な機械的な動きに必要なスペースを提供してくれます。このタイムピースには、トゥールビヨンが複雑な”アーミラリ” バージョンで登場します。この用語は18世紀の、アーミラリ(環状の)として知られる惑星ギアを備えた回転式の天球儀を発明した、フランスの時計師アンティード・ジャンヴィエを讃えるものです。このトゥールビヨンの外観は、天球を模した有名な科学的機器である連動した円状リングとアーミラ(目盛の刻まれた金属のディスク)を想起させます。
この種類の調速装置の構造は、ムーブメントの順調な機能を妨げる重力の影響を補正するように設計されています。つまり、1回転60秒の速度で2つの異なる軸の周りを回転する2つのキャリッジを内蔵し、継続的に動く球体を形成しています。このタイムピースは、車のダッシュボード上で垂直姿勢を保つことで、このような調速装置を機構の心臓部に採用することは、十分に正当化されます。トゥールビヨンは、19世紀初頭に発明され、通常垂直姿勢で着用されていた懐中時計のテンプに及ぼす等時性の問題を解決するのを目的としていました。
平面的なひげゼンマイと対象的に、テンプに取り付けられた円筒形のひげゼンマイは、このタイムピースの機構にとってもう一つの技術的な特徴です。1814年にジャック-フレデリック・ウーリエによって発明された、この外端曲線を欠く異形のひげゼンマイは、トゥールビヨンのひげゼンマイに完璧な同心円の伸縮をもたらし、等時性を向上させ素晴らしい精度を達成します。この方法が、現在の時計製造で採用されることは非常に稀です。毎時1万8000回(2.5 Hz)の振動数に同調したインパルスを伝達するために、ヴァシュロン・コンスタンタンはシリコン製のガンギ車とダイヤモンドの爪石をセットしたアンクルを開発しました。瞬時にジャンプするダブルレトログラード表示機構は、持続期間を通して駆動トルクを必要とするため、この性能は一層並外れたものであると分かります。
キャリバー1990に搭載された技術革新のために4つの特許が取得されました。まず、瞬時レトログラード表示で、真夜中または正午に2本の針のジャンプを完璧に同調させる1つの分カムにより統制されています。2つ目は、ひげゼンマイの内端を固定する部品である、特許取得済みのコレットはチタンで製作されました。この素材を調速機構の素材と一致させることで、調速のパフォーマンスが向上しました。3つ目の特許は、2軸の回転により、15秒ごとにメゾンの象徴であるマルタ十字を象るトゥールビヨンのキャリッジの構造についてです。最後の特許は、ダイヤモンドでコーティングされたシリコン製アンクルに関連し、摩耗に対する高い耐久性と最適な摩擦係数を提供しています。
そして特筆すべきは、実用的な理由から意図的に大きめのリュウズを採用し、58時間のパワーリザーブを保証する巻き上げを容易に行うことができることです。これは、12時位置に配され、伝統的な速度計ミニッツトラックと同様に、ヴィンテージの手巻きクロノメーターを彷彿させます。
ディテールへのこだわり
キャリバー1990のような複雑なムーブメントの設計は、1755年の創業時からメゾンが熟知する分野ですが、それを車の中に組み込むことはまったく新しい試みでした。メゾンの機械技師たちは、ロールス・ロイス・アメジスト・ドロップテイルのダッシュボードの正確な寸法に、完璧にフィットするホルダーを開発しなければなりませんでした。
必要に応じてホルダーを内蔵部分から取り外し、時計を180°回転させることで、キャリバーのセッティングや巻き上げ、裏蓋の鑑賞が出来るように設計されました。側面がわずかにカーブしたこのホルダーは、ポリッシュ仕上げを施したスティール製で、面取りを施したスティール製のインナーフレームはブラックPVDコーティングが施されています。タイムピースのホワイトゴールドのベース部分は、マルタ十字をあしらった手作業によるサンバーストのギヨシェ彫りの装飾が施されています。ホルダーは、スティール製のカバーで覆うことができ、マルタ十字型のロック装置で固定されます。タイムピースとホルダーをダッシュボードから取り外し専用ボックスに収納する際は、同じ空のホルダーを入れることができます。
ディテールの仕上げへのこだわりは、ロールス・ロイス・コーチビルドとヴァシュロン・コンスタンタンの両チームがプロジェクトに徹底した細心の注意を示しています。サファイアのダイヤルからは、キャリバー1990の美しさを余すところなく見ることが出来ます。このキャリバー1990のメインプレートには、サーキュラーサテン仕上げのモーヴカラーのNAC処理(ガルバニックコーティング)が施され、ロールス・ロイス・アメジスト・ドロップテイルのレザーシートの色合いと一致したオリジナルの色合いです。ダイヤル側のブリッジは、シャープにカットされ、手作業で面取りされ、コート・ド・ジュネーブ装飾が施されています。この装飾は裏面の同じモーヴカラーのブリッジにも施されています。
タイムピースと付属品は、ロールス・ロイス・アメジスト・ドロップテイルの内装に使用された黒檀ライトのウッド調とアメジスト・レザーを使用したディスプレイケースに入れて保管することができます。ケースの内部は、自動車を前方から見た際の外観のようにわずかにカーブしています。
ヴァシュロン・コンスタンタンとロールス・ロイスは、最も難しいとされるお客様からのパーソナライズの要求に応えるために専門技能を駆使する共通の文化を共有しています。2023年8月24日にロールス・ロイスとともに納品されるビスポークの「レ・キャビノティエ・アーミラリ・トゥールビヨン」は、この車にとってスピードの世界における時間計測と同様に、必要不可欠なものです。
ロールス・ロイス・モーター・カーズ
ロールス・ロイス・モーター・カーズは英国で設立された高級車メゾンであり、世界で最も認知され、尊敬され、望まれるビスポーク製品を世界中に顧客のために生み出しています。同社は、英国ウェストサセックス州グッドウッドにあるロールス・ロイスの本社および製造工場で2,500人以上の従業員を雇用。グッドウッドには、本社とラグジュアリー・マニュファクチャリング・エクセレンス・センターがあり、車の設計、エンジニアリング、など手作業で丹念に製造される世界で唯一の場所です。施設、製品、人材への継続的な投資により、世界販売台数は「記録的な年」を重ね、2022年には世界で6,000台以上が販売され、過去最高の販売台数となりました。
ロールス・ロイス・コーチビルド
ロールス・ロイス・コーチビルドは、ロールス・ロイスのオートクチュールであり、世界に一台しか存在しない車を製作する部門です。このコーチビルド部門は、既存のロールス・ロイス・モデルの枠を超えたいと願う顧客のために創設されたもので、個性化と実験の無限の可能性を備え、お客様の個人的嗜好の表現を可能にします。
Rolls-Royce press site: press.rolls-roycemotorcars.com
ヴァシュロン・コンスタンタンのスタイル&ヘリテージ ディレクター クリスチャン・セルモニへの質問
ヴァシュロン・コンスタンタンにおいてダッシュボードウォッチは、なぜほとんど存在しないのでしょうか?
確かに、他のスイスの時計メゾンとは相反し、ヴァシュロン・コンスタンタンは航空機のコックピットや車のダッシュボード向けの計測機器を設計していません。メゾンのアーカイブに、1928年に例外的に1つ記録が残っているだけです。一方で、メゾンは早い時期から、航空のプロや自動車の熱狂的な愛好家に向けた時計製作で実績を残してきました。20世紀初頭に腕時計が台頭し、スポーツの分野で代表格となったクロノグラフの製造において、ヴァシュロン・コンスタンタンは優れた技術的専門性を立証することができました。数十年にわたり、短時間の計測を目的としたこれらのタイムピースは、常にその時代の需要に応えて適応してきました。
これらの時代にはスポーツや旅行がより重要な役割を果たしますが、これらの作品には常にエレガントさが備わっていました。最も古いヴァシュロン・コンスタンタンのクロノグラフ腕時計は分積算計を備えたゴールド製のモノプッシャーモデルで、その歴史は1917年に遡ります。当時、特にスポーツ競技の計時のための携帯用の高振動精密機器(毎時7万2000 回振動)において、メゾンのパートナーであったアルバート・ペラトンの開発についてもお話しましょう。この装置は、マルコム・キャンベル卿が1938年9月にホールウィル湖上で達成した数多くの水上速度世界記録のひとつにも使用されました。確かに、こちらはダッシュボード用の機器ではないですが、原理は非常に似ています。
「レ・キャビノティエ・アーミラリ・トゥールビヨン」の製作において最も大きな挑戦は何でしたか?
何よりもまず、世界で最も複雑な時計「リファレンス 57260」に関わった時計職人たちが開発し、2016年に発表されたキャリバー1990をお客様のご要望とダッシュボードウォッチとしての技術仕様に適合させることでした。このユニークピースのために、確実に固定されながらも取り外しが可能である専用ホルダーを開発し、高級時計製造における最高レベルの仕上げを考案する必要がありました。この場合、PVD処理を施したポリッシュ仕上げ、手作業によるギヨシェ彫りを組み入れることを意味していました。車のコントロールラックと同じサイズに内蔵するため、ケースも適合されました (45mmの代わりに43.8mm)。リュウズの位置とサイズも変更されました (通常の3時位置の代わりに12時位置)。
メゾンは、ホルダーの設計と製作において、時計製造の専門技術をさらに押し広げました。このホルダーは技術的であり(時計が180°回転しケースバックの装飾が鑑賞できる)、安全性を備え(衝撃に対し)、美しい外観(車の審美コードと完全に調和しながらもメゾンのアイデンティティは保持する)である必要がありました。まさしくこれらの挑戦により、このような特別注文のプロジェクトの面白さなのです。私たちは想像力を働かせ、快適な領域から一歩踏み出すことを余儀なくされるのです。
今後も同様のプロジェクトが続くのでしょうか?
2006年に創設されたヴァシュロン・コンスタンタンのキャビノティエ部門は、ビスポーク時計製造の伝統を永続させることで、ジュネーブの18世紀のキャビノティエの特別な精神を蘇らせることを目的としています。毎年、この部門からユニークピースを発表しています。近年では”Le Temps Céleste(天空の時間)”や”Les Royaumes Aquatiques(水の王国)”などの独自のテーマでメゾンが創作する場合もありますし、またお客様からの特別注文を受け製作することもあります。後者のタイムピースは、お客様からの守秘要望の理由から、ほとんど情報が公開されることはありません。ロールス・ロイス・アメジスト・ドロップテイルの顧客のために特別にデザインされたこの「レ・キャビノティエ・アーミラリ・トゥールビヨン」タイムピースをご紹介出来ることを嬉しく思います。同様の他のプロジェクトが、これに続くのかという点ですが、パーソナライズされた時計製造をこよなく愛する方々からの将来的なご要望を予測するのは、明らかに不可能です。しかし、そのような依頼があれば喜んで対応するでしょう、とお答えしておきましょう。
概要
ヴァシュロン・コンスタンタンは、リシャールミルスーパーコピー時計代引き高級車と高級時計の両方を愛用するお客様からのご要望に応え、ロールス・ロイスのコーチビルド車用に特注の車載時計を製作しました。ヴァシュロン・コンスタンタンのチームは、英国の高級メゾンであるロールス・ロイスのデザイナーや職人たちと密接に協力し、「 レ・キャビノティエ・アーミラリ・トゥールビヨン」を製作しました。また内装と同じ木材のモーヴカラーのレザーを使用した専用ケースも製作されました。ムーブメントには、メゾンの時計職人たちが、車の伝統的な速度計を想起させる時分のダブルレトログラード表示、18世紀の天球儀を彷彿させ優雅な機械的な動きで魅了してくれる2軸のアーミラリ・トゥールビヨンを備えた、自社製キャリバー1990を搭載しました。このタイムピースとホルダーの極めて緻密で個性的な仕上げは、メゾンが掲げる卓越性の基準を満たしています。