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[6]英文の主語になる“the+分詞”

分詞とは形容詞なのです。動詞を形容詞として使いたいときの、1つの方法が、その動詞を分詞にしてしまうというものです。使いたい意味によって、現在分詞・過去分詞を使い分けます。

分詞が形容詞としてよく使われるようになると、そのうちに形容詞として認知されます。辞書に形容詞として載るのです。こういった語を【分詞形容詞】と呼ぶことがあります。分詞形容詞は比較変化をします。

分詞形容詞と分詞の形容詞的用法の違いについては、このページの本題ではないので、ここではやめておきます。“the+形容詞”が、英文の主語になれるんだったら、“the+分詞”も英語の主語になれるでしょう。そのお話です。

(1)the 分詞=分詞 people

英語では、“the+分詞”が“分詞+people”という意味を表す【複数名詞】になることがあります。

(1) The wounded and the dying were lying there.

「負傷者や瀕死の人々が、そこに横たわっていました」という意味になります。この文の主語は、The wounded, the dying です。wounded は、wound「〜を傷つける」という他動詞の〔過去分詞〕です。他動詞の過去分詞は「〜される」という受身の意味を持ちます。したがって、「傷をつけられた」という意味になり「傷ついた〜」を表す事ができます。

また、dying は die「死ぬ」という自動詞の〔現在分詞〕です。現在分詞は「〜している」という意味になります。「死にしている」という日本語はおかしいので、「死にかけている」と考えてください。「死」という動作が進行中なのですね。

the wounded = wounded people, the dying = dying people を表しています。これらは〔複数名詞〕を表していると考えられます。

もう一つ例文を、

(1-2) The educated are not always gentle.

「教育を受けた人がいつも温厚ではない」→「高学歴の人は、必ずしも温厚であるとはかぎらない」

the educated = educated people ですね。

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(2)普通名詞の単数扱いとなる“the+分詞”

“the+分詞”が、単数の普通名詞となる場合もあります。実は、[5]主語(S)になる“the+形容詞”の(2)の例文には、〔分詞〕が使われています。〔形容詞〕と銘打っておきながら、だめですね。でもジーニアス英和辞典をはじめ、複数の辞書で形容詞として認知されています。

(2) The accused held back the name of his partner.

「その被告人は仲間の名前を言い渋った」という意味になります。この使い方の“the+分詞”は、普通単数を表します。(1)とは違いある特定の人を指します。the accused person と the 付きで書き換えることができるでしょう。複数を表すときもありますが、特定の人物であることは共通します。

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(3)(数えられない)抽象名詞となる“the+分詞”

“the+形容詞”が、「〜なもの」「〜のこと」という【抽象名詞】となることもあります。抽象名詞は単数扱いとなります。

(3) The unexpected has occurred.

例文(3)は、「予期せぬことが起きた」という意味です。The unexpected が“the+分詞”で、the unexpected thing[matter] を表す抽象名詞となっています。unexpect という動詞は、普通の辞書には載っていないので、unexpected という〔形容詞〕と考えた方が無難なようです。

ということで、わざわざ1ファイル作らずに、[5]主語(S)になる“the+形容詞”と一緒にしておけばよかった。でも、せっかくつくったので、このままにしておきます。

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