■■■ English Words for Junior High School Students 20090525 ■■■ ● 中 学 英 単 語 ■■■● ■■■ ● ●239 hear 毎週月曜日発行 Chick Tack ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 239.hear <発音>―――――――――――――――――――――――――――――――― ★[hI∂r ヒアー(米)][hI∂ ヒア(英)] 英単語のつづりが ea となっている部分の発音は、第229回 great のこ の欄で説明しています。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/201-250/229great.html そこでも書いていますが、ea の後ろに r が付き、ear となる場合の発音は、 eer のつづりのものと同じように[I∂r]または[I∂]となることが多 いようです。 「エ」という時の口の状態で「イ」と発音し、「ア」とも「オ」とも聞こえ るあいまいな母音を出しながら、舌を巻いていきます。イギリス式の発音で は、舌は巻き上げません、 dear, ear, clear, near, tear も hear の仲間です。 wear, bear は例外です。heard もこの発音にはなりません。 <品詞と意味>――――――――――――――――――――――――――――― ★[動詞] {過去・過去分詞形:heard[h∂:(r)d]} {動名詞・現在分詞形:hearing[-Iη]} ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ☆(1)聞く、聞こえる〔他動詞〕 Did you hear that noise?《中1〜2》 (“Longman Language Activator:The World's First Production Dic.” 「あなたは、あの物音が聞こえましたか」 「あなたは、あの物音を聞きましたか」 listen to は「聞こうとして聞く=聴く」という意味です。音楽を聴いたり、 ラジオを聴くときは、聞こうとしてスイッチを入れたり、ボタンを押します。 だから listen to music, listen to the radio[CD] となることが多いの です。 それに対し hear は「自然に聞こえてくる」という時に使います。ですから、 can「〜することができる」という〔助動詞〕と一緒に使っていない場合で も「聞こえる」と訳す方がふさわしい場合があります。 He listened but heard nothing more.《中2〜3》 (“Macmillan English Dictionary: For Advanced Learners of American English”Palgrave Macmillan) 「彼は耳を傾けた。しかし、それ以上何も聞こえなかった」 上記の例文は2つの動詞の違いをよく表していると思います。 また、hear は「自然に聞こえてくる」ということで、〔命令文〕には使い にくい傾向があります。〔進行形〕になることも少ないのです。 「公聴会(こうちょうかい:公的な会議で専門家などから意見を聴くこと)」 を hearing ということから、hear にも「聞こうとして聞く」使い方がない わけではありません。 hear は「耳にする」、listen は「耳を傾ける」と考えるとわかりやすいと する意見もある。(政村秀實著『英語語義イメージ辞典』大修館書店) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#images ☆(2)耳が聞こえる〔自動詞〕 My grandfather is getting old and can't hear very well.《中3》 (“Cambridge Advanced Learner's Dictionary 2nd edition”) 「私の祖父は年を取ってきているので、耳がよく聞こえません」 get old で「年を取る」という意味になります。get については、第211 回をご覧ください。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/201-250/221get.html 進行形にすることにより、「年を取る」という状態が徐々に進んでいるとい うことを表しています。 ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ┛ ☆(3)(情報などを)聞く、得る、うわさに聞いている Did you hear the news? -- Yes, I did.《中1〜2》 「あなたは、その知らせを聞きましたか」「はい、聞きました」 I hear (that) you play violin very well.《中2》 「あなたがとても上手にヴァイオリンをお弾きになると、私は聞いています」 よく考えてみると、聞いたのは〔過去〕のはずなので heard と過去形にし た方がよさそうですが、〔うわさ〕などで聞いている場合、〔現在形〕 hear や〔現在完了形〕have heard もよく使われます。 繰り返し行われることや、「3日前にも聞いたが今日も聞いた。明日も聞く かもしれない」という場合〔現在形〕が使われます。また、〔現在完了形〕 では、「過去に聞いた結果、今それを知っている」という意味を伝えること ができます。 私の日本語訳も「聞いています」と現在形になっていますね。この感覚は日 本人も理解できると思います。 hear は〔that節〕を〔目的語〕にすることができます。つまり、you play violin very well のような、それだけで1文となれるような部分を〔目的 語〕とできます。また、普通 that は省略します。 Have you heard about the fire last night?《中3》 「夕べの火事のことを聞きましたか」 (研究社『ルミナス英和辞典第2版』竹林滋;小島義郎;東信行;赤須薫編) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#leg hear about で「〜について聞く」という表現になります。 上記の英文は have で始まっていますが、間違えているわけではありません。 現在完了という文法にしたがっています。現在完了については下記URLで。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/perfect.html I'm sorry to hear that.《中2〜3》 「私はそれを聞いて残念です」 sorry や surprised の後に to hear... と続くことがよくあります。「… を聞いて残念(sorry)」や「…を聞いて驚く(surprised」という意味になり ます。 <hear を使った表現>――――――――――――――――――――――――― ● hear from 〜「〜から便(たよ)りがある」「〜から連絡がある」 We have not heard from them lately.《中3》 (“The AMERICAN HERITAGE Children's Dictionary”Houghton Mifflin) http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/dicchild.html#heri 「(私たちに)最近、彼らからずっと便りがありません」 「〜から聞く」というのが逐語訳(ちくごやく)ですが、このままでは日本 語として不自然ですね。 便りとは、手紙・電話・電子メールなどのことです。 them は前後の内容により「彼女たち」という意味になることもあります。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/074them.html この英文も現在完了を使っています。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/perfect.html I look forward to hearing from you.《中3》 「私はあなたから便りがあるのを楽しみにしています」 look forward to... で「…を楽しみに待つ」という意味の表現です。to は 不定詞の to ではなく、〔前置詞〕の to です。したがって to の後ろは 〔名詞〕〔代名詞〕か〔動名詞〕が来ます。hearing は〔動名詞〕です。 手紙や電子メールの最後によく書く表現です。最後に soon が付け加えてあ るものも、よく見ます。現在進行形でも使われます。 <英語感覚養成英文>―――――――――――――――――――――――――― I can't hear you well.「私はあなたの声がよく聞こえません」《中1》 hear の後ろで使われる you や me は、「あなたの声」「私の声」という意 味を表します。 同様に Listen to me. という英文は「私の言っていることを聞きなさい」 という意味になります。me が「私の言っていること」という意味を表せる のですね。少し意味が変わりますが、これは hear と listen (to) の違い が原因なのです。 <語源>―――――――――――――――――――――――――――――――― 古英語期には、gehieran という形が hear の意味で使われていました。13 世紀以降 ge の取れた hieran が一般的になりました。 _ 一方古英語期のイングランド中部や北部では heran という形も使われてい ました。この形が中英語期に here(n) に変化しました。 「ここで[に、へ、の]」という意味の here と区別するために、hear と つづり始めたのは12世紀です。hear のつづりが広く使われるようになった のは、16世紀以降になってからです。 ゲルマン語を起源とする語で、現代オランダ語では horen、ドイツ語では .. horen という形になっています。(西ゲルマン語のグループでしたね) 古北欧語では heyra、ゴート語では hausjan という形が残っています。 (北ゲルマン語と東ゲルマン語のグループです) インド・ヨーロッパ祖語は、∂keu- や ∂kous- のような形だったと研究さ れています。「聞く」の他にも「見る」「観察する」「注意を向ける」とい う意味があったといいます。 , ギリシャ語派として分類されている唯一の言語であるギリシャ語では、 akouein として伝わり、これがのちに英語にもたらされ acoustic「聴覚の」 「音響に関する」という単語ができました。アコースティック・ギター(生 ギター)の「アコースティック」です。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 次回は help です。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― このメールマガジンは、“まぐまぐ!”を利用して配信されています。 http://www.mag2.com/ 当メールマガジンは、無料でお読みいただけます。 このメールマガジンの登録・解除は、下記のページからお願いします。 http://www.mag2.com/m/0000139181.html バックナンバーは、下記のページのリンクからご覧ください。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/index.html もっと難しいものをお読みになりたい方は、『英語の文法と語法』の配信を申 し込んでください。 http://www.mag2.com/m/0000190027.html ∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋ <(` ) Chick Tack ( ) E-Mail Address : mit_desde1994@ hotmail.com / | 魔笛を観に行こう: http://tatsuku.web.fc2.com/ ∋ ∈ Chick Tack 英語5文型: http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/ 愛知哲仁 の ギリシア哲学への招待状:http://philos.fc2web.com/ ∈≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡∋ メール・アドレスは、コピーして、あて先欄に貼り付けてから、@ と hotmail の間の半角スペースを削除してください。面倒かけます。 ┛ おすすめ英会話・英語教材や無料サービスなどの紹介ページ ┛ http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/recommend.html ┛ ┛ ◆あとがき◆ 新型インフルエンザ、恐るべし。 京都に嫁いでいる妹から電話があり、「何枚でもいいから、マスクを買って送 って」と言ってきました。2人の子供に必要なのだと言います。 さっそく、ドラッグストアや大型ショッピングセンターなど、何軒か回りまし たが、すべて売り切れ状態でした。入荷予定も分からないということで、予約 も断られました。 この辺りでは、マスクをしている人は少ないので、優先的に関西に送られてい るのではないかと思います。 皆さんはご存じないでしょうが、いや、社会科で習っている人もいるかもしれ ませんが、オイル・ショックのときのトイレット・ペーパーのとき以来でしょ うか。買い付け騒ぎが起こるのは。 あっ、いや、平成5・6年ころに、店頭からコメがなくなる騒動がありました。 その時以来と言った方が正しいでしょう。 その後、妹はマスクを何枚か購入できたようです。こちらでも入手できそうな ので安心しました。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●お知らせ● 中学3年生と2年生を対象とした、英文法のメール講座を始めます。 自宅で受講できるので、インフルエンザの影響は受けません。 現在、6月生を募集中です。申込期限は、5月31日(日)までです。 要項は下記ページにて公開しています。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/mit/info/maillec.html 詳細はメールでご質問ください。 Chick Tack 松宮思考研究室 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・ (c) Matsumiya Institute of Thinking 2009 ・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・ |