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第82号 助動詞や完了形を使った文の受動態

 Subject: 英語の文法と語法 082
    Date: Tue, 13 May 2008 06:50:00 +0900 (JST)
    From: Chick Tack
      To: Readers


=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
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┛┛   英 語 の 文 法 と 語 法    No.082    20080513
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┛┛   Chick Tack http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/index.html
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             ● 第 82 号 ●

………………
 Contents  (1)助動詞や完了形を使った文の受動態
………………
       (2)still

       (3)take offense[offence]


………………………………………………………………………………………………
(1)助動詞や完了形を使った文の受動態
……………………………………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・助動詞を使った文の受動態・・・“助動詞+be+過去分詞”
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 (a) The situation is serious.  Something must be done before it's too 
  late.
   「事態は深刻だ。手遅れになる前に何かがなされなければならない」
 (“English Grammar in Use 3rd Edition”by Raymond Murphy Unit43-A)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#egu

  日本語ならば主語を告げずに「何か手を打たなければならない」と能動態に
  するところだ。

  助動詞 must が使われているので、“be動詞+過去分詞”の“be動詞”が原
  形の be にならなければいけない。

 (b) The party will be held on December 24th.
     「そのパーティは12月24日に開かれます」
  (編集者発行のメルマガ『中学英単語』第166回 December より)
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/151-200/166December.html

  こちらも助動詞 will があるため be が原形となっている。


 (c) Will the party be held on December 24th?
    「そのパーティは12月24日に開かれるのですか」

  (c)は(b)を〔疑問文〕にしたものである。〔助動詞〕を主語の前に出す。

 (d) It won't be held on December 24th.
    「それは12月24日には開かれないでしょう」

  〔否定文〕は助動詞の後ろに not を置く。


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    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     to不定詞・・・・・・・ to+ 原形
          受動態・・・・・・be動詞+過去分詞
     ──────────────────────
    ・to不定詞の受動態・・・“to+ be +過去分詞”
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
       (できれば等幅フォントでごらんください)

 (e) Taxes will have to be put up again.
   「(諸)税は再び引き上げられなければならなくなるでしょう」
   「(諸)税を再び上げなければならなくなるでしょう」
  (“CAMBRIDGE GRAMMAR OF ENGLISH”Ronald Carter & Michael McCarthy
    482a)http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#cge

  (e)文中の put は〔過去分詞〕。

  〔能動態〕は、We[They] will have to put up taxes again.

  have to は must の代わりで助動詞のようなものだから、(a)〜(d)と同じよ
  うに be が原形になるとも考えられるが、

 (f) I wouldn't want to be picked if I were an apple blossom.
   「もし私がリンゴの木の花なら、摘まれたくないでしょう」
  (“Anne of Green Gables”by Lucy Maud Montgomery 第8章 Anne's
    Bringing-up Is Begun より)(ノ_・。)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#green

  弊誌『英語の文法と語法』第66号(1)の(b)の例文として採用したもの
  のリサイクル。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/061-070/egu066.html#1

  to be picked が名詞的用法として働いている。


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    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     完了形・・・・・・・・have[has; had]+過去分詞
         受動態・・・・・・・・・・・・be動詞+過去分詞
     ───────────────────────────
    ・完了形の受動態・・・“have[has; had]+ been +過去分詞”
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
       (できれば等幅フォントでごらんください)

 (g) Alex has been arrested!「アレックスが逮捕された!」
  (“Practical English Usage 3rd Edition”by Michael Swan 412-3)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html

  能動態は、The police have arrested Alex!

  「逮捕された」結果として「今留置所にいる」ということを伝えたいときや、
  「もうおびえる必要はないよ」と言いたいときなどに完了形が使われる。

  過去形と現在完了形の意味の違いについては、弊誌の15・16号の(1)
  をごらんください。
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/011-020/egu015.html#1

  has+been で〔現在完了形〕の要件を満たしている。been は過去分詞で、
 “has+過去分詞”となっているから。

  been+arrested で〔受動態〕の要件を満たしている。been は be動詞に違
  いはなく“be+過去分詞”になっているから。


 (h) Has he been influenced by any of these managers?
   「彼は、これらの監督の誰かに影響を受けたのだろうか?」
  (The Japan Times on Line の記事より
   “Perseverance, positive outlook carrying Inamoto”
                           By KUMI KINOHARA)
    http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/sw20030119a1.html

  he はサッカー選手の稲本潤一。these managers は、Frederic Antonetti,
  Philippe Troussier, Arsene Wenger, Jean Tigana というフランス人監督
  たちのこと。

  〔疑問文〕では、have, has, had が主語の前に出る。


 (i) It has been said that Plato would have written differently, if he 
  had been acquainted with the Organon of Aristotle.
  「もしプラトンがアリストテレスの『論理学』をよく教えられていたならば、
   違った風に(この『ソフィスト』を)書いていたことであろうと、ずっと
   言われています」
  (“SOPHIST”by Plato, Translated by Benjamin Jowett
    ‘INTRODUCTION AND ANALYSIS’by Jowett より)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/plato.html#sophist

  It...that〜 の構文で、It が形式主語、that以降が本当の主語。「that以
  降のことが言われてきた」という骨組み。

  that以降は、〔仮定法過去完了〕の文。仮定法過去完了については、弊誌第
  68号(1)で学習できる。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/061-070/egu068.html#1


………………………………………………………………………………………………
(2)still
………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・still・・・じっとして動かない→まだ、そのまま
          (副)1.まだ、今もなお
             2.なおいっそう、さらに
             3.それでも
          (形)1.静止した、じっとした
             2.静かな
          (名)1.スチール写真
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) I still haven't finished painting the spare room.
   「私はまだ、客間のペンキ塗りを終わっていない」
  (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#ldoce

  否定文では yet を使うと教わる場合があるが、否定の状態が継続している
  ことを強調する場合、still が使われることがある。not などの否定語より
  も先に置く。

  a spare room は「予備の部屋」。ゲストが来たときの寝室用に、空き部屋
  になっている。

  このときの still は、ある時期まで同じ状態が続いていることを示してい
  る。

 (b) The next day was warmer still.「その翌日は、さらに暖かかった」
  (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 7th edition”)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#oald

  still warmer の語順にしても良い。〔比較級〕を強めて「なおいっそう…」
  「さらに…」という意味になる。

 (c) I'm average for my height. But I still feel I'm fatter than I   
  should be...
  「私の身長に対しては平均的だ。それでもまだ、私がそうあるべき姿より太
   っているように感じる」
  「私の身長では平均的よね。それでもまだ、理想よりは太っている気がする」
  (“Collins コウビルド英英辞典 改訂第5版”トムソンコーポレーション)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#cobuild

  先に述べた内容と相反すると考えられる状況を述べるときにも still が使
  われる。


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 (d) In the still evening air the Wolf's piping carried far.
   「静かな夕方の空気の中、オオカミの鳴き声は遠くまで届いた」
  (‘The Wolf and the Kid’from“The AEsop for Children”)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#aesop

  こちらは〔形容詞〕の使い方。「空気」だから「静止している」とも取れる
  し、「遠くまで届く」ので「静かな」とも考えられる。空気が静止していた
  ら、風がないということなので、音もしないと考えるのか。

 (e) The audience was still during the concert.
   「聴衆は、そのコンサートの間静かだった」
  (“The AMERICAN HERITAGE Children's Dictionary”HOUGHTON MIFFLIN)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/dicchild.html#heri

  こちらは「静か」。

  audience は原則的に〔単数扱い〕だが、個々の成員を指しているときは複
  数扱いとなることがある。2008年のセンター試験には、

   The soccer game was shown on a big screen in front of (  )   
  audience.

   (1) a large   (2) a lot of   (3) many   (4) much

  の4択が出題された。

  audience は、many や much では修飾せずに、a large, a small で修飾す
  る。

 (f) The speech delivered before a small audience of local supporters.
   「そのスピーチは少数の地方の支持者の(聴衆の)前に届けられた」
   (“The New York Times 2008/3/19 US politics”一部改変)
    http://www.nytimes.com/2008/03/19/us/politics/19obama.html


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 (g) A still is a photograph taken from a cinema film which is used  
  for publicity purposes.
  「still とは、宣伝用に映画フィルムからとられる写真です」
  (“Collins コウビルド英英辞典 改訂第5版”語義説明定義文より)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#cobuild

  関係代名詞節(which以降)の先行詞は、a photograph と考え日本語訳した。


………………………………………………………………………………………………
(3)take offense
…………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・take offense[offence]「怒る」「腹を立てる」
                「気分を害する」
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 (a) I didn't realize he'd take offense when he wasn't invited.
  「彼が招待されないときに、彼が怒るだろうということは、私にはわからな
   かった」→「招待されないことで、彼が怒るだろうとは思わなかった」
  (“The American Heritage dictionary of Idioms”by Christine Ammer)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ahdi

  “take offense”で「怒る」「腹を立てる」という意味になる。offense は
  アメリカ英語つづりで、イギリス英語では offence。

  offense には「違反」「攻撃」「嫌な気持ちにさせる事物」という意味があ
  る。「攻撃」は、スポーツなどで使うのでなじみが深い。

 (b) I think he took offence at my lack of enthusiasm.
   「彼は、私の情熱が欠けていることに腹を立てたのだと思う」
   (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#ldoce

  take offense[offence] で〔自動詞〕として働いているので、その原因に対
  しては at などの前置詞が必要。


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 (c) I really didn't mean (to cause/give) any offence (= did not    
  intend to upset anyone) - I was just stating my opinion.
  「私は人を怒らせるつもりは本当になかったんだ。ただ自分の意見を言って
   いただけなんだ」
  (“Advanced Learner's Dictionary”Cambridge Dictionary Online)
    http://dictionary.cambridge.org/

  「人を怒らせる」という使い方のときは、cause offense, give offence
  を使う。


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 参考文献  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html
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       http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html
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● あとがき

 最近メモリーを増設し、まがりなりにもブロードバンド接続環境も手に入れま
 した。

 それで時々、インターネットラジオを聞いています。一生懸命聴いているとい
 うのではないのですが。

 スカイFMというのを好んで聞いています。http://www.sky.fm/

 考えたり調べたりしながら、ゆっくりと文章を打ち込んでいるときは、上記の
 局の Smooth Jazz というのを流しっぱなしにします。上から3つ目のジャン
 ルです。数あるジャンルの中でも人気が高いようで、リスナーも常に1番多い
 ようです。私の好きなクラシック音楽(Mostly Classical)も人気があります。

 かなりマニアックなジャンルのものも用意されています。無料で聴取が可能な
 ので、一度試されてみてはどうですか。

 メーターを見る限り、CPUには、それほど負担はかかっていないように思い
 ます。


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 ハニカミ王子の遼君も受講中と言われるスピードラーニングについての記事を
 書きました。
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        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2008
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