太宰治が美和子夫人と新婚時代を過ごした、山梨県の甲府を訪ねた。からっと
した初夏の陽気の中、甲府市街の緑も輝き、僅かに頂上に雪が残る富士山も
綺麗に眺めることができた。
甲府駅から北西の方向に少し走った朝日5−8−10番地が旧宅の跡だ。
一方通行も多く非常に判りにくかったが、散歩中のおじさんが教えてくださり
旧宅跡の碑にたどり着くことができた。最後に住んでいた三鷹市もしかりで、
まったく看板もなにも無くわかりにくい。これでは、山梨の人でも太宰治が甲府
の女性と結婚し、一時期、甲府に住んでいたことを知らないのかもしれない。
昭和13年に、御坂峠天下茶屋に滞在中に井伏鱒二の仲人で石原美和子さん
と見合いをし翌年結婚した。美和子夫人は当時、都留高等女学校の教師だった。
甲府の新婚生活は昭和14年1月〜8月の短い間だったが、美和子夫人の実家
がある甲府はたびたび訪れ、温泉好きの太宰は湯村温泉などで湯治している。
太宰は甲府の町を散策しながら富士山を眺め、武田信玄の館跡である武田神社
などにも足を伸ばしたことだろう。
太宰の時代からあったと思われる、
古い家。新婚の家近く。
甲府市郊外の湯村温泉。
旅館「明治」に滞在。
太宰治関連ページ
波乱万丈の生涯を送った、一人の作家の軌跡。
山梨県甲府市
太宰新婚の家跡
この旅館で「正義と微笑」「右大臣実朝」
を執筆。
甲府城跡
「新樹の言葉」の舞台。
犬将軍綱吉の側用人柳沢吉保の城と
して有名。
館林城主綱吉とともに、館林に住む。
甲府駅前の甲府城跡は、甲州街道の拠点として幕府直轄の城であり
石垣も立派。最近、復元工事が進んでいる。
積翠寺温泉
甲府市北の積翠寺温泉は、武田信玄
生誕の地として有名。
太宰ファミリーも訪れている。
吉保の墓所