桂) |
ただいま〜。先生、遅くなってすいません。漂介のバカが川にダイブして、しかも足が吊ったらしくてそのまま川に流されちゃって大変だったんですよ。あれ、先生、いないんですか? |
みずほ) |
桂くん、こっちこっち。 |
桂) |
なんですか、先生?う゛あ゛!?せ、せ、先生?なんですかそのかっこう? |
みずほ) |
新作の水着だけど、おかしい? |
桂) |
おかしいっていうか、魅力的っていうか、きわどいっていうか、布の占有率が少ないっていうか・・・・ |
みずほ) |
やっぱりそう? |
桂) |
あ、いや、そーじゃなくて・・・・なんで部屋の中で水着になってるんですか? |
みずほ) |
来週、学校がプール開きになるでしょ。だから。 |
桂) |
先生は現国の教師でしょ? |
みずほ) |
ええ、そうよ。 |
桂) |
そうよって、だから現国の教師が水着になる必要はありません。 |
みずほ) |
あるわ! |
桂) |
ないですよ。 |
みずほ) |
あ、桂くんったら、私に嘘を付くのね? |
桂) |
そんなつもりじゃありません。な、なんですかその自信に満ちた表情は? |
みずほ) |
ちゃーんと調べたもの。 |
桂) |
まさか、また銀河連盟のマニュアルですか?先生、何回言えば分かるんですか?そのマニュアルにはロクなことが書いてないって・・・・ |
みずほ) |
違うの、桂くん。 |
桂) |
何が? |
みずほ) |
今回はマニュアルを現地調達したのよ。 |
桂) |
現地調達? |
みずほ) |
これよ。 |
桂) |
それ、まんがの単行本じゃないですか? |
みずほ) |
そうよ。ほらほらこのページ。保健の先生が水着になってプールサイドに立ってるでしょ?だから私も水着が必要なんだと思って。 |
桂) |
ふうん、これはまんがだから・・・・げっ、なんですかこの内容?もしかしてこれって・・・・先生、この本『成人指定』って書いてあるじゃないです? |
みずほ) |
私、成人だもの。 |
桂) |
いや、そうじゃ・・・・ |
みずほ) |
成人が指定されてるならそれを選ぶのは当然じゃない? |
桂) |
そうじゃなくて・・・・ |
みずほ) |
でも、これ、すごくHな内容よね。私、読みながらドキドキしちゃった。 |
桂) |
だから、『成人指定』なんです! |
みずほ) |
私、成人だから。 |
桂) |
話をループさせないで!いいですか、ここに描かれている内容はフィクション。というより、作家や読者の願望が描かれているだけですって、現実は違います。全然違います。 |
みずほ) |
じゃあ、私がプールサイドに立つ必要は? |
桂) |
ありません。体育教師がやります。 |
みずほ) |
じゃあ、このマニュアルの126ページに描かれている『悩める生徒を先生が体で慰めてあげる』っていうのは? |
桂) |
ありえません。当たり前です。 |
みずほ) |
このマニュアルは嘘なのね!? |
桂) |
マニュアルじゃなくてまんがです。しかも、とびきりHな。 |
みずほ) |
そう・・・・だったの・・・・ |
桂) |
あのね先生、少しはおかしいと思わなかったんですか?いくなんでもこの内容は非常識でしょ? |
みずほ) |
たしかに私もおかしいと思ったけど・・・・でも、それが地球の慣例ならそうするしかないのかなぁって。ほら、地球にことわざにもあるでしょ『郷に入っては、郷に従え』って。 |
桂) |
そんな郷は地球にはありません。 |
みずほ) |
そう・・・・これからはマニュアルの選び方を気を付けないといけないのね。 |
桂) |
つーかさ、先生、この本どんな顔て買ったんですか? |
みずほ) |
普通に。あ、でも、お店の人やお客さん達が怪訝そうな顔してたかも? |
桂) |
まー、そうでしょうね。 |
みずほ) |
私、恥ずかしいことしたの? |
桂) |
ええ、とっても。 |
みずほ) |
いやだ、どうしよう・・・・ |
桂) |
今更遅いですよ。 |
みずほ) |
ふえぇん。 |
桂) |
地球のことで分からない事があったら、俺に相談してください。嘘なんか教えませんから。 |
みずほ) |
うん、ありがとう桂くん。でもこの水着、無駄になっちゃった・・・・ |
桂) |
先生、今度マリエに空間転移してもらって海へ行きましょう。 |
みずほ) |
そんなの駄目! |
桂) |
なんで? |
みずほ) |
だって、こんなきわどい水着、はずかしいし・・・・ |
桂) |
だったら着なきゃいいでしょ? |
みずほ) |
それは、間違えた知識を憶えたからで・・・・でも、せっかく買ったんだし・・・・1回くらい使ってあげないと。あ、そうだわ、お風呂で使えばいいんじゃない?それなら誰にも見られないし。 |
桂) |
もう好きにしてください。 |
みずほ) |
桂くんもいっしょに入らない? |
桂) |
へ!? |
みずほ) |
どうしたの?桂くん、桂くん? |
桂) |
せ、せ、先生! |
みずほ) |
キャアッ。 |
桂) |
マヂっすか!?マヂっすか!?マヂっすか!? |
みずほ) |
桂くん、目が血走ってる!? |
桂) |
だって・・・・だって、だってなんだもん! |
みずほ) |
分からないわ、桂くん。 |
桂) |
俺だって、もう、どうしたらいいか・・・・どうして・・・・あ゛、あ゛、あ゛あ゛〜・・・・・・・・・・・・ |
みずほ) |
桂くん、どうしたの?どうしちゃったの? |
桂) |
せ、先生・・・・俺はそのことを想像しただけで、おなかいっぱいです・・・・。 |