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建設記録とレイアウト製作上のエピソードやテクニックなど Let's BGM(汽車)

レイアウト製作までの過程
★★鉄道模型との出会い★★
 昭和40年代日本中に巻き起こったSLブームの真っ只中、私は小学校高学年でした。自宅から自転車で行けた国鉄・関西本線の起点、湊町(現在のJR難波)駅へ、毎週日曜日にイベントで走るD51の写真を撮りに行ったり、時刻表とにらめっこしながら、大阪駅のホームで列車の撮影に走りまわったりと、実物の鉄道ファンだったのです。
 そんなある日、大阪・弁天町にある交通科学館で、鉄道模型のパノラマ(HOの大レイアウト)に魅せられ、また書店で実物系の雑誌を立ち読みしていたときに、すぐ隣に並んでいた「鉄道模型趣味」誌を発見し購入したのが、鉄道模型の世界へ足を踏み入れるきっかけとなりました。
 そして親にねだって買ってもらったカツミのHO入門セット(EB型電機と2軸貨車2輌)のお座敷運転で遊んでいましたが、駅や鉄橋といったストラクチャーを少しずつ買っているうちに、レイアウトが欲しくなり、父親に台枠を作ってもらったり、たまたま空いた当時の自宅のスペースに線路を引き回すこともやりかけました。が、なにぶん子供のことでお金がなく、途中で放ってしまいました。
 その後、中学生になってから知り合った友達が、「もういらないから」と、関水金属(現在のKATOブランド)製EF70をくれ、Nゲージなら何とかなると転向を決意。今度は欲張らずにと、ベニヤ板1枚のクッキーカッター式本格的台枠を作成しました。線路の敷設までは漕ぎ着けたものの、他のことに興味を奪われたり、家庭の事情で模型どころではなくなったので、その後数年ほこりをかぶったまま廃棄となり、模型歴もその間中断となってしまうのです。
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DD51顔アイコン ★★レイアウト建設開始へ★★
 しかし心の中に「いつかはレイアウトを…」という夢は持ち続けていましたので、月刊誌は欠かさず購読し、社会人となってからはお小遣いの許す範囲内で車両を少しずつ購入して、組み立て式線路で走らせていました。そして現在の家に転居し、数年後に同居していた弟が転勤となり空いた部屋を見ていると、建設意欲がムラムラと湧いてきたのです。しかも車のローンがもうすぐ終わって資金的にも目途がつくことがわかり、さっそく部屋の寸法を実測し、どの程度の規模にするか検討を始めました。
 ただこの部屋はレイアウト専用にはできないため分割式にする必要があり、どのようにスペースを区切るのかで頭を悩ませました。もともと毎日通勤で利用しているJR京都線をモチーフにしてメインは完全複々線にするとは決めていましたが、ラフなプランニングの段階でも4本の平行する線路を引き回すにはスペース的にも無理で、さてどうしたものかと、無い知恵を絞る毎日の連続…。
 ある日、設計用に買ってきた大きな方眼紙に、10分の1の部屋の図を書いてよく見ると、KATOのカタログに掲載されている900o×600oのレイアトパネル9枚が、柱の部分を除いてピタリと部屋の周囲に並ぶことに気づきました。それならと「ロ」の字型の周回式を採用。これならば複々線をゆったりと配置できます。また、走行する列車全てが一度に目に入るブランの不自然さが好きでなく、運転席の周りを周回するレイアウトが好みでしたので、この形に決定となりました。
 さて、基本のベースが決まれば、具体的な配線ブランへ移ります。レイアウト製作経験者ならずとも、最も楽しい時間でありながら、希望・理想と現実のスペースとの苦しい戦い?の始まりです。

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★★プランニング=設計のコンセプトvol.1★★
 いよいよプランニング開始となりましたが、その前に次のようなコンセプトを設定しました。
1.モチーフは毎日通勤で利用しているJR西日本の京都線であるため、本線は複々線とする。
2.8両編成以上の列車が走行するのをゆっくりと眺められるよう、複雑な線路配置・運転方式はとらない。
3.市街地・郊外・トンネル・鉄橋を各ブロックに盛り込み、変化のあるシーナリーにする。
4.非電化のローカル線と引込み線のヤードを、少々無理をしても組み込む。
5.レイアウトパネル2枚で1ブロック(Cブロックのみ1枚)とし、接続用の線路はベースの接続面と直角にクロスする。
 メインステーション(向日水駅)は、それだけで1ブロックを使用したため、10両編成の停車が可能です。ただし特急がこの駅を何度も通過・停車するのは不自然であり、1周するたびに止めていればゆっくりと眺めることはできません。そこで複々線の外側線を駅の手前で下に降ろし、駅をアンダーパスさせてみました。これでメインの駅を出発した列車は、中間駅(長岡昨日駅)の両渡りポイントで外側線に移り、トンネルをくぐって・鉄橋を渡り・小さな駅を通過する…というコースを数周してから、再び内側線に戻って駅に進入するというロングラン?が可能となります。ただ、駅前後の勾配区間を短くするために内側線を登り勾配で上へ上げましたので、ホームがビル5階部分の高さになってしまいました。これもスペースとの格闘?の結果ですね。
キハ58顔アイコン

キハ181系キハ181系キハ181系キハ181系キハ181系

EF58顔アイコン ★★プランニング=設計のコンセプトvol.2★★
 ローカル線は非電化の単線で、京都線の旧線が残っているという設定です。本線の周囲を走るだけではおもしろみがないので、C・Dブロックを使ってループのトンネルを作りました。ブロックに向かって右手からトンネルに入った列車は、長いループトンネルを抜け、西大爺駅の左手から進入してきます。そして駅を出発し、右側から再び長いトンネルに入りループを通り、左手Eブロックの鉄橋へ出ます。無事にトンネルから出てくるか、結構スリルのある運転が楽しめる?ようになりました。なお西大爺駅は貨物側線や機関車駐泊設備を設けてあり、ちょっとした入れ替えもできます。
 一方、ヤードへの引込み線は、向日水駅下にある信号所?で上下線の間に分岐させ、本線の内側・外側の線の合流部の下をくぐってヤードへの進入となります。この線はヤードの一番端にある暇崎駅への路線と共用になっており、もともと運転所に勤める職員専用だった乗降場を、地元住民の要望で旅客扱いを開始したという設定にしてあります。ヤードのベースは、KATOのベースボードを使用すると運転のスペースが無くなってしまうため、廃材を使って自作することにしました。当初は貨物駅も…、と思ったのですが、列車の留置数が限られてきますので断念し、小さいながら機関区のある運転所となりました。将来的には同じ大きさのベースボードを作って貨物ターミナルを製作し、気分によって入れ替えることも考えています。
 ここらあたりが分割式のメリットのひとつで、極端な例になりますが、飽きがきた時、両端のシーンがつながるようにさえすればひとつのブロックのシーナリーをそっくり作り替えることも可能なわけです。

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★★製作上のコンセプト★★
 プランニングが終わり、実際に製作する上での大前提として、途中で投げ出してしまわないように「手間を省く」ことを方針としました。そしてそのために次のようなコンセプトを決めました。
1.線路は道床付きを使用する
以前フレキシブルを使ったレイアウトを作りかけ、その敷設に結構苦労したため。またポイントの敷設やマシンの取り付けが苦手で配線も面倒なために、あえてリアル感を犠牲にした。
2.シーナリーはディティールを重視せず、雰囲気だけを求める
たとえば山は木を一本ずつ植えるのでなく、フォーリッジの貼付けで繁りを表現する、などなど…。
3.ストラクチャーは市販品を用い、自作・加工はなるべくしない 
自作すると時間や手間がかかりすぎるので、豊富になった市販品をそのまま使う。
4.点灯式の信号や自動の踏切等のギミックは使用しない
装置自体がオーバースケールであり、人や自動車は静止しているのだから。
5.夜景は無視する
車両には室内灯を一切付けておらず、初期の製品には前照灯が点灯しないものもあり、またストラクチャーすべてに照明を組み込むのは無理。確かに夜景も捨てがたいが、一部分にしか照明装置がないならと、すっぱりと切り捨てた。
6.コントロール方式はシンブルにする
各線ごとのブロックコントロール方式とし、ポイントスイッチ等も市販品でまとめる。
 こうして見ると相当な手抜きという感じがしないでもないですが、過去の経験から、製作が途中でストップするのは技量や資金の不足が原因であるとわかっているので、そうならないための「方針」なのです。

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