長野県小諸市
信州小諸。群馬から信越自動車道に乗り、軽井沢を過ぎるとまもなく小諸の
町に到着する。北国街道の宿場町、牧野家1万5千石の城下町として栄え、
浅間山を望む古い町の面影が残る。
小諸が全国的に有名になったのは、明治32年から7年ほどを青年期の
島崎藤村が住み「千曲川旅情のうた」「千曲川のスケッチ」などの作品の舞台
になったからだ。小諸義塾の教員をしていた藤村は、小諸の町や千曲川の
流れを愛した。
城門や野面積みの石垣が残る小諸城跡は「懐古園」として整備され、全国でも
好きな城跡公園の一つだ。戦国期の匂いがする三の門から森林浴を楽しみな
がら藤村記念館、天守台の石垣を過ぎると展望台に至る。「千曲川旅情のうた」
の歌碑があり、断崖の下を千曲川が流れる。朝の新鮮な空気を吸い込みながら
秋の爽やかな風を感じていた。
島崎藤村の関連ページ
懐古園
小諸城跡は、しなの鉄道小諸駅の裏手
にあり、町よりも低いところにある全国的
にも珍しい縄張り。
1万5千石の藩としては立派な城郭だ。
幕末の小諸騒動の際に、牧野家の
本家である長岡藩から河合継之助
が出張し仲裁している。尊敬する河合
継之助の面影を求める意味でも、何度
も小諸を訪ねている。
大手門や本陣の建物を見ているだけでも、小諸の繁栄を
しのぶことができる。今度訪れる時には、藤村ゆかりの
小諸義塾、蕎麦屋、中棚荘を歩きたい。
江戸時代初期まで3層の天守閣が建って
いたが、落雷のため焼失したらしい。
大手門
北国街道の宿場町の面影