2007年末のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2007年12月12日著/2008年1月11日追記)
エプソンとキャノンから、2007年年末商戦向けのプリンタが発表された。これらの製品をプリンタ、複合機、ダイレクト印刷対応プリンタの3種類を価格帯別に比較していこう。各比較は、独立したページとして用意してあるので、下記のリンクから飛んで頂きたい。
今年はそれほど大きな変化がなかったといえる。エプソン・プリンタ共に、弱点を改善してきた印象である。例えばエプソンの場合は、これまで2機種だった前面給紙対応機が3機種に、自動両面印刷が1機種のみオプション対応だったのが、1機種標準搭載、1機種オプション対応となっている。また、液晶の角度調整が行える機種も1機種から4機種に増えている。 一方のキャノンも、写真の自動補正機能を強化したり、手書きナビシートの手書き部分に写真が薄く印刷されるようになりエプソンと同等になったりと確実に不満点が少なくなっている。 また、両メーカー共にダイレクトプリント対応プリンタ(コピーは出来ないがメモリカードからのダイレクト印刷が行えるプリンタ)が姿を消し、複合機と単機能の2つに集約されたのも今年のモデルの特徴である。
今年のエプソンのラインナップは去年と比べてどのようになっているか、まずは見てみよう。
複合機のラインナップは6機種のままであるが、最上位機種のPM-T990と最下位機種のPX-A620は継続販売となる。インク滴や印刷解像度などに変化は見られず、インクも従来通り「つよインク200」又は「つよインク200X」を採用する。ただし、5種類のドットサイズを打ち分ける「Advanced-MSDT」対応機では、1.5〜7ピコリットル範囲で5段階だったのが、1.5〜11ピコリットルで5段階になり、印刷スピードが若干向上している。 PM-T960はPM-A970の後継扱いだが、品番がPM-AからPM-Tに変更になった事から判るように地上デジタル放送のデータ放送をプリントしたりやデジカメダイレクト印刷時にテレビで写真確認ができるようになった。さらに、有線・無線LAN接続に対応し前面給紙カセットや自動両面印刷にも対応しているなど機能アップしている。その一方で品番が970から960に下がっているため、CD/DVDドライブが省かれたほか、スキャナ解像度も4800dpiから3200dpiになり、液晶サイズも小さくなり前面インク交換もできなくなっている。PM-A940はPM-920に比べ高速化しているが、スキャナが3200dpiのCCDから1200dpiのCISとなりフィルムスキャンができなくなってり液晶サイズも小さくなっている。PM-A840はPM-A820と比べ印刷速度が若干高速化している。PX-A740はPX-A720と比べ液晶サイズが大きくなり角度調整が可能になったほかUSBメモリからの写真印刷に対応したが、カードや名刺サイズの用紙に非対応になり最小がL版となった。 単機能機の3機種はPM-G850がPM-G860に、PX-V630がPX-V780になっており、それぞれ印刷が高速化している。特にPX-V780はL版写真も202秒から77秒に大幅な高速化している上に、黒インクを2本搭載する事でノズル数がエプソンプリンタ最高の360ノズルとなり、1分に37枚のA4モノクロ印刷ができるという事だ。ちなみにPM-G860のPictBridgeに非対応になった点は注意が必要だ。A3ノビ対応機は顔料のPX-G5100はPX-G5300となり、染料のPM-G4500は継続販売となる。PX-G5300はPX-G5100からインク構成を変更しており、ブルーインクを廃しオレンジインクを搭載している。また、印刷速度が若干向上し、PictBridgeやオートフォトファイン!EXにも対応している。 コンパクトプリンタはE-700がE-720、E-500がE-520、E-300がE-300Lとなっている。画質面での変更はないが、E-720とE-520はそれぞれE-700とE-500に比べて印裂く速度が若干アップし、液晶サイズも大型化している。また、E-720はテレビでメモリカードの写真を確認して印刷できる様になっている。ちなみにE-300LはE-300の色違いであり(Lはラベンダーカラー)、機能的に変化はない。 画質補正の面ではオートフォトファイン!EXが進化し、撮影シーンの自動判別の種類が去年の「人物」「風景」「一般画像」だったのに加えて、「夜景」を追加し判別精度を向上させている。またナチュラルフェイス機能も搭載され、物の輪郭を自動検出してあごの周辺をスリムに見せる「小顔補正」と、肌の白さを強調する「美白補正」を行えるようになっている。 全体の傾向として、これまで2機種だった前面給紙対応機がPM-T990/PM-T960/PM-A940の3機種に、自動両面印刷が1機種のみオプション対応だったのが、PM-T960が標準搭載、PM-A940がオプション対応となっている。また、液晶の角度調整が行える機種も1機種からPM-T990/PM-T960/PM-A940/PX-A740の4機種に増えている。
今年のラインナップが去年と比べてどのようになっているか、まずは見てみよう。
今年はラインナップが若干整理された傾向がある。複合機が5機種から4機種に、ダイレクトプリント対応機が消え、コンパクトプリンタも2機種から1機種に減っている。複合機と単機能プリンタ、コンパクトプリンタは全機種が新機種となっている一方で、A3ノビ対応プリンタは3機種とも継続販売されている。 今年の特徴は「自動写真補正」と「クイックスタート」である。「自動写真補正」は前機種が搭載していた「顔明るく補正」などの機能を進化させ、エプソンのオートフォトファイン!EXと同じレベルにしたものだ。写真の顔検出を行いシーン分類をしてから補正をするようになり補正能力が上がっているほか、前機種ではダイレクト印刷時しか対応していなかったのが、ダイレクト印刷・パソコンからの両方に対応している(ダイレクト印刷はMP970/MP610/MP520/mini360のみ)。「クイックスタート」は電源ボタンを押してからキー操作が可能になるまでの時間が高速化されたものであり、機種によって異なるものの4秒〜6秒となり、ストレス軽減が図られている。今回の機種からメモリーカードスロットがスマートメディアに対応しなくなり、直接挿入できるのはSDとメモリースティック、コンパクトフラッシュとなった。また、手書きナビシートがエプソン同様に手書き部分に写真が薄く印刷されるようになった。 それ以外の変更点を順に見ていこう。写真補正PIXUS MP970はPIXUS MP960の後継機で地デジのデーター放送の印刷が行えるようになったほか、有線LAN接続ができるようになっている。ただしPM-T990/T960の用にメモリカードスロット内の写真をテレビに表示する事はできない。PIXUS MP610はPIXUS MP600の後継である。従来のPIXUS MP810にあった高ノズル数が継承され、L版写真印刷速度が18秒と高速化している。また手書きナビシートが上位機種同様CDレーベルに対応した。スキャナ解像度も4800dpiに向上しているが、CIS方式でありフィルムスキャンには対応しない。PIXUS MP520はPIXUS MP510の後継機種だが、印刷速度が若干高速化し液晶サイズも微妙に大型化している。手書きナビシートにも対応し、スキャナ解像度も2400dpiにアップしている。一方で赤外線通信機能は省かれている。PIXUS MP470はPIXUS MP460の後継機種で、デザインがPIXUS MP520に近い物に変更された。印刷速度も向上し、スキャナ解像度が2400dpiに向上している。一方で液晶が微妙に小さくなっている他、赤外線通信機能が省かれている。 単機能プリンタはPIXUS iP4300の後継として印刷速度を大幅に高速化したPIXUS iP4500を、PIXUS iP3300の後継としてPIXUS iP3500を発表している。PIXUS iP4500はPIXUS MP610同様に印刷が高速化している。PIXUS iP3500は印刷画質やスピードに変化はなく、デザインの変更と、上記の補正機能の向上が変更点と言える。 コンパクトプリンタはPIXUS mini260の後継としてPIXUS mini360が発表された。L版写真印刷速度を10秒短縮し、写真補正機能を向上させたほか、利用できる用紙をL版/はがきサイズから、2L版/はがきサイズまで大型化している。
各機種を詳しく見てみよう。価格帯別の比較、独立したページとして用意してあるので、下記のリンクから飛んで頂きたい。
(H.Intel) 今回の関連メーカー エプソンホームページ http://www.epson.jp/ キャノンホームページ http://canon.jp/
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