Chick Tack 英語5文型  >  メール・マガジン『中学英単語』  >  401号〜450号目次  >  417 street

street

     http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/index.html
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┃_┌───┐ 中学英単語   第417回   street          ┃
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417.street



<発音>――――――――――――――――――――――――――――――――
★[stri:t ストリート]


<品詞と意味>―――――――――――――――――――――――――――――
★[名詞]          {複数形:streets[stri:ts ストリーツ]}


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☆(1)通り、街路         〔数えられる名詞〕

 The bank is just across the street.
  (“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 8th edition”)
  (“Oxford ADVANCED AMERICAN Dictionary: For Learners of English”)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#oald
   「その銀行は、ちょうど通りを渡ったところにあります」
   「その銀行は、その通りのちょうど向こう側にあります」

  ・just は第263回。
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/251-300/263just.html
  ・across は第3回。
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/003across.html

  is は「ある」という意味です。〔be動詞〕は「である」「です」という意
  味を表す場合と〔ある〕〔いる〕という意味になる場合があります。

  street は、両側か片側に家が立ち並んでいる都市や町の街路を指します。
  多くの場合、歩道や両側の建物を含めて指します。

  road は、町や都市を結ぶ公道を指す場合が多いようです。


 He walked down the street.《中1〜2》
 (HEINLE'S Newbury House Dictionary of American English)
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/onlineeed.html#hnhdae
  「彼は通りを下って歩いた」「彼は街路を歩いて下った」

  ・down については、第26回をごらんください。
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/026down.html


 Kate lives on a quiet street.《中1》
  (“The American Heritage Dictionary of the English Language 4th”)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ahdel
    「ケートは、静かな通りで暮らしている」

  「通りで」「通りに」「道で」と言いたいとき、アメリカ英語では〔前置詞〕
  on が好まれます。

  道路に面した家や建物も含まれることから、イギリス英語では in が使われ
  るようになりました。

 His house is on [《英》 in] this street. 「彼の家はこの通りにある」
  (研究社『ルミナス英和辞典第2版』竹林滋;小島義郎;東信行;赤須薫編)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#lej

  イギリス英語でも、以前は in, on 共に自由に用いられたようです。

 Don't play in the street.《中1》
  (“The American Heritage Dictionary of the English Language 4th”)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ahdel
    「(その)通りで遊んではいけません」

  アメリカ英語で in が使われる例もあります。この例では、両側の家は含ま
  れていないと思います。「車が通るところは危ない」と注意していると考え
  られます。

  on the street や in the street が「仕事がない」「家がない」「ホーム
  レス」「自由で」という意味になることがあります。street children「ス
  トリート・チルドレン(路上生活する子供たち)」という言葉を聞いた人も
  いると思います。


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☆(2)〜通り、〜街  (地理的な言葉と相まってしばしば大文字で始めて)

 We moved to Center Street when I was young.《中2》
  (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#ldoce
   「私が子供のときに、私たちはセンター街に引っ越した」
   「私たちは、私が子供のときに中央通りに引っ越した」

  〔固有名詞〕として扱います。Street の部分を St. と表記することもあり
  ます。

  move は「移動する」、to は「〜へ」「〜に」なので move to で「〜に移
  動する」→「〜に引っ越す」という意味になります。

 Diane's house is in Cherrywood Street.(英)
 Diane's house is on Cherrywood Street.(米)《中1〜2》
 (“Cambridge Advanced Learner's Dictionary 2nd edition”)
   「ダイアンの家は桜木通り[チェリーウッド・ストリート]にあります」

  英語とは関係ありませんが「花は桜木、人は武士」という言葉があります。
  「花は桜が一番だが、人間は武士が一番上等だ」という意味です。賛同いた
  しかねますが、「潔くパッと散る」ところが共通なのでしょう。

 Maybe you won't stay rich all your life; lots of very clever men get 
 smashed up in Wall Street.(“Daddy-Long-Legs” by Jean Webster)
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/referw01.html#longlegs
  「多分あなたは、全生涯をお金持ちのままでいることはないでしょう。
   ウォール街ではたくさんの頭の良い人が破産します」《高校》

  smash up は「すっかり粉々にする」なので、get smashed up で「すっかり
  粉々になる」という意味になります。ここから「破産する」と解釈できると
  思います。“be動詞+過去分詞”で〔受動態〕〔受け身〕という文法の構文
  を形成しますが、主に「そうされている状態」を表します。「そうされる動
  作」を表したいときは〔be動詞〕の代わりに get を使います。

  Wall Street はニューヨークにある世界の金融の中心地です。多くの金融機
  関や証券会社があります。ロンドンの the City[City of London] も金融機
  関が集まっています。日本には、東京の日本橋兜(かぶと)町があります。

  世界的な経済新聞の The Wall Street Journal の日本語版はこちら。
  http://jp.wsj.com/?mod=menu


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  「道」を表す英単語は、street, road の他にもあります。紹介しておきま
  す。

  ・avenue・・・並木のある大通り。Ave. と略さるうことも。
         アメリカでは東西の通りを street、南北を avenue と使い
         分けていることが多い。この場合、並木はなくてもよい。
  ・boulevard・・・中央分離帯に芝生、両側に樹木が立ち並ぶ大通り。
           Blvd. と略されることも。
  ・highway・・・都市と都市を結ぶ幹線道路。
  ・way・・・具体的な道路というよりも、「〜する方法」という意味での 
       「〜への道」という使い方をされる。
        Broadway などと他語と組み合わさり固有名詞になることも。


<教科書採用状況>―――――――――――――――――――――――――――

  ★★★★★★ 6/6

  street は、教科書出版6社の教科書にすべて掲載されています。
  初出は、1年時3社、2年時2社、3年時1社です。


<語源>――――――――――――――――――――――――――――――――

  street は、西ゲルマン語由来の言葉で、古英語期の西サクソンでは    
                          _
  straet(ae は1文字)、マーシアやケントでは stret の形で使いました。
  サクソン・マーシア・ケントについては次のリンクページの下の方に地図が
  あります。西サクソンは Wessex と書かれているところです。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/021-030/hoeng02.html

  中英語期には strete の形になり、現在は street になっています。


  インド・ヨーロッパ祖語の「広げる」という意味の言葉が元になっていて、
                                  _
  ラテン語の「広げる」sternere の過去分詞形の一つを使った via strata
  「広げられた道」→「舗装された道」ができます。やがて、strata のみで
  「舗装道路」という意味を持ちます。

  ラテン語とは、古代ローマ(帝国)の言葉です。「全ての道はローマに通ず」
  に代表されるように、古代ローマが広範囲のヨーロッパを支配できたのは、
  この「舗装路」のおかげです。
                        _
  ゲルマン人たちもローマ人の支配下に入り、strata という言葉を知ります。
  最初、ゲルマン人は、石を敷き詰めたローマ人の造る舗装路だけをこの言葉
  で呼びました。古英語期中には、他の道もこの語の子孫語で表すようになり
  ます。

  中英語期の間に、普通の「道路」という意味の strete の使用がだんだん減
  っていき、「街中の道」の使用が増えていきます。近代英語期には「郊外の
  道路」は road、「街路」「通り」は street と住み分けができます。


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  現代オランダ語は straat、ドイツ語は Straβe。

  北方のゲルマン諸語は street とは別系列の語が使われています。

  イタリア語は strada。


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  street の祖先語の意味は「広げる」だと上で書きました。古代ローマは、
  土の上に敷石を並べ広げて置き、道を整備しました。ローマ軍はこの舗装路
  を迅速に移動することによって、広大な領地を支配したのです。この道無く
  して、広大な古代ローマの領域支配は考えられませんでした。

  平面上に並べて「広げる」という他に、上に「積み重ねる」という意味の語
  も street の祖先語から分かれています。structure「構造」「建物」「組
  み立てる」も str- までは共通ですね。-struct- の部分には「積み重ねる」
  という意味が入っています。「インストラクター」という言葉はご存知だと
  思います。instructor「スポーツなどの指導者・教官」とつづります。  
  instruct は「教える」「指図する」という意味ですが、in- が「上に」、
  -struct が「積み重ねる」という意味です。『ジーニアス英和辞典』には 
  「積み上げる」→「築く」→「教える」と流れが書かれています。
  stratus「層雲」なども積み重ねられたイメージで理解できます。
  instrument「楽器」「実験機材」も「積み重ねられたもの」という意味から
  できているようです。


  飲み物を飲むときに使う「ストロー」はもともと「麦わら」のことでした。
  麦の茎の部分を切ってみると、ちょうど「ストロー」のようになっています。
  この説明、本来とは逆なのですが……。

  straw「麦わら」は脱穀後、畑に捨てられます。軽いので風であちこちに散
  らばります。「あちこちに散らばっているもの」という意味で「麦わら」は
  名付けられたのです。

  「迷い猫・はぐれ猫(ストレイキャット)」の stray「道に迷う」「はぐれ
  る」も、普段の道から外れて、行動範囲を広げたことにより、あちこち迷う
  のだと思います。やはり str- がありますね。

  str- には「広がる」「積み重なる」「拡張する」という意味を持つものが
  多いようです。


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次回は strong です。
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◆あとがき◆

 地面や水が凍る季節になりました。street で滑って転ばないように気をつけ
 ましょう。

  Yesterday evening it started to snow while I was taking a walk, so 
 I had to return home halfway.


・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・
        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2012
・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・

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