魚雑学

さて、魚の雑学について。
かなりマニアックな話かも・・・だけど、魚好きじゃなくても 面白いつーか、面白いとおもいますよ〜。
第二回 マグロの遊泳力の秘密

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第二回は、ん〜、そうだな。
じゃあマグロの話でも・・。
マグロっつても、あの、人身事故の現場にコロがってるアレじゃないぞ。

・マグロの遊泳力について
マグロ(鮪)
スズキ目−サバ科−マグロ
俗に言う「本マグロ」がクロマグロで、マグロの中では最も美味で重宝されるが、近年漁獲量が 激減し資源枯渇が心配される。
それについで美味とされるのがミナミマグロで、こちらも漁獲量が減少していて枯渇が心配される。
と、オレが言いたいのはそんなことじゃなくて、マグロの「泳ぎ」について。
マグロは最高100キロメートルくらいで泳ぐことが出来るらしい。
とにかくマグロはよく泳ぐ。っつーかマグロは泳がなきゃ死ぬ。泳ぐのを止めると死んでしまうのだ。
なんじゃそりゃ?と思うが、なんとも変な習性というか、因果というか、さぞかし辛いだろう。
Dr.スランプ アラレちゃんにバイクから降りると死ぬってヤツがいたがそれに似てる(笑)。
マグロはどうして泳ぎ続けるのか?それはさっきも言ったけど、死んじゃうからだ。
じゃあ何で死んじゃうかというと、常に泳ぎながら海水を口に突っ込んでいかないと酸素を取り入れ られなくなる。つまり呼吸が出来なくなる。さぞ辛いだろう、ってさっきも言ったか。
また、うきぶくろが未発達なため、泳いでないと、沈む。・・・哀れ。
ちなみにうきぶくろへ空気を入れる方法としては、
・口から空気を吸って直接送り込む
・血液中の気体を出し入れする
の二通りがある。
さて、マグロの泳ぎだけど、止まると死ぬってことはコイツらは一生泳ぎ続けるってわけだ。
、 その泳力を維持するためには体の代謝(古いものと新しいもものとを変えること)を活発にするため 高い体温が必要になってくる。
そう、マグロは変温動物の魚類なのに、ほぼ一定の高い体温を保つことが出来る。つーかほとんど恒温動物。
水温19℃でも血合筋の中心は31℃近くの体温があり、一番外側でも21℃程ある。
これは血合筋の周りに特に発達している「奇網(ワンダーネット)」と呼ばれる特殊な血管の働きに よるもので、これがマグロの体温を高く維持しているわけだ。
で、その奇網とはいかなるものかというと、ちょっと文章では説明わかりにくいかもしれんけど、 大体次のような感じ。
血液には静脈血と動脈血がある。
人間などの肺呼吸の動物は、体中を回ってきた静脈血に肺で酸素を補充してまた体中に 送るけど、魚の場合はそれをエラでやる。
で、静脈血と動脈血とでは静脈血のほうが体中を通ってきた分、暖かいというの理解できると思う。動脈血は 海水を使って酸素を補充するんだから、もちろん冷たくなる。
ここで、血合筋という筋肉の周りでは奇網が密になっていて静脈血と動脈血が対向して走っている。ちょうど 自動車の道路のような感じで。
そこで、筋肉からエラに向かう暖かい血液・静脈血の熱を、エラから来た冷たい血液・動脈血へと受け渡す ことが行われる。熱交換だ。
エラに向かって流れる静脈血の熱を、これから体中を周ろうとしている動脈血に渡すことによって、暖かい血液 が常に体中を流れることになる。
この働きによってマグロの体は体内の熱が外に逃げないようになっている。これがマグロの体が体温を維持できる 秘密なのだ(秘密か?)。