作品紹介


■ ストーリー


 主人公の千尋は、10才の少女で、ごく普通の現代っ子です。 両親と一緒に都会から郊外に引っ越す途中、一家は不思議な空間に迷い込みます。 その空間は、実は人間が来てはいけない世界でした。 そこには、日本に棲む八百万(やおよろず)の神々たちが疲れを癒すためにやって来る湯屋がありました。 湯屋は湯婆婆という魔女が支配しています。 この世界では人間は、消えてしまうか動物になるかしかありません。 生き残るために、また豚にされてしまった両親を救うために、千尋は「千」という名前で、湯屋で働き始めます。 一生懸命働く過程で様々な経験をして、千尋の中の「生きる力」が目覚め始めます。


■ 登場人物


名前 人物紹介 声の出演
荻野千尋
(おぎのちひろ)
映画の主人公。今どきの10才の女の子。 豚になってしまった両親を助けようと頑張る。様々な経験をして、次第に「生きる力」が目覚め始める。 柊瑠美
(ひいらぎ・るみ)
ハク
出会った時から、千尋の味方となってくれる12才くらいの少年。千尋のことは小さい頃から知っているという。湯婆婆の弟子で、湯屋の帳場を預かっている。 入野自由
(いりの・みゆ)
湯婆婆
(ゆばーば)
湯屋(油屋)の経営者。口やかましく、強欲な魔女。息子の坊を溺愛する。 双子の姉「銭婆(ぜにーば)」がいる。 夏木マリ
(なつき・まり)
釜爺
(かまじい)
湯屋のボイラー室で、ススワタリを従え薬湯の調合をしている6本腕の老人。 何かと千尋の力になってくれる。 菅原文太
(すがわら・ぶんた)
お父さん 千尋の父親の荻野明夫。38才。楽天家で、あまり深く考えない性格。 内藤剛志
(ないとう・たかし)
お母さん 千尋の母親の荻野悠子。35才。お父さんとは対照的に、クールで現実的なものの考え方をする。 沢口靖子
(さわぐち・やすこ)
カオナシ 湯屋のある世界とは別のところからやって来た謎の男。自分の言葉というものを持たず、他人の声を借りないと他者とコミュニケーションできない。千尋を慕い、何かと気を引こうとする。 中村彰男
(なかむら・あきお)
父役 湯屋でカエル男たちを管理している大ガエル。部長的存在。 上條恒彦
(かみじょう・つねひこ)
兄役 湯屋でカエル男たちを管理している課長的存在。 小野武彦
(おの・たけひこ)
青蛙 湯屋の従業員であるカエル男。人に近い姿をしている油屋で働くカエル男達の中で、唯一カエルに近い姿をしている。 我修院達也
(がしゅういん・たつや)
湯婆婆の息子。湯婆婆に溺愛されている。わがままな性格で、異常な食欲がある。 神木隆之介
(かみき・りゅうのすけ)
リン 湯屋で千尋の教育係となる14才くらいの少女。口は悪いが優しい性格。 玉井夕海
(たまい・ゆうみ)
番台蛙 湯屋の番台を預かっている大ガエル。湯屋にやって来る神様の格にあわせて、薬湯の札を管理する。 大泉洋
(おおいずみ・よう)

■ 作品データ

原作・脚本・監督宮崎 駿
プロデューサー鈴木敏夫
製作総指揮徳間康快
製作松下武義 氏家齊一郎 成田 豊 星野康二 植村伴次郎 相原宏徳
作画監督安藤雅司 高坂希太郎 賀川 愛
美術監督武重洋二
色彩設計保田道世
デジタル作画監督片塰満則
映像演出奥井 敦
音楽久石 譲
主題歌「いつも何度でも」
 作詞 覚和歌子
 作曲・歌 木村 弓
 (徳間ジャパンコミュニケーションズ)
制作スタジオジブリ
特別協賛ネスレ
特別協力読売新聞社 ローソン
配給東宝
公開2001年7月20日
上映時間2時間5分
方式カラー/ビスタサイズ/DLPシネマ対応/ドルビーデジタルサラウンドEX・DTS-ES(6.1ch)
製作期間2000年2月1日〜2001年7月2日
上映時間124分35秒21コマ
作画枚数112,367枚
徳間書店・スタジオジブリ・日本テレビ・電通・ディズニー・東北新社・三菱商事 提携作品
Copyright(C) 2001 TGNDDTM
■ 制作小話


『千と千尋の神隠し』の制作に至る経緯

『ゴチャガチャ通りのリナ』
児童文学「霧のむこうのふしぎな町」(柏葉幸子作)の映画化が最初に企画されました。 「リナ」とは、物語の主人公の女の子「上杉リナ」のことで、 「ゴチャガチャ通り」とはふしぎな町にある通りの名前です(原作では違う名前です)。 物語中では、『千と千尋の神隠し』を思い起こさせる内容が随所にあります。 最終的に、この企画はなくなりました。



『煙突描きのリン』 (オリジナル作品)
震災後の東京を舞台に、大阪からやってきたリンという名の画学生を主人公とした物語でした。 この企画もなくなりますが、この中で『千と千尋の神隠し』の主題歌が生まれることとなりました。



『千と千尋の神隠し』 (オリジナル作品)
当初のストーリーは、念願のマイホームを手に入れた一家が 山を切り開いて作った住宅地に引っ越して来るところから始まる物語でした。 その家は今まで何家族も逃げ出したお化け屋敷で、おかげで安く買い叩くことができました。 しかし、実際は、神様の通り道であったところに建てた家なので、変な生き物が家の中を通るのです。 「ビクビクしながらローンを払うなんてまっぴらよ」とお母さんが言い出し、探検に出かける…。 という話でしたが、2時間で映画が終わらなくなるということで、このストーリーはなくなったようです。

その後、新しいストーリーで制作が開始されました。 その制作当初、物語の後半では、湯婆婆をやっつけた後、 湯婆婆を支配するさらにすごい悪玉の銭婆というお姉さんが登場してという話も検討されたようですが、 時間の制約などもありストーリーが変更になりました。 そして、物語の後半は、当初は重要な役ではなかった、カオナシを中心にした話に落ち着いたようです。





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2002/08/11