後藤の部屋

No.53 コロナとの戦い38  危機の今やるべきこと

 新しい年が始まってコロナ感染が急拡大しています。感染しているのは、今までとは違うオミクロン株ですので、今までとは違う対応が必要です。まず感染力が非常に強い。今までと同じようにやっていては感染は防げないようです。事実感染が急拡大しています。次にワクチンが効かない。3回目の接種が有効と言われていますが、間に合いそうにありません。幸い重症化する人は少ないようです。治療法も進歩しており重傷者があふれて医療崩壊を起こす危険は低いでしょう。しかし、無症状または軽症の患者が急増することによりエッセンシャルワーカーが出勤できなくなり社会機能を維持できなくなる可能性は高く、実際沖縄では救急医療に支障が出始めているようです。病気になっても助からない、これは社会の危機です。

 今やるべき事は自ら感染者にならないように最大限の努力をして、社会的責任を果たすことです。この危機が去るまで感染者がいるかもしれない状況で、マスクを外すことは控えた方が良いでしょう。以前のテイクアウト方式で食事する方が安全です。集団で食事する場合は沈黙が必須です。若い頃米国の空軍士官学校を見学したとき、大食堂で全員一言も発せず食べ物を口に運んだら口を閉めて手を置きよく噛んで飲み込んでから次を食べていました。そんな米軍の中でも感染が拡大したのは驚きです。感染力が強ければ何をやってもでしょうが、今はできることをやるしかありません。そして戦いで最も大事なこと、それは戦場を離脱せず自分の任務を続けることです。エッセンシャルは絶対必要なという意味です。いなくなると困ります。最大限の努力をして感染を防ぎましょう。自分はエッセンシャルでないという人もそれぞれの立場で感染を広げないように、患者にならないように努力しましょう。全員で力を合わせてこの危機を乗り切りしましょう。


2022年01月11日

No.52 コロナとの戦い37  転ばぬ先のシコ

 本日大リーグの大谷翔平選手がMVPを受賞しました。痛快なことです。日本では大相撲九州場所が始まりました。まだ観客は少ないですが日常が戻って来つつあるように思います。

 歳をとってくると少しの段差でも転ぶことが多くなってきます。どうしたら転ばなくなるか、それには目の前の相手を転ばせることで勝負をつける相撲が参考になります。土俵から押し出しても勝ちではないかとのご意見もあるでしょうか、それは体重で決まります。大きな相手に押されてもその力を利用して転ばせて勝つ相撲の醍醐味は他にはありません。折りしも数々の大記録を塗り替えた横綱白鵬が引退しました。モンゴル人の身体の丈夫さもあるのでしょうが、その偉業が達成できたのは誰よりも多く四股(シコ)を踏んだからと言われています。

 四股とは何か?相撲の超人的な技を可能にする基本が四股であるとのことです。これは松田院長の弟さんで長く力士をされ、シコの研究から「転ばぬ先のシコ」など多くの著作のある元・一ノ矢さんの本からの受け売りです。ご興味のある方は一度読んでみてください。目から鱗で面白い。相撲の取り組みも四股を理解して腰の働きに注目すればまた違った面白さがあります。何より四股は私たちの生活にも有益です。四股をやると転ばなくなります。相撲の技の掛け合いで転びそうになるのをこらえるのは大臀筋や大腿四頭筋のような大きな筋肉ばかりではなくその奥の股関節周囲にある小さな筋肉が大事です。詳しくは本を読んで欲しいのですが、股関節周囲の小さな筋肉が強くなると股関節がガッチリと骨盤にはまり込んで一体となってバランスを取ることができます。そこが緩むと簡単に転んでしまいます。高齢の患者さんは少しの段差につまずいて、崩れ落ちるように転んでしまうことが多い。力士のように踏ん張れないのでしょう。ですから転ばなくするには四股を踏んでこの股関節の奥の筋肉を鍛えることはとても有用です。結論:転ばないために四股の練習をしましょう。簡単にできますが奥が深い。しかも一生懸命やると汗が出るくらい良い運動です。注意として頑張ってやりすぎると痛みが出ますので、足は少しだけあげて毎日10回くらいから始めて続けましょう。せっかくやるなら正しいやり方でやった方が効果があります。

 日本ではコロナ患者が減ってもうどこかに行ったような感じですが、欧州や隣の韓国ではまた患者が増えてしかも重症者も増えています。ワクチンを接種した人の効果が切れてブレイクスルー感染が起こっているようです。他国で起こることは日本でも起きるでしょう。去年も年末患者が急増しました。経済対策も大事でしょうが、コロナ感染が拡大してしまえば社会に大打撃となります。今回こそは適時適切に準備して国としてこの戦いに勝利して欲しいと思います。四股は邪悪なものを地面に押し込めるために行われた神事であったとのことです。四股を踏みながら感染対策を怠らず、抜かりなく寒い冬に備えましょう。



2021年11月22日

No.51 コロナとの戦い36  日常は戻るか?

 8月は非常に厳しい戦いが続いていましたが、9月になって突然コロナ患者が減少して、日常の生活が戻りつつあります。

 患者が減少した理由は色々と言われていますが、1番はワクチンの接種が進んだことだと思います。1人感染しても周りの人がワクチンを打っていれば感染は広がりません。ワクチン集団接種の予診の仕事もやりましたが、摂取会場の熱気は凄まじいものがありました。問診を丁寧に行おうとすると事務の人が「先生、外でたくさん待ってるんです。もう少し手早くできませんか。」とプレッシャーをかけてきます。中に1回目のワクチン接種で強い副反応が出た人がいて、全身の皮膚が赤くなって剥がれてしまったと言っていましたので「2回目はもっと強い反応が出るかもしれないので見合わせた方が良いのではないでしょうか?」と言ったところ、「このウィルスとの戦いは、人類の存亡をかけたものです。家族もいるのでワクチンを打ってください。」と懇願されました。仕方なく、もし副反応が出たら速やかに病院に行くようにと言って許可しました。その人が出て行ったすぐ後にまた事務の人が来て「先生、早くしてください!」松田整形外科の外来も忙しい方だと思いますが、ここに比べれば大した事は無いかと思いました。ワクチン接種を進めた政治家の功績もあるでしょうが、一番は何とかコロナに勝とうという国民の頑張りであったと思います。

 まだ安心はできませんが、今回は日常診療のお話をします。外来にはたくさんの方が骨粗しょう症の治療で通ってこられます。先だって他の病院できちんと骨粗しょう症の治療を受けていたのに圧迫骨折した患者さんが来られました。骨密度を測ってもらったのですが正常でした。不思議なこともあるものだと、患者さんに話を詳しく伺いましたがなぜ骨折を繰り返すのか分かりません。理由がわからないとまた骨折してしまいます。私が師事していた先生は遺伝性の骨の疾患の専門でしたので、「もしかして、ご家族に骨折しやすい人はいませんか?」と聞いたところ「いえ、家族に骨の病気はいません。」「骨の病気はない、では何の病気があるのでしょうか。」「肺の病気です。肺気腫とか」「え、肺気腫!ではタバコを吸うのですね。」「ええ、吸っています。」「それだ!喫煙は骨折しやすくなるんですよ。原因がわかりました。タバコをやめましょう。」と鬼の首でも取ったように、喜んで言ったら、「タバコはやめられません。」とのこと。しばらく押し問答が続きましたが、ひとまず時間をかけて禁煙を考えてもらうことにしました。理由は一つではないのですが、タバコを吸うと骨粗しょう症になりますし、骨折もしやすくなります。整形外科の手術の前にまず禁煙しましょうと言うのは、手術後に骨が治りにくいためです。タバコを吸っても良い事はありません。タバコをやめればいいことばかりです。やめられないと思わせているのはタバコに含まれている依存性の強い成分です。脳をタバコから解放して健康になりましょう。


2021年10月25日
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