http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/index.html 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃_┌───┐ 中学英単語 第417回 street ┃ ┃_│\☆/│ ┃ ┃ └───┘ 20121210 毎週月曜日発行 Chick Tack ┃ ┗━━┳┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┳┳━━┛ ┃┃ ┃┃ ┗┛ ┗┛ ∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩ 417.street <発音>―――――――――――――――――――――――――――――――― ★[stri:t ストリート] <品詞と意味>――――――――――――――――――――――――――――― ★[名詞] {複数形:streets[stri:ts ストリーツ]} ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ☆(1)通り、街路 〔数えられる名詞〕 The bank is just across the street. (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 8th edition”) (“Oxford ADVANCED AMERICAN Dictionary: For Learners of English”) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#oald 「その銀行は、ちょうど通りを渡ったところにあります」 「その銀行は、その通りのちょうど向こう側にあります」 ・just は第263回。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/251-300/263just.html ・across は第3回。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/003across.html is は「ある」という意味です。〔be動詞〕は「である」「です」という意 味を表す場合と〔ある〕〔いる〕という意味になる場合があります。 street は、両側か片側に家が立ち並んでいる都市や町の街路を指します。 多くの場合、歩道や両側の建物を含めて指します。 road は、町や都市を結ぶ公道を指す場合が多いようです。 He walked down the street.《中1〜2》 (HEINLE'S Newbury House Dictionary of American English) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/onlineeed.html#hnhdae 「彼は通りを下って歩いた」「彼は街路を歩いて下った」 ・down については、第26回をごらんください。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/026down.html Kate lives on a quiet street.《中1》 (“The American Heritage Dictionary of the English Language 4th”) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ahdel 「ケートは、静かな通りで暮らしている」 「通りで」「通りに」「道で」と言いたいとき、アメリカ英語では〔前置詞〕 on が好まれます。 道路に面した家や建物も含まれることから、イギリス英語では in が使われ るようになりました。 His house is on [《英》 in] this street. 「彼の家はこの通りにある」 (研究社『ルミナス英和辞典第2版』竹林滋;小島義郎;東信行;赤須薫編) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#lej イギリス英語でも、以前は in, on 共に自由に用いられたようです。 Don't play in the street.《中1》 (“The American Heritage Dictionary of the English Language 4th”) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ahdel 「(その)通りで遊んではいけません」 アメリカ英語で in が使われる例もあります。この例では、両側の家は含ま れていないと思います。「車が通るところは危ない」と注意していると考え られます。 on the street や in the street が「仕事がない」「家がない」「ホーム レス」「自由で」という意味になることがあります。street children「ス トリート・チルドレン(路上生活する子供たち)」という言葉を聞いた人も いると思います。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ☆(2)〜通り、〜街 (地理的な言葉と相まってしばしば大文字で始めて) We moved to Center Street when I was young.《中2》 (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#ldoce 「私が子供のときに、私たちはセンター街に引っ越した」 「私たちは、私が子供のときに中央通りに引っ越した」 〔固有名詞〕として扱います。Street の部分を St. と表記することもあり ます。 move は「移動する」、to は「〜へ」「〜に」なので move to で「〜に移 動する」→「〜に引っ越す」という意味になります。 Diane's house is in Cherrywood Street.(英) Diane's house is on Cherrywood Street.(米)《中1〜2》 (“Cambridge Advanced Learner's Dictionary 2nd edition”) 「ダイアンの家は桜木通り[チェリーウッド・ストリート]にあります」 英語とは関係ありませんが「花は桜木、人は武士」という言葉があります。 「花は桜が一番だが、人間は武士が一番上等だ」という意味です。賛同いた しかねますが、「潔くパッと散る」ところが共通なのでしょう。 Maybe you won't stay rich all your life; lots of very clever men get smashed up in Wall Street.(“Daddy-Long-Legs” by Jean Webster) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/referw01.html#longlegs 「多分あなたは、全生涯をお金持ちのままでいることはないでしょう。 ウォール街ではたくさんの頭の良い人が破産します」《高校》 smash up は「すっかり粉々にする」なので、get smashed up で「すっかり 粉々になる」という意味になります。ここから「破産する」と解釈できると 思います。“be動詞+過去分詞”で〔受動態〕〔受け身〕という文法の構文 を形成しますが、主に「そうされている状態」を表します。「そうされる動 作」を表したいときは〔be動詞〕の代わりに get を使います。 Wall Street はニューヨークにある世界の金融の中心地です。多くの金融機 関や証券会社があります。ロンドンの the City[City of London] も金融機 関が集まっています。日本には、東京の日本橋兜(かぶと)町があります。 世界的な経済新聞の The Wall Street Journal の日本語版はこちら。 http://jp.wsj.com/?mod=menu ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ 「道」を表す英単語は、street, road の他にもあります。紹介しておきま す。 ・avenue・・・並木のある大通り。Ave. と略さるうことも。 アメリカでは東西の通りを street、南北を avenue と使い 分けていることが多い。この場合、並木はなくてもよい。 ・boulevard・・・中央分離帯に芝生、両側に樹木が立ち並ぶ大通り。 Blvd. と略されることも。 ・highway・・・都市と都市を結ぶ幹線道路。 ・way・・・具体的な道路というよりも、「〜する方法」という意味での 「〜への道」という使い方をされる。 Broadway などと他語と組み合わさり固有名詞になることも。 <教科書採用状況>――――――――――――――――――――――――――― ★★★★★★ 6/6 street は、教科書出版6社の教科書にすべて掲載されています。 初出は、1年時3社、2年時2社、3年時1社です。 <語源>―――――――――――――――――――――――――――――――― street は、西ゲルマン語由来の言葉で、古英語期の西サクソンでは _ straet(ae は1文字)、マーシアやケントでは stret の形で使いました。 サクソン・マーシア・ケントについては次のリンクページの下の方に地図が あります。西サクソンは Wessex と書かれているところです。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/021-030/hoeng02.html 中英語期には strete の形になり、現在は street になっています。 インド・ヨーロッパ祖語の「広げる」という意味の言葉が元になっていて、 _ ラテン語の「広げる」sternere の過去分詞形の一つを使った via strata 「広げられた道」→「舗装された道」ができます。やがて、strata のみで 「舗装道路」という意味を持ちます。 ラテン語とは、古代ローマ(帝国)の言葉です。「全ての道はローマに通ず」 に代表されるように、古代ローマが広範囲のヨーロッパを支配できたのは、 この「舗装路」のおかげです。 _ ゲルマン人たちもローマ人の支配下に入り、strata という言葉を知ります。 最初、ゲルマン人は、石を敷き詰めたローマ人の造る舗装路だけをこの言葉 で呼びました。古英語期中には、他の道もこの語の子孫語で表すようになり ます。 中英語期の間に、普通の「道路」という意味の strete の使用がだんだん減 っていき、「街中の道」の使用が増えていきます。近代英語期には「郊外の 道路」は road、「街路」「通り」は street と住み分けができます。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ 現代オランダ語は straat、ドイツ語は Straβe。 北方のゲルマン諸語は street とは別系列の語が使われています。 イタリア語は strada。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ street の祖先語の意味は「広げる」だと上で書きました。古代ローマは、 土の上に敷石を並べ広げて置き、道を整備しました。ローマ軍はこの舗装路 を迅速に移動することによって、広大な領地を支配したのです。この道無く して、広大な古代ローマの領域支配は考えられませんでした。 平面上に並べて「広げる」という他に、上に「積み重ねる」という意味の語 も street の祖先語から分かれています。structure「構造」「建物」「組 み立てる」も str- までは共通ですね。-struct- の部分には「積み重ねる」 という意味が入っています。「インストラクター」という言葉はご存知だと 思います。instructor「スポーツなどの指導者・教官」とつづります。 instruct は「教える」「指図する」という意味ですが、in- が「上に」、 -struct が「積み重ねる」という意味です。『ジーニアス英和辞典』には 「積み上げる」→「築く」→「教える」と流れが書かれています。 stratus「層雲」なども積み重ねられたイメージで理解できます。 instrument「楽器」「実験機材」も「積み重ねられたもの」という意味から できているようです。 飲み物を飲むときに使う「ストロー」はもともと「麦わら」のことでした。 麦の茎の部分を切ってみると、ちょうど「ストロー」のようになっています。 この説明、本来とは逆なのですが……。 straw「麦わら」は脱穀後、畑に捨てられます。軽いので風であちこちに散 らばります。「あちこちに散らばっているもの」という意味で「麦わら」は 名付けられたのです。 「迷い猫・はぐれ猫(ストレイキャット)」の stray「道に迷う」「はぐれ る」も、普段の道から外れて、行動範囲を広げたことにより、あちこち迷う のだと思います。やはり str- がありますね。 str- には「広がる」「積み重なる」「拡張する」という意味を持つものが 多いようです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 次回は strong です。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― このメールマガジンは、“まぐまぐ!”を利用して配信されています。 http://www.mag2.com/ 当メールマガジンは、無料でお読みいただけます。 このメールマガジンの登録・解除は、下記のページからお願いします。 http://www.mag2.com/m/0000139181.html バックナンバーは、下記のページのリンクからご覧ください。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/index.html もっと難しいものをお読みになりたい方は、『英語の文法と語法』の配信を申 し込んでください。 http://www.mag2.com/m/0000190027.html ∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋ <(` ) Chick Tack ( ) E-Mail Address : mit_desde1994@ hotmail.com / | 魔笛を観に行こう: http://tatsuku.web.fc2.com/ ∋ ∈ Chick Tack 英語5文型: http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/ 愛知哲仁 の ギリシア哲学への招待状:http://philos.fc2web.com/ ∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋ メール・アドレスは、コピーして、あて先欄に貼り付けてから、@ と hotmail の間の半角スペースを削除してください。面倒かけます。 ┛ おすすめ英会話・英語教材や無料サービスなどの紹介ページ ┛ http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/recommend.html ┛ ┛ ◆あとがき◆ 地面や水が凍る季節になりました。street で滑って転ばないように気をつけ ましょう。 Yesterday evening it started to snow while I was taking a walk, so I had to return home halfway. ・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・ (c) Matsumiya Institute of Thinking 2012 ・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・ |