Chick Tack 英語5文型  >  メール・マガジン『中学英単語』  >  451号〜500号目次  >  486 world

world

     http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/index.html
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┃_┌───┐ 中学英単語   第486回   world           ┃
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486.world



<発音>――――――――――――――――――――――――――――――――
★[w∂:rld ワールド(米)][w∂:ld ワールド(英)]


<品詞と意味>―――――――――――――――――――――――――――――
★[名詞]  {複数形:worlds[w∂:rldz ワールズ]}

       {合成語:worldwide「世界的な[に]」「世界に広まった」}


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☆(1)世界  (通例 the を伴う)

 We took a trip around the world.《中2》
  (“Scholastic Children's Thesaurus”John K. Bollard)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/referw01.html#sct
   「私たちは世界を周って旅行した」「私たちは世界旅行をした」

  the world と the earth は重なる部分もありますが、earth が「天体」を
  重視しているのに対し、world は地理的なものに加え、人や、時には文化ま
  でも含めることがあります。

 It's one of the most famous colleges in the world.《中2〜3》
  (“The Great Gatsby” by F. Scott Fitzgerald)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer04.html#gatsby
   「それは、世界でもっとも有名な大学の1つです」

  it は Oggsford College のことを指しています。Oxford University のこ
  とを、登場人物が間違えて発言しているようです。


 The United States is in the western world.《中1》
  (“The AMERICAN HERITAGE Children's Dictionary”Houghton Mifflin)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/dicchild.html#heri
   「(アメリカ)合衆国は西洋世界(の中)に入る」←「中に居る」

  日本語でも言うように world が「特定の地域」「一定の領域」を指すこと
  があります。

 She knew little about the world of politics.《中2》
  (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#ldoce
   「彼女は政治の世界については、ほとんど知らなかった」

  a の付かない little は「ほとんど〜ない」と〔否定的〕な意味を表します。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/251-300/284little.html

  「政治の世界」という分野・領域を表しています。

  People all over the world are trying to find other fuels. 
  (平成25年度和歌山県高校入学者選抜学力検査問題5の長文中)
   「世界中の人々が、他の燃料を見つけようと努力しています」

  “all over the world”で「世界を覆ってすべて」→「世界中」という意味
  を表します。all に〔代名詞〕〔形容詞〕〔副詞〕の働きがあるため、全体
  でもいろんな場所でそれらの働きをします。


<教科書採用状況>―――――――――――――――――――――――――――

  ★★★★★★ 6/6

  1年初出2社、2年初出4社です。


<語源>――――――――――――――――――――――――――――――――

  world はゲルマン語起源の言葉で、古英語期の形は weorold。woruld,     
  worold の形も見られ、古英語期中に world の形も生まれています。

  ゲルマン祖語では、weor に当たる部分が「人」、old に当たる部分が「時
  代」という意味を表していたようです。「人間として生きている時期」→ 
  「現世」(生まれる前の世界と死んでから行く世界との中間)→「この世で
  の人間生活」→「人間の生活が行われる場所」→「世界」と流れたと考える
  と納得できます。

  古サクソン語は werold、古フリースランド語は warld、オランダ語    
  wereld、古高地ドイツ語 weralt、 現代ドイツ語 Welt です。
                      ..
  古北欧語は verold、現代スウェーデン語 varld、ノルウェー語 verden で
  す。


  「巨匠指揮者」のことを「マエストロ」と言うことがあります。maestro は
  多分イタリア語由来の言葉です。

  「楽器演奏の名手」や「巨匠演奏家」のことは「ヴィルトーソ」「ヴィル 
  トーサ」と言います。virtuoso, virtuosa。これらもイタリア語由来の語で
  すが、ラテン語の vir「人」という言葉からできました。この vir はイン
  ド・ヨーロッパ祖語までさかのぼると、world と同語源になります。


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  「世」は「十」の字を3つ並べ、一番左の「十」の縦棒を下に伸ばし、右へ
  曲げて書いた字と説明されています。

  「三十年」という意味で、三十年で次の「世代」に生を受け継ぐようになっ
  ていることから、「人の一生」「生涯」や「人の生きる社会全体」を指すよ
  うになったと考えられています。

  『常用字解』などの著者白川静氏の意見はユニークで、甲骨文字だけではな
  く、金文などからの研究により「木に新しい枝が伸びて芽が出ている様子」
  を表していると解釈しています。

  新しい芽が生えてくることから「人の生」「人生」「一生」「人の生きる世
  の中」などの意味で使われるようになったとしています。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/words100/referj.html

  ひらがなの「せ」、カタカナの「セ」は、この「世」という漢字から作られ
  ました。


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  大和言葉の「よ(世)」は、竹の節(ふし)と節の間のことを指す「よ  
  (節)」と同語源語です。誕生から死までの区切られた「人の一生」を表し
  ています。

  一代の天皇が治めた期間のことも「よ(世)」と言いました。例えば「昭和
  の世」で「昭和の時代」を指します。この「世」の使い方は「その時代の社
  会全体」を表すようになり「世の中」や「世界」という表現につながります。

  日本では「よ」というのは、「稲作の期間」などの比較的短い期間を指す言
  葉として使っていました。これを文字で表すときに「世」という漢字を使 
  ったため、中国の意味に引きずられ「人の一生」ほどの長い期間を指すよう
  になりました。

  ちなみに、1軒の家のことを「世帯(せたい)」と言います。一家の代表を
  「世帯主(せたいぬし)」と表します。これらに使われている「世」は「所
  帯(しょたい)」の「所」の漢字を替えたものです。「所帯を持つ」とか 
  「所帯持ち」という言葉を聞いたことがあるかと思います。

  古代の「帯」は「官職」や「財産」を表していました。「所」は所有すると
  いう意味ですから、「官職を持つ」「財産を所有する」という意味で「一家
  を構える」という意味になったのでしょう。

  いくつかの世代を帯で括(くく)って一まとめにするのが「世帯」だという
  説明は説得力がありそうですが、違うようです。


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次回は worry です。
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◆あとがき◆

 土曜日はお茶刈りをしました。日差しが強く、とても暑く、倒れそうでした。
 風がなかったら熱中症になっていたかも知れません。


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 ◆ブログ『丹生川郷下村通信』:http://sobey.at.webry.info/


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