http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/index.html 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃_┌───┐ 中学英単語 第404回 speak ┃ ┃_│\☆/│ ┃ ┃ └───┘ 20120910 毎週月曜日発行 Chick Tack ┃ ┗━━┳┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳┳━━┛ ┃┃ ┃┃ ┗┛ ┗┛ ∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩ 404.speak <発音>―――――――――――――――――――――――――――――――― ★[spi:k スピーク] <品詞と意味>――――――――――――――――――――――――――――― ★[動詞] {三人称単数現在形:speaks[-s スピークス]} {過去形:spoke[spoUk スポウク]} {過去分詞形:spoken[spo'Uk∂n スポウクン]} {動名詞・現在分詞形:speaking[-Iη スピーキング]} {関連語:speaker「話す人」「話者」「スピーカー」} ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ☆(1)話す、しゃべる 〔自動詞〕〔他動詞〕 My friend speaks Spanish.《中1》 (“The AMERICAN HERITAGE Children's Dictionary”Houghton Mifflin) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/dicchild.html#heri 「私の友人はスペイン語を話します」 「私の友人はスペイン語を話せます」 何かの「言語を話す」という場合、speak を使います。この場合「言語」が 〔目的語〕になります。例文では Spanish が〔目的語〕です。 「話す能力がある」と言いたいとき、can を利用することもありますが、な くても「話せる」という意味を伝えることができます。 私が中学生のころは、Can you speak Japanese?「あなたは日本語が話せま すか」と切り出せば、外国の人とも話せると習いました。しかし、最近では can を使うと「相手の能力をたずねている」ことになり「失礼」だという意 見が出てきました。皆さんは Do you speak Japanese? と質問することにし ましょう。 Could you speak louder, please?《中2〜3》 (“Scholastic Children's Thesaurus”John K. Bollard) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/referw01.html#sct 「もっと大きな声で話していただけますか(。お願いします)」 →「どうか、もっと大きな声で話してください」 発言内容にかかわりなく、声を使って発言していることを表したい場合、 speak を使います。 talk も speak とほぼ同じように使うことができますが、「言語」を目的語 とする場合は通常 speak を使います。最初の例文がそうですね。 対話を行う話し相手がいる場合でも、いない場合でも speak は使えますが、 talk を使う場合は対話相手の存在が意識されています。 また「しゃべる」という感覚は speak よりも talk の方が多く重なってい ると思います。同じ意味で使う場合でも speak の方が「かたい言葉」のよ うに感じます。 スピーチなど大勢の人の前で話すときにも speak は使われます。talk は親 しい数人と話すときに適しています。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ Can I speak to Ian? ― Speaking. Can I speak with Ian? ― This is Ian. (“Cambridge Advanced Learner's Dictionary 2nd edition”) 「私はイアンに話すことができますか」「(イアンが)話しています」 「私はイアンと話すことができますか」「こちらはイアンです」 →(電話で)「イアンはいますか」「イアンにかわってもらえますか」 「僕、イアンだよ」 speak の代わりに talk を使うこともできます。 電話で誰かを出して欲しい時、イギリス英語では“speak to 人”を好んで 使いますが、アメリカ英語では“speak with 人”がよく使われます。 電話で本人が出たとき“This is Ian speaking.”「こちらはイアンが話し ています」という表現ができます。文法的には解説が難しいので、そのまま 覚えてください。この表現の一部省略と考えると、例文の2つの応答は理解 できるはずです。「私です」というとき“This is he[she] speaking.”と いう表現もよく耳にします。he や she を使うのは、「あなたが名前を挙げ たその彼[彼女]は私です」という感覚があるからです。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ He never spoke about his family. 「彼は自分の家族のことについては何も話したことがなかった」 (研究社『ルミナス英和辞典第2版』竹林滋;小島義郎;東信行;赤須薫編) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#lej ←「彼は、彼の家族について決して話さなかった」 「〜について話す」「〜に関して話す」というときは、〔前置詞〕about を 使うのが一般的です。ただし、speak about よりも talk about の方が多く 目にします。 He spoke of his family.「彼は自分の家族のことについて話した」 about の他 of も使われます。 speak of は「わざわざ口に出して言う」という意味だとする辞書(ルミナ ス)があるかたわら、「speak of は『簡単に触れる』の意味で、speak about は『細かく話す』ときに用いられる傾向がある」と記述する辞書 (三省堂『現代英語語法辞典』小西友七編) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#dpeu もあります。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ English is spoken in the country.《中2》 「その国では英語が話されています」 “be動詞+過去分詞”を〔受動態〕や〔受け身〕の形と言います。「主語は 何かをされる」という意味を出せます。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/voice.html They speak English in the country.《中1》 「彼らは、その国(の中)で英語を話します」 この形を〔能動態〕と言います。この文の〔目的語〕を〔主語〕にした文が、 1つ前の〔受動態〕の文です。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ She spoke French.「彼女はフランス語を話した」《中1〜2》 She spoke in French.「彼女はフランス語で話した」《中1〜2》 この違いが分かるでしょうか? 全体の構図は似ていても、伝えたい重点が どこにあるかによって、表現方法が変わることがあります。これは日本語に も言えることです。 She spoke about the matter in French.《中1〜2》 「彼女は、そのことについてフランス語で話をした」 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ Actions speak louder than words. 《中2〜3》 「行動は言葉よりも大きな声で話す」 →「行為は言葉よりも雄弁」「言葉よりも行動で(示せ)」 ことわざです。 louder は loud「大声で」の〔比較級〕。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/compa.html#code <教科書採用状況>――――――――――――――――――――――――――― ★★★★★★ 6/6 教科書発行6社全て、1年時に speak を初出させています。 <語源>―――――――――――――――――――――――――――――――― speak はゲルマン語起源の言葉で、古英語期に sprecan, specan が使われ ました。やがて r の消えた形が主流になり、中英語期には speken となり ました。 古サクソン語は sprecan、古フリースランド語は spreka、中世オランダ語 は spreken、古高地ドイツ語は sprehhan でした。 現代オランダ語は spreken、現代ドイツ語は sprechen です。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ 一番の祖先のインド・ヨーロッパ祖語から分かれたゲルマン語系外のよく似 たつづりの語は「まき散らす」や「(花火のように)パチパチする」という 意味のものが多いようです。「言葉をパチパチとまき散らす行為」が「話す」 の感覚なのかも知れません。 現代英語では speech「スピーチ」「演説」が speak と同語源に当たります。 「スポークス・マン(spokesman)」という言葉をニュースなどで聞かれた方 もいると思います。「報道官」「代弁者」という意味です。「広報担当」く らいの意味で使われる場合もあります。過去形 spoke に、職業を表す -s が付き、さらに man が付いています。職業を表す -s は sportsman にも見 られます。過去形を使うのは特殊ですが、過去を表しているわけではありま せん。女性は spokeswoman とできます。最近では男女の別なく使える spokesperson が推奨されることもあります。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ 「話」という漢字は「言」と「舌」からできています。「舌」を使って「言 う」ならばそのままですが、「舌」は「氏」の下に「口」を書いた字の略字 でした。 「氏」の下に「口」は「善」という意味と「会」という意味を持っています。 「善いことを集める」と読むことができ、古来「話」は「良いこと(舌)を 言う」「教訓となる話をする」と解釈されてきました。漢和辞典の多くもそ のように記載しています。 しかし、甲骨文字等を長年研究してきた白川静という先生は、「氏」は「刃 物」を表して「口」は「願い事を書いた手紙の入れ物」を表していると説明 します。 「願い事を刃物で刺して、願いの効力を弱める」ということになり、そこか ら「話」は「悪口を言う」という意味があると述べています。 現在の日本語では「話す」は良いことを話すときにも、悪いことを話すとき にも使用可能です。常識を疑った時に新しい発見が生まれるのですね。先入 観を持たずにそのことに打ち込むと、見えなかったものも見えてくるのでし ょう。ただ、私にはどちらが正しいのかという判断はできません。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ 日本語の「話す」は「放す」と関係があるのではないかと指摘する学者もい ます。同じ発音ですし。「心の中」を「言葉」にし、「放し」て相手に伝え たと考えれば納得できます。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 次回は spend です。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― このメールマガジンは、“まぐまぐ!”を利用して配信されています。 http://www.mag2.com/ 当メールマガジンは、無料でお読みいただけます。 このメールマガジンの登録・解除は、下記のページからお願いします。 http://www.mag2.com/m/0000139181.html バックナンバーは、下記のページのリンクからご覧ください。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/index.html もっと難しいものをお読みになりたい方は、『英語の文法と語法』の配信を申 し込んでください。 http://www.mag2.com/m/0000190027.html ∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋ <(` ) Chick Tack ( ) E-Mail Address : mit_desde1994@ hotmail.com / | 魔笛を観に行こう: http://tatsuku.web.fc2.com/ ∋ ∈ Chick Tack 英語5文型: http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/ 愛知哲仁 の ギリシア哲学への招待状:http://philos.fc2web.com/ ∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋ メール・アドレスは、コピーして、あて先欄に貼り付けてから、@ と hotmail の間の半角スペースを削除してください。面倒かけます。 ┛ おすすめ英会話・英語教材や無料サービスなどの紹介ページ ┛ http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/recommend.html ┛ ┛ ◆あとがき◆ 現在の中学生の皆さんがまだこの世にいなかった頃、“Speak Lark”という言 葉が出てくるタバコのCMが流れていました。Lark「ラーク」という銘柄のタバ コの宣伝です。 スパイと思(おぼ)しき人物が“Speak Lark!”と言うのです。speak はごく 一部の名詞を目的語とする慣用表現のようなものはありますが、通常は言語を 除き目的語は取りません。 「ラークを話せ!」とはどういうことだろう? 当時時々考えましたが、結論 は出ませんでした。lark は「ヒバリ」「明るいいたずら」です。単に、タバ コ屋へ行って「ラーク(が欲しい)と言え!」というのではなさそうだったし ……。 今回少し調べたら、「国際的な秘密組織の合言葉のようなもの」だということ です。タバコの会社が、1980年代に Speak Lark キャンペーンを展開し、「国 際的」「洗練された」「男性的」ということを強調したそうです。映画の007 シリーズの俳優をCMに起用したのも、その狙いがあったようです。 まあ、「広告の抽象的なイメージとして使われ、『合言葉はラーク』というく らいに考えておけばいいのでは?」というのが、今のところの結論です。 ・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・ (c) Matsumiya Institute of Thinking 2012 ・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・ |