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ヨゴレちゃんからこむぎちゃんへ

 2002年10月の事、あるお宅に1匹の仔猫がやってきました。
生後3ヶ月ほどのその仔はたった一人で生きてきたらしく、とても警戒心の強い仔でした。そのお宅には仔猫が来る前からご飯を食べに来ていた黒猫さん一家がおりました。その仔は何時の間にか一家に混じってご飯を貰うようになったのです。それでも生まれてたった数ヶ月の間に色々な辛い思いをしたのでしょう。最初は夜人影がなくなってから来ていました。私のお友達である仔猫が現れたお宅の主婦、ちゅーたさんはその仔がとても気になりました。ちゅーたさんのお宅には既に3匹の猫がおりました。その中のももちゃんは猫エイズ陽性の老猫です。ももちゃんにストレスを与えるのは病気のために良くない事です。でも、その仔猫を何とか保護し出来る事なら優しい里親さんを探したいと思っていました。彼女の優しさにその仔猫も次第に心を開いてきました。ただ、まだ保護できる所までは行っていませんでした。
 その頃その仔猫は彼女の家に来る人たちに「ヨゴレちゃん」と呼ばれていたそうです。何故なら、その仔猫は一般にサビ猫と呼ばれる種類で、色目は綺麗な方ではない上、ガリガリに痩せ栄養状態が悪いせいか毛もボソボソでまるで汚れた雑巾の様だったからです。ヨゴレちゃんは心を少しづつ開きちゅ-太さんのお宅の庭で過ごす事が多くなりました。まだ保護出来ないヨゴレちゃんの為にちゅー太さんは庭に即席のお家を作りました。段々心を開いてきたヨゴレちゃんは、それと共に人恋しくなったようです。夜台所の電気が点くとそちらに顔を向け、リビングに光が移るとヨゴレちゃんもそちらに顔を向けていたそうです。
 1ヶ月くらい経った頃でしょうか、ついにヨゴレちゃんは家の中に保護されるようになりました。家の中に保護されたヨゴレちゃんは、誰も教えないのに猫トイレでトイレをし、とても頭の良い仔と分かりました。そして病院で検査。検査結果は猫エイズ、白血病共に陰性。ただ、保護されるまで飢えをしのぐ為にカエルを食べていたらしく、マンソン裂頭条虫に感染していました。


その頃のヨゴレちゃん

黒猫さん一家に混じってご飯を食べに来たヨゴレちゃん。まだ警戒心の強い頃です
ご飯を食べ終わって毛づくろい
少し余裕が出てきたかな?
まだこの細さ
それに毛も艶が無くボソボソです
サビ猫なのに目がパッチリとして
とても美人猫さんです
大分慣れてきたかな?
ビニールカバーを掛けてあるのが
ヨゴレちゃんの即席お家