イラク戦争は
何をもたらしたのか
トップ
はじめに
イラク戦争は何をもたらしたのか
イラク戦争はなぜおこったのか
ファルージャでおこったこと
香田証生さん殺害について
ファルージャでおこったこと2
選挙について
 イラク戦争は、何をもたらしたのか、見ていきましょう。

イラクでの被害
 下のHPは、イラクでの被害の様子を伝えています。戦争の被害はどのようなものだったのか、見てみましょう。

空爆下の市民1
   
空爆下の市民2(森住卓さんHPより)
侵略された人々(木村愛二さんHPより)

 この下のHPには、残虐な映像がふくまれています。しかし、これが本当の戦争の姿なのです。見るか見ないかは、自分で決めましょう。ただし、見る人は、次の2つの覚悟をしてください。
○ 残虐な真実を見る覚悟
○ なくなった人を大切に見る覚悟

戦争の姿(木村愛二さんHPより)
イラク戦争の犠牲者−子どもたち(木村愛二さんHPより)

 たいへん恐ろしい写真ですが、これらの写真は、わたしたちに、戦争について考えるとき、必ずもっていなくてはならない視点を教えてくれています。被害を受けた人のことをのぞいて戦争を語ることは許されないことであると。

報道は正しく伝えられていたのか
 イラク戦争中に、アメリカや日本のテレビは、イラク戦争でけがをしたり死んだりした人々の映像はほとんど映しませんでした。悲惨な映像を映すと、戦争に反対する人が増えるからです。

 また、戦争に関する報道には、事実を正しく伝えていなかったり、事実を偽って伝えたりするものが少なくありません。
 イラク戦争を始める前に、アメリカもイギリスも、イラクが大量破壊兵器を持っている証拠があると言っていましたが、それは事実ではありませんでした。

 元米陸軍兵士ジェシカ・リンチさんについての報道もそうです。「イラク軍の待ち伏せ攻撃を受け捕虜(ほりょ)となったリンチさんをイラク南部ナシリヤの病院から救出した。」と報道されていましたが、実際には捕虜にはなっておらず、米軍によって作られた話だったとリンチさんは語っています。

軍の操作を批判したジャシカ・リンチさん(asahi.comより)

 アメリカ軍は、イラク戦争をはじめる前に、「戦略的影響局」という部局を作って、世界の人々を味方につけるために、うその情報を流すこともふくめて研究をしていました。

同盟国にウソ情報も、米国防総省が宣伝戦へ新部局(読売新聞より)

 世界を自分の考える方向に動かそうとする人々は、報道をも操作するということはよくあることです。わたしたちは、そのような報道の中で生きています。ですから、何を信じ何をうたがうのかを見分ける目をもつようにしていかなければなりません。そのためには、世界のできごとや考え方をたくさん見たり知ったりしていきましょう。たくさんのものを見て考えていくことによって、判断する力がついていきます。

 そのときに忘れてはいけない視点があります。そのことによりだれが得をしているのか。そのことによりだれが痛手を受けたのか。この視点をもつことにより、今まで見えなかったことが見えてくることもあります。

 下のHPには、イラクの人々の報道に対する姿勢がよく表われています。ここからわたしたちは学ぶべきでしょう。

宣伝放送の健全な聞き方(田中宇さんHPより)
  
 開いたページの下のほうに左の見出しがあります。

 HPの中に「プロパガンダ」という言葉が出てきます。これは「政治的な意図をもつ宣伝」のことです。つまり、事実ではなく、ある立場の人が自分たちにつごうのいいように作り上げたことをいいます。

報道する人(ジャーナリスト)が攻撃されたこと
 カタールという国に「アルジャジーラ」という衛星テレビ局があります。上のHPの写真(戦争の姿)は、アルジャジーラが報道したものです。アルジャジーラは、イラク戦争中、民間人の被害などについて世界に映像を送っていました。イラク戦争中に、このテレビ局のイラク支局がアメリカ軍によって攻撃され、死者も出ました。 報道する人を攻撃するということを、あなたはどう考えますか。

アルジャジーラネット(アラビア語)
   
アルジャジーラネット(機械翻訳)

 下のHPは、ジャーナリストに対する攻撃について伝えています。

Robert FisxのHPより

劣化ウラン弾の使用
 イラクでは、1991年にも湾岸戦争が起こりました。この湾岸戦争でも2003年のイラク戦争でも、アメリカ軍は、劣化ウラン弾を使用しました。劣化ウラン弾は、硬い戦車を貫通できるように、重いウランを使った兵器です。戦車に当たった劣化ウラン弾は、細かいちりとなって空気中をただよい、口や鼻から人の体に入ります。体の中に入ったウランは放射線を出すため、これを吸い込んだ人は、たえず体の中から放射線を当てられていることになり、白血病やガンになっていくのです。
 また、お父さんやお母さんが放射線をたくさん浴びた場合、生まれてくる赤ちゃんに悪い影響がでることが多いのです。今イラクでは、しゅようができた赤ちゃんや目のみえない赤ちゃん、脳のない赤ちゃんなどがたくさん生まれています。
 イラク戦争は、イラクが核兵器や生物化学兵器をかくし持っているだろうということを理由に、アメリカが攻撃を始めました。その攻撃に劣化ウラン弾が使用されました。下のHPを見て、そのことをどう考えたらよいのか、あなたなりの考えをまとめましょう。

がん子どもたちを襲う(中国新聞より)
劣化ウラン弾被害(森住卓さんHPより)
イラク戦争と劣化ウラン弾(「イラクの子どもたちは今」より)
バスラの病院で(大鹿智子さんHPより)
劣化ウラン弾被爆深刻(中国新聞より)
イラク―戦場からの告発(悲惨な映像です。見るかどうか自分で判断しましょう。)

 湾岸戦争のとき、劣化ウラン弾の害は、アメリカ兵にも説明されていませんでした。ですから、アメリカ兵の中にも、劣化ウラン弾の放射線を浴びて、病気になったりなくなった人がいます。

知られざるヒバクシャ
(中国新聞より)

フセイン体制はくずれたが
 イラクでは、フセイン大統領の独裁的な政治が行われてきました。フセイン大統領に反対する人は、とらえられたり殺されたりもしました。アメリカは、イラクの人々をフセインの独裁的な体制から解放したのだと言っています。フセイン大統領がつかまってほっとしているイラクの人々はたくさんいるでしょう。 。しかし、フセイン大統領がつかまっても、イラクに平和はおとずれていません。戦争によって、多くの人がむざんな死に方をしましたし、今もさまざまな攻撃の犠牲になる人は後をたちません。
 下のHPでその様子を調べてみましょう。

被害報道日誌(アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名運動HPより)
 スクロールするとイラク戦争による民間人の死者の数が表れます。

(2003.4) (2010.1.11更新)